電話応対でCS向上事例

-医療法人徳真会グループ 株式会社ゼネラル-
患者さまの自己尊厳の満足のために電話応対技能検定や社内コンテストを実施

記事ID:C20128

全国で歯科医療を展開する徳真会グループは、患者さまの安心と自己尊厳を支える接遇を重視し、電話応対技能検定などを活用して第一声から信頼を生む人材を育成しています。人にしかできない一流ホテル並みのホスピタリティを追求する取り組みと今後の展望をうかがいました。

事業概要と電話応対部門の役割についてお聞かせください。

取締役社長 斉藤 隆史氏

斉藤氏:歯科医療事業を展開する徳真会グループは、国内では全国30ヵ所の直営歯科クリニックを運営し、外来診療のほか、高齢者施設や個人宅への訪問診療を行っています。また、異なる事業として全国5ヵ所で保育園を運営しています。さらに、グループ会社である歯科技工物を製作する「ワールドラボ」は、国内、アメリカ、ミャンマー、タイで展開しています。
 患者さまからの予約や問い合わせに関するお電話は、基本的に各クリニックの受付スタッフが応対しています。スタッフの多いクリニックでは3~4名で応対できる体制を敷いていますが、場合により歯科助手や医師が電話に出ることもあります。また、本部にコールセンターを置き、どこに相談すればよいか分からない場合や苦情・要望などクリニックに直接伝えにくい内容を受け付けるなど、総合窓口の役割を果たしています。なお、一部デジタル活用も進み、予約日前のリマインド通知や来院案内はSNSやショートメッセージの機能を利用しています。
 一口に患者さまといっても小児から高齢者まであらゆる年代の方がおり、また、訪問診療で高齢者施設の利用者さまと関わる機会も多くあります。そうした中で、電話に応対する上で最も重視しているのは「第一声」の受け取り方です。ベテランの受付担当者になると、電話の第一声だけで誰からの電話か分かると言います。「○○様、本日はいかがなさいましたか」と名前を呼びかけるなど、自然な印象を与える応対は患者さまの安心感や自己尊厳の満足にもつながるため、第一声を重要な要素として考えています。

医療技術以前に接し方の技術が重要

電話応対に関する課題と対策について教えていただけますか。

歯科医院での患者さま対応の様子

斉藤氏:当グループでは、「1. 安心安全」「2. 患者さまの自己尊厳の満足」「3. 快適さ」「4. 利便性」「5. 公正・公明・透明性」「6. 適正価格」の6つのベネフィットの提供を経営理念に掲げています。これらは1981年の徳真会グループ創業以来変わらない哲学であり、時代に合わせて手段は変化しても理念は変えないという考えを徹底しています。患者さま本位の姿勢は、日々の診療体制にも表れています。その一例が、年末年始も診療を続けていることです。休診する医療機関が多い時期だからこそ、急な痛みやトラブルで困る患者さまを受け入れる必要があるとの考えから、創業時より診療を継続してきました。採算性だけで判断するのではなく、必要とされるときに応えることも、同グループが掲げる「安心・安全」や「患者さまの自己尊厳の満足」を形にする取り組みです。こうした考え方のもと、人材育成への取り組みにおいては、医療技術のレベルの高さと同じくらい、スタッフの接遇力向上を常に重視しています。歯科医療での治療では、患者さまに高額な製品やプランを選択いただくこともあります。歯科治療は、体の一部である「歯」だけを見て治せばよいというものではありません。まず、患者さまと対面し困りごとをしっかりお聞きすることで、ようやく治療にかかれるのです。つまり、医療技術以前に接し方の技術が重要なのです。こうした点からも、正しい言葉づかいや分かりやすい説明、丁寧な電話応対は不可欠なものだと考えています。特に新入社員教育では、対面や電話応対における敬語や接遇・マナーといったスキルの向上を重要な要素として位置づけています。
 そうした視点で現場を見てみると、正しい言葉づかいをはじめとしていくつかの課題が挙げられます。そこで、若手だけでなく中堅社員も含め、敬語の誤用や第一声の印象、声の明るさ、身だしなみといったテーマを取り上げ、現在、改善のための取り組みを進めているところです。

検定をキャリアアップの要件に組み込む

電話応対技能検定(もしもし検定)への取り組みについて教えてください。

電話応対技能検定の研修の様子

斉藤氏:2026年6月、研修機関であるマナフィスさまの指導のもと、新入社員を中心に電話応対技能検定4級に取り組みました。46名が受検し全員合格、さらに100点満点の受検者も複数名出るなど、高い成果を収めることができました。今後は3級、2級への挑戦も視野に入れており、特に受付担当者には上位級の取得を推奨しています。また、社内の仕組みに検定を取り入れ、キャリアアップの要件へ組み込むことも検討しています。AIなどにより応対の自動化が進む社会状況だからこそ、“人にしかできないホスピタリティを大切にする”という会社の指針を明確に示すメッセージになると考えています。
 検定への取り組みについてですが、合格者を増やすことだけを目的としているわけではありません。学習を通じて、適切な言葉づかいや声の印象、相手に配慮した説明方法などを共通の基準として共有し、日常の応対に定着させることを重視しています。今後、上位級への挑戦やキャリアアップ要件への組み込みが進めば、スタッフが継続して学ぶ動機になるだけでなく、経験や個人差に左右されやすい接遇の品質を、組織全体で安定させる効果も期待できます。

社内コンテストの様子

 また、当グループ独自の社内コンテストがあり、年2回実施しています。 電話応対以外にもさまざまなテーマがあり、「カルテ開示・説明」をテーマにしたコンテストでは、患者さまへの説明の分かりやすさや、表情・ジェスチャー、身だしなみやホスピタリティといった項目で審査を行うなど、接遇力向上につなげています。

一流ホテル並みの高いホスピタリティを目指して

最後に、今後の目標などについて教えてください。

研修運営事務局 冨永 拓真氏

冨永氏:電話応対技能検定の受検を通じて、接遇やホスピタリティに関する共通言語が社内に生まれつつあります。今後は継続的な教育体系の中に位置づけ、社員一人ひとりの成長と患者さま満足の向上につなげていきたいと考えています。

社会貢献(震災復興)活動

斉藤氏:医療に従事する法人として、今年(2026年)7月28日に発生した熊本地震の際には、被災地支援へ積極的に取り組みました。翌29日には、福岡エリアのスタッフが物資支援を開始し、八代市と連携して、高齢者施設への電話調査、必要物資の提供、訪問口腔ケアを実施しました。数百人規模の高齢者に対して口腔ケア支援を行い、地域医療への貢献を果たすことができました。今後ですが、当グループとしては、歯科医療、歯科技工、歯科材料、関連事業を連携させた「歯科コンツェルン」の実現を目指しています。また、患者さま応対においては、AIなどによる業務効率化を図るとともに、一流ホテル並みの高いホスピタリティを歯科診療所で提供することを目指して、接遇教育の強化やホスピタリティの品質向上を進め、「患者さまの自己尊厳の満足」を実現する組織づくりのための取り組みを継続していきます。

会社名 株式会社ゼネラル
設立 1996年(平成8年)7月
所在地 新潟県新潟市秋葉区美幸町3-2-25
取締役社長 松村 博史
事業内容 歯科訪問事業、清掃事業、保育事業ほか
URL https://www.tokushinkai.or.jp/
〔ユーザー協会会員〕

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