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  • ICT導入事例 -岩田地崎建設株式会社-

    ICTの積極活用により、工事の作業工程を効率化。職場環境を改善し、競争力を強化 …

    業務効率化コスト削減
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    ICTの積極活用により、工事の作業工程を効率化。職場環境を改善し、競争力を強化

    北海道に本社を置き、東北から九州まで各地に支店を持ち、海外でも事業を展開する岩田地崎建設株式会社は、工事現場での作業支援からBIM※1・CIM※2まで、ICTを広く導入。工事の的確かつ効率的な遂行と、若手育成、働きやす い職場環境の実現や競争力の強化を目指しています。
    • 【導入の狙い】ICTを活用し、工事の精度向上と効率化、技術の確実な伝承、働きやすい職場を実現する。
    • 【導入の効果】ICTの支援により作業効率が向上し、職員・作業員の負担が軽減され、職場環境の向上につながった。

    ドローンにレーザースキャナーを搭載し「見えない地形」も正確に測量

    人が機械を動かし、技術は人から人へ伝承されていく。そうしたイメージがある土木建築業にも、今ICT化の大きな波が押し寄せています。

    北海道札幌市に本社を置く岩田地崎建設株式会社は、創業90有余年の歴史を誇る総合建設会社です。同社は2017年に、社内にICT推進部を設置し、「ICT活用工事」を積極的に進めています。

    「ICT活用工事とは、GPSや無線LAN、インターネットなどの情報通信技術や、三次元モデルを活用する工事のことです。例えば、設計と工程の見える化を行う『BIM/CIM』などを用いて業務プロセスの改善に取り組み、『調査・設計・施工・維持管理』という一連の建設生産管理システムの効率化により生産性の向上や品質確保を目的とする工事手法などです」(山田氏)

    ICT推進部推進課 課長 山田 雅氏

    ▲ICT推進部推進課 課長 山田 雅

    こうしたICT活用工事の導入例の一つが、工事着手時の測量です。

    「工事には、事前の地形の測量が不可欠ですが、傾斜地など人の立ち入りが容易ではない場合も少なくありません。そのような場合に活躍するのがドローンです。ドローンを測量対象となる場所に飛ばし、上空から撮影した画像を解析しデータとして活用します」(柴﨑氏)

    「最近はレーザースキャナーを搭載したドローンの活用も始まっています。土地が樹木に覆われている場合、肉眼や写真でその形状をきちんと把握することはできません。しかし、レーザースキャナーは樹木のわずかな隙間を通り、土地の形状を正確な三次元データとします。こうしたデータを活用し、掘削にかかる日数や生じる土量を細かく算出することで、作業日程の緻密な計画が可能となるのです」(山田氏)

    総務部広報課長 100周年事業推進室課長 柴﨑 真氏

    ▲総務部広報課長
    100周年事業推進室課長 柴﨑 真

     

    ウェアラブルカメラの映像を通じ、ベテランが複数の現場を遠隔指示

    また、人が行う作業そのものにも、ICTの活用が始まっています。

    「土木建築業の現場での確実な施工作業やその確認には、経験に裏づけられたベテランの知見が欠かせません。しかし、そうした人材には限りがあり、請け負う工事現場すべてに配置することは困難になりつつあります。そこで、作業員のヘルメットに装着したウェアラブルカメラの映像を遠隔地にいるベテランに音声とともに配信し、ベテランが質問に答えたり、指示を行うという作業支援方式がスタートしました。これならベテラン一人が複数の現場を管理できますし、作業員は空いた両手を使い、ベテランの監修の下で作業できます。また騒音の激しい現場でも確実なコミュニケーションを実現するため、ベテランの指示を作業員が装着したスマートグラス※3に文字表示する仕組みも取り入れています」(山田氏)

    「こうしたICTの活用は、作業そのものを効率化するだけでなく、若手労働者の習熟度を高める上でも大きな効果があります。“見えるもの”をベテランと共有し、会話を通じて『ここで何をすべきか』『確認すべきはどこか』といったベテランの知識を共有することが、“勘どころ”の理解をうながします。そうした経験を積み重ねることで、より早い成長が可能となるのです」(柴﨑氏)

    レーザースキャナー搭載のドローン

    ▲レーザースキャナー搭載のドローン

    地上型レーザースキャナー本体

    ▲地上型レーザースキャナー本体

    レーザースキャナーで計測した地下駐輪場のCIMモデル

    レーザースキャナーで計測した地下駐輪場のCIMモデル

     

    建物と図面を一体化した3Dデータで工事現場全体を画面上で即座に確認

    一方、ICTの支援で「現場でできること」を増やし、作業の効率化と作業員の負担を減らす仕組みの導入も進んでいます。

    「現代の土木建築工事に欠かせない3D CADソフト(コンピューター支援設計ソフト)はライセンスが高価で、また快適な利用には高性能なワークステーションが必要であることから、現場のノートパソコンでの利用は困難でした。しかし、現場のパソコンから本社サーバーにログインし、リモート操作する『CAD VDI※4』の導入で、作業員はオフィスに戻ることなくCADソフトが利用できるようになり、負担が大きく軽減しました。また市街地での地下工事を行う際、レーザースキャンした既存の建物の3Dデータと設計図面のCADデータを三次元で合成し表現する技術も実用化し、これまで何枚もの図面やイラストで行われていた工事関係者の意識合わせが画面上で即座に確認できるようになりました」(山田氏)

    ただ、こうしたI C T活用工事の導入には、課題もあったと言います。課題の中心となるのが、ICTという“新たなモノ”への、現場の戸惑いでした。

    「大規模な工事は弊社のほか、多くの協力会社と一緒に行います。そうした協力会社の職人には、長年培ってきた技術や仕事の進め方へのプライドがあります。協力会社にもICT活用工事のメリットを伝え、導入に協力してもらうことが必要です」(山田氏)

    「ICT活用工事による省力化、工期短縮といったメリットを、弊社だけが享受するのではなく、協力会社とも分かち合うことが、導入への大きなインセンティブになると思っています」(柴﨑氏)

    さらなるICTの積極導入で一層の効率化と働きやすい職場の実現へ

    こうしたICT活用工事は、今後の土木建築業界が抱える課題の解決に大きく役立つと期待されています。

    「土木建築業界も、少子化に伴う労働力不足に直面しています。ICT活用工事は設計から施工に至る各段階での工程を効率化し、これまでよりも少ない人数で対応可能とすることで、そうした労働力不足解決の処方箋になると考えています。また、ベテランの知見をより早く若手が吸収できる体制の構築や、現場でできることを増やし、労働時間を短縮するなど、働きやすく魅力的な職場環境の実現に大きく寄与するはずです」(柴﨑氏)

    「2020年にサービス開始予定の『5G通信』では、データの高速、低遅延、多数同時接続利用が可能になります。この5Gの導入で、ICT活用工事も大きく変貌するでしょう。今後も協力会社ともども最先端のI C T活用工事の導入を積極的に進め、短期間かつ正確な施工を実現し、競争力を高めていきたいと思っております」(山田氏)

    1. ※1 BIM:Building Information Modelingの略称で、コンピューターで作成した三次元の形状情報に、部屋などの名称・面積、材料・部材の仕様や仕上げなどの属性情報をあわせ持つ建物情報モデルを構築し、工事のあらゆる工程で活用するワークフローのこと。
    2. ※2 CIM:Construction Information Modelingの略称で、BIMの考え方を活用し、工事の計画・調査・設計段階から三次元モデルを導入し、事業関係者間でさまざまな情報を共有することで業務効率化を図る仕組み。
    3. ※3 スマートグラス:眼鏡型のウェアラブル(着用できるコンピューター)端末の総称。拡張現実(AR)技術により、現実の風景に文字や映像を重ね合わせて表示するものや、網膜に直接映像を映す網膜走査ディスプレイを用いるものなどがある。
    4. ※4 VDI:Virtual Desktop Infrastructureの略称で、デスクトップ環境を仮想化してサーバー上に集約したもの。利用者はネットワークを通じてサーバー上の仮想マシンに接続し、デスクトップ画面を呼び出して操作する。
    会社概要
    岩田地崎建設株式会社
    会社名
    岩田地崎建設株式会社
    創業
    1922年(大正11年)
    本社所在地
    北海道札幌市中央区北2条東17丁目2番地
    代表取締役社長
    岩田 圭剛
    資本金
    20億円
    事業内容
    建築工事、土木工事、舗装工事、その他建設工事全般に関する調査、企画、測量、設計、監理、施工、エンジニアリング、マネジメントおよびコンサルティングなど
    URL
    http://www.iwata-gr.co.jp/
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  • ICT導入事例 -九州オルガン針株式会社-

    IoT、AIの活用で工程を“見える化”、省力化で生まれた人的リソースを活かし、さ…

    業務効率化コスト削減
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    IoT、AIの活用で工程を“見える化”、省力化で生まれた人的リソースを活かし、さらなる成長を目指す

    ベテラン職人によるカンやコツなど、モノづくりの現場には“見える化”されていない「職人の技術」が多数存在します。九州オルガン針株式会社は、IoTやAIで属人性のあるカンやコツを“見える化”するとともに、省力化、効率化を実現し、新たな分野へも積極的にチャレンジしています。
    • 【導入の狙い】経験から生まれたカンやコツを“見える化”し、効率化を図るとともに、社内で技術を確実に継承する。
    • 【導入の効果】生産現場管理の大幅な省力化を達成。今後は検品現場へのAI導入で統一感ある品質管理を目指す。

    1日あたり約60万本の工業用ミシン針を生産、グループシェアは世界トップ

    九州オルガン針株式会社は、長野県上田市に本社を置くオルガン針株式会社の製造拠点として縫製業者が使う工業用ミシン針と精密部品を製造しています。

    「弊社は、来年が設立50周年という長い歴史を持つ会社です。弊社を含むグループ全体で、工業用ミシン針の世界シェアで約3割を占めています。工業用ミシン針はニット、デニムなど生地の種類や『ミシン目を目立たせたくない』などの目的に合わせて作られるため2,000種類にものぼり、1日あたり約60万本を生産しています。またミシン針作りで培った経験を活かし、医療向け、工業向けの精密部品も手がけています」(江藤氏)

    取締役 管理本部長 江藤 怜氏

    ▲取締役 管理本部長 江藤 怜

    「弊社はミシン針を作る機械そのものも内製化しており、そうした機械作りのノウハウも、弊社の強みとなっています」(早野氏)

    同社は機械内製のメリットを活かし、早い時期から合理化に取り組んできました。

    「ミシン針は、原材料となる線材をカットし、熱処理と冷間鍛造※による成型などを経て製品となります。熱処理で発生する“曲がり”を矯正する工程は、かつて手作業でしたが、当社創業当時の約半世紀以上前から、本社で開発した自動曲がり矯正機を導入しております。当初は回転する針を接触式センサーで測定する方式でしたが、その後改良を重ね、現在はより精度の高いレーザーセンサーを使用しています」(江藤氏)

    取締役 生産本部長 早野 守氏

    ▲取締役 生産本部長 早野 守

     

    内製の機械を改良、異常発生の警報をIoTにより一元管理し、合理化を実現

    このような機械による合理化にも課題はありました。

    「矯正機での測定、矯正には一定の時間がかかります。ここがボトルネックとなり生産速度の足を引っ張らないようにするため、広い工場内に多数の矯正機を並べ、同時に処理する必要がありました。現在その台数は約100台で、これだけの台数になれば部品の劣化や不具合などで調子の悪くなる機械も出てきます。その確認のため、かつては5~6人の職人が現場に張りつき、機械ごとに備えつけられた異常を知らせるランプが点灯すると確認し、調整、修理する業務にあたっていたのです」(早野氏)

    この状況は2018年、改善に向け大きく前進します。

    「前年、ICT関連のセミナーに参加した社長が『IoTによる一元管理』を決断し、その導入に踏み切りました。まずそれぞれの機械に複数のセンサーとタッチパネル対応の液晶ディスプレイを取りつけ、稼働状況を“見える化”しました。そしてそのセンサーの情報を工場内に設置したパソコンに転送し、画面上で一覧表示できるようにしたのです。内製の機械で構造が分かっているため、そうした改良は容易でした」(菰田氏)

    「この仕組みを導入したことで、現場で機械を常時監視する人員は1名で済むようになりました」(早野氏)

    生産本部 生産技術部 生産技術課 課長代理 菰田 賢人氏

    ▲生産本部 生産技術部
    生産技術課 課長代理 菰田 賢人

    工場に並ぶ針の矯正機

    ▲工場に並ぶ針の矯正機

    IoT集中監視モニター

    ▲IoT集中監視モニター

     

    過去の取り組みにおける“資産”を再利用、AIによる自動検品の実現を目指す

    このIoT導入はさらなる発展も見越しています。

    「今はセンサーが拾うデータを稼働状況の監視に使っているだけですが、将来は蓄積したデータを活用し、機械ごとの個体差の縮小や保守のさらなる合理化を進めていきたいと思っています」(江藤氏)

    その一方で、AIにより最終検品作業を自動化するプロジェクトも動き出しました。

    「弊社は従来から最終検品として人の目による全数検査を行っています。実は2002年、この工程の合理化を検討し、カメラを使った検品にチャレンジしました。30万画素のモノクロ撮影ができるカメラを8台設置し、回転する針のシルエットを360度全方向から撮影できる装置を開発し、歪みや曲がりは不良と判定し自動的に弾く仕組みでした」(江藤氏)

    「ところが、シルエットだけでは精緻な判定ができなかったことに加え、処理速度も遅く、さらに人の目を介さなければならないので満足のいく結果が得られませんでした」(早野氏)

    しかし技術革新が、このチャレンジにもう一度息を吹き込みます。

    「同じ装置に新たに500万画素のカメラを装着し、撮影した画像をAIが判断し、判定する仕組みに取り組んでいます。今度のカメラは表面の仕上がり具合までカラーで撮影できます。現在、針の種類ごとに『良品』と判断できるサンプル画像をA Iが学習している段階で、2019年の夏以降に実際の試験を予定しています」(菰田氏)

    「針は曲面のため、撮影時に反射する部分も出てきます。それをきちんと撮影できるかどうかが、導入にあたっての課題でした。しかし以前のチャレンジでカメラの装着などを試行錯誤した結果が活かされました。今は試験の開始が待ち遠しいです」(江藤氏)

    合理化、効率化で得られた人的リソースの余裕を成長分野に投入

    これら同社の一連の取り組みの背景には、未来に向けた展望があります。

    「弊社は創業時に入社した社員が定年を迎える時期になっています。今後もベテラン社員の退職は続き、技術継承が課題になっています。こうしたIoTやAIの導入で、これまでベテランのカンやコツに頼っていたノウハウを数値化、可視化することが、人に頼らない高品質なモノづくりの強固な礎になると思っています」(江藤氏)

    「IoT、AIの活用は、人によるバラつきを防ぐこともできます。例えば製品の品質についても、お客さまが望む範囲のものをきちんと納品することが可能となり、低品質製品の混入はもちろん、過剰品質によるコスト高も抑えることができるはずです」(菰田氏)

    「生産、検品の省力化で生まれた人的リソースを、これからの成長分野である精密部品部門に振り分け、さらなる成長を目指していきたいと思っています」(早野氏)

    1. ※ 冷間鍛造:常温(室温)下で金型工具を用いて、金属材料に外的な力を与えて加工(圧縮成形)すること。
     
    会社概要
    九州オルガン針株式会社
    会社名
    九州オルガン針株式会社
    設立
    1970年(昭和45年)6月1日
    本社所在地
    熊本県玉名郡玉東町稲佐288
    代表取締役社長
    髙沢 昌則
    資本金
    1億3500万円
    事業内容
    ミシン針製造・精密部品製造販売
    URL
    https://www.kyushu-organ.co.jp/
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  • ICT導入事例 -株式会社上間フードアンドライフ-

    ICTの積極的な導入で経営に必要な数字を“見える化”、経営戦略を最適化 特集記事…

    業務効率化
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    ICTの積極的な導入で経営に必要な数字を“見える化”、経営戦略を最適化

    原価率、粗利益などの経営判断に必要なデータが明らかになるのは、一定の締め日以降というケースも少なくありません。株式会社上間フードアンドライフは、ICTを活用してこのタイムラグをなくし、迅速な経営判断を可能としました。
    • 【導入の狙い】ICTを活用して原材料の仕入から、お客さまからの注文、会計までをシームレスに管理する。
    • 【導入の効果】会計の「締め」を待つタイムラグを撤廃。リアルタイムの“見える化”で経営戦略を最適化。

    “どんぶり勘定”の家業を継いで、負債2億円からのスタート

    株式会社上間フードアンドライフは、沖縄県において、持ち帰りの弁当店、仕出しなどを手がける食品関連企業です。

    「看板商品は、『沖縄天ぷら』です。これは、例えば関西圏で言うたこ焼きのようなソウルフード(その地域で親しまれている郷土料理)で、沖縄の人はおやつ感覚でいただきます。またソース、ケチャップ、マヨネーズなど、人それぞれにいろいろな味つけで楽しめるので、ほかの地域の天ぷらとは違いますね」(上間氏)

    上間氏は大学を卒業後、すぐに同社の経営に携わることになりました。

    「就職活動もしないままでいた自分に、両親から『店を継がないか』という話がありました。実際に経営に関わる数字を見たところ、“どんぶり勘定”で驚きました。売上は1億円なのに、負債が2億円となっていたのです。これはなんとかしなければと考え、経営を必死で勉強しました」(上間氏)

    代表取締役社長 上間 喜壽氏

    ▲代表取締役社長
    上間 喜壽

    注文システムを独自に開発、原価率や粗利益を“見える化”

    上間氏はまず新設した工場の生産能力に着目しました。

    「明らかに供給過剰でした。キャッシュフローを改善するためには、販売量を拡大する必要がありました。そこで目をつけたのが、沖縄における冠婚葬祭行事のマーケットです。沖縄には独特の先祖崇拝の文化があり、親戚一同が集まる時には100人、200人の仕出し注文も珍しくありません。また価格競争の激しい弁当とは異なり、単価も高く、仕出し部門では強力な競合相手が存在しませんでした。そして、どんぶり勘定であった経営環境への反省から、Excelを使い、仕入価格や販売数などのデータを入力することで経営状態を把握するために必要な数値が得られる仕組みを作り、改良を重ねました。その後は自社オリジナルの注文システムを構築しました」(上間氏)

    この注文システムにより、手書き伝票の再入力や数字の誤記もなくなり、業務効率は大きく向上しました。さらにコストを抑えつつ、弁当店の新規開店も進めました。

    「1店舗あたり500万円という出店コストを実現するため、iPadを使ったPOSレジを自社開発し、注文システムと連携させました。現在は原材料の単価なども反映させることで、商品一つひとつの製造原価や粗利をリアルタイムで確認できます。また本部のシステムで商品価格を変更すると、変更された商品価格は各店舗にて即時反映されます」(上間氏)

    クラウド会計システムと社内システムをつなぎ経理処理も迅速化

    こうした数字の“見える化”をさらに進めるため、現在は、クラウドの会計システム「freee」も導入し、リアルタイムで経理データを参照することも可能になりました。

    「従来は、さまざまな伝票を税理士さんに渡し、数字をまとめてもらっていたので、報告が上がってくるまでのタイムラグがありました。しかし経営の舵取りをする中、そのタイムラグが待てなかったのです。POSレジと注文システムはすでに稼働しているので、それらと連携する会計システムを導入することで、経理のリアルタイム処理が実現しました」(上間氏)

    上間氏は、これまで進めてきたICT化を、次のように振り返ります。

    「ICT化そのものが目的ではなく、経営に必要な数字が把握できるようにする過程でICT活用が不可欠だったということです。飲食関連事業では、売上が上がっているという理由で事業を拡大した結果、経営が行き詰まってしまう例が少なくありません。それは原価率や粗利など経営判断に必要な数字が見えないまま突き進んでしまうからなのです。ここをリアルタイムで“見える化”したいという気持ちが、ここまでのICT化につながりました。そして、それをローコストで可能にしたのは、自社で設備を持たずに済み、また、さまざまなシステムと柔軟に連携できるクラウド会計システムを導入したおかげです」(上間氏)

    天ぷらを“再提案”して、海外も視野に入れたさらなる発展を

    上間氏は、将来的にさらなるICTの活用も検討しています。

    「顔認証カメラの利用拡大です。現在は撮影した画像を統計的に処理して男女比やリピーターの購買傾向を探っている時期ですが、次の段階ではリピーターの来店をスタッフに知らせる仕組みを考えています。来店回数に応じたクーポンを、スタッフの『いつもありがとうございます』といった声かけとともに手渡しすれば、ロイヤルティの向上にもつながるはずです。個人情報の管理との兼ね合いから、導入には顔写真を含む会員登録制度の確立が不可欠になりますが」(上間氏)

    最後に上間氏に、今後の事業の展望についてうかがいました。

    「事業をさらに拡大するにあたり、『天ぷらを再提案したい』と考えています。天ぷらはいわば国民食の一つなのに、牛丼やラーメンと違い複数のチェーンが多店舗展開する状況になっていません。そこでカジュアルな天ぷら店を展開したいのです。また天ぷらは『TEMPURA』として海外でも知られています。アジア各国から近いこの沖縄から、訪日外国人のお客さまに『沖縄に海を見に行き、天ぷらも食べた』とSNSで発信してもらえれば、市場は大きく広がり、将来的には海外進出が実現するかもしれません。そうした未来を信じ、ICTの力を積極的に活用しながら、事業を進めていきたいですね」(上間氏)

    会社概要
    株式会社上間フードアンドライフ
    会社名
    株式会社上間フードアンドライフ
    創業
    1948年(昭和23年)7月1日
    本社所在地
    沖縄県沖縄市登川3-23-20
    代表取締役社長
    上間 喜壽
    資本金
    990万円
    事業内容
    お弁当・惣菜販売、沖縄行事商品販売、各種仕出し販売
    URL
    https://uemabento.com/
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  • ICT導入事例 -株式会社LIXIL-

    AI-OCR の導入によりRPAの前処理を自動化し、ミス削減と業務効率化を加速 …

    業務効率化
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    AI-OCR の導入によりRPAの前処理を自動化し、ミス削減と業務効率化を加速

    株式会社LIXILは、AI-OCR※の導入で、手書き帳票類のデータ化を実現。コピー&ペーストなどの手作業をソフトウェアロボットが代替する「RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)」による業務効率化をさらに高めています。
    • 【導入の狙い】RPA利用の前段階で必要だった手書き帳票のデータ化作業を自動化し、効率を高めたい。
    • 【導入の効果】同一フォーマットの手書き帳票のAI-OCR によるデータ化で、処理速度の向上とミス低減を実現。

    「働き方改革」「業務効率化」実現のためRPAを活用

    株式会社LIXIL(リクシル)は水まわり製品と建材製品の開発・提供をするグローバル企業です。

    「社名の『LIXIL』は“Link to Good Living”のLiとLiを掛けた造語で、私たちは『世界中の人々のより豊かで快適な住まいと暮らしの実現』を目指しています」(髙橋氏)

    同社がAI-OCRを導入し、活用を進める背景には、働き方改革への全社を挙げた取り組みがありました。

    IT部門 システムインフラ部 IT次世代化推進グループ 髙橋 裕司氏

    ▲IT部門
    システムインフラ部
    IT次世代化推進グループ
    髙橋 裕司

    「長時間労働をなくすには、ICTを活用した業務の効率化が欠かせません。そうした観点から弊社では、現場各部門でのRPAの利用を進め、手作業で行っていたデータ処理の自動化を推進してきました。導入と活用は現場主導とし、必要と思われるロボット(シナリオ)を自分たちで作ってもらう仕組みとしました」(片岡氏)

    IT部門 システムインフラ部 IT次世代化推進グループ 片岡 麻希氏

    ▲IT部門
    システムインフラ部
    IT次世代化推進グループ
    片岡 麻希

    RPAによる効率化をさらに推進するため「手書き文字OCR」導入へ

    こうしてRPAは業務の効率化に大きく貢献しますが、その一方で別の課題が浮かび上がってきました。

    「弊社の現場の先にはパートナーさま、そしてその向こうにはパートナーさまの取引先であるビルダーさまなどがいらっしゃいます。そうした方々とのやり取りには、いまだ紙の帳票やFAX、PDFファイルが使われており、RPAに処理させる前段階のデータは、現場が手入力で作成する必要があったのです」(中村氏)

    「ここをなんとかして、RPAのメリットをさらに拡大したいと考えた現場から、OCRの導入を、という声が上がってきました」(髙橋氏)

    IT部門 システムインフラ部 IT次世代化推進グループ グループリーダー 中村 宏氏

    ▲IT部門
    システムインフラ部
    IT次世代化推進グループ
    グループリーダー
    中村 宏

    もちろんIT部門も、そうした“手作業”が効率化の妨げになっているという認識を持っていました。しかし単なるOCRでは、手書き文字やFAXで送られてきた帳票を正確に読み取ることは困難です。

    「そこで2018年初頭から、AIのサポートで手書き文字も認識可能な『AI-OCR』の導入を検討しました。導入にあたっては、手書き文字認識対応を謳う複数社の製品を業務の現場に持ち込み、使い勝手や認識率を確認するテストを数ヶ月にわたり行いました」(髙橋氏)

    そうした検証の結果、最終的に選定されたのが、AI inside(エーアイ・インサイド)株式会社の「DX Suite」です。

    「導入のポイントとなったのは、手書き文字の認識率の高さに加え、操作が分かりやすいこと、セキュリティの高さ、そしてディスプレイ上で読み取った内容の修正ができることなどです」(中村氏)


    AI-OCRとRPAの連携で効率化が加速。現場からはさらなる期待も

    現場への導入は2018年11月から始まり、RPAにより実現した業務効率化がさらに加速しました。

    「今回導入したAI-OCRは、事前に帳票のフォーマットをスキャンして読み込ませたい箇所を登録します。導入のメリットを最大限に活かすため、処理枚数の多い帳票フォーマットを中心に登録し、運用を開始しました。月に1~2枚だけのフォーマットなら人間が作業してもそれほど時間は変わりません。しかし100枚、200枚の同一フォーマットでは、AI-OCRで処理時間が大きく短縮できます。そして、手作業よりもミスの発生率低下が期待できます。もちろん、AI-OCRも万能ではありません。枠からはみ出たり、判別しにくいものは最終的に人の目で確認しなければなりませんが、それでもAI-OCRからRPAまでの処理をトータルで考えると、大きく効率化が進展しました」(髙橋氏)

    「ある意味、AI-OCRは人間のサポート役ですから、その段階での100%は求めていません。最終的に基幹システムにデータを引き渡すまでのどこかでエラーチェックが行われ、データの誤りが検知できれば良いと思っています。そうした仕組みを考えることが、私たちの役割だと思っています」(中村氏)

    こうして現場の負荷軽減に役立ったAI-OCRには、そのメリットを実感した現場から、さらなる改良への期待が寄せられています。

    「現在、約20部署で利用が進んでいる中で、フォーマットの登録がなくても帳票類を読み取る機能がほしいという要望が特に上がっています。β版としてご提供いただき、利用し始めたところなので、今後の正式なリリースへの期待が非常に大きくなっています」(髙橋氏)

    AI-OCRの使用イメージ。手書き文字の認識率が高く、ディスプレイ上で読み取った内容の修正もできます。
    ▲AI-OCRの使用イメージ。手書き文字の認識率が高く、ディスプレイ上で読み取った内容の修正もできます。

    AI-OCR導入がきっかけで、これまでの「仕事の流れ」を見直す動きも

    一方、AI-OCRの導入は、仕事の流れや方法について見直す機会にもなりました。

    「まず、今まで使ってきた各種帳票が、AI-OCRで使いやすいのかどうかという“気づき”です。例えば、用意された選択肢の中から数字を書いてもらう方式とチェックボックスにマークしてもらう方式とでは、どちらのほうが読み取りやすいかという判断もありますし、『きちんと書かなくてはならない』と思わせるフォーマットの作り方も検討課題です。また、内容は同一なのに複数のフォーマットが存在する帳票を統一し、パートナーさまなどに導入を働きかけることにも、今後注力していくことになりそうです」(髙橋氏)

    最後に、今後の展望についてうかがいました。

    「上から押しつけるだけでは、ペーパーレス化は進まないと思います。しかしパートナーさまが『LIXILへの注文は楽で、かつレスポンスも早い』と感じていただける仕組みを作れば、弊社からパートナーさま、さらにはその先のビルダーさまにもペーパーレス化が浸透すると思います。“ペーパーレスありき”ではなく、全員がメリットを感じることで、業務効率化を進め、競争力を高めていきたいですね」(髙橋氏)

    「現場では、設計図面に製品型番や発注数を書き込み、FAXでやり取りするということも、まだ日常的に行われています。これは図面と型番を照らし合わせて確認したほうが、寸法が足りないといった発注ミスを防げるからです。将来的にはそうした図面から必要な情報だけを読み取り、データ化できるAI技術に期待しています。そうなると、業務効率化はさらに大きく進展するでしょう」(中村氏)

    1. ※AI-OCR:紙やPDFなどの文字情報を電子化する技術がOCR(Optical Character Recognition/Reader=光学的文字認識)で、これにAI(人工知能)技術を取り入れたもの。

    会社概要
    株式会社LIXIL
    会社名
    株式会社LIXIL
    設立
    2001年(平成13年)10月1日
    本社所在地
    東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 霞が関ビルディング36階
    代表取締役社長
    大坪 一彦
    資本金
    346億円
    事業内容
    住まいの水まわり製品と建材製品の開発、提供
    URL
    https://www.lixil.co.jp/
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  • ICT導入事例 -特定非営利活動法人Chance For All-

    保護者とのコミュニケーションをペーパーレス化、業務効率と学童保育の質向上を両立 …

    業務効率化コスト削減
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    保護者とのコミュニケーションをペーパーレス化、業務効率と学童保育の質向上を両立

    学童保育施設を運営する特定非営利活動法人 Chance For ALL(チャンスフォーオール)は、予算に限りのある中で、クラウドアプリケーションを活用して業務を効率化。ペーパーレス化や時間短縮などを実現し、子どもたちへのサポートの充実を図っています。
    • 【導入の狙い】グループウェアを活用し、保護者との連絡方法をペーパーレス化に転換、内容の充実と業務の効率化を目指す。
    • 【導入の効果】保護者への「おたより」を週1度から毎日発行に。保護者との細かなコミュニケーションも実現し信頼性が向上。

    生まれ育った家庭や環境で子どもの人生が左右されない社会の実現を目指す

    特定非営利活動法人Chance For Allは、2013年、東京都足立区に学童保育施設を開設。現在は足立区と東京都墨田区にある合計8ヶ所の学童保育施設で、約300人の子どもたちが放課後や休日の時間を過ごしています。

    「私たちは『生まれ育った家庭や環境で子どもの人生が左右されない社会の実現』を目指す特定非営利活動法人です。共働き家庭では、学校が終わった後、家で一人で過ごすしかないお子さんもいます。そうしたお子さんをお預かりし、集団での学びや遊びを通じて成長を見守り、支援するのが、私たちの役割です」(中山氏)

    代表理事 中山 勇魚氏

    ▲代表理事 中山 勇魚

    クラウドアプリケーションの活用でペーパーレスと業務効率化を推進

    こうした施設における子どもたちの活動記録は、2017年まで、職員の手作りによる紙の「おたより」で、保護者に伝えられていました。

    「預かっている間の子どもの様子や出来事を毎週金曜日にまとめ、マネージャーの確認を経て週明けに印刷し、保護者に配布するというのが当初のスケジュールでした。しかし、ほかの仕事と重なると、作成が週明けにずれ込むこともたびたびでした。また『おたより』のほか、行事のプリントなども同時に用意するため、紙切れやインク切れ、プリンターの不調対応に時間を取られることもありました。そうした作業に時間を取られた結果、子どもに向き合う時間が短くなっていたのです」(中山氏)

    現職に就く前、ICT関連業界で働いた経験のある中山氏は、この課題の解決策をICTの活用に求めました。

    「各施設の業務は、クラウドアプリケーションを活用しています。例えば、毎日の“振り返り”として配布していた紙の『おたより』を、スマートフォンやパソコンでご覧いただけるように保護者の方に公開しています」(中山氏)

    さらに、保護者全員に送る共通の「おたより」のほか、子どもを介してやりとりしていた個別の連絡帳や請求書についても、限られた利用者だけが特定のページを閲覧できるように設定できるクラウドアプリケーションの拡張機能「じぶんページ」を使い、ペーパーレスへの移行が実現し、業務効率が向上しました。

    「2018年1月から1ヶ月間の移行期間を設けて、2月からは紙ベースでの連絡をなくしました。業務の一部だけに紙を使用していると課題はいつまで経っても解決しないと考えたからです。スマートフォンでの閲覧設定が分からない保護者の方がいるなどいくつかの問題はありましたが、最終的には私自身で各校舎を回り、保護者と対面して設定するなどして解決しました」(中山氏)

     

    職員自身がアプリケーションをカスタマイズすることで、保護者とのコミュニケーションが円滑化

    導入から1年が経ち、その効果を中山氏は以下のように考えています。

    「当初の課題であった職員の負担は大きく減る一方、これまで週1回、しかも遅れがちだった『おたより』を、連日お送りすることが可能になりました。また参加や不参加の返事をいただくことが必要な行事のご案内なども、確実にお届けできるようになりました。さらに、職員、保護者間だけでやりとりしていた連絡帳も、これまでは子どもが読んでしまう可能性を考慮して詳しい内容を書くことができませんでしたが、今では日中夜間を問わず、より深いレベルの連絡の交換ができるようになりました。従来、職員・保護者の双方が『わざわざ連絡、相談することかどうか…』と迷うような子どもの言動や様子などもすぐに共有できるようになり、子どもの見守りにも大きな効果が得られたと思います」(中山氏)

    学童保育施設内の様子▲学童保育施設内の様子

    また中山氏は、職員の働き方にも変化が表れたと言います。

    「ICT化により、連絡帳作成業務などで発生する夜遅くの残業が減り、勤務時間が朝型にシフトしました。また、職員自身がクラウドアプリケーションを自由にカスタマイズしたことで、業務活用するケースも増えてきました。例えば、消耗品管理はこれまでの担当職員による目視確認とExcelによる管理から、自作のアプリケーションによる管理に変えました。消耗品を持ち出す職員がそのアプリケーションに数値を記入すると在庫数に反映され、足りない水準になると担当職員に自動でメール通知されるというものです」(中山氏)

     

    ほかのNPOとも連携しながらICT活用を推進し、学童保育の未来と環境作りに尽力

    そして中山氏は、今回のクラウドアプリケーションによる「おたより」のデジタル化が実現した背景に、クラウド運営企業の理解が大きかったことを挙げます。

    「活用しているクラウドアプリケーションには、私たちのようなNPO向けに、初期費用として年額9,900円(税抜)で利用できるプランが用意されていたことが、導入した大きな理由です。『じぶんページ』にはランニングコストとして月額10,000円(税抜)+追加ユーザ料金一人あたり月額100円(税抜)がかかりますが、月額料金以上の業務効率化が実現したと思います」(中山氏)

    最後に中山氏に、今後のICTの利用について展望をうかがいました。

    「学童保育のICT導入は、公的な予算による支援が十分に受けられない状況です。そんな中、各地の学童保育NPOもそれぞれ工夫しながらICTによる業務効率化に努め、子どもと向き合う時間を増やすことを目指しています。現在もそうしたNPOと情報交換を進めていますが、今後もそうした取り組みをさらに続け、子どもが健やかに育つことのできる環境作りを進めていきたいと思います」(中山氏)

    組織概要
    特定非営利活動法人Chance For All
    組織名
    特定非営利活動法人Chance For All
    設立
    2013年(平成25年)
    本部所在地
    東京都足立区関原3-15-4
    代表理事
    中山 勇魚
    活動内容
    学童保育の運営、小学生の放課後に関する調査/研究
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  • ICT導入事例 -株式会社IBUKI-

    AIとIoTを事業に導入、ベテランが持つ技術の“見える化”を図り、デジタル職人集…

    業務効率化コスト削減
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    AIとIoTを事業に導入、ベテランが持つ技術の“見える化”を図り、デジタル職人集団を目指す

    AIやIoTなどの先進技術は、モノづくりに効率化をもたらします。しかし、その導入がニーズに合致していなければ、利用の拡大・発展は望めません。付加価値向上を目指して金型にIoTセンサーを装着し、AIの活用によりコスト削減に挑む株式会社IBUKIを取材しました。
    • 【導入の狙い】これまで職人の勘に頼っていた金型設計を各種センサーで分析、確実な技術伝承を目指す。
    • 【導入の効果】AIやIoTの知識を持つ職人を着実に育成。将来は技術の外販と職人のセカンドキャリア実現へ。
    IBUKIのAI&IoT活用概念図

    海外の競合先との差異化を図るため、職人のノウハウの“見える化”を推進

    株式会社IBUKIは、樹脂成形に使う金型の設計、製造を手がける金型メーカーです。

    「弊社では、お客さまから『このような樹脂製品を作りたい』というご依頼を受けて、金型を設計・製造しています。また、製品量産の前段階となる製造ラインでの試作も行います。安定した品質の樹脂製品を効率よく製造できる金型作りのノウハウが、弊社の強みです」(松本氏)

    しかし現在、日本の金型メーカーは中国や東南アジアの同業者に押され、金型の国内生産量は右肩下がりが続いています。

    代表取締役社長 松本 晋一氏

    ▲代表取締役社長 松本 晋一

    「それらの国では規模の大きな投資が続いていますし、正面からコスト競争をしても、厳しい戦いになります。私たちは金型成形だけで樹脂製品の表面に細かい模様を刻める独自の技術などで海外の競合先と差異化を図る一方、モノづくりにおいてもIoTやAIも積極的に取り入れ、これまで経験や勘に頼っていた金型作りのノウハウを“見える化”し、質の高い人材を短期間で育成することに役立てるべきだと考え、実践しています」(松本氏)

     

    自信を持って送り出したセンサー付き金型が注目されなかった理由とは

    ただ同社のこうした取り組みは、決して平坦な道のりではありませんでした。

    「最初のトライは、金型へのIoTセンサーの装着でした。金型内部へ温度センサーや圧力センサー、変位センサーを装着し、金型内部の状態を“見える化”しました。これまでは金型を取りつける機械によって最適値が異なり、専門知識を持ったベテラン技術者による調整が必要でした。しかし、センサーで最適値を見える化(数値化)することで、金型設計や成形技術を変革しようと思ったのです」(林氏)

    林 孝之氏

    林 孝之

    「その結果、納品先工場ラインでの品質安定化の時間が短縮できました。また金型の厚みを増せば、“バリ”と呼ばれる余分な形状の発生を抑えることができることも分かりました。しかし、こうした取り組みがその後大きな成果に結びつくことはありませんでした。私たちはこうした“見える化”がお客さまの製造現場で活かされることを期待していたのですが、ここに誤算があったのです。お客さまの多くは、多少の時間短縮や余分な形状であるバリの除去の手間削減が、お客さまのメリットにつながるとご理解いただけなかったのです。そこで次のステップでは、お客さまのニーズに合致し、広く受け入れていただける形での技術革新を重視しました」(松本氏)

     

    AIの活用を進め、よりお客さまニーズに合わせた展開へ

    「現在取り組んでいるのは、センサー類が収集した数値をAIが判断し、お客さま共通の課題である『不良品率の低下』に役立てようというものです。弊社のベテラン成形技術者は、成形製造現場で不良品が発生すると、かなり正確にその原因を言い当てます。このベテランのノウハウをAIに取り入れ、不良品発生時の製品やセンサーデータから製造成形工程のどの部分をチェックすれば良いかを判定する仕組みを実用化したいのです。この仕組みでは、IoTセンサーで収集したデータをAIの学習に活用し、その判断の精度を高めていくことも想定しています。こうして学習が進んだAIと金型をセットでお客さまに納品すれば、不良品が発生した時でも弊社の技術者を呼ぶことなく、直ちに対応策がとれることになり、設備設置から量産に入るまでの期間の短縮や、量産時の稼働率の向上により、コスト削減に貢献できることになります」(林氏)

    また同社は、金型製造のコストを下げる目的でも、AIの活用を進めています。

    「弊社には多くの切削工具があります。工具は使用とともに刃が摩耗し、そのまま使い続けると不良品の発生につながるため、交換や再研磨が必要です。しかし、これまで再研磨や廃棄すべき時期の判断は、時には顕微鏡も用いた職人の目に頼っており、人によるバラつきが発生したり、まだ使用できるのに安全をみて再研磨をしている可能性もありました。そこで現在、刃先を撮影した画像とベテラン職人の判断とを合わせてAIに覚え込ませ、AIが研磨すべき時期を確実に判断できる仕組みを構築中です。これが実用化すれば、再研磨の費用を抑えることができるだけでなく、切削工具の余分なスペアを持つ必要がなくなるため、試算では弊社の規模でもコスト削減は年間数百万円レベルとなります。たとえ導入に1,000万円かかっても、2年から3年で回収できる見込みです。そしてこれは、金型製作という事業分野だけでなく、機械工作に切削工具を利用する事業者であれば誰もが求める技術です。今年の春から外販を始める予定です」(松本氏)

    金型に取り付けられたセンサーからデータが送信されます

    ▲金型に取り付けられたセンサーからデータが送信されます

    ベテランの知見をAIに移植した「工具摩耗システム」

    ▲ベテランの知見をAIに移植した「工具摩耗システム」

     

    現場の職人がAIやIoTの知識を身につけ、モノづくりの他社との協業へ

    このほか同社は、大学の研究室、大手電機メーカーとも手を組み、機械工作分野での国家プロジェクトにも取り組むなど、事業の多角化も進めています。

    「目指すのは、“デジタル職人集団”です。わざわざA IやIoTの専門家に相談せず、職人自らがAIなどを駆使して業務効率を改善します。外部から支援にやってくるAIやIoTの専門家は、まず現場の業務の流れを把握しなくてはなりません。しかし、弊社の現場の職人がAIやIoTの知識を身につければ、モノづくりで培った経験を合わせ、スムーズな導入支援が可能になると思っています。そしてこれは、例えば70歳を超えたベテランのセカンドキャリアにもつながります。案外、AIもIoTも以前のプログラミング言語に比べると易しいです。また、『IBUKIにできるなら我々にもできるだろう!』と同業のやる気にもつながると思いますし、中小企業同士で教え合うことで、横の連携も強くなり、得意分野を活かし合う仮想企業体にもなると思っています。今はその助走の段階です」(松本氏)

    AIとIoTで、中小企業をどう変革していくことができるか。IBUKIの挑戦は続きます。

    会社概要
    株式会社IBUKI
    会社名
    株式会社IBUKI
    設立
    1956年(昭和31年)8月
    本社所在地
    山形県西村山郡河北町谷地字真木160-2
    代表取締役社長
    松本 晋一
    資本金
    7,800万円
    事業内容
    射出成形用金型の設計・製造、各種プラスチック成形品の試作及び量産、微細な特殊加工の研究開発、設計者/製造者向け金型・成形に関するノウハウの伝授及び指導、海外サプライヤー監査及び指導
    URL
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  • ICT導入事例 -フィデリティ証券株式会社-

    NPS®の導入でお客さまからの信頼度を把握、きめ細やかな施策展開が可能に 特集記…

    業務効率化
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    NPS®の導入でお客さまからの信頼度を把握、きめ細やかな施策展開が可能に

    お客さま満足度の調査は、ビジネスの成長において欠かすことのできない要素ですが、その結果を施策にどう活かすかは難しい課題です。フィデリティ証券株式会社は、NPS®※(ネット・プロモーター・スコア=顧客満足度調査)を活用、運用資産額や年齢層ごとにお客さまの満足度を測り、きめ細やかな施策に活用しています。 (※「NPS®」は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です)
    • 【導入の狙い】お客さまとの接点が多様化する中、お客さまのご希望を理解し、満足度を高めたい。
    • 【導入の効果】お客さまの属性に応じた信頼度向上施策を打ち出せるように、世界共通基準の調査で国ごとに違うお客さまの特性も明確化。
    図:NPSの測定手法

    商品訴求主軸からお客さま目線重視へと方針を転換、さらなる成長を

    フィデリティ証券株式会社は、世界各国で投資信託業務を展開するフィデリティ・インターナショナルの個人サービス部門として、厳選した投資信託と日本株の取引サービスを個人投資家向けに提供する証券会社です。

    「フィデリティでは『従業員一人ひとりがお客さまの満足を目指して行動することが、企業の成長や継続的な業績につながる』という思想を持ち、活動しています。これまでもその思想のもと、大きな成果を挙げてきましたが、これからのさらなる成長のためには、従来のプロダクトアウト、つまり『こんな商品がありますよ』とお客さまにご提案し、選んでいく手法でなく、よりお客さまの声やご希望に応えていくビジネスの展開が不可欠であると考えるようになりました。また、インターネットに代表されるデジタル通信手段の普及で、直接ご対面できないお客さまにもご満足いただけるような仕組みを取り入れたビジネス運営も必然となりました。そうした考えのもと、2013年に世界共通基準で導入したのが、NPS®です。フィデリティにはお客さまとのコミュニケーションを世界規模で行う専任のチームがあり、日本ではフィデリティ投信の中原がそうしたチームの責任者として、フィデリティ証券のNPS®を担当しています」(久保田氏)

    フィデリティ証券株式会社 執行役員 個人金融サービス本部長 久保田 誉氏

    ▲フィデリティ証券株式会社 執行役員 個人金融サービス本部長 久保田 誉

    「NPS®は2000年代の初頭、アメリカのコンサルタント会社であるベイン・アンド・カンパニーが開発した、顧客ロイヤルティ※1を図る指標です。NPS®では、例えば『フィデリティを知り合いに紹介したいと思いますか』といった設問に、最低の0から最高の10まで、11段階で回答してもらいます」(中原氏)

    フィデリティ投信株式会社 クライアント・エクスペリエンス&カスタマー・インサイツAPAC シニア・マネージャー 中原 宗保氏

    ▲フィデリティ投信株式会社 クライアント・エクスペリエンス& カスタマー・インサイツAPAC シニア・マネージャー 中原 宗保

    11段階の評価のうち、プラスと判断できるのは9段階と10段階のみ

    通常の顧客満足度調査では、11段階での4~6段階は不満がない、7~8段階はやや満足していると捉えるのが一般的ですが、NPS®ではこの評価が大きく異なります。

    「NPS®ではいただいたご評価のうち、0~6段階を『批判者』、7~8段階を『中立者』、9~10段階を『推奨者』とし、推奨者から批判者の割合を引いた値がスコアとなります。例えば批判者が40%、中立者が30%、推奨者が30%だとすると、スコアはマイナス10となり、かなり厳しいものです。これまでも弊社では顧客満足度調査を行ってきましたが、その結果についてはいかようにも解釈できる部分がありました。しかしNPS®は良いか、悪いか、それがはっきりするところが特徴です」(中原氏)

    このNPS®を、同社では海外のグループを含め共通利用するシステムで運用、その結果も施策にリアルタイムで反映できる仕組みを構築しています。

    「弊社のNPS®は、『Medallia※2』上で運用しています。調査の際は、ここから対象となるお客さまにメールが送られ、お客さまはメールに記載されたURLをクリックして設問に答えます。設問数は多くても10問程度です。弊社のお客さまには高齢の方も多く、当初はこうしたウェブを使ったNPS®にお答えいただけるかどうか不安もありましたが、現在では比較的高い回答率を得られています」(久保田氏)

     

    お客さまの属性ごとの満足度把握が容易になり、具体的な施策立案をサポート

    それでは、同社はNPS®で得られたデータをどのように活用しているのでしょうか。

    「Medalliaでは、お客さまの回答はサーバーに蓄積される一方、即座に営業担当社員にもメールで転送されるため、必要に応じてお電話を差し上げ、ニーズやご希望をうかがうなどのフォローができます。またコールセンターの端末とMedalliaも連携していて、オペレーターには必要に応じてお客さまのスコアを参照することもできます」(久保田氏)

    「またNPS®による調査では、お客さまを年齢層、運用資産額で区分し、その属性ごとにスコアを確認することができます。もし、特にご不満が多い属性があれば、ほかのアンケートやコールセンターからのフィードバックなどとも併せて掘り下げて、その理由を推察し、対応策を用意します」(中原氏)

    NPS®の国内での利用から約5年が経過し、同社はその手応えをしっかりと感じていると言います。

    「お客さまの声に向き合うことで、当初の目的であったお客さま志向のビジネス展開を着実に進めることが可能となりました。また各国で同じ質問を行うことで、例えば日本においては4~6段階の回答が多くなるなど、国ごとのお客さま特性の違いを経営陣、社員が国境を越えて把握、共有することが可能になりました」(久保田氏)

    「ターゲットとすべきお客さま像が明確になり、対応策の検討が具体化しました。また、その対応策に効果があったのかどうかも、NPS®を継続して行うことで評価が可能となりました」(中原氏)

    ほかのアンケートやお客さまの声と併せて分析し、NPS®のさらなる活用を

    最後に、NPS®の今後の展開についてうかがいました。

    「NPS®はあくまでトレンドや先行指標を測るものであり、問題がどこにあるのかを掘り下げるには、ほかのアンケートやお客さまの声との擦り合わせが不可欠です。そうした分析をさらに強化し、お客さまにご満足いただけるサービスの提供を目指したいと考えております」(中原氏)

    「メール、電話、ウェブなど、お客さまとの接点は多様化しています。年齢、運用資産額といった属性ごとのお客さまがどの接点にどのような印象や信頼感をお持ちなのか、お客さま情報も活用しつつ、属性や接点ごとに最適化したお客さまサービスを提供し、さらなるお客さま満足と信頼を獲得していきたいと思っています」(久保田氏)

    1. ※1 顧客ロイヤルティ:顧客が今後商品やサービスを利用し続けたいか、身近な人物に利用を勧めたいかという指標。
    2. ※2 Medallia:アメリカの企業メダリア社(Medallia, Inc. http://www.medallia.com/)が提供する顧客体験価値管理システム。
     
    会社概要
    フィデリティ証券株式会社
    会社名
    フィデリティ証券株式会社
    設立
    1998年(平成10年)4月
    本社所在地
    東京都港区六本木7丁目7番7号
    代表取締役
    デレック・ヤング
    資本金
    92億5,750万円(2019年1月23日現在)
    事業内容
    金融商品取引業
    URL
    https://www.fidelity.jp/
     
    フィデリティ投信株式会社
    会社名
    フィデリティ投信株式会社
    設立
    1986年(昭和61年)11月17日
    本社所在地
    東京都港区六本木7丁目7番7号
    代表取締役
    デレック・ヤング
    資本金
    10億円
    事業内容
    投資運用業、投資助言・代理業
    URL
    https://www.fidelity.co.jp/
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  • ICT導入事例 -田中藍株式会社-

    セキュリティ強化も視野に入れ、フリーアドレスを導入。業務効率化と職場環境改善で「…

    インターネット業務効率化コスト削減
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    セキュリティ強化も視野に入れ、フリーアドレスを導入。業務効率化と職場環境改善で「働き方改革」実現を目指す

    • 【導入の狙い】フリーアドレスで効率的な業務遂行と働きやすさを実現する。
    • 【導入の効果】内線感覚の電話で営業社員と事務処理担当者の連携が密に。社内のコミュニケーションも活発化。
    図:「オフィスリンク」を活用したフリーアドレス化の概念図
     

    フリーアドレスの導入で合理的な働き方の確立へ

    田中藍株式会社は、地域の名産品「久留米絣(くるめかすり)」に使う染料である藍の取引会社として1887年に創業、その後化学系染料が主流となる過程で化学品の専門商社へと業容を変えていきました。現在は原材料メーカーから化学品を仕入れ、加工品メーカーへと卸す専門商社を事業の主軸としつつ、住宅事業、介護関連事業など新分野への展開も図っています。

    「私は社長就任以来、合理的、効率的に仕事ができる環境をどう作っていくかを常に考えていました。その一つとして温めていたのが、フリーアドレスとリモートアクセスの導入です。社員全員に固定の席を割り振る従来型のオフィスでは、社員が外出中は使われないスペースの発生が避けられません。外出先からも社内のデータに自由にアクセスし、オフィスにいるかのように働けるリモートアクセスを用意し、フリーアドレスと一体化して運用すれば、職場スペースの削減が可能となります。これは賃料の抑制につながり、浮いたコストを社員の待遇改善に役立てることができます。また『どこでも働ける』という環境が実現できれば時間の活用が効率的になり、休日も取りやすくなります。これは中小企業の課題である『優秀な人材の確保』を手助けすることにもなるのです」(田中氏)

    代表取締役社長 田中 達也氏

    ▲代表取締役社長 田中 達也

    NTTドコモの「オフィスリンク」を採用し社内外での“内線通話”を実現

    フリーアドレスは、組織の壁を取り払い、社員間のコミュニケーションを活性化させ、自由で新しい発想が生むことを目的とし、1990年代、一時的にブームとなりましたが、紙資料の保管と閲覧、同じ部署内でのコミュニケーションなどに課題があり、定着しませんでした。

    「現在はオフィス内へのWi-Fiの導入、資料のデジタル保存などによるペーパーレス化が進み、パソコンやモバイル端末があれば社内のどこでも仕事ができるようになりました。つまりフリーアドレスのメリットをきちんと享受できる環境が整ったのです。さらにフリーアドレスとリモートアクセスによる業務効率向上は、『働き方改革』を進める上でも大きなポイントとなります」(田中氏)

    田中氏はフリーアドレスオフィスの実現のため、事務機器メーカーのショールームの見学や、フリーアドレスを導入した会社の視察も実施してきました。そして2018年秋、北九州支店のフリーアドレス化に踏み切りました。

    「北九州支店は、入居するビルのリフォームに伴い、別のフロアへの移転を打診されていたのです。この機会なら、オフィスを白紙の状態から構築ができるため、導入の好機だと判断しました」(田中氏)

    田中氏の指示のもと、フリーアドレスを検討するプロジェクトチームが結成され、具体的な設計やソリューションの選択が行われました。そして上がってきたアイデアが、営業系社員のフリーアドレス化とともに、NTTドコモの「オフィスリンク」を活用し、社員が社内外のどこにいても、携帯電話を内線電話のように利用できる環境の構築でした。

    「ドコモの『オフィスリンク』なら、従来から社員に支給していたNTTドコモの携帯電話がそのまま使えるため、導入もスムーズではないかと考えたのです。また『オフィスリンク』ではクラウド型のPBX※2も選択できますが、社内設備を有効活用するため、自社に備えることとしました」(田中氏)

     

    日々違う顔ぶれと触れ合うことでコミュニケーションが活発化

    こうしてフリーアドレス化された北九州支店では、働き方はどのように変化したのでしょうか。

    「導入当初に見られた、話したい相手がどこにいるか把握しにくいなど、『席が決まっていないこと』への戸惑いはすぐに解消しました。現在は社内外のどこにいても内線が通じるため、皆が各社員の“本日の居場所”を把握しています。固定の席を無くしたことで、以前より進めているペーパーレスとの相乗効果もあり、オフィススペースにゆとりができました。また隣にいつも同じ顔が並ぶこともなくなり、社員同士のコミュニケーションも活発になったようです」(田中氏)

    またオフィスリンクの導入で、業務の流れが効率的になりました。

    「私が日頃から営業系社員に『会社にいてもお金は稼げない。外に出て、お客さまのところを回るように』と指導していることから、営業系社員はほぼ外出しています。社外にいる営業系社員が社内の事務処理担当者に指示や依頼が必要になった場合、従来はいったん会社に外線で電話し、取り次いでもらう必要がありましたが、今回の導入で、外出先からも直接、事務処理担当者への通話が可能になりました。ただ、社内から外出中の社員への電話は『商談中かもしれない』といった気配りが必要なので、どのように運用していくかは今後の検討事項ですね」(田中氏)

    ▲日々違う顔ぶれと触れ合うことで社員同士のコミュニケーションも活発化
     

    「どこにいても働ける仕組み」の導入で、将来のさらなる成長を

    そしてこのフリーアドレスの導入は、同社がこれから進める改革の第一歩でもあります。

    「北九州支店はオフィス移転を契機とした導入でしたが、久留米本社、東京本社ともフリーアドレス化は既定路線です。さらに次のステップとして『オフィス内外を問わず働ける環境の構築』を目指しています。現在はセキュリティ上の理由から、業務用パソコンや営業資料をコピーしたUSBメモリーなどを社外へ持ち出すことを禁止しています。弊社は商社であることから日々、見積書、報告書を作成する作業がどうしても発生するため、営業系社員は出社する必要があります」(田中氏)

    田中氏は、こうした仕事の進め方をICTにより改革することで、効率的で働きやすい職場の実現を目指しているのです。

    「経営層や上級管理職は、スマートフォンやタブレットからセキュリティを確保した上で社外から社内のデータベースにアクセスできるようになっています。場所を問わない情報へのアクセスは、社内文書の決裁や承認がスピーディになり、意思決定が迅速になりました。今後はこうした仕組みを営業系社員にも展開する予定です。これが実現すれば、価格や在庫、納期などをお客さまの目の前で確認できるようになるため、商談もよりスムーズになり、競争力はアップするでしょう。また、こうした仕組みの導入後は見積書や報告書作成のための出社も最低限で済むようになるため、直行や直帰もより柔軟になり、高い成果を上げつつ、これまで以上に余暇を楽しむこともできるはずです。また“場所を問わない勤務スタイル”をさらに推し進めれば、育児など家庭の事情があっても、在宅勤務を選択し、働き続けることが可能になるかもしれません。そうした働きやすい職場を実現することは、これからの未来に向けての会社の責務です」(田中氏)

    フリーアドレスを端緒とした業務効率化は、魅力的な職場環境も同時に実現し、「成果」と「働きやすさ」の両立につながっていくはずです。

     
    1. ※1 フリーアドレス:社員が個々の自席を持たず、働く席を自由に選択できるオフィススタイル。
    2. ※2 PBX:Private Branch Exchangeの略。企業などの内部に置かれた電話回線の交換機のことで、内線電話の接続をコントロールするもの。
     
    会社概要
    田中藍株式会社
    会社名
    田中藍株式会社
    設立
    1948年(昭和23年)7月1日
    本社所在地
    福岡県久留米市城南町8-27(久留米本社)
    東京都港区虎ノ門2-3-17 虎ノ門2丁目タワー21F(東京本社)
    代表取締役
    田中 達也
    資本金
    3億3,000万円
    事業内容
    化学工業薬品、石油化学製品、染料、顔料、ゴム製品、油脂製品、合成樹脂及び成型品、非鉄金属、昇降機等の国内販売及び輸出入
    URL
    http://www.tanakaai.co.jp/index.html
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  • ICT導入事例 -横浜市役所-

    ごみの分別をAIがチャットで回答。電話応対する職員の負荷を軽減し、市民サービス向…

    インターネット業務効率化
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    ごみの分別をAIがチャットで回答。電話応対する職員の負荷を軽減し、市民サービス向上へ

    ごみの分別は資源の再利用に不可欠ですが、一方で自治体ごとにルールが異なることに戸惑う人も少なくありません。横浜市は、そうした分別の問い合わせにAIを導入し、24時間365日の的確な回答体制を実現しました。
    • 【導入の狙い】ごみの分別ルール回答を電話とAIにより複線化。「きちんと分別したい」という市民のニーズに昼夜の分け隔てなく答える。
    • 【導入の効果】1ヶ月あたり6万件の問い合わせをAIが処理。人的リソースの最適化で問い合わせ対応以外の業務への注力を実現。
    図:AIを活用した「ごみ分別案内」の概要図

    「10分別15品目」への問い合わせが週明けなどに集中

    横浜市資源循環局は、人口374万人を擁する横浜市で、廃棄物の収集、運搬、処理、処分を担当しています。また現在、「ヨコハマ3R夢(スリム)プラン推進計画」に基づき、「横浜らしい循環型社会」実現に向けての取り組みも進めています。

    「3Rはリデュース(Reduce=発生抑制)/リユース(Reuse=再利用)/リサイクル(Recycle=再生利用)という言葉の頭文字をとったものです。この3つのRのうち、特にごみそのものを少なくするリデュースにご協力いただけるよう、市民の皆さまにお願いしております。またリユース、リサイクルを推進するため、横浜市はごみを10分別15品目で収集し、市民の皆さまにも多大なご協力をいただいております」(江口氏)

    この「10分別15品目」というルールは特に多いわけではなく、全国の政令市においても標準的な分別ルールです。しかし、全18区の資源循環局収集事務所、そしてコールセンターへ、分別についての問い合わせ電話が多く寄せられていました。

    横浜市 資源循環局 政策調整部 3R推進課長 江口 洋人氏

    ▲横浜市 資源循環局 政策調整部 3R推進課長 江口 洋人

    「電話で多くのお問い合わせが寄せられることは、正しくごみを分別したいという市民の皆さまのお気持ちの表れで、ありがたいことです。そしてそうした電話に丁寧に受け応えするのも私たち資源循環局職員の業務です。しかし、人的リソースには限りがありますし、週明けの月曜日、年度末や年度初めなどの引越シーズンにはお問い合わせが集中するため、ほかの必要な業務に割く時間が十分に取れなくなることもあります。そのため、何らかの対策の必要性を感じていました。その一方で、市民の皆さまにより広くごみの分別ルールについての周知を行い、燃やすごみに混入している資源物を減らすことも課題となっていました」(江口氏)

     

    すでに整備されていたデータベースとAIを連携させ開発

    この課題は2016年8月、解決に向け第一歩を踏み出すことになります。それはNTTドコモによる、ある提案でした。

    「横浜市には公民連携、つまり役所と民間事業者の連携に関する窓口『共創フロント』があります。ここにNTTドコモから、AIを活用した連携ができないかという提案があったのです。共創フロントの事務局である政策局共創推進課がその提案を検討した結果、資源循環局での活用が決まりました」(江口氏)

    資源循環局では2011年より、品目毎のごみ分別に関わるデータベース「MIctionary(ミクショナリー)」の整備を進めています。当初300から500項目で始まったデータは、市民から問い合わせのあった品目を随時追加し、5年間ほどで約2万項目にまで拡大しました。そこで事務局はこのMIctionaryとAIとを連携させ、ごみの分別ルールについて、インターネットを使ったチャット形式で回答できないかと考えたのです。

    「導入に向けての作業は2016年10月に始まりました。資源循環局は、AIが利用者の質問に適切に答えることができるよう、質問のパターンとそれにどう返答するかというシナリオを作成するとともに、NTTドコモにより紐づけられた質問キーワードとMIctionaryデータの確認作業を担当しました。NTTドコモは、会話を実現するためのシステムを開発、調整しました。シナリオは資源循環局のキャラクターである“イーオ”から利用者への問いかけで始まり、『品目名だけ』『品目名+出し方』『品目名+手数料』といった質問を想定しています。AIは利用者の質問から品目がピンポイントで判断できる場合は適切と思われる答えを表示し、同じ品目でもサイズや素材により出し方が異なるものについてはそれぞれを例示します。また粗大ごみに該当するものは予約が必要なので、申込先へのリンクを表示します」(江口氏)

     

    “笑い”を生むユーモアのある答えがニュースになり認知度が向上

    また開発の過程では、共創推進課職員やNTTドコモを交えた三者による打合せを頻繁に行い、実証実験開始の直前までAIがより適切に答えることができるための調整やシナリオの確認を積み重ねました。そして2017年3月、資源循環局・ヨコハマ3R夢プランのマスコットを起用した「イーオのごみ分別案内」が、市民向けの実証実験で公開されました。

    「公開後はデータ収集のため積極的な利用を職員にも促し、適切に案内できなかったケースについて情報をいただき、こちらで確認、修正を行いました。ただこれだけ短時間で市民向けの実証実験へと進めることができたのは、MIctionaryというデータベースがすでに存在していたことによるものだと思います。もし分別についてのデータベース整備も並行して作業していたら、作業量は膨大になり、公開までの時間も長くかかったはずです。また、実証実験中は『夢は?』という“ごみ以外のもの”を問いかけた際に『……捨てないことが大事な気がするな』など、AIのユーモアある答えをニュースメディアが話題にしていただいたことで、認知度が大きく高まったと思っています」(江口氏)

    実証実験を終え、本格導入となった2018年4月以降、利用者から1ヶ月あたり約6万件※の問い合わせが寄せられています。

    「実はこの導入により電話の問い合わせ件数がどう変化したか、有意なデータは持っていません。ただ資源循環局各事務所、コールセンターともに問い合わせ受付時間が限られている中で、24時間稼働する『イーオのごみ分別案内』の果たす役割は大きく、実際に電話でのお問い合わせを受け付けていない時間の問い合わせは、全体の3割にも上っています。これだけ多くの人が分別に興味を持ち、ご協力いただいていることは、心強い限りです」(江口氏)

     

    近い将来の夢は多言語化、そして画像認識や音声認識の導入

    最後に、今後の展望や機能強化について話をうかがいました。

    「横浜市には今9万7,000人の外国人が居住し、その人口は今後も増えていくでしょう。海外のごみ事情は日本とは異なり、分別そのものの概念がない国もあります。現在『イーオのごみ分別案内』は日本語のみ対応していますが、今後はそうした外国の方に横浜市でのごみの分別を案内できるよう、多言語化を検討しています。またハンディキャップのある方がより不自由なく使えるよう、画像認識や音声認識も近い将来の課題です。さらに、粗大ごみをよりスムーズに出してもらえるように、混雑時期をプッシュ通知でお知らせしたり、分別以外のごみ全般についての問い合わせもAIが答えられるようにしたいというのが理想です。こうした理想が現実のものとなり、電話問い合わせによる職員の負担が少なくなれば、人的リソースをほかの市民サービスに向け活用ができるはずです」(江口氏)

     
    1. ※ 横浜市役所に寄せられた膨大な問い合わせのうち、資源循環局の「AIを活用したイーオのごみ分別案内」で対応した数値。
    組織概要
    横浜市役所
    組織名
    横浜市役所
    所在地
    神奈川県横浜市中区港町1丁目1
    市長
    林 文子
    URL
    http://www.city.yokohama.lg.jp/
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  • ICT導入事例 -神戸市役所-

    「検索ボックス」中心のデザインにリニューアル。目的の情報へのアクセス導線を大きく…

    インターネットHP作成
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    「検索ボックス」中心のデザインにリニューアル。目的の情報へのアクセス導線を大きく改善

    膨大な情報量を抱えるウェブサイトでは、利用者が必要な情報を見つけ出すことが困難で、豊富な情報が“持ち腐れ”になってしまうケースもあります。神戸市役所はウェブサイトのリニューアルを機にトップページを大胆に変更、「検索」を前面に押し出し使いやすさを大きく向上しました。
    • 【導入の狙い】検索により必要な情報にダイレクトにたどり着く導線を用意し、利用者の使い勝手を向上
    • 【導入の効果】キーワード検索でウェブサイト内を移動する利用パターンが増加。利用者からも高評価を獲得
    図:神戸市役所トップページ「検索ボックス」からのアクセス導線

    「多すぎる情報量」が、かえって利用者の使いづらさに

    人口約153万人(2018年10月現在)の兵庫県神戸市は、かつて大規模な地方自治体のウェブサイトに共通する悩みを抱えていました。

    「地方自治体のウェブサイトは、住む人、働く人、そして関連する企業や団体など、利用者のさまざまなニーズに応えるため、膨大な情報を網羅的に掲載しなくてはなりません。しかし情報量が多くなればなるほど、ウェブサイトのページ数も多くなります。私たち神戸市のウェブサイトもかつてページ数が11万ページ近くにも上っていました」(中務氏)

    利用者がこうした膨大なページから必要な情報を探し出す導線設計は、トップページから大カテゴリ、中カテゴリというリンクをたどる構造が一般的です。しかし中務氏は、それだけでは情報の整理が間に合わなかったと振り返ります。

    「最大の課題は『情報が見つけづらい』ということでした。神戸市では、私たち広報課がウェブサイトの構造を考え、担当の各部署が個別のページを作ります。この『見つけづらさ』の解消には、サイト内の導線の見直しが必要でした。そうした考えをまとめ、リニューアルの目的を定義した上で、2015年7月にコンペを行いました」(中務氏)

    神戸市 市長室 広報戦略部 広報課 中務 雅史氏

    ▲神戸市 市長室 広報戦略部 広報課 中務 雅史

    コンペにより「情報の探しやすさ」と「デザイン」を重視した提案を採択

    リニューアル前のウェブサイトは、アクセスするとまずカバーページが表示され、その次に多数のリンクが用意された実質的なトップページが現れるという構成でした。

    「コンペはこの2ページの新たな構成案を募集する形にしました。重視したのはまず情報の探しやすさです。これだけ大規模なサイトでは、リンクをクリックするだけの導線では限界があります。実は従来のサイトにも検索ボックスを用意しており、アクセスログからその利用率が非常に多いことが分かっていました。ですので、検索機能をより利用しやすい形にする必要性を感じていました。次に求めたのは、神戸市らしい大胆で突き抜けたデザインです。コンペの結果、ペタビット株式会社の案を選択し、同年7月に契約いたしました」(中務氏)

    ペタビット株式会社の提案は、トップページは検索ボックスと神戸市らしい写真や動画を配置するデザインで、利用者は検索ボックスにキーワードを入力するか、リンクをクリックすれば従来の実質的なトップページに移動し、求める情報にアクセスできるというものでした。

    「こうした大胆な変更には批判もあるだろうと思っていました。しかし、同年10月にベータ版を公開してアンケートを実施したところ、大半の方から肯定的な評価をいただきました。また地方公共団体に求められる障がいのある方、ご高齢の方の使いやすさについても、そうした分野で実績のあるNPO団体にテストを依頼し、問題ないという回答をもらいました」(中務氏)

     

    迷うことなく情報にたどりつける利用者が増加。「使いやすい」という高い評価も

    こうしてリニューアルされた神戸市ウェブサイトは、2016年2月に公開されました。

    「トップページの検索ボックスの下には、よく検索されるキーワードを5つ表示し、利便性に配慮しています。また、ここに市役所が特に訴えたいキーワードを配置することも可能です。さらに検索の精度を向上させるため、Googleカスタム検索も導入しました。例えば、単純な検索でイベント情報を調べると、直近のものではなく、過去のページが上位に表示されることもあります。しかしGoogleカスタム検索では、特定のキーワードで上位に表示されるページを指定できるため、無駄や回り道なく求める情報にアクセスすることができます。あとはリニューアルに合わせ、すでに不要と思われるページの削減も行いました」(中務氏)

    こうしたリニューアルの結果、使いやすさ、そして実際の利用状況はどのように変化したのでしょうか。

    「リニューアル直後に行ったアンケートで、『情報をとても探しやすい』『まあまあ探しやすい』と答えた人の合計は約85%、『目的の情報が見つかった』という人は約91%と、高い評価をいただきました。また、アクセス状況を確認したところ、リニューアル前と比べて、利用者一人あたりの閲覧数が少なくなっており、ウェブサイト内をあちこち迷わず、目的のページにたどり着いていると推測される行動が増えたことが分かりました。利用者が検索を積極的に活用し、目的の情報にたどり着きやすくなったことから、検索を軸にしたリニューアルは正しかったと考えています」(中務氏)

     

    コンセプトはほかの自治体にも波及。2019年はさらなるリニューアルも予定

    神戸市が先鞭をつけたこうした先進的な取り組みは、日本のほかの地方自治体にも広がりを見せています。

    「問い合わせも多く寄せられ、神戸市をモデルにしたと思われるリニューアルを行ったほかの自治体さまも、すでに現れています」(中務氏)

    最後に、今後の展望についてうかがいました。

    「このリニューアルからまだ2年ほどですが、2019年の秋には全面リニューアルし、CMS※を強化するとともに、すでにアクセス数で全体の6割を占めているスマートフォンへの対応をより一層進めていきます。また、ページの質についても、古くなった情報を削除してさらにスリム化するとともに、実際にページを制作する市役所内各部署への研修を通じ、より分かりやすさを追求していく予定です」(中務氏)

     
    1. CMS(Contents Management System):ウェブブラウザなどを使ってウェブサイトを管理・更新できるシステム。
    組織概要
    神戸市役所
    組織名
    神戸市役所
    所在地
    兵庫県神戸市中央区加納町6-5-1
    市長
    久元 喜造
    URL
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  • ICT導入事例 -丸文株式会社-

    “できること”から始めたペーパーレス化で組織のガバナンスを向上、コスト削減も達成…

    業務効率化コスト削減
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    “できること”から始めたペーパーレス化で組織のガバナンスを向上、コスト削減も達成

    エレクトロニクス商社の丸文株式会社は、内部統制強化及び業務効率化を目的として証憑書類※1のペーパーレス化を企画。2017年度に財務経理部のペーパーレス化を達成し、さらに営業部など他部門にもその適用が広がっています。
    • 【導入の狙い】監査で求められる証憑書類を電子化することで、検索性を高め、内部統制強化及び生産性向上を目指す。
    • 【導入の効果】証憑書類の検索性が向上、書類保管スペース縮小に伴うコスト削減。
    証憑書類の電子化(ペーパーレス化)のフロー図

    「総論賛成、各論反対」で挫折を繰り返したペーパーレス化実現論

    丸文株式会社は、江戸時代に創業した呉服問屋をルーツとし、現在は電子部品、マイクロプロセッサ、情報通信機器、医用機器などを取り扱うエレクトロニクス商社です。

    「弊社は、創業当時から変わらぬ経営哲学である『先見』と『先取』の精神で、日用雑貨、電子機器など、時代に応じた商品を取り扱いつつ成長してきました。現在の事業分野は、皆さんがお使いのスマートフォン内部にある細かな半導体部品から、宇宙開発用ロケットのパーツ、産業用機器まで多岐にわたっています」(仲山氏)

    このように最先端の商材を扱う同社ですが、社内に目を向けると旧態依然とした業務、特に“紙”に纏わる手順が残り、業務効率化や内部統制強化といった観点で、改善テーマが山積みでした。

    国税関係帳簿は、2004年に14帳簿の電子保存を実施していましたが、証憑のスキャナ保存については、e-文書法※2の適用範囲が限定的であり、電子化するメリットがありませんでした。

    各部門内で、自発的にITを使った業務改善を行う社風もあり、ペーパーレス化の試みについては、これまで何度も行われてきました。しかしながら、『ペーパーレス化でコスト削減』という全社横断的で改善効果のあるテーマには賛成が集まるのですが、『どこからどうやって』という具体論になると各部門で温度差があり、消極的な反応が多くなり、実現できないままでいたのです」(塩田氏)

    ICT統轄本部 情報企画・インフラ推進部 担当課長 仲山 晶子氏

    ▲ICT統轄本部
    情報企画・インフラ推進部
    担当課長
    仲山 晶子氏

    財務経理部 業務課 係長 塩田 寿惠氏

    ▲財務経理部
    業務課
    係長
    塩田 寿惠氏

    スキャナ保存の要件緩和により証憑の電子化が実現

    2015年、e-文書法のスキャナ保存要件が緩和されたことを契機として、ペーパーレス化実現に向けて大きく動き出します。

    「請求書や領収書といった証憑のペーパーレス化が容易になり、まずは財務経理部を対象にプロジェクトを発足させました」(仲山氏)

    「財務経理部は、交通費や国内出張精算などの立替経費については、2011年にワークフローシステムを導入済みでした。しかし、税法上保管義務のある証憑は、台紙に糊付けして保管していました(年間約28,000枚)。売買取引についても、電子化されていない取引先については、経費と同様紙で受領した証憑を、取引先/発生年月など仕分けのルールを作って保管していました(年間約70,000枚)。そうした書類保管の手間やスペースの削減、監査時の検索性向上もさることながら、証憑を電子化することにより、各部門管理による証憑の紛失や取引で発生し得る内部統制面でのリスク排除が可能になると考え、ICT部門と協力してプロジェクトをスタートさせたのです」(塩田氏)

    こうした現場の意向を受け、同社はペーパーレス化のプロジェクトを開始します。しかし、それは全面的な移行を一気に目指すものではありませんでした。

    「まず“小さなこと”からスタートしました。最終的に全社に展開するとしても、まず成功事例を作り、その経験と効果を十分に周知することが重要だと考えたからです」(仲山氏)

    現在の業務フローを尊重しつつ、綿密なRFP(提案依頼書)を作成

    具体的なペーパーレス化にあたって、どのような機器を導入すべきかについては、まずRFPを作成し、合計3社から提案を受けたと言います。

    「業務フローをきちんと整理し、どの部分をペーパーレス化するか、既存システムとの連携も含め、スキャナ保存することによる業務負荷を、システムでどこまで解消できるかをMUST/WANT要件を切り分け、RFPを作成しました」(塩田氏)

    「ペーパーレス化は業務改善の手段であり、ペーパーレスそのものが目的ではないということを重視しました。何もかもと欲張らず、できるだけ現在の業務フローに影響を与えない範囲で、かつ求める結果が出せることが目標でした。また、紙文書の電子化にあたって必ず発生するスキャン作業及び検索条件付与作業の負担を、どう軽減できるかもポイントでした。このような視点から判断し、最終的にリコージャパン株式会社の提案を採用することになりました」(仲山氏)

    こうして財務経理部中心で始まった証憑書類の電子化は、その後、営業部門で保管している注文書の電子化へと適用範囲を広げていくこととなります。

    「多くの証憑書類が電子化されたことで、検索性は大きく向上しました。監査などへの対応もスムーズになり、かつ探すという作業からスタッフが開放されたことも大きな効果です。『依頼した書類がすぐ出てくる』と、他部門からの評価も上がりました」(塩田氏)

    「この成功で、ペーパーレス化を社内全体に広げていく地ならしができたと思いました」(仲山氏)

    電子化のために証憑書類をスキャナで読み込んでいる様子
    ▲電子化のために証憑書類をスキャナで読み込んでいる様子

    “しっかりとした動機”こそがペーパーレス化成功の鍵

    現在、同社のペーパーレス化は、さらに営業部門にも利用が拡大しています。両氏は、ペーパーレス化が順調に進んだ要因を、あらためて以下のように振り返ります。

    「まず『コストありき』ではなかったことでしょう。『ガバナンス上の危機を解決する』という目に見える強い動機があったからこそ、わずかな時間でペーパーレス化が達成できました。最終的には外部委託している倉庫の削減、社内スペースの有効活用などコスト削減につながっていますが、それは結果論であり、コストだけが目標であれば、途中で頓挫した可能性は高かったと思います」(仲山氏)

    「業務フローを洗い出し、しっかりとしたRFPを作成したことで、ペーパーレス化工程の9割は終わっていたと思います。逆にここが不十分だったら、導入過程で何度もやり直し、見直しを迫られたことでしょう。さらに社内のICT部門との打ち合わせで、どんなデータを基幹システムから呼び出せるかを検討し、スキャン作業時の追加手入力を不要としたことも、導入時に課題となる作業者のストレス、負担軽減を考える上で大きなポイントだったと思います」(塩田氏)

    同社は今後、申請書などの電子保存も予定しています。小さなことから着実にペーパーレス化を進めてきた同社の戦略は、多くの企業にとって参考になるのではないでしょうか。

    1. 1 証憑書類:税務上必要となる、取引の証拠となる書類。領収書や請求書など。
    2. 2 e-文書法:2004年(平成16年)制定、翌2005年に施行された、法人税法や商法、証券取引法などで紙による原本保存が義務づけられている文書や帳票の電子保存を容認する法律。別名「電子文書法」。
    会社概要
    丸文株式会社
    会社名
    丸文株式会社
    創業
    1844年(弘化元年)※設立:1947年(昭和22年)7月
    本社所在地
    東京都中央区日本橋大伝馬町8-1
    代表者
    水野 象司
    事業内容
    エレクトロニクス商社(先端エレクトロニクス分野のソリューション提供、電子部品、産業用・研究開発用機器、医用機器などの提供及びテクニカルサポート)。
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  • ICT導入事例 -株式会社ナノ・ユニバース-

    スマートフォン向けアプリケーションでECと実店舗の連携を実現し、売上増を達成 特…

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    スマートフォン向けアプリケーションでECと実店舗の連携を実現し、売上増を達成

    インターネットの普及とともに拡大したEC(電子商取引)市場は、スマートフォン利用の一般化により大きな進展を遂げています。こうした中、実店舗とECとを融合させ業績を伸ばしている株式会社ナノ・ユニバースに、これまでの取り組みについてうかがいました。
    • 【導入の狙い】顧客情報を自社で管理し、ECサイトとリアル店舗を連携した相乗効果で事業拡大を目指す。
    • 【導入の効果】アプリケーションによりロイヤルカスタマー(忠誠心の高い顧客)の動向を把握、実店舗とECの売上増を実現。
    【ECサイトと実店舗を連携させた販売戦略】

    ZOZOTOWNからの出店要請が、EC参入のきっかけに

    株式会社ナノ・ユニバースは全国に66の店舗を展開するアパレル事業者です。

    「私たちの業態はいわゆる『セレクトショップ』※で、自社ブランドのほか、バイヤーが海外で買い付けてきた衣類や雑貨を通じ、お客さまにファッションやライフスタイルを提案しています」(越智氏)

    同社の創業は2002年。インターネットはすでに普及していましたが、当時、ECを視野に入れることはなかったと言います。

    「インターネットの利用者は増えてはいましたが、当時の商取引利用はポータルサイトのオークションなど、個人対個人での売買が主体でした。またファッション業界には『ネット通販はブランドの価値を毀損する』という考えも根強くあったのです」(越智氏)

    経営企画本部 WEB戦略部長 越智 将平氏

    ▲経営企画本部
    WEB戦略部長
    越智 将平氏

    しかし2005年、同社に転機が訪れます。

    「前年にECサイト ZOZOTOWNを開設した株式会社スタートトゥデイから、出店のお声がけをいただいたのです。ZOZOTOWNはこちらで商品を委託すれば、写真の撮影、サイトへの掲載、在庫管理、入金管理、お客さまへの配送まですべて行うフルフィルメント(商品の受注から決済に至るまでの業務全般)の形態をとっており、出店のハードルは高くありませんでした。そこでまず、実店舗で在庫になっている商品で反応を見てみることにしたのです」(越智氏)

    その手応えは大きなものでした。実店舗で動きの悪かった商品が、次々に売れていったのです。越智氏はECの持つ大きな可能性を感じたと言います。

    「実店舗での売れ筋商品をZOZOTOWNに投入すると、売上はさらに拡大しました。こうした結果を受け、私たちはECにさらに注力し、2007年には社内にECを担当する独立した組織もできました」(越智氏)


    ZOZOTOWNで“売り方”のノウハウを積み、さらなるステージへ

    こうしてECへの取り組みを本格化させる中、越智氏は“より売れる見せ方”への工夫も続けました。

    「こだわったのは、写真とコーディネートです。お客さまに商品の魅力を訴える写真はどうあるべきか、自分自身で何度も何度も撮影し、その効果を測りました。また店頭と同じように、おすすめのコーディネートも掲載しました。そうした工夫が当たれば、すぐ売上になって返ってくるというところに、ECの面白さを感じました」(越智氏)

    こうしてECでの経験を積み重ねた同社は、2011年、次のステップに踏み込みます。

    「ZOZOTOWNには不満はありませんでした。フルフィルメントですから、面倒なことはすべてやってくれます。しかし、これから弊社が成長するためには、ECのすべてを自社運営しノウハウを持つこと、そして顧客情報を自社で管理することが重要だと考えたのです。もちろん、それが容易なことではないことも分かっていました」(越智氏)

    自社によるECサイト運営は、システム構築だけでなく、物流や顧客対応も含めた周到な準備が必要でした。まずこれまでBtoB専門で委託していた物流センターを、BtoCに対応できる自社設備へと移行しました。また、コールセンターも新設し、お客さまからの問い合わせに応対できる体制を構築しました。

    「2012年に自社ECサイトがスタートしてからも、苦労の連続でした。これまでZOZOTOWNというモールに頼っていた集客を自社で賄うため、効果的なPRはどうあるべきか試行錯誤しました。また、ブラウザーのアップデートにきちんと対応していくことにも、細心の注意を払いました」(越智氏)


    速度と、より細やかな機能を求め、スマートフォンECアプリケーション導入へ

    そして2015年、同社はさらに一歩進み、ブラウザーベースのECから、スマートフォンネイティブアプリケーションによるECへと移行します。

    「その背景には、2014年に開発・導入したスマートフォンアプリケーションがありました。このアプリケーション(以下、アプリ)は会員カードをデジタル化したもので、このアプリをインストールし、実店舗でお買い物していただければ、ポイントが加算されるというものです。導入時には、はたしてどこまで利用してもらえるかという声もありましたが、実際には多くのお客さまにインストールしていただくことができました」(越智氏)

    スマートフォンECアプリはブラウザーベースのECに比べ反応が速く、“待ち時間”によるストレスを大幅に減らし、スピーディな買い物が可能となります。また設定した「マイストア」の近くに来ると「お気に入り」に登録した商品の在庫に応じ利用者にプッシュ通知するなど、ECと実店舗を結びつける機能も搭載しています。さらにアプリには高い検索機能も搭載され、誤った英文の綴りやカタカナ読みでも適切な商品を表示します。

    「スマートフォンにアプリをインストールしてくださるお客さまは弊社の大切なロイヤルカスタマーで、お買い上げ額も平均を上回っていることがデータから明らかになっています。またアプリで下調べしてから来店されるお客さまの購買率も高いことから、アプリでECと実店舗をつなぎ、併用されるお客さまを大切にすることが重要だと考えています」(越智氏)


    アプリを“場”にして、買い物以外の楽しみも提供を

    そして越智氏は、ECと実店舗をともに伸ばすために必要な要素を例示しました。

    「ECサイトにも実店舗にも、共通の世界観が必要です。見栄えが良く高機能なECサイトやアプリを用意しても、店頭がそのイメージに合わなければお客さまを失望させてしまいます。またECサイトでイチ推しにしている商品は実店舗でも目立つ場所にきちんと配置するなど、双方の情報連携も重要になってきます。まず9割のお客さまは『商品はどこにありますか』と聞くことなく店を去ってしまいますから」(越智氏)

    最後に越智氏に、今後の展望をうかがいました。

    「アプリを単なる買い物ツール以上のものに進化させたいと考えています。例えば、お客さまが興味を持つコンテンツを用意し、買い物しようという気持ちでなくてもアプリを開き、楽しんでもらえる“場”にしたいのです。また、カスタマーサポート部分では、電話のコールセンターとチャットを9月に一体化しました。アパレル業界はカスタマーサポートが遅れていると言われていますが、バックグラウンドをICTで支え、お客さまの声にきちんと応えていける体制を作っていきたいと考えています」(越智氏)

    ECと実店舗の垣根をアプリで取り払い、ともに売上を伸ばしていく。ナノ・ユニバースの販売戦略は、多くの小売業にとって大きなヒントになるはずです。

    1. セレクトショップ:特定のブランド品ではなく独自のコンセプトで選んだ商品を陳列・販売する小売店の形態の一種。
    会社概要
    株式会社ナノ・ユニバース
    会社名
    株式会社ナノ・ユニバース
    設立
    2002年(平成14年)7月1日
    本社所在地
    東京都渋谷区神南1-19-14 クリスタルポイント
    代表取締役社長
    濱田 博人
    事業内容
    衣料品、貴金属、衣料雑貨の企画、製造及び、輸入、輸出並びに国内における販売
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  • ICT導入事例 -のぼり屋工房株式会社-

    見積システムから基幹システムへのデータ引き継ぎをRPAに移植、従業員異動にともな…

    インターネット
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    見積システムから基幹システムへのデータ引き継ぎをRPAに移植、従業員異動にともなう人手不足問題を解決

    少子高齢化時代の到来を迎え、人員の充足に悩む企業は少なくありません。岡山市の、のぼり屋工房株式会社は、お客さまからいただいたオーダーメイド製品の受発注処理にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)※を導入。欠員が発生した部門に新たな人を採用することなく、業務の継続を可能としました。
    • 【導入の狙い】従業員の異動にともない発生する1日あたり5時間分の作業を欠員補充することなく処理する。
    • 【導入の効果】1日あたり3~4時間ほどの人間の作業量をRPAが代替、従業員の効率的な配置が可能に。
    【RPAの導入効果】

    事業を拡大する一方で、業務簡素化、効率化の両立も

    のぼり屋工房株式会社は、P・O・Pホールディングスグループの一員として、“のぼり旗”など店舗の販促、宣伝を担うグッズを企画、販売しています。

    「のぼり屋工房は営業部門という位置づけで、印刷を担当する『P・O・Pカンパニー株式会社』、縫製加工を担当する『ジャパンソーイングネットワーク株式会社』、さらに新規事業を育てる『P・O・Pトレーディング株式会社』とともにグループを形成しています。私は現在P・O・Pカンパニーに所属していますが、ホールディングス制が立ち上がって間もないこと、また、自身がのぼり屋工房で仕入れや販売管理でキャリアを積んできたことから、私がグループ内のICT関連業務を横断的に管理しています」(河瀬氏)

    こうした立場にある河瀬氏は、同社の中期的な目標である「業務の簡素化、効率化、自動化」をICTの分野で実現すべく、日々情報収集に励んでいました。

    「ただ、やはり自分がシステム部門専任ではないため、なかなかその具体策を見つけることができずにいました」(河瀬氏)

    POP生産部 部長代理 兼 POPHD経営管理部 システム開発 河瀬 淳氏

    ▲POP生産部
    部長代理
    兼 POPHD経営管理部
    システム開発
    河瀬 淳氏

    「人の手」で処理していたオーダーメイド商品の受発注管理

    そんな河瀬氏のところに届いたのが、RPA製品「WinActor」を紹介するダイレクトメールでした。

    「ダイレクトメールにあった『業務の自動化』というフレーズが目に止まりました。ただ、RPAがどういったものかよく分からなかったので、まず説明に来ていただき、さらに講習会に私が参加しました。そこで詳しい話をお聞きし、その概要がつかめました」(河瀬氏)

    実はこの時、同社は一部商品の受発注管理を担当する従業員の異動が決まっており、その後任が課題となっていました。

    「弊社にはカタログ販売の既製品事業とオーダーメイドの別注品事業があります。既製品は品番などがすでに決まっているため、基幹システムへ直接受注入力が可能ですが、別注品は営業部の社員が基幹システムとは別の見積システムを使って処理し、お客さまとのやりとりの末、まとまった受発注データを基に改めて基幹システムに入力する必要がありました。その受発注管理のデータ量は1日あたり250点から300点で、異動する従業員はその処理に約5時間かかっていました」(河瀬氏)


    欠員補充することなく、RPAの業務への組み込みを決断

    同社は当初、この業務を引き継ぐ新たな従業員の雇用を考えていました。ところが、求人広告を3ヶ月ほど続けましたが、反応はゼロでした。

    「タイムリミットが迫る中、最終的に後任採用の代替案としてRPAの導入を決めました。導入にあたっての研修があること、また2ヶ月間は無料試用できることも、導入を決めるにあたっての大きな決め手となりました」(河瀬氏)

    研修の内容も、そして実際の業務をRPAに移植する段階でも、河瀬氏に大きな戸惑いはなかったと言います。

    「パズルを組み立てるようなシナリオ設計に、これまで生産管理の部門でExcelのマクロ作成を多数手がけてきた経験が活きました。また、個人的にもそうしたインターフェイスに親しみがあったことも大きかったと思います。不明な点も個別にベンダーに問い合わせ、適切なアドバイスがもらえました」(河瀬氏)

    ただ、その一方で、人間がやっていた業務の流れをそのままRPAに引き継げない部分もあったとのことです。

    「2ヶ月の試用期間で試行錯誤を続け、工程を調整しました。従来は見積システムから抽出したデータを人の手で整理して基幹システムに入力していましたが、RPA導入にあたって抜本的な業務改善を図り、最終的にはデータを無人で基幹システムに引き継ぎ、エラーが出た場合は人間が確認し、修正することにしました。人の仕事の完全な置き換えにはなっていませんが、それでも人間の労働時間にして5時間のうち3~4時間くらいはRPAが処理できるようになったので、大きな効果があると思っています」(河瀬氏)

    シナリオ設計を行う河瀬氏
    ▲シナリオ設計を行う河瀬氏

    将来的には社内他部門へのRPA導入でさらなる業務効率化を

    こうしてRPAが業務に組み込まれた状況を、河瀬氏はどのように感じているのでしょうか。

    「今RPAは、1ライセンスの導入で、RPA化した業務の稼働時間は1日あたり2時間くらいです。ただ、直接的な稼働時間だけではなく、毎日決まった時間に動かせること、人間が作業する上でムダの要因となる『待ち時間』を考えなくていいこともRPAのメリットとして評価したいですね。またRPAは、業務の流れを見直す良いきっかけにもなりました。会社の方針である簡素化、効率化、自動化のためには、業務の流れの見直しが欠かせません。しかし、毎日の業務が動いている中では、立ち止まって見直すという行動には、なかなか至りませんから」(河瀬氏)

    最後に、今後社内でRPAを活用する構想についてうかがいました。

    「先ほど申し上げたように、RPAの稼働にはまだまだ余力があるので、さらに多くの仕事を任せるようにしたいと思っています。ただ、それにはきちんとしたシナリオの設計が必要です。私はたまたま親和性があったのでそれほどの苦労はしませんでしたが、各部署でRPAを効果的に使うには、トレーニングによるシナリオ設計のスピードアップや、業務に携わる人自身のRPAへの意識づけが必要だと思います。そうして培ったノウハウが全社に継承されていくことは、将来きっと大きな財産になるはずです」(河瀬氏)

    1. RPA(Robotic Process Automation):人工知能を備えたソフトウエアのロボット技術により、定型的な事務作業を自動化・効率化すること。
    会社概要
    のぼり屋工房株式会社
    会社名
    のぼり屋工房株式会社
    設立
    2003年(平成15年)6月
    本社所在地
    岡山県岡山市南区浦安南町220-1
    代表者
    玄馬 宏昭
    資本金
    1,000万円
    事業内容
    販促用品の企画、販売
    URL
    https://www.noboriya-kobo.co.jp/
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  • ICT導入事例 -植山織物株式会社-

    地場産業の危機をICT活用で乗り越え、将来への活路を拓く 特集記事PDF版はこち…

    業務効率化コスト削減
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    地場産業の危機をICT活用で乗り越え、将来への活路を拓く

    「播州織(ばんしゅうおり)」のメーカーである植山織物株式会社では、従来の業務フローでボトルネックになっていた発送管理の工程に、ICT活用で自社オリジナルのシステムを構築。これにより作業の効率化、管理の「見える化」が進んで経営が改善され、生み出された経営資源の“ゆとり”を、自社ブランド開発や海外市場開拓などに振り向け、地場産業の新たな活路を拓こうとしています。
    • 【導入の狙い】場所、時間、人手が大幅にかかっていた作業工程を効率化したい。
    • 【導入の効果】業務の一元管理と「見える化」を実現でき、経営改善に役立っている。
    物流面をICT活用により効率化した「発送・在庫管理システム」
     

    地場産業「播州織」の伝統を25歳で引き継ぐ

    兵庫県南西部は「播州」(播磨(はりま))と呼ばれ、江戸後期から綿花の栽培と織物が盛んでした。特に北部では、紡糸、染糸、織、加工などの分業が組織的に行われ、「播州織」という特産綿織物が作られてきました。しかし、低価格輸入品の攻勢と消費の低迷により、地場産業としては衰退。そんな状況下でも、国内外トップブランドからも注文を受け、この数年で輸出比率を2割に伸ばしているのが創業約70年の植山織物株式会社です。

    同社の植山 展行社長は、2011年に先代社長の父が急逝したため、勤務していた東京の大手精密機器メーカーを退職して、25歳で事業を引き継ぎました。

    「エンジニアの世界から“五感”が重視されるテキスタイル産業(織物などのファッション産業)に転じて、当初、戸惑いはあったものの、父が作ってくれた事業の土台と、従業員や取引先、地元の方々の応援があったおかげで経営できていると感謝しています」(植山氏)

    代表取締役 植山 展行氏▲代表取締役社長
    植山 展行
    先染め織という手法で作られる「播州織」「先染め織という手法で作られる「播州織」
    ▲先染め織という手法で作られる「播州織」
     

    ボトルネックになっていた物流面を改善した発送管理システム

    織物業界では、衣料品メーカーの注文を受けて生地を納入しますが、定番でないものは「カット見本」と呼ばれるサンプル生地を送ってから注文を受ける場合が一般的です。在庫から正確にピックアップして迅速に発送することが商談の決め手になります。同社は豊富な在庫と生産能力の高さでは業界トップクラスですが、ニーズへの対応スピードに難点がありました。企画・販売や加工を行うグループ会社、倉庫など5拠点が別々にサンプル出荷を行っていたため、在庫スペース、時間、手間を必要以上に割いてしまい、出荷作業と在庫確認が業務のボトルネックになっていたのです。サンプルを大量に作り置く無駄も発生していました。

    事業を継承した植山氏の課題は、短納期・小ロット・多品種に対応できるスピーディで効率的な経営へ改革することでした。植山氏は、まずサンプル出荷の作業場所を集約し、サンプルに添付したQRコードを読むことで出荷と在庫の管理が一度にできる「発送・在庫管理システム」を構築しました。織の種類や生地の色・柄、風合いなどによって数千種もの製品を作ることができる同社ですが、それらのサンプルを分類・保管して在庫も管理するのは大変です。これまでは、ベテラン作業員の知識や経験でピックアップして発送していたのです。これをコンピューター管理に移行したことで、ほしいサンプルの所在と在庫量がすぐ分かり、ピックアップされたサンプルに貼られたQRコードラベルをタブレットで読み取れば、該当品かどうかを確認でき、その情報は発送情報の管理にも使われます。

    また取引先の発注書式をそのまま使えるようデータ連携させる(EDI※化)ことで、注文を書類に印刷したりFAXを使う従来のやり方が一掃されたのです。

    豊富な在庫を誇るサンプル生地で多様なニーズに対応豊富な在庫を誇るサンプル生地で多様なニーズに対応
    ▲豊富な在庫を誇るサンプル生地で多様なニーズに対応
     

    トップが舵を切ってICT改革が成功した理由

    一連のICT改革による成果は劇的でした。物流拠点は1カ所になり、無駄なく必要分だけ作れば済むようになったサンプル作成コストは3分の1に。さらに、EDI化で直送できるようになった取引先数は約3倍の488件(月間)になり、売上高も月平均で4%アップしました。トップが舵を切って、改革に成功した例といえます。

    植山氏は、前職でセールス・エンジニアとして働き、顧客の課題をICTで解決する経験を持っていました。グループの一員でもあるシステム開発会社と協力して行った自社の改革も、その知見が活きたことで迅速かつ効果的に進めることができたのです。

    オンライン化により効率化された受発注管理▲オンライン化により効率化された受発注管理

    「まず、どこにどんな問題があるかを見つけるのが最初の課題でした。現場でのヒアリングを重ねて、人員や作業量、在庫、コストの実態を把握してみると、無駄やムラが多いことに気づきました。もちろん、従来の方法に慣れていた現場にはシステム化に抵抗がありました。そこで資源の無駄をなくして業務を効率化すべきこと、また属人的だったノウハウを共有すべきことの必要性、そしてシステム化による効果をそれぞれの現場に理解してもらうよう何度も説明を重ね理解してもらいました。また、受注の際のEDI化は、取引先関係者と直に調整を図ったことが成功要因だったと思います。最大の成果は、将来に対する危機意識を全社で共有できるようになったことです」(植山氏)

    現在、従業員たちは、在庫のピッキングや業務で必要になる情報については、タブレットを身近に置いて作業するようになりました。確認のために必要な一部書類以外はペーパーレスになり、他拠点の進捗把握などは携帯端末でクラウドにアクセスして行います。

    ICT改革による「見える化」で作業効率も高まりましたICT改革による「見える化」で作業効率も高まりました
    ▲ICT改革による「見える化」で作業効率も高まりました
     

    地場産業の活路を世界市場に求めて

    業界が求めるスピードと多様性にICT活用で見事に対応した同社ですが、植山氏は別のテーマでもさらなる改革を進めようとしています。例えば、自社提案品の比率を高めたり、シャツなどの自社ブランド開発やその通販も開始し、海外販路の開拓にも積極的に取り組んでいます。繊維業界が「世界に誇れる日本ブランド」に与える「J∞QUALITY」認証も受けました。最近では、ホームページサイトを多数開発し、英語主体にグループ力をアピールするもの、生地見本紹介のもの、通販用のものなど、検索ニーズに即応できる情報発信体制を整えています。雇用を確保しつつ将来への布石を打つ、そのためにもICTを活用して経営資源を無駄なく活かし、機動力を高めようとしているのです。

    「『播州織』は、北播磨一帯の暮らしを支えてきた地場産業です。その担い手として、その可能性を追求する使命を感じています」(植山氏)

    出荷された播州織はさまざまな製品に加工されます▲出荷された播州織はさまざまな製品に加工されます

    予期せぬ経緯で異業種から伝統産業の分野に入り、事業承継の苦労もあったものの、逆に先入観のない視点で問題点を見つけ、若い感覚でICT活用を推進した植山氏。同社の事例は、衰退傾向にある地場産業の活路を求める方々にも大いに参考になります。


    1. ※EDI:Electronic Data Interchangeの略。電子データ交換と訳し、商取引のための各種情報(注文書や請求書など)を、ネットワークを通じてコンピューター同士で交換すること。
     
    会社概要
    植山織物株式会社
    会社名
    植山織物株式会社
    創業
    1948年(昭和23年)4月
    所在地
    兵庫県多可郡多可町八千代区仕出原681
    資本金
    3,600万円
    代表取締役
    植山 展行
    事業内容
    綿スフ織物業
    URL
    https://www.ueyama.net/
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  • ICT導入事例 -石川酒造株式会社-

    SNSの利用者像を分析し、サービスの特性を活かした施策で顧客ロイヤリティ向上の実…

    インターネットHP作成
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    SNSの利用者像を分析し、サービスの特性を活かした施策で顧客ロイヤリティ向上の実現

    中小企業にとって、インターネットサービスの有効活用による情報発信と顧客獲得は大きな課題です。創業155年の歴史を誇る老舗酒造会社の石川酒造株式会社は、ウェブサイトやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)など、サービスの特性や利用者に合わせた情報発信で、認知度のアップと集客増を実現しています。
    • 【導入の狙い】公式サイト以外のウェブサービスを活用し、これまでアプローチできていなかった潜在的顧客を誘引したい。
    • 【導入の効果】サービスごとの利用者特性に合わせた投稿を行うことで、ブランドへの好感度向上と来店誘導を実現。
    公式サイトとSNS+Google マイビジネスを活用して情報発信

    顧客誘引の窓口とすべく休眠中だったSNSを再活用

    東京都福生市の石川酒造株式会社は、1863年(文久3年)の創業から今日まで、昔ながらの製法で酒造りを続けています。「創業者は江戸時代、この地域で代々庄屋を務めておりました。近くを流れる多摩川の氾濫などもあり、米作りに向いているとは言い難い環境でしたが、長年の治水の努力で江戸時代末期には生産高も上向いてきました。創業者はその米を使い、酒造りを始めたのです」(石川氏)

    石川酒造は現在、公式サイトのほか、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNS、さらにGoogle マイビジネス※を積極的に活用し、新規のお客さまの誘引とリピーターの確保に効果を上げています。「創業こそ古い弊社ですが、新しいもの、面白いものはどんどん取り入れていく社風があります。公式サイトは2000年頃には開設していましたし、2010年から2012年にかけTwitterやFacebookもアカウントを取得、投稿を開始しました。これらはすべて現場のスタッフの発案によるものです」(石川氏)

    営業部 広告デザイン担当 石川 雅美氏

    ▲営業部
    広告デザイン担当
    石川 雅美氏

    インターネットサービスの活用の立ち上がりは早かったものの、その後は担当者の多忙などにより、更新が滞る事態となっていました。

    「私が3年前に現在の部署に異動した時、正直“もったいない”と思ったんです。“今あるSNSアカウントをきちんと活用すれば、より多くのお客さまに弊社の魅力をアピールできるのに”と。ただ当時の自分には、SNSをどうやって活用するかという知識はまったくありませんでした。そこで独習で、Facebookの更新から始めました」(石川氏)

    SNSごとの利用者特性を分析 投稿する記事を最適化

    石川氏が注目したのはFacebookの「いいね!」の機能です。お酒の記事、地元ネタの記事、そして同社が敷地内で運営するレストランの記事など、テーマの異なる記事を投稿し、「いいね!」の多い、少ないを分析しました。この繰り返しで、「いいね!」を多くもらえる記事の傾向をつかみ、リピーターを増やしていったのです。「閲覧者のデータを参照できる『インサイト』機能により、地元に住む40代以上の方が利用者の中心層だと分かりました。そこでFacebookへは、店舗に直接足を運んでいただくお客さまを意識して記事を用意して投稿しています」(石川氏)

    次に石川氏はTwitterへの取り組みを本格化しました。「Facebookがリアルの人間関係を中心にしているのに対し、Twitterはリアルの人間関係の有無に関わらず、同じ嗜好の人が連携しやすいこと、そしてやや“固め”の記事が好まれるFacebookに対し、Twitterはくだけた投稿のほうが人気を集めることが分かりました。そこで研修にともなう臨時休業のお知らせでも、Facebookが『来週木曜日は研修のため休業します』だったら、Twitterは『今度の木曜日は研修旅行でお休みで~す♪』のような軽い感じにしています」(石川氏)

    TwitterはほかのSNSより情報が速く拡散する傾向があり、気に入ったほかのユーザーの投稿を自分のアカウントから再投稿できる特徴に注目した施策も実施しました。エイプリルフールに自社ブランド「多満自慢」との語呂合わせで、猫の写真を「タマ自慢」として日本酒のラベルにした投稿には多くの反響が寄せられました。そしてInstagramには、この両者とはまた異なる傾向があると、石川氏は言います。「Instagramは写真が命です。写真にインパクトがないと、投稿を読んでもらえません。ですからInstagramに投稿したい記事がある場合は、目をひく写真を探す、もしくは新たに撮影します」(石川氏)


    「エゴサーチ」を定期的に実施 細かいお客さまフォローも

    そして、より同社の話題が継続するよう、石川氏は定期的に「エゴサーチ(自社名などでSNSを検索し、どのように話題になっているか確認すること)」を行い、同社や同社製品に関わる投稿をした利用者に感謝のコメントづけを欠かさないようにしていると言います。

    「ただ、どのSNSにも等しくコメントづけしているわけではありません。仲間同士の会話が多いFacebookでは、弊社からのコメントが“割り込み”というマイナスの印象につながる可能性があるため、会話の流れを読み、慎重にコメントします。Twitterは逆にオープンなので、投稿者のプロフィールを見て、問題なさそうであればコメントをつけていきます。InstagramはTwitterより拡散力が小さいので、ハッシュタグ(話題の手がかりとなるキーワード)を使って検索し、利用者一人ひとりに細かくコメントづけすることにしています。こうしたコメントにいただくお客さまのご返答から、弊社への印象が良くなっているという手応えも感じています」(石川氏)

    そして同社は今、Googleマイビジネスを活用して、新たな顧客誘引を目指しています。

    「Googleマイビジネスでは、たとえ弊社をご存じなくても、『多摩 酒蔵』といったキーワードで検索した利用者に弊社の存在をダイレクトに紹介できます。社名を知っている人、また検索からさらにクリックを重ねてたどり着いた人にしかご覧いただけない公式サイトに比べ、圧倒的に訴求力が高いのです。酒蔵やレストランなど、目をひく写真をアップロードし、弊社の魅力をアピールしています」(石川氏)


    東京オリンピックはあくまで瞬間風速 国内のコアなファン層開拓を

    最後に同社の今後のICT活用の考え方と、展望についてうかがいました。

    「最初に申し上げたように、弊社は新しいものを積極的に取り入れる社風があります。昔ながらの酒造りは守っていきますが、その中で、例えば杜氏の負担を減らすようなもの、より美味しい酒造りに寄与するようなICT技術については情報を収集して採用を進めていきたいと思っています。また、現在は2020年の東京オリンピックに向けて外国人観光客が急増しています。弊社も英語と仏語ができるガイドでの接遇、売店での免税など、そうした外国人観光客向けの対応を進めています。しかし、これまでの155年の歴史を考えると、これはあくまで一過性の動きであり、特需のようなものだと考えています。将来に向けて持続的な成長を進めていくには、現在、この多摩地区にいらっしゃる弊社のコアなファン層を、東京、関東、そして全国へと広げていくことが重要です。そのためにはこれからもSNSやウェブサイト、またさらに新たな対顧客コミュニケーションにも取り組んでいきたいと思っています」(石川氏)

    1. Googleマイビジネス:Google検索やGoogleマップなどに店名や電話番号、営業時間、ウェブサイトなどの情報を無料で表示・管理できるGoogleのサービス。
    会社概要
    石川酒造株式会社
    会社名
    石川酒造株式会社
    創業
    1863年(文久3年)
    所在地
    東京都福生市熊川1番地
    代表取締役社長
    石川 彌八郎
    事業内容
    酒造業、レストラン事業など
    URL
    http://tamajiman.co.jp/
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  • ICT導入事例 -大田原商工会議所-

    適材適所のクラウドサービス選択で、マイナンバー記載書類の低コストかつ安全な利用と…

    業務効率化
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    適材適所のクラウドサービス選択で、マイナンバー記載書類の低コストかつ安全な利用と保管を実現

    マイナンバーの保管場所としてクラウドを検討する事業者が増えています。しかし、すべてのクラウドがマイナンバーを安全に保管し、ストレスなく利用できるわけではありません。栃木県大田原市の大田原商工会議所は、複数の選択肢を検討し、最終的に事業所内にデータがあるかのように取り扱うことのできるソリューションを選択しました。
    • 【導入の狙い】マイナンバーの含まれるWordやExcelファイルを安全に保管し、利用したい。
    • 【導入の効果】アクセスログが記録できるクラウドサービスを採用、各部署で効率的な利用を実現。
    【大田原商工会議所が導入したクラウドサービスの概要】

    震災を受け利用を開始したクラウドサービスに新たな課題が

    2011年3月に発生した東日本大震災は、大きな地震と未曾有の津波で、全国各地に大きな被害をもたらしました。

    「大田原市は震度6強を記録し、当商工会議所のビルも大きな損傷を受けたことで、移転を余儀なくされました。業務に使っていたサーバーも同時に移設しましたが、その作業に苦労したこと、また無停電装置があっても万一の災害時にサーバーへの電源供給に不安を感じたことから、設備更新のタイミングで事業所内でのサーバー利用を止め、ファイルサーバー機能を持つクラウドサービスの利用へと転換いたしました」(東郷氏)

    専務理事 東郷 隆浩氏

    ▲専務理事
    東郷 隆浩氏

    「しかし、その後のマイナンバー制度スタートにより、さらなるシステムの更新が必要となりました。マイナンバーを含むファイルは、一般の業務ファイルのような利用者の制限による管理では不十分で、“誰が・いつ・どこからアクセスしたか”のログをきちんと保存する仕組みが必要です。しかし、当時利用中のクラウドサービスには、そうした詳細なアクセスログを記録する仕組みが搭載されていなかったのです」(植木氏)

    専務理事 東郷 隆浩氏

    ▲中小企業相談所
    指導課
    経営指導員
    植木 孝幸氏

    模索する中、要件に合致するクラウドサービスを発見

    同会議所は、当時利用中のクラウドサービス提供事業者に、ログの記録に対応できるかどうか問い合わせました。しかし、返ってきた答えは期待とは異なりました。

    「対応するには、そうしたプログラムをゼロから開発する必要があるというのです。そしてその開発費用の見積りは、とても当会議所の財政規模で負担できるものではありませんでした」(清水氏)

    「こうした経緯を受け、マイナンバー管理ソフトの利用も検討しました。しかし、そうしたソフトの多くは、主に会社で働く従業員のマイナンバーの『保管』が目的で、当会議所のように共済、労働保険などの各部署が、会員である事業所さまからお預かりするマイナンバーが記載されたWordやExcelのファイルを利用し、かつ安全に保管するという用途には不向きでした」(植木氏)

    こうしていったんは暗礁に乗り上げた同会議所のマイナンバー利用に向けたシステム更新に、新たな展開が訪れます。

    「NTT東日本のサービス『あずけ~るPRO』を利用することにより、こちらの求めていた“誰が・いつ・どこからアクセスしたか”というログを記録する仕組みが低価格で利用可能で、かつ社内にあるファイルサーバーを操作するのと同じ感覚でWordやExcelのファイルを読み書きできると分かったのです。詳しい機能や料金についてさらに確認したのち、マイナンバー関連のファイルを保管、利用するサーバーとしての採用を決定しました」(清水氏)

    中小企業相談所 所長 経営指導員 清水 信行氏

    ▲中小企業相談所
    所長
    経営指導員
    清水 信行氏

    詳細な利用環境を検討しシステムの全面的な移行を決断

    ただ採用決定後の調査により、導入には若干の軌道修正を求められることとなります。

    「当初は従来のクラウドを一般のファイル向けサーバーとして継続利用する予定でした。しかし『あずけ~るPRO』ではIPv6※1が必要と分かり、IPv4※1で利用していた従来のクラウドも、IPv6に対応したNTT東日本のクラウドサービス『クラウドゲートウェイ サーバホスティング』へスイッチすることとしたのです」(植木氏)

    新たなクラウドサービスの利用については、旧システムからの移行に細心の注意を払ったと、植木氏は語ります。

    「システム移行の負担と労力は、かつての事業所内のサーバーからクラウドにデータを移行する際に経験していました。今回は“ファイルの置き場所”だけでなく、クラウドにアクセスするV P N※2や電話までを含んだ大がかりなものとなるため、その煩雑さは前回以上が予測されました。しかし、N T T東日本が現状のシステム構成と移行後のイメージをそれぞれ図に描いて解説してくれたこと、また移行の流れについても、従来のクラウドから 新規のクラウドに一気に切り替えるやり方と一定の併設期間を設けるやり方の二つから、こちらが分かりやすいと思ったものを選択できたことで、予想以上にスムーズに終えることができたと思います」(植木氏)


    マイナンバー管理の手間から解放され、業務も効率化

    このシステム更新は、大田原商工会議所の業務を大きく効率化することとなります。

    「マイナンバーが含まれるファイルを安全に利用、保管できるようになり、事務作業の効率が格段に上がりました。必要に応じ各事業所さまに問い合わせるやり方では、返答に時間を要したり、また対象の従業員がすでに退職していてマイナンバーが分からないといったケースも少なくありませんでしたから」(清水氏)

    最後に、今後の「あずけ~るPRO」及びクラウドサービスの利用について、展望をうかがいました。

    「今は機密性の低いファイルについては事業所内のNAS※3も併用している段階ですが、将来的にはすべてクラウドに切り替え、堅牢性を高めたいと思っています。そうすればファイル管理の手間も削減できるはずです」(清水氏)

    「マイナンバー管理に悩んでいる商工会議所は少なくないと思います。研修会などで横のつながりができた商工会議所には、こちらの事例をお伝えし、ぜひ参考にしていただきたいと思います」(植木氏)

    1. 1 IPv6/IPv4:インターネットで通信するための標準プロトコル(ルール)のこと。IPv6はIPv4よりも新しいプロトコルで、より多くのインターネット機器が利用できるほか、通信速度でも優位となる。
    2. 2 VPN:バーチャル・プライベート・ネットワークの略。インターネットを利用しながらも、事業所とクラウド、事業所間などを専用の回線のように安全に通信できる仕組み。
    3. 3 NAS:ネットワーク・アタッチド・ストレージの略。ネットワークに接続することで、複数のパソコンから共有のHDDとして利用できる。
    組織概要
    大田原商工会議所
    組織名
    大田原商工会議所
    設立
    1947年(昭和22年)
    所在地
    栃木県大田原市山の手1-1-1 皇漢堂ビル1F
    会頭
    玉木 茂
    事業内容
    地域内における商工業の総合的な発展を図るため、商工業者の意見を集約し、政策提言、経営支援、地域振興など、さまざまな活動を行っている。
    URL
    http://www.ohtawaracci.or.jp/
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  • ICT導入事例 -株式会社ビーイングホールディングス-

    物流最前線で活用される「ボイスシステム」両手が使えるピッキング作業で生産性と正確…

    業務効率化
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    物流最前線で活用される「ボイスシステム」両手が使えるピッキング作業で生産性と正確性が向上

    金沢と東京に本社を置く株式会社ビーイングホールディングスは、全国40拠点以上での物流事業を中心に、観光バスやタクシー、車両整備の事業会社など多数を傘下に置いています。そのうち、石川県白山市にある物流センターでは、音声認識出荷システムを導入し、チェーン店向け食品類の出荷作業に活用しています。従来のハンディターミナルと違って常に両手が使え、ハンズ・フリーで作業に集中できる利点を活かし、倉庫内での出荷作業の生産性と正確性の向上などの効果が生まれています。音声の指示でピッキング※1ができる「ボイスシステム」※2は今後、日本国内でも多方面で浸透していくことが期待されます。
    • 【導入の狙い】ピッキング作業を効率化し、正確で低コストの業務運営を実現する。
    • 【導入の効果】作業の生産性・正確性が向上しただけでなく、働き方の改善や人材育成面での効果も。
    「ハンズ・フリー&アイズ・フリー」化が実現する作業品質向上と高い生産性のフロー

    約6,000種の商品を音声指示を基にピッキング

    株式会社アクティーはビーインググループの物流事業を担う子会社で、石川県白山市に物流拠点(名称:SCMセンター)があります。この拠点では主に、北陸地方で店舗展開するドラッグストア・チェーン向けに食品を店舗ごとに混載して出荷しています。同社倉庫内のフロアで日々扱うアイテム数は約6,000、オリコン(折り畳みコンテナ)数で約3,000ものピッキング作業を行っており、300以上の地域内の配送先店舗に向けて出荷しています。ここで働く従業員は約50名です。

    「前日夜までに受注した分を翌朝からピッキング作業に入ります。迅速さも大切ですが、食品で難しいのは賞味期限管理です。大きな梱包で入荷したものから必要量だけバラしてコンテナに入れるので、入荷順に出していく『先入れ、先出し』のルールを徹底しなくてはなりません。従来のピッキング作業は、プリントアウトした受注リストを見ながら商品棚に移動し、ハンディターミナルでバーコードをスキャンして表示を確認するという方法でした。しかしこの方式では未熟練の作業者によっては手間がかかることや誤納品を起こす可能性もあるため、生産性・正確性をもっと改善できないかを検討していたところ、展示会の情報などから音声の指示でピッキングができるシステム(以下、「ボイスシステム」)のことを知り、2015年から試験的に導入することにしました。現在、25台が入っています」(桐原氏)

    ▲総務部長・桐原 義浩氏

    ▲総務部長
    桐原 義浩氏

    ヘッドセットと装着型端末機で商品位置と作業を確認する

    SCMセンターが導入した「ボイスシステム」は、マイク、スピーカー一体のヘッドセット(インカム)と、ケーブル不要で腰などに装着できる長さ15㎝程度の端末機、集中管理用のソフトウェア、無線LANで構成されています。特定話者・特定語彙向けに反応するようにできているので、最初に、当人の音声を識別させるための学習が30分程度必要になります。また同センターの商品棚は、レトルト調味料の棚は「イ―27」といったように商品のカテゴリー別に、文字と数字で分類しています。作業開始時はまず事前に登録した作業者を確認し、その後、作業内容として棚の位置(ロケーション)と数量が音声で指示されます。作業者が指示に従って該当商品を店舗別コンテナに入れ、ラベルを貼付し、音声で完了報告をすると、システム側から次の指示を受けることになります。

    「商品はすべてJANコード(商品識別コード)で管理され、当センターは13桁のものを採用しています。しかし桁数が長いのでピッキングの指示で扱うのは下4桁の数字のみです。アイテム数が約6,000なので4桁あれば間に合います。このシステムを使えば、開梱時に両手が使えて、目線を商品から外さずに作業ができます。『ハンズ・フリー&アイズ・フリー』ですね。人の音声は環境や体調で変わるのですが、学習機能が備わっているのでその変化にも、対応してくれます『ボイスシステム』は、未経験の方でもすぐに使えるようになりますね」(辻氏)

    ▲株式会社アクティー 白山第3SCMセンター 課長代理・辻 健志氏

    ▲株式会社アクティー
    白山第3SCMセンター
    課長代理
    辻 健志氏

    作業効率が約30%向上 人材確保・育成にも効果

    同センターは、物流の最前線基地として商品の再仕分け(2次ピッキング)に豊富な経験とノウハウを保有しています。取引先からの、時間、コスト、品質という厳しい要求を受け止めながら事業を発展させてきた背景には、作業の効率性・正確性向上や人材確保などの課題との不断の取り組みがありました。ICT化への取り組みも熱心で、グループのシステム会社では、TMS(輸配送管理システム)の自社開発・外販も行っているほどです。また、半透明ビニール板で中身が見えるようにしたオリコンやピッキング用のオリコンラックも自社で開発したものを使っています。今回の「ボイスシステム」も、こうした新しいことを積極的に試していく風土に適していたようです。

    「まだテスト中なので正確な評価ではないですが、『ハンズ・フリー&アイズ・フリー』化によって生産性は30%ぐらい向上したと思います。誤配送は防止され、残業時間も減っています。従事者の経験値に依存しない作業になったことで、人材の確保や育成面でも苦労することが少なくなったと思います。また、システム自体をもっと使いやすくしようとも考えており、追加メニューを工夫して、システムからの指示を聞き取れない場合は『もう一度』とリクエストができるようにアレンジもしています」(辻氏)

    ▲同社が導入している「ボイスシステム」のマイク、スピーカー一体のヘッドセット(インカム)と端末機

    ▲同社が導入している「ボイスシステム」のマイク、スピーカー一体のヘッドセット(インカム)と端末機

    コストとパフォーマンスを考えた導入・運用の検討が重要

    日本の物流業界の仕事の中でも精密なピッキング作業は、これまで経験を積んだ従事者が支えてきましたが、少子高齢化の影響もあって人手不足が深刻になってきたこともあり、作業を機械化・自動化する必要性が認識されるようになってきました。それが「ボイスシステム」への注目が高まっている理由です。これは、物流業界に限ったことではないようです。

    「当社が試験導入したことを知って見学者が増えましたが、その業種・業務が、製造からサービスまで多岐にわたっているので驚いています。導入を考える企業が増えていますね。私どもは、システムの利便性や導入効果も説明しますが、1台当たりのライセンス料とメンテナンス料など、コストがかかることも説明しています。どこでどのように使えばメリットがあるのか、パフォーマンスや投資計画を考えた上で導入を検討すべきと考えています」(辻氏)

    1. 1 ピッキング:物流用語で出荷指示された品物を在庫から選び出す作業のこと。
    2. 2 ボイスシステム:ピッキングなどの物流作業を、より円滑に効率的に行うことを目的に開発されたシステム。作業者はワイヤレスの音声端末一体型のヘッドセットを着用し、音声で出荷指示を受け、作業の完了も声で入力することができる。これにより端末入力などで手を使う必要がなく、ハンズ・フリーでの作業が可能になり、作業時間の短縮と作業品質向上を実現している。
    会社概要
    株式会社ビーイングホールディングス
    会社名
    株式会社ビーイングホールディングス
    設立
    1986年(昭和61年)9月
    所在地
    (金沢本社)石川県金沢市専光寺町レ3-18
    代表取締役社長
    喜多 甚一
    資本金
    8,000万円
    事業内容
    全国約40拠点で物流及び関連コンサルティング事業。(グループ会社事業として観光バス、タクシー、自動車修理、給油所、システム開発など)
    URL
    https://being-group.jp/
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  • ICT導入事例 -みどりクラウド-

    ビニールハウスに設置したセンサーの数値をクラウドに蓄積。イチゴ栽培の効率化と品質…

    業務効率化
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    ビニールハウスに設置したセンサーの数値をクラウドに蓄積。イチゴ栽培の効率化と品質強化へ

    2018年5月号の特集では産学官連携による「農業ICT」の取り組み事例を紹介しましたが、今回は家族経営の農業生産者が課題解決として取り組んでいる農業ICTの導入事例を紹介します。
    長崎県南島原市で野菜や水稲とともにイチゴ栽培に励む農業生産者の栗原 雄一郎氏は、ハウス内の数値をリモート確認できるソリューションの導入で農作業の効率化を進めています。ビニールハウスでのイチゴ栽培は機械化が難しく、人の手に頼らざるを得ませんが、より高品質なイチゴづくりを目指した“理想の栽培”に向けICTを導入して取り組んでいます。

    • 【導入の狙い】経験値や勘に頼らないイチゴ栽培の手法を確立するとともに農作業の効率化を目指す。
    • 【導入の効果】データの“見える化”で病害虫に強いイチゴづくりが実現。農作業の負担も大きく軽減。
    「みどりクラウド」のシステム概念図

    「経験値や勘」だけに頼らない農業を目指しICT導入を模索

    栗原 雄一郎氏は、生まれ育った長崎県南島原市の農業生産者です。特に力を入れているのはイチゴの生産で、作づけ面積20アールほどのビニールハウスで育てる高級品種「おいCベリー」「桃薫」(とうくん)は、取引先からその品質が高く評価されています。

    地元の農業高校卒業後、福岡県の研究機関で2年ほど学んだ栗原氏は、自身で農業に携わるにあたり、一つの考えを抱いていました。

    「農業の世界は“経験に学べ”“作物と会話せよ”という風潮が長く続いてきました。確かにそうした経験から生み出された感覚は大切です。ただ、そうした“経験値や勘”を温度や湿度、CO2(二酸化炭素)濃度、土壌水分量などのデータで裏づけ、理論化できないかと考えていました」(栗原氏)

    農業生産者 栗原 雄一郎氏

    ▲農業生産者
    栗原 雄一郎氏

    農業ICT企業のサテライトオフィス進出で導入が現実化

    近年の農業分野でのICT利用の拡大を受け、機が熟したと判断した栗原氏は、そうした計測ソリューションの導入に向け舵を切ります。しかし、そこには厳しい現実がありました。 「その多くは導入、運用コストがあまりにも高かったのです。それは、もう少し生産規模を拡大すると何とかなるといったものではなく、導入は現実的に不可能だろうと思えるものでした」(栗原氏)

    そんな時、栗原氏にとって追い風となる環境の変化がありました。農業IoTサービス「みどりクラウド」を提供する株式会社セラクが、総務省や南島原市の後押しを受け、市内の小学校跡地にサテライトオフィスを設置したのです。(「みどりクラウド」は、NTT東日本の「ギガらくWi-Fi」の「IoTサポートオプション」の対象端末に採用されており、動画や複数のセンサーを利用することができる)

    「実は、『みどりクラウド』は、低コストで、検討した計測ソリューションの中で唯一、導入可能ではないかと考えていました。そのセラクが南島原市に進出するという話を聞き、これは良い機会だと思いました。2016年10月に導入に向けて話を始め、わずか2ヵ月後の12月に導入となりました」(栗原氏)

    【ビニールハウス内に設置されたモニタリングシステム
    栽培されたイチゴ

    ▲ビニールハウス内に設置されたモニタリングシステム(左)と栽培されたイチゴ(右)

    そうした短期間での導入が可能となった背景には、「みどりクラウド」のコンパクトな設計にあります。

    「『みどりクラウド』の設置に必要なのは電源だけで、ビニールハウスにはすでに用意されています。各種センサーが計測した値は携帯電話回線を経由してクラウドに蓄積されるため、ほかの設備は不要でした」(栗原氏)

    ハウス内環境の遠隔での確認が可能となり負担軽減を実現

    こうして栗原氏が「みどりクラウド」を導入して、ほぼ1年半。イチゴは作づけが9月なので、2017年から2018年にかけて、作づけ、育成、収獲というサイクルが回ったことになります。

    「まず、何より驚いたのは、自分の感覚のズレがデータにより指摘されたことでした。植物は光合成により二酸化炭素を取り込み、酸素を排出します。つまり光合成が活発になるとハウス内のCO2濃度が低下するため、外気を入れて濃度を元に戻す必要があります。これまでは『このくらいのタイミングで大丈夫だろう』と思ってやっていましたが、実際には想像よりも早く濃度が低下していることがデータで確認できました」(栗原氏)

    こうしたCO2濃度のほか、温度や湿度のデータはパソコンやスマートフォンを使い、どこからでも確認可能で、設定により異常値をアラームで知らせることもできます。

    「例えばハウス内温度の調整に必要な屋根の開閉にしても、今までは現場まで行って温度を確認し、不要であればまた自宅に戻ってあらためて出直すということもありました。また出張でそうした作業を家族に頼む時は『本当にやってくれたのかどうか』が不安でした。しかし導入後はスマートフォンで状況を確認し適切なタイミングに電話で依頼をし、後でデータ、もしくはハウス内に設置したカメラの画像をスマートフォンで確認するというフローになり、格段に便利になりました」(栗原氏)


    生育に関わるデータをAI(人工知能)が分析、理想のイチゴ栽培環境の実現も

    こうしてハウス内の環境をデータで見える化し、自分の考える理想のハウス内環境に近づけていった結果、イチゴの生育はこれまでになく順調になったと、栗原氏は語ります。

    「適切な温度、湿度、CO2濃度を保つことでイチゴの苗そのものが病害虫に強くなり、薬剤の利用も驚くほど減少しました。実はイチゴは病害虫に弱く、私自身は『無農薬栽培は現実的ではない』と諦めていたところもありました。しかし今はそれが現実のものになるかもしれないとも思い始めています」(栗原氏)

    そして栗原氏は、さらなる農業ICTの未来を頭に描いています。

    「自分がこれから何年にもわたり蓄積した栽培データと品質との相関性をAIにより分析すれば、収量や品質で、これまでをはるかに上回るイチゴ栽培が可能になるかもしれません。実は息子の代に受け継ぐ農業の形を思い描くと、そうした未来も案外近いのではとも夢想しています」(栗原氏)

    栗原氏のような生産者の思いとICTの進展により、日本の農業はその姿をきっと大きく変えていくことになるはずです。

    【みどりクラウド】
    みどりクラウド

    株式会社セラク(本社・東京都新宿区)が提供している温室内環境遠隔モニタリングシステム。自動的に圃場(作物を栽培する田畑やビニールハウス)の環境を計測、記録し、そのデータを離れた所からいつでも確認することができる。全国の生産者の声をもとに必要な機能に絞り込むことで、コスト削減にも貢献する。IoTセンサー装置の利用方法に関する問い合わせやトラブル時のサポートなどはNTT東日本にまかせることができる。

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  • ICT導入事例 -株式会社ダイワ・エム・ティ-

    “訪れうる危機”に対応すべく、訓練により従業員のリテラシーを向上 特集記事PDF…

    業務効率化
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    “訪れうる危機”に対応すべく、訓練により従業員のリテラシーを向上

    「パソコンが乗っ取られる」「データが流出する」など、企業活動において多くの脅威をもたらす「標的型攻撃メール」。
    その実態と対策については2018年3月号2018年4月号の特集で紹介しましたが、今回は実際にその対策に取り組んでいる企業の事例を紹介します。
    静岡県富士市にある株式会社ダイワ・エム・ティは、セキュリティ対策のハード&ソフトウェアの導入に加え、従業員の訓練により、標的型攻撃メールのリスクに備えています。

    • 【導入の狙い】従業員のセキュリティ意識を確認し、さらに高めることを狙う。
    • 【導入の効果】メール本文のリンクや添付ファイルの不用意な利用がなくなり、意識が向上。
    日本電信電話ユーザ協会の「標的型攻撃メール予防訓練サービス」実施イメージ図

    自社、そして取引先の情報を守るため、セキュリティ対策に注力

    静岡県富士市の株式会社ダイワ・エム・ティは、自動車などの開発に欠かせない「1/1モックアップモデル(原寸大模型)」や、自動車用内装部品を手がけるメーカーです。

    「当社のルーツは1916年(大正5年)に創業した船舶機械の木型を作る会社です。その後、製紙関連、そして自動車関連へと、富士市の産業構造の変化に合わせる形で事業を拡大してきました。現在は複数の自動車メーカーと取引があり、デザイン開発の支援から部品量産のための機械や治具(位置決めなどを行う作業工具)まで、幅広く手がけています。特に内装部品生産については、表皮を土台となる芯材に貼り込む工程での高い技術により、他社には真似のできない美しい製品を作れると自負しております」(和久田氏)

    代表取締役社長・和久田 惠子氏

    ▲代表取締役社長
    和久田 惠子氏

    もちろん、こうした開発業務においては、自社はもとより、取引先企業の情報を守ることが何よりも重要です。

    「お取引先さまとの間では、高いレベルの機密保持契約を締結します。そしてそれを担保するため、社員には機密保持についての誓約書の提出を義務づけ、工場は関係者以外の出入りをシャットアウトしています。そして高度な秘匿性が求められるデザインセンターは外から見えないようにしてあります」(和久田氏)

    「どこから感染したのか分からない」という事実から、対策のさらなる強化へ

    もちろん、こうした対策は、同社のパソコン環境でも同様です。

    「すべてのパソコンにアンチウイルスソフトを導入しているのはもちろん、インターネットとの通信も監視し、不正な侵入を防いでいます。また開発部門で使うパソコンは総務や経理のネットワークとは切り離し、閉鎖したネットワークで運用しています」(和久田氏)

    ▲社内には同社が製作した自動車のモデルやカーボン加工品などが展示されています
    ▲社内には同社が製作した自動車のモデルやカーボン加工品などが展示されています

    ▲社内には同社が製作した自動車のモデルやカーボン加工品などが展示されています


    ただ和久田氏には気になることがありました。それは知人の企業で起きた、パソコンを巡るトラブルでした。

    「その企業も、弊社と同様にICTのセキュリティには注意を払い、インターネットからの不正侵入にも対策していたと言います。しかしある朝、出社した社員がパソコンを起動すると画面に“身代金”を要求するメッセージが表示され、操作を受け付けなくなったと言うのです。さらにトラブルはそのパソコンだけでなく、ネットワークにつながっている複数台にも広がっていました。幸い、日ごとに取っているバックアップを使った復旧が可能だったこと、弊社同様に閉じたネットワークで運用している開発部門には影響がなかったことで、被害は最小限に止まったそうですが、『対策はしていたはずなのに、どこから感染したのか分からない』と言うお話をうかがい、セキュリティ対策に“過剰すぎる”ということはないことを実感しました」(和久田氏)


    ランサムウェア対策に「標的型攻撃メール予防訓練サービス」を選択

    和久田氏はこの事例を教訓に、同社のセキュリティをさらに高めるため、社内のシステムを見直しました。

    「まずUTM(社内ネットワークの入口に設置する統合型セキュリティ管理機器)を導入し、ネットワークそのものの安全性を高めました。そして部署ごとにセキュリティの担当者を決め、アンチウイルスソフトのアップデートが確実に行われているか、監督を義務づけました。そして各社員にもこれまで以上にセキュリティ意識を持ってもらうため、日本電信電話ユーザ協会の『標的型攻撃メール予防訓練サービス』を利用しました」(和久田氏)

    このサービスは、ユーザ協会が訓練用の「模擬メール」を申込企業の受講者へ送信し、その後に訓練を受けた方全員へ学習用コンテンツへ案内する事で、「標的型攻撃メール」について理解をうながすというものです。

    「“身代金”を要求する悪意あるソフトウェアについて調べたところ、これがランサムウェアと呼ばれ、その感染経路に標的型攻撃メールがあることが分かりました。このサービスならそうしたメールへの対策になると考えたことが、実施の動機です」(和久田氏)


    訓練により「メールの確実な確認と処理」が各従業員に浸透

    訓練は予告なく行われましたが、模擬メールを開封した従業員は皆無で、和久田氏はその意識の高さに胸をなで下ろしたと言います。

    「訓練の結果で、弊社がこれまで行ってきた教育が間違っていなかったことが証明されました。そして訓練後は、添付ファイルやメールに記載されたURLに不審な点はないか、差出人は真正のものかどうかを、各従業員がこれまで以上にしっかりと確認するようになりました。これは大きな成果だと思います」(和久田氏)

    この訓練に加え、同社はユーザ協会が提供するセキュリティセミナーも製造部門・管理部門のすべての社員が受講しました。

    「訓練やセミナーで、もともとの高い意識がさらに高まったと実感しています。そしてその意識を継続させていくためにも、訓練については今後も継続的に行うことが重要ではないかと考えています。標的型攻撃メールに代表されるセキュリティリスクを身近なものととらえる上で、ほかの企業さまにもこうした訓練、セミナーのご利用をおすすめしたいですね」(和久田氏)


    会社概要
    株式会社ダイワ・エム・ティ
    会社名
    株式会社ダイワ・エム・ティ
    設立
    1943年(昭和18年)8月23日
    所在地
    静岡県富士市大渕539
    代表取締役社長
    和久田 惠子
    事業内容
    デザインサポート、デザインデータ作成、デザインモデル製作、CAD/CAM、マスターモデル製作、CFRP成形型、FRP、検査治具/各種治具設計製作、量産用樹脂型製作、自動車内装部品量産用設備、設計製作
    URL
    http://www.daiwa-mt.co.jp
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  • ICT導入事例 -稲田金網株式会社-

    自社制作のウェブサイトをフル活用して広告・宣伝費などを圧縮 自社に適した営業戦略…

    インターネットHP作成
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    自社制作のウェブサイトをフル活用して広告・宣伝費などを圧縮 自社に適した営業戦略を展開

    稲田金網株式会社は創業80年を超える老舗商社。社長を合わせて6名で金網やパンチングメタル※1、エキスパンドメタル※2製品など多様な製品を全国に販売しています。最小限の経営資源で最大の効果を上げる“ミニマム経営”を可能にしているのは、5,000ページを超える自社制作のウェブサイトです。これをフル活用し、宣伝のためのカタログやサンプル送付などにかかる間接費を圧縮、また外回りの営業をなくして問い合わせ対応に人員を集中させる戦略をとっています。

    • 【導入の狙い】経営資源の少ない中小企業が、販売のための間接費を減らすためウェブサイトをフル活用する。
    • 【導入の効果】ウェブからの新規注文が増え、売上高・利益とも安定した経営を継続できるようになった。
    ウェブサイトをフル活用した営業戦略

    時代に合わせて「手を変える」自社の特徴を活かすためのウェブサイト

    大阪市中央区にある金網の老舗商社である稲田金網株式会社が扱う製品は約2,000種にもなります。一口に「金網」と言ってもその用途と種類は驚くほど多様で、建物の壁面の意匠や間仕切りから、工業用のコンベア、網カゴ、ふるい、さらには料理の豆腐すくいまで含まれます。一般的に商社では、商品説明のためにカタログやサンプルを作って客先へ送付する、営業担当がカタログやサンプルを携えて説明に出向くなどしますが、同社では現在、こうした活動を行っていません。

    「数種類のカタログを作成して送ると、年間およそ65万円はかかります。サンプルの無料送付についても同様です。さらに営業経費もかかりますので、6人ほどの会社がそんなことをしていたら、経費倒れになり兼ねません」このように説明するのは、同社3代目社長の稲田 肇氏です。

    代表取締役社長・稲田 肇氏

    ▲代表取締役社長
    稲田 肇氏

    稲田氏が先代社長から引き継いだ社是は「手は変えるが品は変えない」金網という商品は変えなくても、時代に合わせて売り方(手)を変えるという意味です。稲田氏もかつて、金網が実際に使われる現場を知るため、板金や内装工事の資格を取得し、各地で施工の実績を積みました。現在では内装工事などの仕事は手がけず、販売に特化していますが、「製品情報だけでなく、客先の購買担当者さえ知らない施工や意匠の知識を加えて対応できるようになりました」(稲田氏)

    その経験は今でも活きており、稲田氏が現在用いている「手」は、ウェブサイト上に設けた複数のホームページをフル活用することです。

    「当社の財産は、金網に関する知識と経験の豊富さです。それを活かしたホームページを2005年から自分一人で作り始めました。ウェブの知識はなく、専門の勉強をする時間もなかったので、写真や文字の大きさと位置を指定するだけのテンプレートを用いたソフトを使いました」(稲田氏)

    製品別専門サイトを構築しカタログ代わりに活用

    稲田氏は同社が蓄積してきた膨大な知識量・情報量を駆使して、ページ作成を続けました。ページ数が2,500を超えたところで、会社案内用サイトとは別に、金網、パンチングメタル、エキスパンドメタルの製品別専門サイトを独立させ、それぞれを充実させることにしました。現在のページ数は4サイトとグループサイトを含め総計約5,000に上り、まさに「金網の百科事典」です。サイトには、例えば、先代を取材してまとめた各製品の特長や、加工法、サイズ、施工事例などの記事が、豊富な写真や図表とともに掲載されています。この記事があることで、問い合わせを受けた際に、顧客にサイトを見てもらい、写真や図表を介してTV会議のように商談を進めることができ、カタログ以上の役割を果たしています。

    「電話で話しながら、ウェブページ上の加工や施工の事例を参照してもらい、新たなデザインの提案を進める場合もあります。必要な情報はサイトからダウンロードしてもらい、双方の理解を深めればサンプルを送る場合も無駄がなく、スタッフ全員が決定権を持っているので、商談に出向く必要がありません」(稲田氏)

    ウェブサイトの運用で稲田氏が注意しているのは、SEO(検索エンジン最適化)対策です。金網に関するどんな専門用語で検索しても上位5~10位以内には同社サイトが表示されるように更新頻度、キーワードなどを工夫し、簡単に使えるアクセス解析ツールも活用。自社の「圧倒的な商品知識と情報量の蓄積」という強みを、最大限に活かした戦略をさらに強化しています。


    間接費を大幅に圧縮しウェブ経由でも新規顧客を獲得

    こうしたウェブ活用によって、カタログやサンプルの制作・発送費、広告・宣伝費、営業経費などの間接費の圧縮もできましたが、より大きな成果は、売上に占めるウェブ経由の比率が年々向上していることです。2016年度の集計によると、ウェブ経由で注文する顧客は31%、うち16%が新規で、15%がリピーターになりました。

    「中には北海道の牧場や九州の養蜂場もあります。まだ70%近くのお客さまは、従来通り電話やFAXを起点に注文されていますが、こちらは既存顧客が中心です。しかし今後は、近いうちにウェブ経由の比率が半分以上になると思っています。間接費の必要性はさらに低くなっていきますし、商談もスピーディです。必要経費として、サイトの維持管理に要するサーバー業者への支払いは避けられませんが、これも1サイト当たり3,800円弱なので、大きな負担にはなっていません」(稲田氏)

    ▲製品の画像は社長自身で撮影してウェブサイト上で公開
    ▲製品の画像は社長自身で撮影してウェブサイト上で公開

    ▲製品の画像は社長自身で撮影してウェブサイト上で公開

    “どうせできない”と思わず“変えられる”という勇気を

    稲田氏は、ウェブサイトの活用をさらに進化させようと考えています。

    「現状のホームページは、どちらかと言えば、必要に迫られて情報をまとめたもので、満足はしていません。今、研究しているのは、利用者が急増しているスマートフォンやタブレットなどへコンテンツを対応させることです。また、エキスパンドメタルのように、用途が多いのに、なかなか言葉だけでは伝わりにくい製品を説明するために、動画を活用したいですね。これは難しいけれど、いろいろと工夫するのは楽しいです。仕事の仲間たちに加え、お客さまも巻き込みながら、金網の新しい可能性を広げていく仕事が好きなんです」(稲田氏)

    自社の得意分野の価値を高めて、他社にはない価値を生み出した同社。“どうせできない”“どうせ変わらない”と思わずに、変えられる勇気を持って、未来を見据えて挑戦していくことを大切にしています。

    1. 1 パンチングメタル:無加工の金属板に複数本のピンで構成された組金型を使用し、専用のプレス機で無数の穴を均等に打ち抜いた金属板。
    2. 2 エキスパンドメタル:無加工の金属板に千鳥状に切れ目を入れながら押し広げ、継ぎ目のないメッシュ(網の目)状に加工した金属板。
    会社概要
    稲田金網株式会社
    会社名
    稲田金網株式会社
    設立
    1956年(昭和31年)3月
    所在地
    大阪府大阪市中央区東平2-3-12
    代表取締役社長
    稲田 肇
    資本金
    1,000万円
    従業員数
    6名
    事業内容
    金網製品及び金網加工品、パンチングメタル及びエキスパンドメタル製品の卸売販売
    URL
    http://www.inadakanaami.jp/
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  • ICT導入事例 -向洋電機土木株式会社-

    ワークライフバランスを考え、テレワークを手段として導入。仕事の「見える化」も進め…

    業務効率化
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    ワークライフバランスを考え、テレワークを手段として導入。仕事の「見える化」も進めて生産性を向上

    横浜市南区にあって、公共工事などに伴う電気設備工事を事業とする向洋電機土木株式会社は、年々、業績も社員数も着実に伸ばしています。これは、「CS(顧客満足)にはES(従業員満足)やFS(家族の満足)の向上が不可欠であり、それを根底から支えるのがPS(個人満足)である」との考え方を基に、テレワークなどによる働き方改革を進めてきた成果です。ワークライフバランスを重視して、無駄な残業を減らし、社員のストレスを排し、生産性を向上して生まれた時間をスキル向上や資格取得の勉強に充てるなど、社員とその家族の幸せにつながるようにした施策が好循環を生み出しています。
    • 【導入の狙い】現場移動による時間の無駄を無くし家庭の事情などを抱えた社員のために働き方改革を進めたい。
    • 【導入の効果】テレワークによって生産効率向上、社員の成長と会社の成長が一体となってきた。
    仕事の効率を上げ「働き方改革」を促進させるテレワークの概念図

    社員が抱えている悩みや求人難を解消する手段としてのテレワーク

    電気設備工事という仕事柄、各地に工事現場があり、社員は、自宅・会社・現場を移動するだけでも大変な時間を要します。また、介護や子育てなどの事情を抱える社員の場合は、精神的にも肉体的にも大きな負担を強いられます。こうした問題を改善することがワークライフバランスを保ち、人材の確保・育成を促進すると判断した同社では、2008年から広報部部長で人事の責任者でもある横澤氏を中心に、テレワーク導入の検討を始めました。会社に立ち寄らずに現場に直行し、仕事は現場か自宅ですませるようにする、介護や子育てのために在宅でも仕事ができる仕組みと制度を考えたのです。

    「実は、自分も親の介護の問題で前職を離職した経験がありました。社員とその家族の幸せを考えて働き方を改革したいと考えていた倉澤社長と話し合い、『思う通りにやってみろ』と背中を押されて、取り組みを始めたのです」(横澤氏)

    広報部 部長 横澤 昌典氏

    ▲広報部 部長 横澤 昌典

     

    仕事とスキルを明確にし、使いやすくてセキュリティ万全なシステムへ

    横澤氏がまず取り組んだのは、誰がどのようなスキルを持ち、どんな仕事を、どのくらいの時間をかけて処理しているかの調査でした。またシステムの専門家ではなかったので、自分でも使えそうなソフトウェアやサーバー、デバイス類の勉強にも取り組み、役職ごとの権限に応じて取り扱い情報ごとにアクセスできるファイルのセキュリティランクを決めました。そのファイル類も、クラウド上に置くものと本社サーバー内に置くものなどを峻別しました。社員には、同じスペック、同じソフトをインストールしたスマートフォンとノートパソコンを配布しましたが、使用場所は、自宅か決められた現場にするとルールを定め、社外への情報漏えいを防ぐためSNSなどを使用することは禁止しました。制度・運用面ではほかにも、社員一人ひとりの標準業務時間を設定した上で、実際にかかった時間を確認する労務管理を実施。ネットワークへの接続は自宅ではフレッツ回線、現場などではスマートフォンのテザリング機能※を使ってのWi-Fi接続で、使用状況は割り当てたアドレスから監視できます。このようなインフラの整備と、業務範囲・内容を明確化したことにより、現場や自宅で設計図や指示書、工事報告書の作成などを行えるようにしたのです。

    テレワークの推進により自宅から指示書などを直接現場担当者に送ることも可能になった

    ▲テレワークの推進により自宅から指示書などを直接現場担当者に送ることも可能になった

    「コストをかけたくないのでパッケージではなく信頼できるフリーソフトと、監視用プログラムを自作しています。使用するフリーソフトは三つあり、まず、インターネット回線を使って自由に対話できるテレビ電話システム。これは対面での打ち合わせ、指示書や図面を見ながら会議ができます。次に、SNSのように社内で会話できるチャットアプリケーション。これは限定された人たちだけで情報発信・共有がスムーズにできます。そして、Wikipediaのように業務知識を自分たちでリアルタイムに編集・蓄積できるソフト。これは、遠方の担当者同士で仕様書作成などが同時構築できます。現在、モバイルではテザリング機能を使って接続していますが、容量をシェアする方式なので速度的には不十分。将来的にはミニWi-Fiルーターを支給したいのですが、コストもかかるのでそれは“原資”をもっと稼いでからです」(横澤氏)

    同社では、テレワークの活用によって生まれた効果を計量化し、その分をシステム整備の投資に回すという考え方をしています。例えば、社用車での移動にかかっていた総時間を減らしたことで、保険料が70%削減できました。パソコンなどのコストはこうして捻出したものです。

     

    社員との話し合いを継続し、社員の成長を会社の成長につなげる

    施策を進めるに当たって重視したのは、生産性を向上して働き方改革につなげること、そして社員の成長と会社の成長を一致させることでした。テレワークの普及は手段であり、それ自体が目的ではありません。

    「システムを使うことを強制していません。生産性の向上のため常に全員と話し合いを重ね、『できない』なら『どうすればできるようになるか』の原因を一緒に考え、解決するよう努めています。その結果、設計図書やISOの審査資料の作成などは、常に社内にいる事務職でこなせるようになりました。時間に余裕が生まれたら、それを資格取得の勉強に回すよう指導もしました。有資格者には手当も出ますし、資格者の増加は工事受注にも良い結果となります。また、『二人目の子どもが持てた』とか『マンション購入の決心ができた』など、社員の家族の幸せにつながっているのが何より嬉しいです」(横澤氏)

    テレワークを含む一連の働き方改革の結果、2016年度は2008年度に比べ、社員数が9人増えたにも関わらず、ガソリンの使用量は83%、本社の電力使用量は75%に減少、平均労働時間は2,100時間から1,800時間に削減されました。その間、売上は倍増しています。また、同社の取り組みを知って働きたいと希望する人も全国から数百名も集まるようになりました。

     

    働き方改革に完成はない 生まれてくる新しい問題に対処

    テレワークを活用した働き方改革の先進企業として知られるようになり、横澤氏は「女性の社会進出」「介護と仕事の両立」などの講演を行っていますが、同社の働き方改革はまだ完成形ではないと言います。

    「誰もが、『働きやすい職場』を望みますが、その『働きやすさ』は、その人のライフステージによって変わるものです。これからも次々と新しい問題にぶつかるでしょうし、挑戦は続けねばならないと思っています。改革を継続するには本人だけでなく、ご家族の理解と協力が重要であると思います」(横澤氏)

    1. テザリング機能:スマートフォンをWi-Fiルーター(親機)にしてWi-Fi対応機器(子機)をインターネットにつないで活用できる機能。
    会社概要
    向洋電機土木株式会社
    会社名
    向洋電機土木株式会社
    創業
    1965年(昭和40年)3月11日
    所在地
    神奈川県横浜市南区井土ヶ谷下町16-6
    代表取締役社長
    倉澤 俊郎
    従業員数
    35名(女性10名)
    事業内容
    電気設備設計・施工
    URL
    http://www.kouyo-dd.jp/
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  • ICT導入事例 -株式会社印傳屋 上原勇七-

    伝統工芸品「印伝」の魅力を発信 ウェブメディア活用のブランディングで新市場開拓 …

    インターネット
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    伝統工芸品「印伝」の魅力を発信 ウェブメディア活用のブランディングで新市場開拓

    「印伝」は、なめした鹿革を燻したり漆などで模様をつけたりして、袋物や服飾品などに仕立てたものです。中でも「甲州印伝」の印傳屋 上原勇七は400年以上の歴史を持つ老舗です。同社は長い歴史の中で、形状や色柄などに常に工夫を重ねてきましたが、現在ではウェブメディアを活用した情報発信・ブランディングにも力を入れ、海外有名ブランドや国内外のクリエイターともコラボレーションするなど、新市場の開拓を進めています。伝統工芸に根ざした製品を現代に、そして世界に広げようとするその取り組みが注目されています。
    • 【導入の狙い】時代と市場のニーズの変化に対応した伝統工芸品のブランディングを確立したい。
    • 【導入の効果】ウェブメディア活用によるブランディングによって海外市場や若年層へアピールできた。
    ウェブメディアを活用した情報発信とブランディング戦略

    海外出展で気づかされた市場ニーズとのギャップ

    独特の風合いを持つ印伝の財布、キーホルダー、印鑑入れなどを愛用する人はたくさんいます。しかし伝統工芸品だけに「年配者向け」「高額」などのイメージを持つ人もいます。この状況を克服するために、同社では海外市場の可能性を探っていたところ、2011年にニューヨークで開催された服飾系の見本市「コーテリー展」に出展することになりました。陣頭指揮にあたったのは同社専務取締役の上原 伊三男氏でした。

    「漆は英語でjapanと呼ばれていることもあり、印伝の和風イメージを強調すればバイヤーの注目を集めると思っていました。印伝を使った甲冑のコスチュームでプレゼンすることも考えましたが、面白がってもらえることと取引につなげることは別です。目の肥えた海外のバイヤーたちは、黒漆で仕上げたようなシックでエレガントなデザインを好む傾向がうかがえました」(上原氏)

    専務取締役 上原 伊三男氏

    ▲専務取締役 上原 伊三男

     

    山梨とともに自然と人間をつなぐメッセージを明確にしてメディアで訴求

    上原氏らのブランディング戦略は、印伝を語るストーリーの練り直しから始まりました。まず山梨という土地に根ざし、長い歴史を持つ伝統工芸であること。次に自然にも人にもやさしい天然素材であること、さらに伝統的な図柄だけでなく現代的なデザインもあることを、押しつけがましくなく伝えたいと考えました。こうして生まれたのが、「甲州とともに、歩む。」という動画です。2015年にTVで放映されたこのCMは、山梨の自然や四季の風物や、漆職人の仕事ぶりの映像と音だけで構成し、商品や社名の宣伝を極力抑えました。2017年には、このコンセプトをさらに洗練させた動画「Sense of Wonder」をつくり、ホームページにも特設サイトとして組み入れたところ、国内外で好評を得たのです。

    「印伝の伝統的な柄である小桜や青海波、トンボなどは自然をモチーフにしたものです。印伝には、おしゃれ心だけでなく自然への畏敬の念が込められていることをアピールしたかったのです」(上原氏)

    ホームページを見やすくするため文字数を減らし、画像主体に編集した愛用者のライフスタイルを見せるサイトも加えました。また2015年からはFacebookの活用も始め、本社からだけでなく直営4店舗及び自社運営の「印傳博物館」からの投稿で最新動向を伝えるようにしました。ここには現在、約4万人のフォロワーがついています。さらにInstagramの活用も開始し、若い女性たちにアピールする画像を中心に発信しています。

    ▲なめした鹿革を燻し、漆などで模様をつける「印伝」
     

    新たなコンテンツからコラボも生まれ職人たちの意識も変わった

    発信するメッセージを明確にし、ホームページやFacebook、Instagramなどウェブメディアの特性を考えて使い分けながら、コンテンツマーケティングを展開しています。「INDEN-YA」の商標で英語版サイトも作り、イメージ動画も米国でネット広告の賞を獲得するなど海外からの評価も得ています。そして発信力を高めたことで、印伝に関心を持つ人の層を広げ、コミュニケーションを深めるだけでなく、ビジネスでも新たなコラボレーションが生まれました。このコラボレーションが、社内の職人たちにも思わぬ効果をもたらしたのです。

    「ある海外有名ブランドからロゴパターンを漆で、と注文を受けました。印伝にも繰り返し模様がありますが、手刷りだから1品ずつ微妙に違う。それが風合いにもなります。しかし、この注文はそれを許さない厳しい基準でした。『難しい、でもやってみせよう』という職人魂に火をつける仕事になり、以来、国内外クリエイターとのコラボ製品には、意欲的に取り組むようになっています。伝統というのは、ボトムアップの革新で支えられていることを改めて認識しました。交流が深まるほど自分たちの見直しになります」(上原氏)

    ▲印伝は職人一人ひとりの手で作られる伝統工芸品
     

    伝統ある老舗だからこそ着実かつ進取的なICT活用

    実は、ICT活用はウェブメディアだけではありません。POSレジを起点として在庫管理、顧客管理システムを連携させて、生産計画の精度向上にも効果を上げています。

    同社では1990年代半ばからICT活用を進めています。人員管理から販売管理、卸売り管理、在庫管理、顧客管理、そして生産管理と進め、4つの直営店のPOSレジからの売上情報はすぐ在庫情報につながり、生産計画策定にも活用される仕組みを形成しています。

    形状や色柄の違いでアイテムは合計で1万点以上あるため、集計や伝票の転記を手作業で行っていた頃は、社員への負担が重く、ミスも生じて、商品補充日のめども不明瞭でした。お客さまや取引先、協力会社にも迷惑をかけてしまう恐れがあり、ICT活用が必要でした。

    今後は、ブランディングやお客様とのコミュニケーションにも活用するとともに、蓄積された情報をマーケティングや開発などの分野でも活かすため、ICT活用が必要だと考えているとのことです。

    同社のICT活用は、必要性の高いところから着手し、じっくりと無理のない範囲で投資し、それを使いこなして次に進むというやり方で進化してきました。その間にICTという「道具」の有用性を見極めてきたのです。モノ作りに真摯に取り組んで来た老舗らしい歩み方は参考になります。

    ▲本社内にある展示スペースと「印傳博物館」
     
    会社概要
    株式会社印傳屋 上原勇七
    会社名
    株式会社印傳屋 上原勇七
    創業
    1582年(天正10年)
    所在地
    山梨県甲府市川田町アリア201
    代表取締役社長
    上原 重樹
    資本金
    4,000万円
    従業員数
    85人
    事業内容
    印伝(革製品)製造販売
    URL
    http://www.inden-ya.co.jp/
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  • ICT導入事例 -株式会社第一不動産販売-

    お客さま満足向上のため「お待たせしない電話応対」と「高いセキュリティ」を実現 特…

    業務効率化コスト削減
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    お客さま満足向上のため「お待たせしない電話応対」と「高いセキュリティ」を実現

    「外出などでお客さまの電話に対応できないこと」は、機会損失だけでなく、お客さまをお待たせすることにもなります。株式会社第一不動産販売は、営業スタッフがどこにいても会社あての電話を受けられる「クラウドPBX※ 1」を導入、同時にセキュリティ向上のため社内システムも一新しました。
    • 【導入の狙い】いつでも電話に出られる体制の構築でお客さまのさらなる信頼を獲得する。
    • 【導入の効果】お客さまニーズに応じた対応を実現、業務効率化と伝達ミス削減も達成。
    スマートフォンで内線通話機能を実現するクラウドシステム

    創業当初よりICTの積極導入を進めたことが成長の足がかりに

    三重県鈴鹿市に本拠を置き、県北部を主な営業エリアとする株式会社第一不動産販売は、土地や建物の開発と分譲を業務の中核とする不動産会社です。

    「2003年(平成15年)に創業した当社は、お客さまに『信頼される存在』『喜ばれる存在』『なくてはならない存在』を目指しております。この間、右肩上がりで成長を続けることができたのは、そうした姿勢がお客さまに高くご評価いただいたこと、そして創業当初よりICTの導入による合理化、効率化を進めてきたためだと自負しております」(倉田氏)

    同社創業当時、不動産業界では紙ベースの物件管理が一般的で、お客さまやお取引先さまとの連絡も、電話とFAXに頼っていました。

    総務調査部長 倉田 一成氏

    ▲総務調査部長 倉田 一成

    「そうしたアナログな商慣習が残る中、弊社だけが業務フローをデジタル化することは困難です。しかし、物件のデータを紙ではなくパソコンのデジタルデータとして管理し、FAX送信もパソコンのFAXモデムから複数の宛先に同時送信できるようにするなど、当時としては考え得る最新のものを導入いたしました。こうした業務の効率化で、少人数でも多くの物件を扱えるようになったのです」(倉田氏)

     

    もっとも重視したのは「お客さまをお待たせしない応対」の構築

    こうしたシステムは随時見直し、アップデートを続けてきましたが、やはり導入から15年という月日と営業規模の拡大により、同社はより根源的なシステム更新を迫られることになります。

    「システム更新において最も重要視したのは、お客さまからいただいたお電話に担当の営業スタッフが常に応えられる体制の構築でした。お客さまのお電話に折り返しの連絡で対応することはもちろん可能ですが、それでは何らかのご事情で急いでいらっしゃるかもしれないお客さまを必要以上にお待たせしてしまうことになります。また不動産のお取引というのは、お客さまと営業スタッフが、時には2年、3年という長いお付き合いを続けることで生まれる信頼関係の上に成り立つものであり、たとえ上司であっても、ほかの者が代行するというわけにはいかないのです」(倉田氏)

    同社は検討の結果、PBXの機能をクラウドに置き、社内のPBXやビジネスフォン主装置を不要とする「ひかりクラウドPBX」の組み合わせを選択、今年秋のオフィス移転を機に、「フレッツ光オフィスA」「スマート光ビジネスWi-Fi」と合わせて導入しました。

    ▲新社屋1Fに設けられたラウンジ
     

    「『ひかりクラウドPBX』では営業スタッフの持つスマートフォンを、社内外のどこにいても内線電話のように取り扱うことができます。この機能のおかげで、営業スタッフはお客さまのお電話にいつでもどこでも応対できるようになりました。また内勤スタッフが外出中の営業スタッフに電話連絡したり、メモを残したりという業務からも解放されたことで、業務効率が向上するとともに、伝達ミスの発生も抑えられています」(倉田氏)

     

    業界標準を満たしていたセキュリティもさらに堅牢なものへ

    またこのシステム更新においては、お客さまの情報をお預かりするという業態に求められる、堅牢なセキュリティの導入にも踏み切ります。

    「従来のオフィスでは、社内LANとインターネットとの接続点にファイアウォールを置き、さらにそれぞれのパソコンにアンチウイルスソフトをインストールするセキュリティ対策をとっておりましたが、新オフィスでは新たに『Biz Box UTM※2』経由でインターネットに接続することとし、マルウェア※3やフィッシングメール※4など外部からのリスクに対抗できる仕組みとしています。また業務データを確実に保護するため、社内のNAS※5に10世代のバックアップ履歴を、さらにクラウドにもコピーを保存する仕組みも導入しました。これにより、万一のトラブル発生時にも円滑に業務を継続できる環境が構築できたと思っております」(倉田氏)

    そして新社屋の1Fには、ソファやモニターを十数人が同時に利用できるラウンジも設けました。

    「このラウンジは、弊社のお客さまのほか、この地域の方々が集会や会合に自由に使えるスペースとして設けたものです。使い勝手を考える上でWi-Fiの設置は必須ですが、業務用のWi-Fi環境との共用はセキュリティを大きく損なってしまいます。そこで『スマート光ビジネスWi-Fi』により、外来者が利用するWi-Fi環境と業務環境とを区分しています」(倉田氏)

     

    リモートでの管理が安心して業務に活用できる環境を実現

    倉田氏は、これらのICT環境が、NTT西日本によりリモートで管理されているところに安心を感じていると言います。

    「せっかく充実した環境を導入しても、トラブルに気づかずに業務に大きな支障が出てしまうようでは不十分です。今回導入したシステムはNTT西日本が監視し、サポートしてくれるため、私たちは安心して業務に打ち込むことができるのです」(倉田氏)

    同社は今後も地域密着型の不動産業を続け、将来的にはほかの都市への展開も考えていると言います。その時も、このようなICTによる支援が大いに役立つことになるでしょう。

    1. ※1 PBX:会社内に設置する電話交換機。
    2. ※2 UTM:統合脅威管理装置。ファイアウォールやアンチウイルス機能などを統合した装置。
    3. ※3 マルウェア:不正かつ有害に動作させる意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称。
    4. ※4 フィッシングメール:メール受信者を騙してパスワードなどの情報を入手するために送られるメールのこと。
    5. ※5 NAS:ネットワークに直接接続して使用するファイルサーバー。
     
    会社概要
    株式会社第一不動産販売
    会社名
    株式会社第一不動産販売
    設立
    2003年(平成15年)
    所在地
    三重県鈴鹿市桜島町7丁目16-3
    代表取締役
    安田 武史
    事業内容
    宅地の造成・分譲、事業用地の造成・開発、マンション・戸建住宅の開発・分譲、建築・土木工事の請負、不動産の売買・仲介・調査、会員制サロンの運営ほか
    URL
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  • ICT導入事例 -尾鷲物産株式会社-

    バーコード活用による加工魚出荷作業の効率化とトレーサビリティを実現 特集記事PD…

    業務効率化コスト削減
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    バーコード活用による加工魚出荷作業の効率化とトレーサビリティを実現

    全国のスーパーや回転寿司チェーン店などからの注文に応じて、魚の種類・部位別に加工した商品を梱包・発送する作業(ピッキング)は、正確さとスピードが要求されます。総合水産会社・尾鷲物産株式会社は、バーコードによるピッキングシステム導入でこの課題に取り組み、作業を効率化させました。また、商品情報の管理精度を高めたことにより、食の安全性を確保するためのトレーサビリティ※1も実現しました。
    • 【導入の狙い】煩雑で重複の多い出荷業務を標準化・簡素化し効率的なピッキング業務を実現。
    • 【導入の効果】正確で効率的なピッキング業務により商品情報の管理精度を高め、食の安全性も確保。
    バーコード活用のピッキングシステムによる受発注・配送の流れ

    新鮮で安全な魚を部位別に加工して出荷する作業

    中部圏でも有数の漁業の町・三重県尾鷲市に本社を置く尾鷲物産株式会社は、近海マグロのはえ縄漁※2からブリやハマチの養殖、それらの加工及び直売店運営まで手がける総合水産会社です。1972年に地元スーパーの水産部門から独立して創業した同社は、「顧客の要望を重視する“マーケット・イン”の考え方をDNAとして持っている」ことが特長です。具体的には、全国の食品スーパー、回転寿司チェーン店、居酒屋などからの日によって変化する多様な注文に応じて、魚種・部位別に加工して出荷しています。例えば、回転寿司チェーン店からの「トロだけほしい」という特定部位だけの注文にも対応します。とは言うものの、同社の年間出荷量は、ブリ・ハマチで約100万尾、輸入サーモン35万尾、真鯛25万尾など総計約193万尾(7,600トン)に上り、それを、背・頭・トロ・カマ・中骨などの部位別に必要量だけを加工し、客先別に梱包・発送する作業は容易ではありません。

    常務取締役 玉本 卓也氏

    ▲常務取締役 玉本 卓也

    「近年、スーパーや回転寿司チェーン店でも自社で魚をさばく人手が不足しており、こうした部位別加工の注文が増えています。新鮮で安全な商品を、正確・迅速かつ安定した量と価格でお届けするのが当社の使命であるため、加工から出荷までの作業を効率化し、安全を担保することが経営課題です」(玉本氏)

    ▲お客さまの多様な注文に応じて魚種・部位別に加工されます
     

    受注から加工・出荷まで情報管理のカギはバーコード

    同社が梱包・発送業務の効率化に取り組み始めたのは10年前。電話、FAX、メールなどで受けた注文データをExcelで処理し、指示書に打ち出して加工から出荷までの現場に情報を流すようにしました。しかし、誤入力やラベルの貼り間違い、実績データ数値の記入ミスなどがあり、なかなか効果は出ませんでした。そこでピッキングシステムの開発に強いシステム会社と相談しながら、年々、少しずつシステムの改良を図り、2年前に完成したのが現在稼働しているシステムです。

    「お客さまの発注システムもさまざまで、現在でも10種類くらいのデータ形式で受注しています。まず、このデータを取り込んで加工指示、出荷検査、売上計上、納品データの返信にも共有し、一元管理できるようにします。加工後の出荷では、出荷管理の正確さ、効率的に配送するための積載効率が重要になります。ピッキングの現場には防水型のタッチパネル端末とバーコード・プリンターを3台、LANでつなぎ、受注データとの照合を行います。そして、いつ、どこに、どれだけ出荷するかを把握し、配送伝票とともに商品にバーコードなどが記載されたラベルを貼付します。バーコードは『コード128』という情報量の多いものを採用し、商品IDや加工日時など30以上の項目が入れられるようにしました」(玉本氏)

    ▲水産加工品はそれぞれバーコードによって一元管理
     

    「このシステムがなかったら出荷量の増大に合わせられなかった」

    同社の売上高は、主要取引先の回転寿司チェーン店やスーパーが店舗数を増やしていることもあって、過去5年間で150%も伸びています。アジア圏への輸出も好調です。ピッキングシステムの改善による効果も大きく、これまで1ラインあたり7人で処理し、1時間で497箱(=1時間あたり71箱/人)だったのに対して、現在は3人で355箱(=1時間あたり118箱/人)と、ラインあたりの処理能力が2.14倍になりミスも軽減されました。

    「画面と対話し、アラート(警告)を確認しながらの作業でミスが減り、省力化も実現。送り状などもリアルタイムで発行しているので事前準備も不要です。このシステムがなかったら出荷量の増大ペースに合わせることは不可能だったと思います。何より安心なのは、どの商品が、いつ、どこで加工されたかなどのID情報と、ピッキング履歴によるトレーサビリティを実現できたことです。食品を扱う事業者として安全性は最優先ですから」(玉本氏)

    この食の安全に関しても同社の取り組みは先進的で、食品製造の最も厳格な品質基準といわれるSQF認証※3や、HACCP認証※4も取得しています。

     

    コストや作業員の熟練度なども考慮し自社に適したICT化を推進

    本社のある尾鷲は、首都圏・関西圏・中部圏の大市場とのアクセスも良く、四国や九州の養殖場からの船便や、ノルウェーなどからの空輸便にとっても好立地です。また、養殖ブリに関しても、尾鷲はほかの養殖・加工地よりも大市場とのアクセスが良いため、加工注文を遅い時間まで受けることができるのです。そこで高度なピッキング能力を発揮することで、同社商品の新鮮さ、使いやすさの評価も高まることになります。

    「市場からは、安定供給・安心供給が求められています。でも、これ以上人手をかけず、無理のない範囲内での投資でICT化を進めたいと思います。例えば、現状では、梱包時に1品ずつ人の手でバーコードを読ませていますが、これも自動化できれば省力化になります。しかし、コストと同時に作業員の熟練度も考慮しています。慣れた作業手順を急に変えるのは逆に効率を下げる場合もあるからです」(玉本氏)

    このように、コストだけでなく作業員の熟練度なども考えながら自社に適したICT化を推進していることが同社の特長といえます。

    ▲「尾鷲は大市場とのアクセスも良く流通面で好立地」と語る玉本氏
     
    1. ※1 トレーサビリティ:跡をたどることができるという意味。食品の安全を確保するために、原材料の栽培や飼育から加工・製造・流通などの過程を明確にすること。また、その仕組み。
    2. ※2 はえ縄漁:1本の幹縄に多数の枝縄(延縄)をつけ、その枝縄の先端に釣り針をつけて行う漁法のこと。
    3. ※3 SQF認証:Safe Quality Foodの略で、フードチェーン全体を通して食品安全を管理し、品質システムを改善するために完成された認証プログラム。
    4. ※4 HACCP認証:Hazard Analysis and Critical Control Point認証の略で、効果的な食品安全管理の要件を定める国際基準。
     
    会社概要
    尾鷲物産株式会社
    会社名
    尾鷲物産株式会社
    創業
    1972年(昭和47年)
    所在地
    三重県尾鷲市林町1-33
    代表取締役社長
    小野 博行
    資本金
    6,500万円
    売上高
    約134億円
    従業員数
    235名
    事業内容
    魚類養殖、近海はえ縄漁、魚類の部位別加工・干物加工、直売店経営
    URL
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  • ICT導入事例 -株式会社北一商店-

    複雑な受注・在庫管理を他業種用システムで解決 営業先や工事現場からも情報の活用を…

    業務効率化コスト削減
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    複雑な受注・在庫管理を他業種用システムで解決 営業先や工事現場からも情報の活用を可能に

    畳資材商社の老舗・株式会社北一商店は、茶殻を使った「さらり畳」の開発など、畳活用の可能性を広げることに取り組んでいます。ICT活用にも早くから取り組み、膨大な商品アイテムと複雑な業務の流れを管理するために活用したのが、鉄鋼資材管理用のパッケージソフトでした。現在はこれを基幹システムとして受注・在庫管理を効率化するとともに、営業スタッフが外出先からタブレットで営業情報・顧客情報を活用できるように連携させています。
    • 【導入の狙い】膨大な商品アイテムと複雑な業務の流れを管理して効率化したい。
    • 【導入の効果】受注・在庫管理が自動化できるようになり、営業・顧客情報も連携できる。
    クラウド形式のグループウェアを活用した「受注・在庫管理システム」と「営業情報共有システム」

    多様な材料と多くの工程で作られ再利用される日本独自の建材「畳」の総合商社

    株式会社北一商店は1916年(大正5年)に創業した畳資材の総合商社です。建材メーカーや全国の畳店などと取引する一方、自社工場での製造や取付・敷込などの工事も請け負っています。また、2003年(平成15年)に茶殻やカテキンを使った「さらり畳」を大手飲料メーカーと共同開発したり、和紙を使った畳表などアイデアに富んだ新製品も次々に開発して注目されている企業です。

    畳一枚の大きさは地方によって異なるため、同社の取り扱う製品はアイテム数だけで8,000項目。産地・畑・買取時期で品質が変わる原材料のイ草などは細かくロット管理されているため、実際に取り扱う商品や素材のデータは数十万単位になります。また、畳の性質上、設置して何年か経過してから張替資材の問い合わせが入るため、以前は手書き台帳と担当者の記憶で対応していました。このため、時間がかかる割に不正確な対応になり、顧客に迷惑をかけることもありました。倉庫や工場ごとで行ってきた在庫の棚卸作業も、3日間の泊まり込みが当たり前という状況で、大きさや色のバリエーション別の細かな分類で管理することもできていませんでした。

    ▲茶殻やカテキンを使用した「さらり畳」(左)やカラフルな畳縁を使用した畳(右)などアイデアに富んだ新製品を開発
     

    数十万アイテムの畳資材を管理するために鋼材卸業界のパッケージソフトが貢献

    この膨大な在庫管理、ロット管理をICTで効率化するため、山形社長の陣頭指揮の下でシステム化を推進したのが工事部門責任者でもある松永氏でした。

    「早期導入したオフィスコンピューターだけで膨大な資材情報を管理するのは限界がありました。そこで、出入りのベンダーに提案されたのが、鋼材卸業界で使用されているソフトをカスタマイズし、基幹システムにすることでした。2005年に導入したこのシステムにより、受注・在庫・出荷管理の精度アップとトレーサビリティ※1を強化できました。棚卸も2日間の勤務時間内の稼働だけで済み、商品管理も細かく設定できるようになったのです」(松永氏)

    この基幹システムは、当初は自社にサーバーを置く「オンプレミス」※2方式で運用していましたが、停電により数日使えなくなるという事故を経験したことで、2014年以降、ベンダーのデータセンターにあるサーバーとVPN※3で結ぶ「クラウド」方式で運用されています。

    豊富なバリエーションを取り揃えた畳表のサンプルカタログ▲豊富なバリエーションを取り揃えた畳表のサンプルカタログ
    工事部部長 松永 敬介氏▲工事部部長 松永 敬介

    全国を回る営業スタッフの“働き方改革”在庫確認や受注処理もタブレットから

    2014年にクラウド方式へ切り替えるタイミングで、基幹システムはバージョンアップされ、Windowsタブレットも多数導入しました。これにより業務のやり方が一番変わったのは、全国の得意先を回っている営業スタッフでした。商談中の客先や宿泊先から基幹システムにアクセスして在庫状況や顧客情報などを確認でき、受注もオンラインで処理できるようになったのです。

    「今までは価格設定や取引条件を各営業スタッフの自己判断で決める個人商店のような働き方でした。受注案件の処理は出張先から帰社してから行うか、電話やFAXで社員に内容を伝えて処理してもらっていました。しかも引越が多い春先やお盆・正月などの繁忙期には受注が集中し、混乱しがちでした。それがリモートで、オンタイムで正確に処理でき、伝票も自動で出力できるようになりました。その結果、受注から出荷までの日数が最大で1週間も短縮され、営業活動にゆとりが生まれました」(松永氏)

    さらに営業スタッフの働き方を変えたのは「顧客創造日報」の導入でした。細かい情報まで入力できるようにした商談記録や顧客情報、クレームなどが蓄積されることによって、情報が「見える化」され、営業部門内での情報格差がなくなり、引継ぎに伴う時間的ロスもなくなったのです。

    煩雑だった在庫管理、ロット管理もICTで効率化できました煩雑だった在庫管理、ロット管理もICTで効率化できました ▲煩雑だった在庫管理、ロット管理もICTで効率化できました
     

    意識や風土の改革にもICTは効果的コストを考えながら使い、本業に邁進したい

    「業務の現場でのICT活用が自分たちの仕事を変え、事業の可能性を広げていることが見えるようになり、社員たちの意識も変えています。自分たちで、何ができたら便利かを考える風土を目指したいのです」(松永氏)

    松永氏がICT活用を進める上で注意していることは「顧客情報などのセキュリティ管理」「データ入力時などに発生するヒューマンエラー」「過剰になりがちなチェック」です。過剰になりがちなチェックというのは、集計データなどを逐一出力して確認するような作業のことです。プリントの出力量が増え、残業時間も増加する恐れがあります。

    畳の良さを評価してくれる人たちのためにも畳の文化と産業を守り続けます▲畳の良さを評価してくれる人たちのためにも畳の文化と産業を守り続けます

    「意識や風土の改革にもICTは効果的です。ホームページを見やすくリニューアルしたり、ショップサイトから受注できるようにするなどの改善は完了しました。今後やりたいこと、できることはたくさんあります。ただ中小企業ですからコストとの兼ね合いを考えながら段階的に進めなければなりません。本業における使命は畳の文化と産業を守ることです。国内市場は縮小していますが、インテリアの専門家や海外で畳の良さを評価してくれる人も増えています。これからも情報発信力を高め、社是にもある『畳にできること、もっと』をカタチにして提案することに全力を注ぎます。そのツールとしてICTを使いこなしたいですね」(松永氏)

     
    1. ※1 トレーサビリティ:跡をたどることができるという意味。食品の安全を確保するために、原材料の栽培や飼育から加工・製造・流通などの過程を明確にすること。また、その仕組み。
    2. ※2 オンプレミス:サーバーやソフトウェアなどの情報システムを使用者(ビジネス利用の場合は企業)が管理する設備内に設置し運用すること。自社運用ともいう。
    3. ※3 VPN:Virtual Private Network(バーチャルプライベートネットワーク)の略。暗号化とトンネリングの技術を使用することで、インターネット上で安全な通信を行う技術。公衆回線をあたかも専用回線であるかのように利用できる。
     
    会社概要
    株式会社北一商店
    会社名
    株式会社北一商店
    設立
    1947年(昭和22年)2月
    所在地
    (本社)東京都世田谷区北沢2-38-14
    (千葉営業所)千葉県市川市欠真間2-5-13
    代表取締役社長
    山形 鉄志
    資本金
    1,200万円
    従業員数
    20名
    事業内容
    畳に関する物品の卸・小売業、室内装飾品・畳・敷物の取付・敷込等の工事請負など
    URL
    http://www.kitaichi.co.jp/
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  • ICT導入事例 -株式会社広浦(アイエコム)-

    平均年齢64歳のスタッフたちがクラウドアプリケーションを使いこなし、顧客対応力を…

    インターネット業務効率化コスト削減
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    平均年齢64歳のスタッフたちがクラウドアプリケーションを使いこなし、顧客対応力を向上

    株式会社広浦(アイエコム)は、社員6名、平均年齢64歳の会社です。9年前に石材業からワイヤレス温度計を企画・販売する事業に転換したものの、業務処理が複雑になり、現場は混乱。この問題に対してクラウド上で使える業務アプリケーションを導入してこれを解消しました。また、業務の「見える化」と情報共有を進めるうちに、社員の顧客志向の意識が強まりました。
    • 【導入の狙い】高齢者でも使える業務管理ソフトを活用し、紙の資料を発生させない。
    • 【導入の効果】必要なデータが「見える化」され、誰もが的確に顧客対応できる。
    クラウドを活用した業務管理
     

    事業転換し、新製品の開発・販売に進出 業務内容が激変して対応に苦労

    株式会社広浦(アイエコム)は、長年、墓石や砕石を取り扱う“石屋”でしたが徐々に安価な中国製品におされて需要が減少。そこで、今から9年前、現代表取締役社長・広浦 雅敏氏の意向によりIT製品の開発・販売を主とする企業へと事業転換しました。

    同社の新たな主力製品が酒造向け温度計の“kojimori”で、販売開始から7年で全国の酒蔵約1,500社の1割以上に普及しています。従来、麹の育成は、杜氏が丸2日間、2時間おきに温度を監視しなくてはなりませんでしたが、“kojimori”はその働き方を大きく変えました。温度計のデータをインターネットに送る装置なので、スマートフォンからウェブサイトにアクセスするだけで麹の様子を知ることができるようになったのです。

    営業担当 遠藤 公章氏▲営業担当
    遠藤 公章

    現在、“kojimori”は、農家の温室管理、温泉の湯温管理、スキー場の気温計測など、顧客のニーズに合わせて商品バリエ―ションを展開。センサー部を変えたり複数設置したりすることで湿度や振動などを多地点で計測でき、データをサイトに集められる仕組みを構築しました。このような業態や商材などの変化に伴い、スタッフの業務内容も大きく変わりました。

    「大変だったのは、仕様の異なる製品の設定情報や買掛・売上管理及び問い合わせ対応でした。顧客別に異なる仕様の製品を管理するため、以前よりも転記が必要な書類が増え、問い合わせの内容も多様で複雑になるなど、業務の質も量も激変しました。何しろ社員数6名、平均年齢64歳の会社です。新しい事態についていくのは容易なことではありませんでした」(遠藤氏)

     

    手書きシートを使っての業務管理をクラウドアプリケーションに切り替えて「見える化」

    事業転換した当初、業務関連情報の管理は、Excelで作った顧客ごとの設定情報と、「かんばんシート」と名付けて出荷データを印刷して壁に貼ったものを組み合わせて行っていました。紙のシートには、仕様の変更や請求データなども書き入れ、折を見て個々のファイルに転記していました。しかし、この運用方法はすぐに限界がきました。そこで同社ではクラウドアプリケーション上に、製品の設定情報、部品仕入先情報、出荷状況、入金情報、送り先住所などのデータベースを構築し、お客さま情報も書き込めるようにしました。

    「問い合わせがあっても、膨大な紙の資料とExcelに振り回されて、対応できなくなったのです。そこで社長が新たなツールとして、クラウド対応の業務管理アプリケーションを見つけて、これを導入しました」(赤間氏)

    業務担当 赤間 実氏▲業務担当
    赤間 実

    パソコン入力にあまり慣れていなかった事務担当の永田氏、庄司氏は事業転換の際にこれまで手書きで転記していた書類をパソコンで作成することになりました。WordやExcelに関して2人はそれまで、文章の定型文を入力して、印刷する程度の利用だったので、特に抵抗感があったようです。アプリケーション導入にあたって、この点の解消も図りました。

    「私はクラウドアプリケーションの入力画面を印刷し、自分だけのマニュアルを作成。これを見ながら決まったところに必要な情報を入力するだけなので必要なデータが『見える化』され、情報が共有できました」(永田氏)

    出荷管理担当 永田 治子氏▲出荷管理担当
    永田 治子

    「新しいことはなかなか覚えられず、日時表示を和暦から西暦に変えるだけでも、はじめは戸惑いました。アプリケーションも最初のものは汎用向けだったのですが、社長に今まで使ってきた用語や、紙での記帳のやり方に合わせるよう改善してもらって使いやすくなりました」(庄司氏)

    経理担当 庄司 稔子氏▲経理担当
    庄司 稔子
     

    ウェブ上に業務を移したことで気づいた一つの“顔”で顧客対応できる大切さ

    クラウドアプリケーションを使うようになったのは、元はといえば、WordやExcelを使いこなせないことで生じるストレスを解消するのが狙いでしたが、一方で業務がすべてウェブ上で行えるようになったことで、社員たちに新たな“気づき”が生まれました。

    「お客さまの問い合わせ電話に対して担当者が不在の場合、今までは『折り返し連絡させます』とだけ答えていたのですが、顧客データベースを検索して、分かることは誰でも応えられる環境になりました。業界内では後発の小さな会社ですが、会社として一つの“顔”で対応することでお客さまに覚えてもらい、評価していただける。これがとても重要だという意識が出てきました。製品情報のウェブサイトには、アプリケーションに蓄積された問い合わせ対応の記録を基にQ&Aを作成して、掲載するようになりました」(赤間氏)

    ウェブ上に業務を移したことで社員たちに新たな“気づき”が生まれています▲ウェブ上に業務を移したことで社員たちに新たな“気づき”が生まれています

    「お客さま対応の記録が充実してきました。取引履歴や見積データ、提案書の記録なども出張先からいつでも参照できます。それと、業務の改善が必要だと思うことをメモにして残すデータベースも作っています」(遠藤氏)

     

    業務手順や資料保管場所を整備することで次世代への引継ぎも安心

    同社のアプリケーション活用は、定型業務から始まって、顧客対応や業務の見直しにも活用されるようになってきましたが、現体制維持のみならず、次の展開に向けた体制づくりのためにも活用しようとしています。

    「当社の得意技術は、センサーを使いワイヤレスでデータを集めること。海外のベンチャーとも提携し、さらに新しい分野の開拓もしています。その研究開発プロジェクトの管理や外部とのコラボレーションにもこれを活用しようとしています」(佐竹氏)

    また事業の継続性の側面から考えると、アプリケーション上でのデータ管理は引継ぎができる体制の整備にもつながっています。

    「業績が伸びれば新人も採用できます。今、ギリシャからインターンシップの実習生が来ていますが、今後どんな人が入るか予測がつきません。しかし、資料の保管場所や業務の手順がはっきりしているので、私たちがいつ抜けても大丈夫です」(永田氏)

    広浦社長は、アプリケーションの導入によって社員たちの手間を削減でき、会社の現状がリアルタイムに整理された状態で見られるようになったことと、平均年齢が上がっても「継続してお客さまに対応していく」という法人本来の意味を意識し、次世代への引継ぎ体制ができたことに手ごたえを感じているようです。

    開発担当 佐竹 徹氏▲開発担当
    佐竹 徹

    高齢者でも使えるアプリケーション導入で、次世代への引継ぎ体制もスムーズに▲高齢者でも使えるアプリケーション導入で、次世代への引継ぎ体制もスムーズに
     
    会社概要
    株式会社広浦(アイエコム)
    会社名
    株式会社広浦(アイエコム)
    設立
    1947年(昭和22年)10月
    所在地
    東京都品川区二葉1-6-1 大理石センタービル3F
    代表取締役社長
    広浦 雅敏
    事業内容
    墓石、建築石材の製造加工販売、Kojimoriセンサーゲートウェイ販売及び関連クラウドサービス、アイスホッケー関連クラウドサービス(エフビートライアングル)
    URL
    http://i-ecom.co.jp/
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  • ICT導入事例 -東白川村役場-

    インターネットを活用した概算建築費算出システムでビジネスモデルを変革、村の産業再…

    インターネットHP作成業務効率化コスト削減
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    インターネットを活用した概算建築費算出システムでビジネスモデルを変革、村の産業再生に貢献

    山林に囲まれ、林業や建築業を主力産業とし2,400人弱の人口を擁する岐阜県東白川村役場は林業の衰退に伴う雇用や村民所得の低下に悩んでいました。そこで間取りを自由にデザインし、概算建築費を確認できるウェブサイト「フォレスタイル」を運営して村内建築業者の新規顧客獲得を支援し、村内の産業の活性化と村民所得の増大を達成しました。
    「フォレスタイル」の仕組み
     

    工務店の住宅受注激減で村の経済に深刻な打撃が

    岐阜県の山間に広がる東白川村では、村の面積の90%を占める山林が産出する銘木「東濃ひのき」をはじめとする林業が盛んで、製材業、そしてその木材で住宅建築を手がける建築業などが、村の中心産業となっています。最盛期には岐阜県内、さらには隣県の愛知県から寄せられる年間70棟ほどの住宅受注が、村の経済を潤していました。

    しかし2007年、村の地域振興課長である桂川氏は住宅受注数が大きく落ち込んでいることに気づきました。

    「検証の結果、落ち込みは2003年くらいに始まっていました。そして、村で事業を営む方々の営業所得、そこで働く人の給与所得にも大幅に影響していたのです。このままでは村の将来に大きな危機が訪れることが予想されました」(桂川氏)

    その原因を探るうちに桂川氏は、ある事実に気づきます。

    地域振興課長 桂川 憲生氏▲地域振興課長
    桂川 憲生

    「これまで村の建築業者の主な顧客は50代、60代が中心でした。つまり間もなく会社をリタイアし、退職金と年金で第二の人生を設計する人々です。しかし2003年には、年金制度の根幹に関わる未納問題が表面化し、こうした層の老後への不安が拡大しました。それが原因となり、住宅購買意欲が大きく減退してしまったと思われるのです」(桂川氏)

     

    「インターネットで住宅を売る」というビジネスモデルへの転換

    この危機を乗り越えるには、これまで東白川村の工務店が続けてきたビジネスモデルを見直す必要があると、桂川氏は考えました。

    「これまでのビジネスモデルは、工務店が手がける物件の上棟式でお祝いに集まった近隣の方々にチラシなどを配り、見込客には重ねてアプローチし、2年、3年かけて契約をまとめていくというものでした。つまり具体的な商談よりも、人間関係の構築が第一だったのです。しかし、インターネットの普及が人々の購買行動を大きく変えました。何を買うにもまずは比較、それから見積、商談という流れです。つまり、比較せずに商談に入ることはありえないのです。そして年金未納問題で将来に不安を感じた50代、60代は、子どもの家族と同居する住宅の建築に資金を出すだけの存在になりました。つまり30代、40代という、より若い世代が住宅購入のイニシアチブを握る時代が到来していたのです」(桂川氏)

    こうして桂川氏が出した結論が、「インターネットで住宅を売る」という試みです。

    「従来のビジネスモデルでは、“比較”に慣れた30代、40代の目には留まりません。この人たちを引き込むには、新たな販売手法が必要なのです。ヒントとなったのは、閲覧者が住宅の間取りをデザインし、公開するウェブサイトでした。自分の理想の家を想像し、それを図面にして具体化する。ここで見積金額も“見える化”できれば、住宅の受注に結びつき、村内の経済に好影響を与えると判断したのです」(桂川氏)

    強度に優れ、腐食に強く艶がある銘木「東濃ひのき」強度に優れ、腐食に強く艶がある銘木「東濃ひのき」
    ▲強度に優れ、腐食に強く艶がある銘木「東濃ひのき」
     
    注文住宅受注サイト「フォレスタイル」

    ▲注文住宅受注サイト「フォレスタイル」
    URL:http://www.forestyle-home.jp/

    お客さまのご予算に合わせてこだわりの間取りと概算建築費を自由にシミュレーションできる「木の家¥シミュレーター」

    ▲お客さまのご予算に合わせてこだわりの間取りと概算建築費を自由にシミュレーションできる「木の家¥シミュレーター」

     

    競争原理の導入で村内の建設業の持続的な成長を

    ウェブサイトや付随するシステムの構築は、財政規模の小さな村にとっては厳しいものでした。しかし桂川氏は解決策を見出しました。

    「総務省から地域ICT利活用モデル構築事業に認定され、約6,000万円の事業委託を受けることができました。こうして予算の目途が立ったのち、いくつかの事業者から企画提案を受ける方式で事業者選定を行い、システム構築がスタートしました」(桂川氏)

    こうして完成したウェブサイト「フォレスタイル」は、2009年に一般公開されます。

    「フォレスタイルではお客さまが作成した間取りをもとに、フォレスタイル事務局が仲介役になり建築士選び・工務店選びをサポートします。建築士や工務店は、村が提携する事業者以外からお選びいただいてもかまいません。実は当初、地元の工務店から『役所がやる事業なのに、どうして順番に仕事を回さないんだ』という声がありました。しかし私は、競争原理にこだわりました。フォレスタイルが持続可能な仕組みとして成長していくには、村の事業者同士、そして外部との競争原理が不可欠だと考えたからです」(桂川氏)

    フォレスタイルに興味を持ち、アクセスする人が増えるにつれて間取りのデザイン作成から住宅発注につながるケースが徐々に増えてきました。そして一時14棟まで落ち込んだ年間受注数が、2015年には30棟まで上昇します。フォレスタイルを開設した2009年から5年間で村の建設業者の売上は約114%増加、それに伴い村民一人あたりの所得も約16%の伸びを達成しました。

    国産材をふんだんに利用した注文住宅を提供国産材をふんだんに利用した注文住宅を提供
    ▲国産材をふんだんに利用した注文住宅を提供
     
    「フォレスタイル」を活用して施工し完成したお客さまの住宅「フォレスタイル」を活用して施工し完成したお客さまの住宅
    ▲「フォレスタイル」を活用して施工し完成したお客さまの住宅
     

    2007年の“気づき”にはじまり、2009年のウェブサイト開設、そして以降の仲介役としての地道な努力が、ここにようやく花開くこととなったのです。

    「数字の伸びもさることながら、東京など、旧来のビジネスモデルでは無理だった遠隔地のお客さまから受注をいただけたことも、大きな成果だと思っています」(桂川氏)

    こうしてICTの力を活用し、村内の産業再生を進める桂川氏に、他の自治体へのアドバイスをうかがいました。

    「課題の解決に必要なのは小手先の対策ではなく、その課題の根源に何があるのかを徹底的に調査し、対応策を講じることです。『住宅の受注減少』という村の将来を左右する課題に対し、『広告を出す』、『キャンペーンを行う』などという小手先の対策ではなく、産業を支援、育成する村役場の立場から受注減少の原因を深く分析し『これまでの売り方がお客さまのニーズに合っていない』『アプローチする顧客層が間違っている』という結論を導き出し、売り方そのものを見直すという対応策により生まれたのが、フォレスタイルなのです。さまざまな課題を抱えている各自治体の皆さんも、課題の根源を徹底的に調査し、適切な対応策を講じることで、きっと克服できるはずです」(桂川氏)

     
    組織概要
    東白川村役場
    組織名
    東白川村役場
    所在地
    岐阜県加茂郡東白川村神土548
    村長
    山形 鉄志
    URL
    https://www.vill.higashishirakawa.gifu.jp/
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  • ICT導入事例 -武州工業株式会社-

    ICTフル活用で、新興国に負けない“持続可能なものづくり” 特集記事PDF版はこ…

    インターネット業務効率化コスト削減
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    ICTフル活用で、新興国に負けない“持続可能なものづくり”

    「ものづくり」の拠点が海外移転するケースが増えている日本において、武州工業株式会社は、高い技術力を武器に自社の生産体制を磨き、着実に成果を上げ続けています。同社の競争力は、製造設備を自前でつくり、少量多品種の注文に即応できる「一個流し」という生産方式を採用していることに加え、長年にわたってICT活用を工夫し、働く従業員の能力も伸ばすという努力から生まれたものです。その取り組みとブレない志は、事業の持続可能性を考える上でも大いに参考になります。
    独自の総合情報管理システム「BIMMS」を活用理
     

    高難度加工のパイプ製造で創業以来黒字経営を維持

    東京都青梅市に本社工場を置く武州工業株式会社の主力事業は、自動車の熱交換器や医療の腹腔鏡手術、介護用品などに用いる各種パイプの製造です。口径が小さく、曲げ半径の小さなパイプや3次元形状のパイプなど、加工難度の高い製品を短納期・低コストで仕上げる技術力には定評があります。しかも、労務費が日本の10分の1と言われる新興国・LCC(ローコストカントリー)との厳しい競争に打ち勝ちながら、創業以来60年以上にわたって黒字経営を続けています。その競争力を支えているのが、ICTをフル活用した独自の生産管理体制です。

    「生産性をより高めるため、5カ年計画を立てて努力を重ねてきました。その取り組みは大きく分けて三つあります。一つ目は一人の技術者が材料調達から加工、品質・出荷管理まで一貫して担当する『一個流し生産方式』(セル生産方式)を採用していること。二つ目は必要最小限の機能を備えた生産設備や治具(じぐ)(補助工具)を自前で開発していること。三つ目は20年前から開発している独自の生産管理システム『BIMMS』※1の活用です」(林氏)

    代表取締役 林 英夫氏▲代表取締役
    林 英夫
     

    手づくりの設備と多能工による「一個流し生産」の現場

    「従業員は、いわばラーメン屋の店長。検査を含めて多工程を一人で見ています。従業員は、少量多品種生産に即応できる多能工※2なのです」(林氏)

    同社の取り組む「一個流し生産」の現場では、一人の従業員が材料や加工機に囲まれて作業しており、パイプに何度か圧力をかけて成型しています。その成型機にはスマートフォンが装着され、内蔵の3軸センサーが感知した情報はスマートフォンから、Wi-Fiによってサーバーに送られます。また、機械の動作状態などの情報を収集し可視化する「機械動作情報収集装置」は、市販の超小型コンピューター「ラズベリーパイ」※3を使って自社製作したもので、先のセンサーと同様にIoT(モノのインターネット)を構成しています。なお、スマートフォンは中古品を活用。ラズベリーパイも数千円という安さの機材で非常に低コストです。これらの情報はさらにクラウドを経由して、BIMMSに集約され、処理された情報はウェブ形式で事務所や現場の端末で閲覧が可能です。

    「日次の作業管理は、コンビニエンスストアなどがPOS※4で棚卸と発注を毎日やっているのと同じことです。その情報から、現場ごと、製品ごと、そして工場全体の稼働状態をどこからでも見ることができます」(林氏)

    情報をすぐに把握できることは、フレキシブルな生産体制づくりや、作業の待ち時間削減、工程不良などの無駄を減らす活動へ寄与しています。また、刻々と変化する急な注文、納期変更やキャンセルなどの情報を、正確かつよりスピーディに現場に展開することで少量多品種・低コストのニーズに対応しています。

    こうした一連の活動の積み重ねは、絶大な効果を生み出しています。設備コストは市販で設備を購入した場合の4分の1以下になり、注文から納品までのリードタイムが72時間から48時間に減少。作業時間が半年で2割も短縮された作業もあり、情報化により品質も安定しました。

    「ラズベリーパイ」を活用して自社製作した機械動作情報収集装置「ラズベリーパイ」を活用して自社製作した機械動作情報収集装置
    ▲「ラズベリーパイ」を活用して自社製作した機械動作情報収集装置
     

    働き方改革につながる生産性向上を目指したい

    また、ICT機器の導入に伴い、従業員の働き方の改革にも積極的に取り組んでいます。

    同社の場合、従業員は単純作業が減って知的かつ多様な能力が求められるようになりましたが、それにも慣れてくると作業への「飽き」や集中力不足が課題になりました。この課題は、従業員たちの発案により、半日交代でセル(担当作業場)を変える方法で克服しました。

    また、タイムレコーダーによる出退勤管理の代わりにBIMMSを活用。出勤時に各現場のスマートフォンに当日の自分の体調を5段階で入力させることで出勤確認と健康状態を同時にチェックしています。このように、従業員の健康や働きがいの向上、労働環境の改善に努め、経営に関する情報も従業員に公開しています。

    「従業員が、自分の仕事を日々工夫し、協力して改善を続けることで、もっとやりがいのある仕事、働きやすい職場になること。つまり私たちは、働き方改革につながる生産性向上を大切にしています」(林氏)

    業務情報を各生産現場の担当者と共有しているスマートフォン▲業務情報を各生産現場の担当者と共有しているスマートフォン
    自動的に製品のサイズを測定してくれる画像検査機のモニター▲自動的に製品のサイズを測定してくれる画像検査機のモニター
     

    「300年企業」に向けて持続する経営への取り組み

    「価格を下げるだけのものづくりならLCCに移転すればいい。私たちはこの青梅で、日本で、ものづくりを続けたい。100年どころか300年先でも持続している会社になりたいのです。その時にはパイプづくりをしていないかもしれません」(林氏)

    この言葉どおり、同社は「300年企業」に向けて持続する経営への取り組みを始めています。現状の製品構成は7割が自動車向けですが、急速に比率を上げているのが医療機器向けで、3分の1を占めています。また、パイプを使った教育玩具「パイプグラム」も注目されており、新領域への進出も着々と進んでいます。同社は、自分たちが向かう方向を見定め、未来へ進むための手段としてICT、IoTを有効活用し、変化し続けています。

    また、未来への重要な布石として、同社の製造現場で実績を重ねた生産管理システムをクラウド化して外販も始めます。中小製造業は自社開発せずに導入できます。

    「技術進歩は早いですが、人の変化には時間がかかります。しかし、まず着手しないことには始まりません。中小製造業が生き残る武器として使ってもらいたいのです」(林氏)

    林氏は、会社経営の傍ら、企業のICT推進や、EDI※6の国際規格導入、経営者交流会などの活動にも積極的に関わっています。それは、「一社だけ勝ち残ろうとする技術の鎖国主義をやめて、互いに協力し合う技術の開国に踏み出すしかない」という強い思いからなのです。


    1. ※1 BIMMS:Busyu Intelligent Manufacturing Management Systemの略で、武州工業独自の生産管理システム。
    2. ※2 多能工:生産や施工において、複数の異なった工程の作業を遂行する作業者。
    3. ※3 ラズベリーパイ(Raspberry Pi):英国で教育用として開発された安価な極小コンピューターで、小さくてもUSBやLANなどパソコン並みのインターフェイスを搭載。
    4. ※4 POS:Point of Sale の略。物品販売の売上実績を単品単位で集計すること。
    5. ※5 MRP:Materials Requirements Planningの略。工場などで使われる生産管理手法の一つである「資材所要量計画」のこと。
    6. ※6 EDI:Electronic Data Interchangeの略。電子データ交換と訳し、商取引のための各種情報を、ネットワークを通じてコンピューター同士で交換すること。
     
    会社概要
    武州工業株式会社
    会社名
    武州工業株式会社
    創業
    1952年(昭和27年)
    所在地
    東京都青梅市末広町1-2-3
    資本金
    4,000万円
    代表取締役
    林 英夫
    事業内容
    パイプなど金属加工部品 板金、プレス、樹脂加工自動制御機械製作
    URL
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  • ICT導入事例 -ホテルグリーンチェーン(松月産業株式会社)-

    多店舗展開のホテルオペレーションを自動化し、リピーター獲得策を展開 特集記事PD…

    インターネット業務効率化コスト削減
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    多店舗展開のホテルオペレーションを自動化し、リピーター獲得策を展開

    「ホテルグリーンチェーン」を展開している松月産業株式会社の強みは、2011年から稼働しているクラウドを活用したホテル業務支援システム。全店舗の稼働状態をリアルタイムで把握し、従業員も稼働情報・顧客情報を共有し、空室対応やスピーディできめ細かい接客やサービス向上を実現しています。さらにシステム経由の顧客情報だけではなく、SNSやお客さまからの口コミ情報でリピーターも急増。売上も現在では約3倍に伸ばしています。
    必要な情報を一元管理するクラウド活用のホテル業務支援システム
     

    各店舗の稼働情報を一つずつ集める方式に限界

    インターネットの普及とニーズの多様化により、ホテル業界では予約から決済までの業務を、より柔軟でスピーディに処理する必要があります。仙台市内の好立地に13店舗1,150室のビジネスホテルを運営するホテルグリーンチェーンは、着実に業績を伸ばし、年に一棟のペースで事業を拡大しています。同社の快進撃を支えているのは、2011年に更新したクラウド活用のホテル業務支援システムです。

    更新前は、各店舗に置かれたサーバーから稼働状況や会計情報を集める方式だったため、ある店が満室で他店に空室状況を確認する際に時間がかかっていました。仙台に特化したチェーンであるという強みを活かし切れていなかったと言えます。

    代表取締役 今中 美恵氏▲代表取締役
    今中 美恵

    「本部から各店のサーバー内データに一つずつアクセスして情報を集める方式でしたので、時間もかかりお客さまや代理店にご迷惑をかけ、限界を感じていました。この情報収集の作業を自動化して業務効率を上げようというシステム更新の計画を2011年に立てました」(今中氏)

    ICTベンダーと一緒に進めた更新計画は、各店舗のサーバーを廃してクラウドに移し、クラウド内に置かれた多店舗対応のホテル業向けソフトウェア群を使うという方式でした。

     

    ホテル業務支援システムへの更新を行い、必要な情報を一元管理

    計画を実行に移そうとしていた矢先の2011年3月、仙台市は東日本大震災に襲われました。市内中心部も大きな被害を受け、インフラも途絶した中で業務を行いましたが、震災の経験から安定的に稼働するシステムの必要性を痛感し、ベンダーとともに急ピッチで導入を図り、9月には稼働にこぎつけました。

    クラウド上で稼働するホテル業務支援システムで利用したソフトウェアは、宿泊情報、顧客情報、売掛情報などを各店舗の端末から集めて一元管理するものです。このように必要なソフトウェア群を組み合わせて利用するサービス「SaaS」※を、ベンダー側があらかじめ多店舗展開のホテルグリーンチェーン用に設定しました。また、新たにインターネット利用客が急増していることを受けて、ウェブサイトから直接予約受付ができるようにし、自社ポイントカード会員への登録を促してリピーターを増やすようにもしました。

     

    自動化を進め、セキュリティ対策や教育も体系化

    効果はすぐに現れました。各店の稼働状況を一元的に把握し、空室のある店舗をすぐに紹介したり、キャンセルや変更にも即時対応できるようになりました。また従業員は顧客情報も共有しているので、過去の利用履歴などを参照しながら部屋の希望に応じたりする個別対応など、きめ細かいサービスを提供できるようになったのです。さらに新たに追加したインターネット予約機能を経由した予約数も1年間で150%近く伸び、リピーターになりうるポイントカード会員の登録も着々と増えてきました。更新前に10億円だった売上も、震災後の需要や店舗・客室数を増やした効果もあって、2014年のうちには23億円になったのです。

    そして2015年、システムのさらなる進化を図る段階を迎えました。その担い手は、この年の1月に東京の金融機関を退職して事業を手伝うために仙台に戻ってきた今中氏の甥二人(田所 寛章氏、田所 成章氏)です。

    寛章氏が取り組んだのは、予約受付、会計の仕訳、自社ポイントカードシステム、銀行の振替など個々に処理していたものを、誰もが簡単に一括処理できるよう自動化することでした。ホームページも利用者が増加しているスマートフォン対応に切り替え、帳票類のプリントアウトもほぼ全廃しました。今中氏は構想や要望を伝える役目に変わりました。

    「システムを導入しても使い方のノウハウが足りなくて、システムの性能を充分に活かし切れていませんでした。SaaSも定期的に見直して、より効率化できるよう最適化しています。顧客情報などは、アクセス権限を明確にし、セキュリティ対策も整備しました。使い方の教育も各店担当者から各店のスタッフ全員に教える流れにしました。業務効率化とサービス充実のバランスを考え、社長とも相談しながら進めています」(寛章氏)

    常務取締役 田所 寛章氏▲常務取締役
    田所 寛章

    取締役 田所 成章氏▲取締役
    田所 成章

    現在、同社ホテル個人客の約8割はインターネット予約客です。年々、その多くが自社のポイントカード会員になり、リピート率が高まっています。この流れを拡大する上で、無視できないのは顧客たちによるSNSなどで公開・拡散される口コミ評価です。同社では、顧客とのより親密なコミュニケーションを図るため、従業員が日々の出来事や自慢の朝食メニュー、近隣のグルメ情報などを自社Facebookページやブログに書いています。

    「リピーターに評価が高いのは、地元の野菜や米を使った手作りの朝食バイキングと接客サービスです。この情報も従業員が共有し、接客サービスの検証に役立つデータになっています」(成章氏)

     

    ICT活用でビジネスホテルの新たな事業モデルを追求

    多様化する顧客ニーズに対応していくため、今後のICT活用にも余念がなく、次の対策としては、増えている海外客がスマートフォンで決済する「キャッシュレス」化への対応などを考えているとのことです。

    「将来的には、スマートフォンでチェックインし、部屋のドアキーもいらないという時代になると思います。利便性と快適さをもっと高めつつ、温かみの感じられるおもてなしで、サービスを向上させていきたいと思います」(寛章氏)

    SaaSやクラウドを活用したシステムも2011年の更新から改善し続けており、現在の売上は当時の3倍にもなっています。ビジネスホテルの新しい事業モデルを追求する同社の推進力は、時代に合った感性とスキルでICT活用の可能性にチャレンジし続けていることで生まれているようです。


    ※SaaS:サース、Software as a Serviceの略。必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるアプリケーション。

     
    会社概要
    ホテルグリーンチェーン(松月産業株式会社)
    会社名
    ホテルグリーンチェーン(松月産業株式会社)
    設立
    1967年(昭和42年)9月
    所在地
    宮城県仙台市青葉区中央2-6-8
    資本金
    4,000万円
    代表取締役
    今中 美恵
    事業内容
    不動産賃貸/売買業・ホテル業
    URL
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  • ICT導入事例 -株式会社テーオーホールディングス-

    パッケージ化された基幹システムの導入で、各部門の業務フローを標準化 特集記事PD…

    業務効率化コスト削減
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    パッケージ化された基幹システムの導入で、各部門の業務フローを標準化

    企業の成長には、ICTの支援が欠かせません。また導入したシステムも、技術の発達や経営環境の変化により、修正や更新が必要になります。株式会社テーオーホールディングスは、こうしたシステム更新を機に業務フローの見直しを行い、さらなる成長の足がかりとしました。

    ICTを活用したシステムの定期的な見直しが企業の確実な成長をサポート

    成長を続ける中堅企業にとって、ICTの効果的な活用は欠くべからざる課題です。そしていったん導入したシステムも、機器やソフトウェアの更新、新規機能の追加など、絶えず見直しが必要であることは言うまでもありません。北海道函館市に本社を置き、傘下の木材住宅事業、小売業などを手がける事業会社とともにテーオーグループを形成する持ち株会社、株式会社テーオーホールディングスは、そうした見直しをこれまで積極的に行ってきました。

    「弊社のルーツは木材事業で、その後、事業分野を多方面に展開しつつ成長してきました。現在は木材事業と小売事業を軸とし、ケアサービスやスポーツクラブなど、生活者との接点となる分野に事業を拡大しています。このように拡大を続ける事業は、もちろんICTのサポートなしにはありえませんし、その定期的な見直しは必須です」(田澤氏)

    IT統制部 シニア・マネージャー 田澤 義直氏▲IT統制部 シニア・マネージャー 田澤 義直
     

    システム更新を機に、従来の課題を解決し業務効率化を推進

    株式会社テーオーホールディングス傘下のテーオーデパートのシステム更新プロジェクトは、2015年秋にスタートしました。

    「システム更新の直接的な理由は、2007年に採用し、使い続けていたACOS系メインフレームが老朽化して保守が難しくなってきていたことと、利用していたネットワークサービスの終了によるものです。また、新たなシステムの導入でセキュリティの向上を図ることも重要な要素でした。ただ設定されたタイムリミットはプロジェクト開始から約8カ月という、非常に短いものでした」(柿崎氏)

    「時間の限られたプロジェクトでしたが、これを機に、従来のシステムで課題となっていた部分の解消も目指しました。実は従来のシステムは、現在一般的に使われているパソコンのように、デスクトップ上のアイコンをマウスで操作するGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)ではありませんでした。そのため経営判断や企画に活用するデータの収集と出力は、そのつど専門の担当者に依頼する必要があり、時間や手間がかかるだけでなく、業務を特定の人物に依存してしまうという点で、セキュリティ上のリスクとなっていたのです。また従来は自社内にサーバーを置いての運用でしたが、将来的なグループ全体のシステム一元化を踏まえ、クラウドでのシステム構築を前提としました」(田澤氏)

    IT統制部 プロモーション課 マネージャー 柿崎 浩臣氏▲IT統制部 プロモーション課 マネージャー 柿崎 浩臣

    こうした構想のもと、同社はいくつかの候補を検討し、前提どおり、クラウドでの利用が可能な基幹システムパッケージソフトを選定しました。

    「実は選択肢はそれほど多くありませんでした。多くのパッケージソフトは『販売管理機能』に重点が置かれていましたが、弊社はそうした機能に加え、独自発行の『テーオーカード』でクレジットやキャッシングサービスをご利用いただいているお客さまを管理する機能も必要としていました。そしてこの双方の機能を低コストで満たすものは、限られていたのです」(田澤氏)

     

    教育期間のスケジュールへの組み込みが、スムーズな導入を可能に

    ただ立ち上げから導入までわずか8カ月という短期間でのプロジェクトには、さまざまな苦労があったと言います。

    「従来はある意味、それぞれの現場で発生する仕事に合わせてシステムを利用していたところがありました。そのため業務フローが部分最適であり、会社やグループ全体での統一感がなく、非効率的になっていたのです。システム更新にあたっては、こうした偏りを修正し、すべての部署で新システムを基準とする業務フローを採用することとしました。さらにホームセンター事業とデパート事業で異なる方式を採用していた原価計算手法も、システム更新を機に統一しました」(田澤氏)

    「私たちIT統制部と各部署のリーダーが協力して、円滑な導入に向けて各部署の教育を行いました。こうした教育の時間をスケジュールに組み込んでいたことが、短期間での導入に大きく寄与しました」(柿崎氏)

     

    苦労して実現したシステムの更新で、生まれたメリットとは

    「先ほど課題として挙げたシステムの操作性については、重点的に工夫し、必要なデータを自在に取り出せる機能を実装しました。こうして従来の『担当者がいないとデータの収集と出力ができない』という時間的、精神的なハードルがなくなり、社員の発想によるタイムリーな企画立案や、スピーディな経営判断が実現したのです。また、これまでは各部署の担当者が“自分にとって使いやすい帳票”を求めたことから、帳票のフォーマットが200種類以上にも上っていました。そのため、見た目が違うだけでほぼ同じ内容の帳票があるなど、会議などでの情報共有の妨げになっていました。そこでシステム更新に合わせ、帳票をまず6種類に絞り、その後は『本当に必要なもの』だけを追加することで、フォーマットに規律を持たせました」(柿崎氏)

    「業務フローの統一で、仕事の進め方そのものも業界標準に合わせることができました。またこれまで通例となっていたサービスを見直す契機にもなりました。例えば、クレジット部門においてお客さまの支払日を月4回に設定していましたが、はたしてこれが必要かどうかという議論をする契機となり、最終的に月1回に集約しました。これで分散していた業務をまとめることが可能となり、人的リソースに余裕が生まれました」(田澤氏)

     

    新たなシステムのもと、さらなる事業分野の拡大を

    最後に、今後の展望についてうかがいました。

    「現在、導入からちょうど1年というサイクルを終え、社員も新たなシステムに慣れてきたところです。業務効率の向上により浮いたコストや人的リソースを今後の成長にどう役立てていくか、この1年を振り返りつつ検討したいと思います」(柿崎氏)

    「近い将来には、ホームセンター、デパート以外の事業とのシステム統合が待っています。こうした事業間でさまざまなデータを統合し、グループ全体で“お客さまに最適なサービス”を提供していきたいと思っています。また、これまでは道南を中心とするお客さまへ良い商品やサービスを提供していましたが、今後はICTを活用し全国のお客さまへ当社のサービスや商品を提供していきたいと考えています。そうした事業展開においても、今回のシステムが大いに役立ってくれることでしょう」(田澤氏)

     
    会社概要
    株式会社テーオーホールディングス
    会社名
    株式会社テーオーホールディングス
    創業
    1950年(昭和25年)
    所在地
    北海道函館市港町3丁目18-15
    資本金
    17億7,564万円 ※2017年5月期
    代表取締役社長
    小笠原 康正
    事業内容
    流通事業、木材事業、住宅事業などの各種事業を展開
    URL
    https://tohd.co.jp/
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  • ICT導入事例 -京都機械工具株式会社-

    ICTを活用、革新的な製品を開発し続ける工具メーカー 特集記事PDF版はこちら …

    業務効率化コスト削減
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    ICTを活用、革新的な製品を開発し続ける工具メーカー

    自動車から医療機器まで、メカニック(整備士)が使うさまざまな工具類を1万種以上も製造する京都機械工具。常に革新的な開発に取り組む同社は、工具と最新技術のIoT(モノのインターネット)やウェアラブル端末、RFID※1などを組み合わせた次世代工具の開発にも挑戦し、作業者の安全と効率向上のために幅広く事業を展開しています。
    • 【導入の狙い】作業の精度を高め、記録も残せる効率的な工具が必要。
    • 【導入の効果】誰もが正確に作業でき、トレース可能なシステムを実現。
    デジラチェ[メモルク]による効率的な作業例

    メカニックの作業を、より安全で効率良くする道具

    自動車や電機・機械製品の組立では自動工作機やロボットが活用されることが一般的ですが、製品が世に出た後の修理や点検では、今でも手作業用の工具が必要になります。その理由は時間とコストの制限、限られた作業空間、微妙な調整を必要とする難しさなどから人が工具を使って修理や点検を行う必要があるからです。

    京都機械工具は、スパナやソケットレンチといった工具の製造販売を中心に展開を広げ、同社のブランド「KTC」の製品は、主に自動車整備や精密機械の組立・保守などのメカニックたちに使用されています。その製品は独創的な技術力で市場をリードしており、F1や世界ラリー選手権などモータースポーツの最高峰で使用されていることからも品質の高さが分かります。そして近年、同社は作業のトレーサビリティ(追跡可能性)を高めるシステムも販売。「安全、快適、能率・効率」を開発コンセプトにし、工夫を重ねてきました。

    次世代開発本部 グローバル工具ソリューション部 技術開発グループ マネージャー 中田 祥吾氏

    ▲次世代開発本部
    グローバル工具ソリューション部
    技術開発グループ
    マネージャー
    中田 祥吾

    「近年、自動車でもアルミやプラスチックを使うようになり、締める力(トルク)が少しでも余計にかかると、部品を破壊しかねません。配電盤のような装置なら異常な抵抗が生じて火災を起こしかねません。そこで工具業界では、トルクレンチなどに音や数値表示で規定値を『見える化』する工夫がなされてきました。また、そのトルク値を検証できるよう記録に残す手順も重視されるようになりました。しかし、数値にバラつきが生じたり、記録に手間取るなどの問題があったのです」(中田氏)

    作業のトレーサビリティをIoTで実現する製品

    こうした課題に対して、同社は改良を重ね、2011年に「デジラチェ[メモルク]」を開発しました。これはトルク値をデジタル表示し、設定値に達すると音と光で知らせ、その測定データを無線でパソコンに送信して記録・管理できるものです。ベテラン作業員のカンやコツに頼っていた作業が、若い技術者でもできるようになり、人材確保や育成、技術の継承といった面でもメリットが生まれます。

    「作業データを自動で記録・管理でき、トレーサビリティをIoTで実現しました。機能はそれだけでなく、パソコンで設定したトルク値をトルクレンチ側にも送信できます。また、タイヤの取りつけのように、複数のボルトやナットを締めつける場合、締める順番も重要になりますが、作業管理のモニターには、それも表示できるソフトウェアが組み込まれています。ですから『デジラチェ[メモルク]』は、単体の道具ではなく作業品質管理ソリューションです」(髙橋氏)

    このトレーサビリティを持つソリューションで実現したのは、工具・作業者の状況に関するリアルタイムの情報取得であり、締めの規定値を誤ったり作業対象を取り違えるというエラーの減少です。作業者端末には、手順とトルク値が表示されますから、どのような技術レベルの作業者でも作業結果にバラつきがなく、確実な作業が行えます。そして作業者名、作業内容、時間、場所などの情報を取得することで、タクトタイム※2管理や作業技能管理の高度化が容易になり、検査工数削減による効率化・コスト削減も実現します。また計測結果を品質管理記録や保全記録として活用でき、作業履歴を残す確かな「管理」が信頼性の向上やリスク回避につながります。導入企業では、工場全体で作業が迅速・正確になり、検査や作業管理の工数削減が可能となり、“価値の連鎖”が生まれています。

     

    先進的ICTと工具を組み合わせる新たな挑戦

    同社の開発はさらに続いており、連続的・系統的な技術革新を「工具大進化」と呼んでいます。

    「私たちの『工具大進化』は、①熟練工のカン・コツ依存から測定へ、②手書きの作業記録から自動記録へ、③トルク測定からトレーサビリティ作業管理へ、④自動認識技術やインターネットと連携するスマート工具へ…と展開しています。また工具だけでなく、より効率的な作業スタイルも考えてきました。今は、眼鏡タイプのカメラつき端末「スマートグラス」を装着し、作業の確認と遠隔監視に使うといった試みや、作業対象のボルトなどにRFID(無線タグ)をつけて作業の正確性を高めるといった試みにも挑戦しています」(髙橋氏)

    工具の基礎的な知識をオリジナルキャラクターが教えるサイト▲工具の基礎的な知識をオリジナルキャラクターが教えるサイト

    さらに、同社のユニークな取り組みとしてSNSの活用も見逃せません。Facebook、Twitter、Instagram、さらにはYouTubeも使って、盛んに情報発信しています。

    「例えば、7万人のファンがついたFacebookで、若手担当者がなるほど!と感じた工具の特徴をイラストつきで連載したのです。これが評判を呼び、工具選びの入門編として書籍でも販売されました。YouTubeには、ナットなどの『正しい締め方/間違った締め方』を数十秒程度の映像で紹介しています。昔からのコアなファンだけでなく、若いメカニックや技術者にも親近感を持っていただくにはSNSが有効で、わが社の技術力やブランド力全体の底上げになっています」(髙橋氏)

    次世代開発本部 次世代工具開発室 室長 髙橋 広氏

    ▲次世代開発本部次世代工具開発室
    室長
    髙橋 広

    幅広い情報発信でものづくりの進化を加速

    同社は2003年以来、ショールームを兼ねた「KTCものづくり技術館」を開設しています。ここには約3,000種の製品、KTCのロゴを使ったグッズ、新製品のデモコーナーなどが設けられ、連日、多くの見学者が訪れています。また開発や営業の担当者がユーザーとの商談に使ったり、国内外でのイベント向け出動拠点としても活用されています。

    メカニックたちの手や目、頭脳にもなる工具を提供する同社のスタッフは、ものづくりへの誇りと情熱を持っています。新たな製品を生み出し進化を続けるパワーは、現場での使用状況と使い勝手の勘どころを知り尽くしたスタッフが、ICTを積極的に取り入れ、SNSを通じて顧客とのコミュニケーションを深める取り組みから生まれているのです。同社の事例は、まさに日本のものづくりの可能性と未来を表わす事例といえます。

    スパナやソケットレンチなどの工具から、最新の工具まで備えた「KTCものづくり技術館」▲スパナやソケットレンチなどの工具から、最新の工具まで備えた「KTCものづくり技術館」

    ※1 RFID:Radio Frequency IDentificationの略。ID情報を埋め込んだRFタグ(カード型やコイン型などの情報媒体)から無線通信によって情報をやり取りする。
    ※2 タクトタイム:製造における品物を一つつくるために必要な時間もしくはピッチ。

    会社概要
    京都機械工具株式会社
    会社名
    京都機械工具株式会社
    設立
    1950年(昭和25年)8月2日
    所在地
    京都府久世郡久御山町佐山新開地128
    資本金
    10億3,208万円
    代表取締役社長
    宇城 邦英
    事業内容
    自動車整備用工具、医療用工具及び関連機器、一般作業工具及びこれらに関連する機器の製造販売
    URL
    http://ktc.jp/
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  • ICT導入事例 -東京オート株式会社-

    自社制作の顧客管理ソフトウェアで将来的には営業スタイル改革も 特集記事PDF版は…

    業務効率化コスト削減
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    自社制作の顧客管理ソフトウェアで将来的には営業スタイル改革も

    栃木県を中心に、国内外のメーカー系新車ディーラー、中古車販売店、レンタカー店を展開する東京オート株式会社。導入したコンピューターの業務支援機能が思い通りにはならず、データの自由な利用にも制限があるため、市販の自動車販売店向けパッケージソフトの利用をやめ、自社でオリジナルのシステム開発に踏み切りました。
    自動車販売のオリジナルシステムTAS

    北関東の発展を早期に着目、東京から栃木へ本拠を移転

    東京オート株式会社は1973年、東京都足立区で中古車販売店として創業した自動車販売会社です。1980年代に栃木県小山市に本社を移し、以降、メーカー系ディーラーとして新車も取り扱うなど、事業を拡大してきました。

    「創業社長である私の父は、いち早く顧客サービスの重要性に気づき、これに注力するとともに、働きやすい職場環境の実現も目指しました。小山への進出は、この地が今後人口増にともなう商機に恵まれるとの考えによるものです。その予想は的中し、現在につながる事業の成功をもたらしました」(中村氏)

    しかし中村氏が同社で働き始めた当時、忙しさの中で、非効率的な事務作業が当たり前のように行われていました。

    代表取締役社長 中村 浩志氏

    ▲代表取締役社長
    中村 浩志

    「自動車には不動産のような登録制度があり、また定期的な検査が義務づけられるなど、ほかの商品とは異なる性質があります。そのため販売及び管理には多くの書類が必要になりますが、当時はそれを手作業で作っていたのです」(中村氏)

    オープン化されたデータベース仕様でお客さまデータを自在に活用

    中村氏は1990年代にパソコンを導入、市販の自動車販売店向けパッケージソフトの業務活用も早い時期に試みました。

    「導入はしたものの、その機能には不満がありました。自動車販売のソフトウェアは、『販売・整備・登録』という主要三業務の支援が目的となります。しかし、この三業務すべてが及第点というソフトウェアがなかったのです」(中村氏)

    中村氏はソフトウェア販売会社に自社向けの改良を求めましたが、そうした要望の反映には膨大な費用がかかります。中村氏は最終的に、独自のソフトウェア開発を決断しました。

    社員全員がTASを使いこなせるようリテラシー教育を実施 社員全員がTASを使いこなせるようリテラシー教育を実施▲社員全員がTASを使いこなせるようリテラシー教育を実施

    「何より解決したかったのが、データベースの仕様でした。パッケージソフトのデータベースは標準仕様のため、例えば特定の条件にあてはまるお客さまの住所や氏名を取り出して、自社で使用しているほかのシステムに組み込むといった加工が自由にできなかったのです。またデータはあくまで自動車主体の視点で作られていて、お客さまは“クルマの所有者、使用者”でしかありませんでした。そのため『これまでどのような自動車を乗り継いできたか』『ほかにどのような自動車を所有しているか』『ご家族の状況はどうなっているか』といった情報をお客さまサービスや販促活動に活用することは困難でした」(中村氏)

    開発にあたってはこうしたデータ連携や検索面での弱点を解消すること、そして販売・整備・登録の主要三業務すべてにおける機能の充実を目標としました。

    「ソフトウェア開発は専門外ですが、自分たちが本当に使いやすいものとするため、システムに組み込むべき機能の仕様をまとめる段階まで、自社で取り組みました。その実現のために、各部署で細かいヒアリングを行って業務フローを洗い出しました。こうして作られた仕様書を基に協力会社と開発を進め、2004年に完成したのが、CRMを支援するTAS(Total Assist System)と呼ぶオリジナルのシステムです。TASはその後も改良が重ねられ、現在では予約管理システムも備えるなど、さらに機能を強化しています」(赤荻氏)

    システム室 課長 赤荻 悟氏

    ▲システム室 課長
    赤荻 悟

     

    目指すは“特定の人間”に頼らない自動車販売のスタイル

    こうしたTASの導入と進化は、顧客情報の管理や見込客へのアプローチなどにおいて、大きな効率化と低コスト化をもたらしました。

    「データベースから情報を自在に取り出せるため、車検が近づいたお客さま、前回の来店から一定期間が経過したお客さまなどをピンポイントで抽出し、DMでご案内できるようになりました。またお客さまごとにデータを管理できるため、成約に至らなかったお客さまの情報ものちのちの販売活動に役立てることができます」(赤荻氏)

    このように、既存のパッケージソフトでは実現できなかったお客さま情報管理を可能としたTASを、同社は今後どのように活かしていくのでしょうか。

    「これまでの自動車販売は、営業スタッフの個人的資質でお客さまとの関係を築くことが重要でした。しかしこのスタイルでは、事業の成長には限界があります。なぜならスタッフが退職すると、お客さまとの関係も切れてしまうからです。弊社は今後、TASを活かしたお客さま情報の共有で、特定の営業スタッフだけが行えるセールスからの脱却を目標としています」(中村氏)

     

    TASの活用で、お客さま一人ひとりを「生涯顧客」に

    お客さまとの関係性も、従来とは異なるスタンスを視野に入れています。

    「お客さま接点を営業スタッフからコンタクトセンターに置き換え、お客さまとのやりとりは、TASを参照するコミュニケーターの担当に転換したいのです。お客さまにとっては『東京オートなら誰と話をしても自分のことを分かってくれている』という安心につながりますし、弊社にとっては担当営業スタッフが退職しても、従来と同じお客さまとのお付き合いができることになります」(中村氏)

    購入後のアクシデントや整備・点検に対応する自社整備工場▲購入後のアクシデントや整備・点検に対応する自社整備工場

    最後に、同社の将来像についてうかがいました。

    「この北関東エリアは自動車での移動を基盤とした生活スタイルが定着しており、一人のお客さまの生涯の自動車関連支出は数千万円に上ると考えられます。一人ひとりのお客さまを『生涯顧客』と考え、そのお客さまから弊社がいただくバリューを『生涯顧客価値』と考えると、その大きさは計り知れないものがあります。TASを活用し、お客さまとの深いつながりを構築し、多くの生涯顧客を獲得する。そうした未来の実現に向け、一歩一歩進んでいきたいと思います」(中村氏)

    会社概要
    東京オート株式会社
    会社名
    東京オート株式会社
    設立
    1973年(昭和48年)4月13日
    所在地
    栃木県小山市東城南1-16-4
    資本金
    5,000万円
    代表取締役社長
    中村 浩志
    事業内容
    中古車・新車販売、自動車整備・鈑金塗装、損保代理業
    URL
    http://www.tokyoauto.com
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  • ICT導入事例 -株式会社金沢大地-

    ウェブを活用し、生産者と消費者が通じ合える農業を実現 農家は農作物を購入したお客…

    インターネットHP作成
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    ウェブを活用し、生産者と消費者が通じ合える農業を実現

    ウェブを活用し、生産者と消費者が通じ合える農業を実現

    農家は農作物を購入したお客さまの声を聞くすべがない。そう考えた有機栽培農家の井村氏は、お客さまの生の声が届く食品加工メーカーを設立。さらに、ウェブサイトを通じて生産者とお客さまをダイレクトにつなぐ仕組みを構築しました。ウェブの活用で農業のさらなる発展を試みる金沢大地の取り組みをご紹介します。


    持続可能性と環境問題から有機農業を選択

    株式会社金沢大地は、金沢市の北に広がる河北潟干拓地などで、自社グループで有機栽培をした農産物を加工、販売する食品会社です。

    「私は1997年に、ここで家業である農業を継ぎました。就農にあたり私が決めたのは『有機農業への転換』『耕作放棄地に手を入れて規模を拡大』『単なる農業ではなく、味噌、豆腐などへの加工を指向』という3つの事柄です」(井村氏)

    井村氏は地元金沢の高校を卒業後、東京の大学の農学部に進学。卒業後は、金沢市内の広告代理店に就職します。

    「当時はバブル崩壊直後で、大企業といえども、その基盤が盤石ではないということを痛感させられた時期でもありました。そのなかで自分の進む道、つまり“持続可能な産業”とは何だろうかと考え、やはり家業に立ち戻ることを決めたのです。また当時クローズアップされていた環境問題も気にかかっていました。そこで持続可能性と環境問題という二つの柱から、事業の中心に有機農業を置き、展開していくこととしました」(井村氏)

    代表 井村 辰二郎氏

    ▲代表
    井村 辰二郎


    お客さまの生の声を知るために「加工」へ進出

    同時に井村氏は、当時の農家が抱える問題点を何とかしたいと思っていました。

    「農家は生産した農産物がどう流通し、誰が味わっているのか知るすべがありませんでした。そこで私は『加工』への進出を考えました。農産物を自社で加工し、販売すれば、どんなお客さまに買っていただいているか、分かるようになります。つまり、お客さまの生の声が耳に届くようになるのです」(井村氏)

    しかしそこには、販路、品質など、クリアしなければならない諸問題がありました。

    「最終的にはそうした加工部分を、ノウハウを持つ会社にアウトソースする『OEM加工』で解決しました。また生産農家、つまり製造を主体とする『金沢農業』と、食品加工メーカー『金沢大地』で業務を分担する形を作ったのも、この時期です」(井村氏)


    ウェブで自社製品の魅力をダイレクトに訴求

    一方、井村氏は、就農直後から、ウェブの活用に積極的に取り組みます。「買い物かご」を備えたウェブサイトを立ち上げ、ネットショッピングにも対応しました。その後、CMS※1、大手ECサービスの提供するショッピングシステムの導入など、次々と先手を打ちます。

    「ウェブは、生産者と消費者をダイレクトにつなぐことができます。私の考える農業の理想像には絶好の仕組みなのです」(井村氏)

    しかしウェブサイトを立ち上げただけで商品が売れ、お客さまからの声が届くようになるわけではありません。井村氏は、いかに自社製品の魅力をお客さまに訴求するか、試行錯誤を続けました。

    「SEO対策※2は重要です。しかしそうした対策を専門業者に依頼したことはありません。なぜなら、『価値あるものを販売するサイトを作り、その商品をお客さまにご評価いただければ、必ず検索順位が上がってくる』と思ったからです。ただ来訪されたお客さまの心をしっかり掴むため、弊社の特徴を一目で理解してもらえるよう気を配りました。また送料も数度の改定で、売り上げと利益のバランスが取れるポイントを探りました」(井村氏)


    使いやすいウェブサイトを基盤に次世代の「農業」の実現を目指す

    ウェブ担当 高井 由昭氏

    ▲ウェブ担当
    高井 由昭

    こうしたウェブの活用をさらに強力に進めるため、同社は2年前からプログラマーの経験を持つ専任の担当者も採用しています。

    「私は有機農業に魅力を感じ、金沢大地に転職しました。ウェブページは、オリジナルのデザインを生かしつつ、よりお客さまが使いやすくなるよう工夫を重ねています。具体的には、商品の紹介テキストを詳しくかつ分かりやすくする、ページに『どんな料理に使うか』といった体験を予感・共有できるコンテンツへのリンクを張る、写真のクオリティにも気を配る、などです。また解析ツールでページビューと売り上げにどう関連性があるのかなどの分析も定期的に行っています」(高井氏)

    同時に高井氏は、さらに使いやすいサイトを目指す取り組みも進めています。

    「スマホへの対応を急ピッチで進め、新規のページについては『モバイルファースト※3』の手法を導入し、スマホ向けページから作成しています。またデータベースの構造や検索手段を見直し、カテゴリからツリーを追うお客さま、商品名や特徴をピンポイントで探すお客さまの双方に分かりやすくお使いいただけるサイト構造も検討中です」(高井氏)

    こうしてウェブの成長とともに拡大する同社の業績を背景に、井村氏はさらに次世代の農業へと思いを馳せています。

    「修学旅行生を受け入れたり、食育につながる情報を提供するなどして、持続可能性のある『農業』を広く周知しています。またこれから高齢化が進む農業が廃れることのないよう、能登半島の農地10ha規模を10箇所ほど買い入れ、再生していくことを、今後10年くらいの目標として掲げています」(井村氏)

    生産者と消費者、互いの顔が見える農業を、ウェブの活用で実現し、さらなる発展を試みる金沢大地。その取り組みに、期待していきたいと思います。


    ▲使いやすさを第一に、ウェブサイト構築に力を入れています。

    1. ※1 CMS:コンテンツ・マネジメント・システムの略。「フォームにテキストを入力する」「アップロードしたい画像を指定する」などの方法で、直接HTMLを記述しなくても、デザインされたウェブページが制作できる仕組み
    2. ※2 SEO対策:SEOとは「検索エンジン最適化」の英文頭文字の略。Googleなどでの検索結果がより上位に表示されるよう、ページタイトルの付け方やページ内の単語の並び方、リンクなどを工夫すること
    3. ※3 モバイルファースト:Webサイトやソフトウェア開発において、パソコン版よりも先にスマホなどのモバイル版から開発する手法、および概念(コンセプト)のこと。これまでホームページの制作は、パソコン版のホームページを構築し、その後モバイル版を構築をする事が一般的であったが、スマホやタブレットの普及に伴い、モバイル環境への対応を常に最優先し、モバイル版をパソコン版と同時、または先行して提供する動きが増えている。

    会社概要
    株式会社金沢大地
    会社名
    株式会社金沢大地
    設 立
    2002年(平成14年)3月25日
    所在地
    石川県金沢市八田町東9番地
    代表
    井村 辰二郎
    資本金
    2,400万円
    業務内容
    農作加工品の製造及び販売
    URL
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