電話応対でCS向上事例

-株式会社明電舎・沼津事業所-
傾聴力やお客さま第一に考える風土づくりにコンクールの活用を継続

記事ID:C20126

「より豊かな未来をひらく」という企業理念のもと、発電所、上下水道施設、鉄道、工場など、社会を支えるインフラに関わる事業を展開する株式会社明電舎。電話応対教育に関する取り組みについて沼津事業所の皆さまにうかがいました。

事業概要と電話応対部門の役割についてお聞かせください。

人事統括本部 沼津事業所
総務勤労課 杉本 映美氏

杉本氏:当社は、電力インフラ、社会システムの水処理、産業システムなどの分野で、電気機器やシステムを提供する重電機器メーカーです。国内には四つの事業所・工場があり、事業所ごとに製造する製品が異なりますが、沼津事業所では主に、大型変圧器や遮断器、水処理関連設備や電鉄・鉄道関連設備向けの電気機器、変電所などの配電盤などを製造しています。

特高油入変圧器

 電話でのやり取りがあるのは、主に取引先やインフラ事業者、協力会社などです。電話応対はお客さまとの最初の接点となるため、沼津事業所でも企業の信頼を左右する重要なコミュニケーション手段の一つと位置づけられています。
 現在、納入済み製品の不具合や製品に関するお客さまからのお問い合わせについては、カスタマーセンターでいったん受け、製品や内容、事象に応じて該当部門へ取り次ぐ形としています。

経験不足の若手社員に向けたフォロー体制を

電話応対に関する課題と対策について教えていただけますか。

人事統括本部 沼津事業所
総務勤労課 内藤 幹子氏

内藤氏:当社では、電話応対に限らず、あらゆる対人コミュニケーションにおいて「相手の立場に立った対応」を基本としています。電話は顔が見えないため、正確さや丁寧さに加え、声のトーンや話すスピード、間の取り方も重要であり、明るく誠実な応対を心がけるよう指導しています。そのため、新入社員研修では電話応対を社会人としてのコミュニケーションの基礎を学ぶ重要な機会と位置づけています。新入社員研修は約 1ヵ月間実施し、電気の基礎教育や実技教育に加え、会社の事業内容や制度の理解、コミュニケーション、ビジネスマナー、電話応対などを学びます。また、新入社員のみならず、若手社員は経験が浅い中、技術用語や専門用語、略語が多く用いられる社内外の電話応対において内容を正確に聞き取り、適切な担当者へつなぐ力が求められます。こうした課題の背景には経験や知識の不足もあるため、先輩社員によるフォロー体制を整え、実践を通じて着実にスキルを習得できる環境づくりを進めています。

実践的な訓練の機会として活用

電話応対コンクールへの取り組みについて教えてください。

新入社員研修

内藤氏:電話応対スキルの向上を目的に、10年以上前から電話応対コンクール(以下、コンクール)へ継続的に参加しており、毎年20名弱の社員が挑戦しています。特に新入社員にとっては、日常業務だけでは得られない実践的な訓練の機会となっており、電話応対の基本や顧客対応力を磨く場として位置づけています。現在は、聴力などの事情がある場合を除き、新入社員は基本的に全員参加としています。目的は成績を競うことではなく、電話への苦手意識を減らし、社会人として必要なマナーやコミュニケーション力を身につけることです。

杉本氏:2025年度の静岡大会で優秀賞を受賞した土屋さんも、当初は電話応対を苦手としていました。そのことを知る上司や周囲は、県大会への出場を驚いたそうです。しかし、苦手意識があったからこそ練習や準備に力を注ぐことができ、それが結果につながったのではないでしょうか。予選に向けて入念に練習を重ねる土屋さんの姿は非常に印象的でした。受賞は社内広報サイトでも紹介され、社内から多くの反響が寄せられました。

電力機器工場 スイッチギヤユニット
製造部 生産管理課 土屋 乃琉氏

土屋氏:入社当初は電話に対して強い苦手意識がありました。今の部署に配属された直後、先輩社員からかかってきた電話では製品名や部品名、略語が飛び交い、何を言っているのか分かりませんでした。聞き返すこともできず、「誰かから何か言われました」という程度の伝達しかできない状態でした。失敗を重ねる中で、分からないことを聞き返し、相手の名前を確認し、適切な担当者につなぐという流れがつかめるようになりました。これは意識が変わったというより、電話応対自体に慣れたことが大きいのではと感じています。

電話応対コンクールで学んだ電話スキルを日々意識し、電話応対をしている

 また、コンクールへの参加も大きな転機となりました。実際の業務でコンクールの課題と同じ問い合わせを受けることはありませんが、「電話応対としての理想的な形」を学べたことで自信につながりました。さらに、大会参加をきっかけに職場内で声をかけられる機会が増え、周囲とのコミュニケーションが活発になるなど、電話応対スキルの向上だけでなく、人とのつながりを広げる貴重な経験にもなったと感じています。

内藤氏:コンクールへの参加は、社員教育や職場の雰囲気にも良い影響を与えています。人事部門としても、コンクールへの参加が、傾聴力や「お客さまならどう感じるか」を考える風土づくりの一環になっていると捉えており、参加者の活躍は本人やその職場だけでなく、人事部門にとっても大きな刺激となりました。

応対品質全般の向上に取り組む

最後に、直近の取り組みと今後の目標について教えてください。

階層別教育

土屋氏:普段、電話は相手の表情が見えないため、「迷惑だったのではないか」「怒っているのではないか」といった不安を与えないよう、明るく聞き取りやすい声で応対することを意識しています。また、コンクールで、コールセンターや窓口業務など電話応対のプロフェッショナルの応対に触れ、相手を安心させる言い回しや声の大きさ、高さなど多くの学びを得ました。そうした経験を活かし、今後は、丁寧で正確な応対に加え、社内電話のように迅速なやり取りが求められる場面でも必要な言葉が自然に出てくるよう経験を積み、より円滑なコミュニケーションを実現していきたいと考えています。

杉本氏:当社では、電話応対を含むあらゆる顧客接点において、お客さまから信頼される企業であり続けることが重要だと考えています。デジタル化が進む中でも、人だからこそ伝えることができる安心感や誠実さを大切にしながら、応対品質全般の向上に取り組んでいきます。

内藤氏:コンクール参加の目的は優秀な成績を収めることではなく、電話応対に苦手意識を持つ社員が、業務の中で積極的に電話応対に取り組めるきっかけをつくることです。コンクールへの参加を引き続き重要な教育施策の一つとして位置づけ、継続していきます。

会社名 株式会社明電舎
設立 1917年(大正6年)6月
本社所在地 東京都品川区大崎二丁目1番1号 ThinkPark Tower
代表取締役 執行役員社長 井上 晃夫
事業内容 電力システム事業、産業機器事業、電動車関連技術事業、公共インフラ事業ほか
URL https://www.meidensha.co.jp/
〔ユーザー協会会員〕

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