電話応対でCS向上事例
-株式会社コメ兵-CTIシステムや音声認識、AI自動要約ツールの導入で応答率や生産性向上を推進
記事ID:C20127
リユース品を中心とした、ジュエリー・貴金属、ブランド時計、バッグ、ブランド衣料などの買取・販売を手がける株式会社コメ兵。カスタマーサクセス部のお二人に、問い合わせ応対のデジタル化を通じた顧客体験の向上への取り組みについてお話をうかがいました。
御社の業務内容とお客さま応対部門の課題に ついてお聞かせください。
営業本部 営業企画統括部
リテール統括部
カスタマーサクセス部
鶴田 竜司氏
鶴田氏:コメ兵は、リユース品を中心とした高価格帯商品の買取・販売を行う企業です。販売では、EC在庫を近隣店舗に取り寄せて実物を確認した上で購入できる「お取り寄せサービス」など、実店舗とECを連携させたOMO(Online Merges with Offline)施策を行っています。実店舗については国内外で300店舗以上を展開し、渋谷・表参道などに若年層やインバウンド向けのコンセプト店舗があるほか、百貨店内への買取専門店を出店しています。また、自社ECサイト、ラクマ、メルカリ、eBayなど外部モールや越境ECにも出店しています。
営業本部 営業企画統括部
リテール統括部
カスタマーサクセス部
坂田 希代子氏
坂田氏:カスタマーサクセス部では、販売、買取、代表電話、Webチャット、LINEで査定など、KOMEHYOのサービス全般に関わる幅広い問い合わせを担当しています。オペレーターの役割は、一次受付としてお客さまが何に困り、何を知りたいのかを正確に把握することです。その場で回答できる内容なら解決まで応対し、商品状態の詳細確認や専門的な査定金額の案内が必要な場合は、商品保管店舗や専門鑑定士へつなぐなど、折り返し応対を行っています。近年は、買取サービスに関する問い合わせが増加し、販売と買取の問い合わせ比率はほぼ半々の状況です。電話応対部門には約30名のオペレーターが在籍し、10~14席で全国から1日150~200件の問い合わせに応対しています。また、LINEで査定担当スタッフは11名在籍し、月間約7,000件の応対を行っています。
鶴田氏:カスタマーサクセス部は、サービス利用前のお客さまの疑問や課題を解決し、最適な利用方法へ案内する重要な接点でもあります。現在は、来店や宅配買取の前に査定額の目安を知りたいというニーズから、LINEで査定が伸びています。ただし、実物を見ずに商品状態を把握し、査定額の目安を示すことには難しさもあります。
坂田氏:お客さま応対に関して、以前はいくつかの課題がありました。10年近く前になりますが、その頃、活用していたシステムはオペレーター全員の電話が一斉に鳴る仕組みでしたので、「誰かが出るだろう」という心理が生まれやすく、個々の受電件数に偏りがありました。また、今どのような通話状況なのかをリアルタイムで把握しにくく、応答率を改善するための具体的な打ち手を取りづらい状況でした。
課題に対してどのように取り組み、 効果を上げられたのでしょうか。
同社のサービスに関わる幅広い問い合わせに対応
坂田氏:オペレーターの稼働の偏りや通話内容の把握のため、CTIシステムの刷新を検討し、2020年に新しいCTIシステムを導入しました。当時、オペレーターの席数が6~7席程度でしたので、小規模なコンタクトセンター向けのそのシステムは当社の環境に適しており、採用を決めました。導入後は、着信の制御が可能となり、オペレーターへの負荷が偏りにくくなったほか、管理者がリアルタイムで通話状況を確認できるようになり、応答率の向上とともにオペレーター一人ひとりの意識改善につながりました。
鶴田氏:応対品質においては、まだ対応すべき課題がありました。例えば、クレーム応対時の確認に時間がかかることが挙げられます。オペレーターの応対内容を確認するには録音を聞き直す必要があり、管理者が状況を把握するまでに時間がかかっていたのです。さらに応対後の記録作成にも時間がかかるとともに、記録内容に応対者の主観が入り、内容の詳細さについても個人差が出ていました。
そこで約2年前、業務効率化を目的として、音声認識とAI自動要約のツールを導入しました。会話内容がリアルタイムでテキスト化されることで、状況把握、エスカレーション、フォロー応対を迅速に行えるようになりました。また、自動要約の機能を活用することで、後処理時間を短縮しながら、より客観的な記録を残せるようになりました。オペレーターの生産性が上がった結果、より多くの電話応対に時間を充てられるようになっています。
Webチャットなどの導入・効果については いかがでしょうか。
webチャット画面
鶴田氏:公式オンラインショップにおいてはAIによるチャット窓口を設置しています。こちらは2025年末にテスト導入し、2026年4月から本格導入しました。公式オンラインショップはここ数年、アクセス数が増加していましたが、相談窓口の分かりにくさや、夜間応対、人員確保の面で課題がありました。そこで、AIによる一次応対を自動化し、オペレーターはより専門性の高い問い合わせに注力できる体制を構築するため、導入を決めました。AIアシスト機能によって問い合わせ内容や顧客属性に応じた回答ができるなど、応対品質が高く、必要に応じて有人応対へ引き継ぐことができ、問い合わせの導線が分かりやすいことが導入の決め手となりました(図参照)。
AIチャットの活用により、応対品質の平準化を図ることができ、多言語にも対応しているため、海外の顧客からの問い合わせにも受けつけることができます。また、FAQや利用ガイドを読み込ませることで、KOMEHYO特有の問い合わせも応えられるようになりました。
音声認識やAI自動要約などの機能とCTIシステムを連携させることで、情報の一元管理や後処理時間の短縮などの業務効率化を実現
坂田氏:リユース業界では、「本物ですか」「安心して購入できますか」といったような、お客さまの不安に関する問い合わせが少なくありません。電話であれば会話の中から不安を感じ取ることができますが、テキストコミュニケーションでは顧客心理を把握しづらい面があります。そのため、チャット設計では、単に質問に答えるだけでなく、お客さまが本当に知りたいこと、不安に思っていることを先回りして案内することを重視しました。導入後、オペレーターはAI応対後の履歴を確認してから有人応対に入れるようになり、お客さまが何を質問し、どのような回答を受け、どこでつまずいたのかを事前に把握できるため、応対の精度向上につながっています。
今後の展開について教えてください。
鶴田氏:今後も、さらにAI活用を進めていく方針です。具体的には、音声AIの導入、営業時間外対応の自動化、後処理業務の自動化、業務のデジタル化・オートメーション化などを検討しています。人材確保が難しくなる中で、業務効率を高めること、多言語応対を強化すること、そして顧客体験を損なわないことを両立させていく必要があります。私たちが目指すのは、単にお客さまの問い合わせに回答するだけではなく、お客さまの疑問や不安を的確に受け止め、最適なサービスへ案内し、販売や買取といった実際の利用につなげていくことです。「顧客の創造」の実現に向けて、お客さまの求める基準を超える応対を行うため、デジタルと人の力を組み合わせながら、今後もさらに取り組みを進化していきます。
| 会社名 | 株式会社コメ兵 |
|---|---|
| 設立 | 2020年(令和2年)5月 |
| 本社 | 愛知県名古屋市中区大須三丁目25番31号 |
| 代表取締役社長 | 山内 祐也 |
| 事業内容 | 中古品・新品の宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、きもの、カメラ、楽器などの仕入・販売 |
| URL | https://www.komehyo.co.jp/ |
| 〔ユーザー協会会員〕 |
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