電話応対でCS向上事例

-株式会社コメ兵-
人の応対力×デジタルの活用で、CXを高めたい

記事ID:C20056

ブランド品の買取、販売を行う日本最大級のリユースデパート「KOMEHYO」を運営する株式会社コメ兵。一つとして同じものがない中古品を扱うからこそ大切にしている、人と人との接点と、デジタル技術を活用した効率化と利便性で、CX※1の向上を目指しています。

事業概要と電話応対の体制をお聞かせください。

店舗接客

坂田氏:KOMEHYOはブランド品の買取と販売を行っている、日本最大級の「リユースデパート」です。本店は名古屋市にあり、全国に100以上の店舗があります。扱う商品は、ブランドバックや宝石、時計、衣料、きものやカメラ、楽器まで多岐にわたります。私たちコンタクトセンターはオペレーターが約30名、社員を合わせると40名体制で、商品やサービスに関するお客さまからのお問い合わせや取引先さまなどからの代表電話へのお問い合わせに応対しています。昨今は、ECサイトをご覧のお客さまからメールやチャットでのお問い合わせも増えています。

中古品を扱うからこそ、お客さまのニーズを聴き取ることが大事

電話応対、応対教育について大切にしていることを教えてください。

WEB事業グループ
マネージャー 坂田 希代子氏

坂田氏:今は、機械応答を導入する企業が増えていますが、私たちは人が応対することを大切にしています。扱っている商品が高額ということもありますが、中古品は1点1点状態が異なります。お客さまからお探しのものをしっかりと聴き取ることによって、適した商品をご提案することができるのです。仮にお探しのものがなくても「ございません」で終わるのではなく、「こちらはいかがでしょうか」と代案を提示できるような応対を目指しています。そのためには、オペレーターが専門知識を増やしていかなければなりません。簡単ではありませんが、人が応対する「プラスアルファの価値」を探求していきたいですね。

WEB事業グループ
マネージャー 石田 美紀氏

石田氏:オペレーター教育においては、「お客さまの言葉を復唱すること」、「お客さまの気持ちに共感すること」が大切だと伝えています。例えば、ECサイトの操作案内をする場合、お客さまが先に進めずに困っていることを感じながらご案内すると、解決できることも増えると思います。もちろん、実践するのは容易ではありません。そのため、毎月重点目標を設定して、実践の中で一つずつ身につけられるようにしています。先月は「声に表情をつける」がテーマで、商品の金額や電話番号などの大事なことは、聞き取りやすいようにトーンを上げたり、ゆっくり話すというトークに取り組みました。オペレーターへのフィードバックは、日々の応対の中で行っています。「できていたね」とか、「こう変えてみたら、もっと伝わりやすいのでは」などと伝えて、すぐに実践で活かせるようにしています。
 また、電話で伝わりやすい言葉と、メールやチャットで伝わりやすい言葉は異なるため、お客さまに伝わりやすい言葉遣いを心がけています。同じ意味の言葉でも電話では耳で聞きやすい、聞き間違いが起こらない訓読みを意識しています。また、メール等で文章を送る際には、理解に時間がかかるような複雑な表現をせずに、読んですぐに伝わる簡潔な文章を書くことを意識しています。

電話応対コンクールに出場し続けることで応対力がつき、販売実績も向上

電話応対コンクールに取り組まれた経緯を教えてください。

坂田氏:6年前に私が個人的に参加したことがきっかけです。それまでは独学で電話応対に取り組んでいたため、他社の応対を参考にしたいと思って参加したのですが、かなりの衝撃を受けました。それ以前はトークスクリプト※2を作ったことも、お客さまのご要望を引き出すための質問をどうすればいいのかを深く議論したこともありませんでした。3分という短い時間の中でお客さまの状況を聴き取って付加価値をつけた提案をするという電話応対コンクールの課題自体が刺激になりました。また、ほかの参加者の応対を聞いていると「自分たちの応対力を、もっと高められる」という気づきもありました。それ以降、会社として毎年電話応対コンクールに参加するようになりました。練習では自分たちで何度もスクリプトを作り直して、トーク練習を繰り返しました。この様な練習により、スタッフも自然とお客さま目線で考えられるようになってきました。

電話応対コンクールに参加されて、どのような成果を感じていますか。

WEB事業部 部長
甲斐 真司氏

甲斐氏:やはり、出場し続けることで、お客さまの立場や状況に寄り添う接客が浸透してきたと思います。全社的に応対力が向上してきたので、実際の電話注文においても高額な商品が売れるようになったり、リピーターのお客さまが増えたと思います。大手ECサイトの顧客レビューを見ても、「発送が丁寧で迅速だ」といったご評価に加えて「親身に対応してくれたので安心して購入できた」といったお言葉をいただくようになりました。

石田氏:昨年から電話応対後にお客さまにアンケートを実施しているのですが、98%以上の方から「オペレーターが親身になって対応をしてくれた」という評価をいただきました。電話応対コンクールに向けた練習や、応対の基本的な姿勢をしっかりと伝えてきた成果だと思っています。

企業電話応対コンテストはどのように活用されていますか。

職場風景

坂田氏:企業電話応対コンテストでは、私たちの普段の電話応対力を客観的に評価していただけるので、自分たちでは気づかないくせや音声表現を改善するのに役立っています。初めてコンテストに参加した際は、思った以上に厳しい評価だったのでショックを受けました。ただ、その結果を聞いた一部のスタッフから「応対の録音を聞いたが、伝えるべきことは伝えているし、これ以上の対応はできないのではないか」という意見が出た時に、その意識こそが問題ではないかと感じました。それをきっかけに、他の企業の応対を学ぶことができる「電話応対コンクール」に参加するようになり、コンクールに向けた練習を繰り返したのちに、再度、企業電話応対コンテストを受けました。すると、漠然と受け止めていたコンテストの評価を具体的に何ができていなかったか、どうすればもっと伝わりやすくできるかと他の企業の良い点とも比較し、改善するための指標としてトレーニングにつなげることができるようになりました。客観的な電話応対の基準を持ったことで、自分たちで課題を発見できるようになり、それを毎月、重点的に改善に取り組む項目を一つ作り応対をレベルアップさせることにつなげています。

人ならではの親身な応対とデジタルの力を融合し、お客さまのCXを向上させたい

最後に、今後の目標についてお聞かせください。

甲斐氏:KOMEHYOでは、人による親身な応対に加えて、デジタルの活用にも力を入れています。チャット対応やお客さまのパソコン操作をサポートするための画面共有ツール、過去のマーケティングデータと連動したコンタクトセンターシステムの導入など、デジタルの力でお客さまとつながりやすい環境づくりを進めています。これからは、応対品質や商品知識に加えて、応対のスピードも求められますので、デジタル化にしっかりと対応して、さらなるCX向上を目指していきたいですね。

KOMEHYOホームページ

※1 CX(Customer Experience:顧客体験・顧客体験価値)
顧客体験・顧客体験価値):商品やサービス購入前の段階から購入後のサポートまでの一連の期間に、お客さまが企業に対して持つ評価のこと。簡単に言うと「お客さまが感じる企業の印象」のようなもの。
※2 トークスクリプト
電話で顧客応対を行う際に、サービスの種類や案内の内容をステップごとに作成した台本のこと。
会社名 株式会社コメ兵
設立 2020年(令和2年)5月 ※持株会社への移行に伴い、ブランドファッション事業を継承
本社所在地 愛知県名古屋市中区大須三丁目25番31号
代表取締役社長 石原卓児
事業内容 中古品・新品の宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、きもの、カメラ、楽器などの仕入・販売
URL https://www.komehyo.co.jp/
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