電話応対でCS向上事例

-トヨタモビリティ東京株式会社-
コールセンターは自動車販売の「守り」をサポート トヨタ系販売会社を牽引するフロントランナーとして働き方を改革

記事ID:C20083

トヨタモビリティ東京株式会社は東京都港区に本社を構え、自動車販売や自動車のリース・レンタルをはじめとする事業を展開しています。同社のコールセンターが行っている販売店を支援する取り組みについて話をうかがいました。

事業概要と電話応対の体制をお聞かせください。

執行役員 店舗支援部
部長 営業業務部
枝光 佐和子氏

枝光氏:当社は2019年に、東京トヨタ自動車、東京トヨペット、トヨタ東京カローラ、ネッツトヨタ東京の4つの販売店が融合して発足しました。トヨタ自動車の唯一の直営販売店として、都内に207店舗を構え、自動車販売や自動車リース・レンタル、自動車買取り、自動車の点検・整備などの事業を展開しています。自動車販売の業務を大きく分けると、「攻め」「守り」「その他」となります。「攻め」は自動車の販売、「守り」は販売した自動車に対する活動、「その他」は保険や用品販売などです。当社のコールセンターは、その中の「守り」の部分を担当しています。主な活動は、点検・整備のパッケージを購入されているお客さまに対する定期的なフォローです。コールセンターは店舗支援部に所属し、本社と城北地区、多摩地区の3拠点で、約50名のオペレーターが電話によるお客さまのフォロー業務を行っています。ちなみに点検・整備以外のお問い合わせなどは、社内の別部署が担当しています。

コールセンターの使命は電話応対を通じた“お客さまと店舗との絆づくり”

電話応対に対する考え方や取り組みについてお聞かせください。

ショールーム

枝光氏:コールセンターの役割は、店舗支援部という組織名が示すように、当社の207店舗をサポートすることです。具体的には、お客さまに自動車の点検・整備をご案内して、当社の店舗に入庫していただくように導くという活動です。電話で連絡がつかないお客さまやメールでのやり取りを望まれるお客さまについては、メールでの連絡を行っています。一日の応対件数は、オペレーター1名につき、電話とメールを合わせて30~50件ほどで、1ヵ月で1,000件を数えます。電話応対を通じて得られたお客さま情報は蓄積され、各店舗に共有します。そのような店舗とお客さまを結びつける活動を通じて、お客さまとの絆を構築することがコールセンターの使命と言えます。

店舗支援部 コールセンター室
室長 橋本 建市氏

橋本氏:この4月からコールセンターの居室のリニューアルを行い、デスクや什器のカラーリングやデザインを一新し、オペレーター一人ひとりの音声が干渉しにくくなるような防音対策も行いました。それにより、センター内が照度もムードも明るくなり、オペレーターの皆さんの笑顔が増えたと感じています。このように、コールセンターの環境面の改善にも取り組むことで、皆さんのモチベーションアップにつなげていこうと考えています。

オペレーターが見たテレビ番組が電話応対コンクール参加のきっかけに

電話応対コンクールに対する取り組みを教えてください。

店舗支援部 コールセンター室
活動企画管理グループ
グループリーダー
川嶋 一徳氏

川嶋氏:活動企画管理グループの業務は、店舗をサポートしているコールセンターのオペレーターをサポートすることです。電話応対コンクール(以下、コンクール)は、2023年の1月に、NHKのテレビ番組でその前年の東京大会の模様を紹介されたものを当社のオペレーターが見ていて、社内に情報共有したのがきっかけでした。調べてみると、オペレーターの学びの機会として期待でき、モチベーションアップも図れると思い、参加を決めました。

店舗支援部 コールセンター室
活動企画管理グループ
服部 千鶴氏

服部氏:2023年が初参加でしたが、1名でも多くのオペレーターに経験してほしかったので、上限の20名をエントリーしました。地区大会に向けて、20名を1組5名ほどのグループに分けて、スクリプトづくりや電話応対の勉強会を週1回ペースで行いました。普段はお互いのコールなどを聞くことのないオペレーター同士が一緒に取り組んだことで、新たなコミュニケーションが生まれ、コールセンター内が活性化するという効果も得られました。また結果的に1名が東京大会に進出できたことが、オペレーターの励みになりました。大会後は、コンクールでの音声を聞いて、オペレーター同士がお互いの応対を見直すといった取り組みも行われました。

電話応対の様子

枝光氏:また、当社は電話応対技能検定(もしもし検定)についても、ほとんどのオペレーターがチャレンジしています。2023年は4級と3級を受験させていただきましたが、オペレーターが具体的な目標を持ちながら業務に当たると、一人ひとりのモチベーションアップやスキルアップにつながるという効果を実感することができました。とはいえ、何が何でも合格を勝ち取るという方向ではなく、あくまでも自分のための腕試しということを意識して、笑顔で取り組んでくれました。もしもし検定についても、コンクール同様に参加者同士がアドバイスし合うなど、現場が大いに盛り上がりました。オペレーターの意識を高める上でも多大な効果があったと感じています。さらに、当社の実店舗に対するアピールにもなり、その結果、コールセンターの信頼性が高まったという波及効果も得られました。

コールセンターを軸に働き方改革を推進していきたい

最後に、今後の取り組みについてお聞かせください。

コールセンターは、お客さまへ自動車の点検・整備をご案内する「守り」の役割を果たす

橋本氏:顧客接点はウェブサイトなどに移りつつありますが、コールセンター事業はなくならないと思っています。そこで電話応対を大事にしつつも、お客さまへのレスポンスをより早くするような電話以外のツールに対するスキルアップを図っていきたいと考えています。それによって、オペレーターの働き方が広がり、例えば定年後などの働き方などにもつながっていくのではないかと思っています。

研修などを通じて職場環境の改善を進め、従業員のモチベーション向上がCS向 上へつながることを目指す

枝光氏:今後は、コールセンターが受け持っている「守り」の活動を広げたいと考えています。それにより全社的に業務の分業化が図られ、店舗スタッフの稼働も軽減されて、働き方改革につながると考えています。トヨタの自動車販売店は全国に約250社ありますが、当社はそのフロントランナーとして、コールセンターを軸にした改革を推進していきたいと思っています。室長の橋本をはじめとする活動企画管理グループのスタッフがオペレーターなどのES(従業員満足度)を上げるために、環境改善を進めています。それはESが上がれば、CSが上がる。CSが上がれば収益につながるという考え方に基づいています。さらに、お客さまと対峙する実店舗との連携強化も今後のテーマとなっています。その実現には、情報のクラウド化やリモートワーク体制の導入、AI活用など、DXのさらなる推進が求められます。そのために、システム担当との検討などを重ねているところです。

会社名 トヨタモビリティ東京株式会社
設 立 2000年(平成12年)8月10日(トヨタアドミニスタ東京)2019年(平成31年)4月1日(社名変更)
本社所在地 東京都港区芝浦 4-8-3
代表取締役社長 佐藤 康彦
事業内容 トヨタ車、レクサス車の販売、中古車販売、自動車リース、自動車レンタル事業、自動車買取り、自動車の点検・整備、自動車の部品・オイル・用品の販売、損害保険及び生命保険の募集
URL https://www.toyota-mobi-tokyo.co.jp/
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