電話応対でCS向上事例

-株式会社タカギ-
浄水器をご利用のお客さまに電話応対を通じてファンになっていただくために

記事ID:C20098

株式会社タカギは、家庭用園芸用品、家庭用浄水器、省エネ商品の開発、製造、販売・プラスチック射出成形加工・金型事業を行っています。コールセンターにおける問い合わせ応対の取り組みについてお聞きしました。

事業概要についてお聞かせください。

お客様サポート部 部長 西村 健吾氏(写真左)
お客様サポート部 お客様サポート課 九州コミュニケーションセンター センター長 中園 春香氏(写真右)

西村氏:家庭用浄水器、家庭用園芸用品の製造・販売を主な業務とする当社は、北九州・小倉に本社を置き全国に支店、営業所、ショールームがあります。1961年の設立以来、「人の暮らしに快適と潤いを与え、社会の発展に貢献する」を経営理念に掲げ、キッチン水栓に浄水器を組み込んだ蛇口一体型浄水器を浄水器業界で初めて開発し、多くのお客さまにご採用、ご使用いただいています。また、散水事業では水の出方を5種類切り替えられる園芸散水用品「ノズルファイブ」を1979年に発売以降、散水用品市場を開拓してきました。このように、キッチンやガーデニング、洗車などで使える、利便性の高い水廻り製品を提供しています。

中園氏:電話応対の窓口は大きく二つあり、一つは法人さま受付のテクニカルサポートセンター、もう一つはエンドユーザー対応を行うコミュニケーションセンターです。同センターは関東にも拠点がありますが、私たちが運営する北九州市のコミュニケーションセンターは2002年に設立し、浄水器をご利用いただいているお客さまの総合受付として、浄水器に取りつけて水道水から塩素などを除去するカートリッジの定期交換の申込み、登録情報の変更や解約受付、製品に関する問い合わせなど、電話対応においては1日1,000~1,500件程度の問い合わせに対応しています。引っ越しの時期は新規申込みや解約の手続きが増える傾向があります。

お問い合わせ応対はコミュニケーションできる貴重な機会

電話応対に関する考え方や課題について教えていただけますか。

九州・北九州市にあるコミュニケーションセンターでは、キッチン水栓に浄水器を組み込んだ蛇口一体型浄水器に関するお問い合わせを受け付けている

西村氏:電話応対を通して私たちが目指しているのは、お客さまに当社のファンになっていただくということです。浄水器事業は、蛇口一体型浄水器とカートリッジを利用されているお客さまに製品とサービス双方を満足いただくことで成り立っています。問い合わせのお電話は、普段接点の少ないお客さまとコミュニケーションできる貴重な機会であり、そこでいかにファンになっていただけるかが今後の継続的なご利用につながると考えています。そこで、応対品質向上のために、社内で評価基準を作成し、専任者が基準に基づいた指導を継続的に行うなど、いつでも誰でも均一で高レベルな応対ができるよう、日々取り組んでいます。さらに、お客さまからのご要望やご意見を活用するため、VOC活用も実施しています。また、当社独自の取り組みとして、営業担当がコミュニケーションセンターにて研修を受けたのち、お客さまの電話応対を行う約2週間の研修を行っています。これは、お客さまの声を営業担当者が直接受けることで得意先応対に活かすことができるのではないかということから始めたものです。

電話応対コンクールのセミナーでの具体的な指導で応対スキルが向上

電話応対コンクール(以下、コンクール)に取り組んだきっかけと経緯を教えてください。

家庭用園芸用品(イメージ)

中園氏:コンクールには、電話応対による企業価値向上を目指して参加しています。当初は一定の応対レベルを持ったメンバーが中心でしたが、今は本人の意思を優先した形になっており、2024年度は福岡県大会に4名、埼玉県大会に4名が参加しました。コンクールに関して最近感じているのは、地区や県の大会への出場者が外部から客観的評価を受ける様子を目にして、次は自分も参加したい、県大会まで進みたいと積極的に考えるコミュニケーターが増えたことです。これはすごく良い傾向だと感じています。また、得意先の企業の方が小倉の本社工場へ来訪された際、コールセンターも見学コースに組み込み、お客さまへの応対やアフターフォローの様子をご覧いただくとともに、コンクールの出場について説明しています。これらの取り組みは、当社のカスタマーサービスに関して安心感を持っていただくことに一役買っています。さらに、コンクールの参加がきっかけとなり、コールセンター見学などを通じて多くの企業と意見交換を行うなど、新たな交流が生まれています。
 私は今、指導する立場ですが、2014年の入社当時から数年、コンクールへ参加してきました。そのため、この大会へ挑戦することの意味や重要性を感じた経験があるので、それを指導の際にも伝えるようにしています。最近参加したメンバーにどのようなところが役に立ったかを聞いたところ、事前のセミナーなどで、発声の仕方といった細やかで具体的なポイントに関する指導があり、そうした普段気づいていない部分を新たなスキルとして身につける良い機会になったと話していました。
 また、電話応対技能検定にも取り組んでいます。2020年に参加を始め、2023年に1名が指導者級の資格を取得しました。さらに2024年には企業内導入実施機関に認定され、4級・3級への受検者が増えるなど、取り組みに弾みがつき始めています。

コミュニケーターならではの細やかな応対を

最後に、今後の目標について教えてください。

コミュニケーションセンター内の様子

西村氏:最近では、自動音声応対やチャットボットなど、コミュニケーターが直接電話応対する以外の場面も増えてきています。そのような中でも、電話をかけてきてくださるお客さまに対しては、人ならではの応対を提供していきたいと強く思っています。そのためにもお客さまのリアルな声を受け止め、新たなサービス創出や改善につなげていく姿勢を継続し、何より当社のファンになっていただくことを目指し、新たな体制の強化を図っていきたいと考えています。

※ VOC
(Voice of Customer)活用:「顧客の声」を意味し、顧客の意見を分析することで、製品サービスの改善や、マーケティング戦略の立案など幅広い分野で活用すること。
会社名 株式会社タカギ
設立 1961年(昭和36 年)5月
本社所在地 福岡県北九州市小倉南区堀越413
代表取締役社長 髙城 いづみ
事業内容 家庭用園芸用品、家庭用浄水器、省エネ商品の開発、製造、販売・プラスチック射出成形加工・金型事業
従業員数 1,403名
URL https://www.takagi.co.jp/
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