電話応対でCS向上事例

-株式会社鈴木ハーブ研究所-
スキンケアに関する知識をアップデートしお客さまのお悩みに対して親身に対応

記事ID:C20092

株式会社鈴木ハーブ研究所では、主に化粧品の研究開発・販売、ハーブの品種改良・栽培・販売を行っています。お客さまのお悩みに丁寧に寄り添い、より良い関係性を構築するための取り組みについてうかがいました。

事業概要についてお聞かせください。

お客様サービスセンター 藤田 慎司氏

藤田氏:当社は、ハーブを有効成分とする基礎化粧品の企画、販売を行っています。もともとは創業者が娘のアトピー性皮膚炎の改善のためにハーブと肌の研究に取り組み始めたことがきっかけで、2004年の創業以来、安心・安全で結果を実感できる化粧品を通信販売で提供しています。お問い合わせやご注文を受け付ける「お客様サービスセンター」は、現在14名で運営しています。電話による問い合わせの8割は女性が占めており、40代以上の方からの電話が多いという傾向があります。また、電話の総件数のうち約8割以上がリピーターのお客さまになります。電話とメール以外には、有人のLINEチャットや、同じくLINEを使ったビデオ通話での応対を行っています。ビデオ通話は、質感などを画面で確認したいという要望に応えるもので、事前に予約を受けています。お客さまのお肌の状況や製品の特性などをふまえ、その方に寄り添った案内ができるよう、心がけて対応しています。

お客様サービスセンター 田口 瑠美子氏

田口氏:最近では除毛・脱毛のためのスキンケア製品を使う男性も多いですし、小さなお子さまの需要も高まっています。実際に使うのは小学生ですが、親御さまが電話をかけてくるといったケースがここ5年くらいでかなり増えています。除毛・脱毛への関心が高まる中、そうした意識が若年層にも影響しているようです。特に夏場はプールなどで肌を露出する機会が増えますので、友人に腕の毛のことを言われて気になってしまうといったお悩みが多く寄せられます。親御さまとしては、お子さまに関することなので、お気持ちの入ったお電話をいただくことが多いです。

お客さまの気持ちに寄り添ってお応えすることを心がける

電話応対に関する考え方や取り組みについて教えていただけますか。

抑毛アドバイザー試験の問題(左)と合格認定証(右)

藤田氏:悩みを抱えて電話をかけてくるお客さまに対し、その方がもし自分の家族だったらどう声をかけるだろうかと考えて説明するよう指導しています。実は、私以外のオペレーターはすべて女性で、子育ての経験がある人も多いので、お客さまの気持ちに寄り添ってお応えすることが無理なくできているように思います。また、当社はムダ毛ケアの製品がシェアの大半を占めることもあり、そうしたお悩みにお応えできるような専門知識を身につけ、かつ、応対レベルを均一に保つことが課題となっていました。そこで、2019年に社内資格として「抑毛(よくもう)アドバイザー」が設立されました。合格すれば資格が獲得できるという取り組みで、現在、オペレーター全員が資格を取得しています。これにより、一人ひとりが応対に自信を持つことができ、専門性の高いアドバイスができるようになりました。

お客様サービスセンターでは電話のほか、チャット、ビデオ通話でお客さまの問い合わせに対応している

 また、電話の応対模様をモニタリングし、オペレーターの説明によってお客さまがどう感じたのかという点に重きを置いてフィードバックすることも定期的に行っています。さらに、終話後にお客さまへ応対品質のアンケートを行っているのですが、メール送信文のわきにオペレーターの顔写真を添付するなど、身近に感じていただける工夫も行っています。

電話応対コンクールは電話応対レベルを見つめ直す良い機会

電話応対コンクール(以下、コンクール)にどのように取り組まれていますか。

社内での応対研修の様子

藤田氏:コンクールについては、お客さま応対のレベルを高めたいということがきっかけで2019年に初めて参加し、毎年2~3名程度が挑戦しています。以前から、応対レベルを上げるためのOJTや毎月のモニタリング、フィードバックなど、社内でできることを実施してきましたが、当社の電話応対のレベルを冷静に見つめ直したいと考えていた時期でしたので、良い機会になりました。役に立った点はたくさんあります。例えば外部講師の方から普段意識していない点を指摘いただくことにより、電話応対の基礎力が上がってきていると感じています。また、参加者が成長する姿に刺激を受けて、私もコンクールに出たいというメンバーが現れるなど、職場の中でも良い雰囲気が醸成されています。2023年の大会で、他企業の方の競技を拝見し、当社オペレーターとは違う角度の表現から新しい視点を得ることができました。

田口氏:参加して考えさせられたのは「言葉による表現」についてです。私たちが日々行う応対業務では、まずお悩みを聞くことから始まるのですが、しっかり受け止めていますよというメッセージを何らかの形でお客さまに伝えることも、聞くことと同じくらい重要です。

スキンケアに関する知識をアップデートし、進化していきたい

今後の取り組みについてお聞かせください。

電話応対の様子

田口氏:私たちお客様サービスセンターは、自社コールセンターですので、オペレーターが応対した内容を即座に社内全体へフィードバックできる環境が整っていると言えます。そうした利点を活かし、今後もお客さまからの声を、製品や購入制度などの改善に積極的に反映していきたいと考えています。

藤田氏:スキンケアに関するお悩みが多様化している中、どのようなお手入れ方法をおすすめすればよいのか、どの範囲まで私たちがご案内できるのかを日々考えながら業務にあたっています。これからもオペレーター全員がスキンケアに関する知識をアップデートし、時代に合わせて進化していけるよう、研鑽を重ねます。また、最近、就職活動中の学生の方と話す機会があったのですが、電話応対に対して抵抗感を持つ人が増えていると感じました。コールセンターが避けられつつある現状を知り少し寂しくなりましたが、私はどのようなビジネスであれ、お客さまとのコンタクトを持つ場が成功のカギを握っていると考えています。コールセンターを魅力的な職場と感じてもらえるようにするためにも、さまざまな取り組みを続けてまいります。

会社名 株式会社鈴木ハーブ研究所
所在地 茨城県那珂郡東海村村松2461
創業 2004年(平成16 年)9月
代表取締役社長 鈴木 さちよ
URL https://s-herb.com/
〔ユーザ協会会員〕  

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