電話応対でCS向上事例
-株式会社 ALL CONNECT-品質管理・応対評価システムの導入でオペレーターが応対品質に対する評価軸を認識
記事ID:C20119
福井県福井市に本社を置く株式会社 ALL CONNECT(オールコネクト)は、通信インフラ事業から地域振興事業など多角的な事業展開に注力しています。コンタクト本部の藤村氏と伊藤氏に通話評価自動化に関する取り組みについてお聞きしました。
御社の業務内容とお客さま応対部門の課題についてお聞かせください。
コンタクト本部 第三営業部 部長
藤村 泰史氏
藤村氏:当社は、スマートフォンや通信回線、電力などのインフラを取り扱ったWeb上での販売代理業のほか、MVNO事業、EC/メディア事業、福井県を中心とした地域振興事業を展開しています。福井の本社と東京の五反田営業所を拠点とするコールセンターは約200名のスタッフが在籍し、各種料金やWi-Fi端末機器の使い方などさまざまな問い合わせや申込みに応対しています。また、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)サービスに関しては、営業活動とアフターフォローを担当しています。取り扱うサービスの特性上、引っ越しシーズンである3月~4月が繁忙期となり、コール数は2倍近くになります。通信事業者さまに代わってお客さま応対を行う、いわゆる販売代理業務ですので、万が一にもクレームなどを起こさないという意識を持ち、日々の業務にあたっています。
さまざまな問い合わせや申込みに応対するオペレーター
コールセンターの性質上、応対品質に関してはいくつかの課題がありました。以前、NPS(Net Promoter Score)調査※を行ったところ、申込みに至らなかった理由として、「オペレーターの応対が不十分」の回答が約3割にも上りました。回答の中身を詳細に分析したところ、お客さまから、「話し方」「声音から受ける印象」「説明能力が足りず分かりにくい」といった指摘が多いことが分かりました。そこで2023年に、一人ひとりの応対スキルを高める取り組みをスタートしました。例えば、お客さまへの感謝の気持ちの伝え方についてどんな言葉・リアクションが良いのか考えるなど、場面に応じた改善を検討し、さらに話し方や言葉の抑揚などについては専門家からアドバイスを仰いで、トークスクリプトへ落とし込みました。ただ、当時は品質向上を妨げかねない独自の事情もありました。一番気になっていたのは、常に約20のプロジェクトが存在し、それぞれ別の業務基準を設けていることによる「業務の煩雑さ」でした。次に、「人材の入れ替わり」の問題です。特に、指導係のトレーナーについては、専門スキルが必要なトレーナーの育成には時間がかかり、さらに、育成できてもその人が辞めてしまえば、また別の人材を育てなければならないという課題がありました。そして、「指導品質が安定しない」という問題も生じます。指導というものは属人化する傾向があり、トレーナーが変わると指導方法や考え方も変化します。“フィードバックの精度”を一定に保つことができないと、オペレーターは正しい応対がどれなのか、迷うことになりかねません。そこで考えたのが、人ではなくシステムによる自動評価でした。
導入までの経緯を教えてください。
オペレーターの通話内容をAIが解析。評価担当者は、あらかじめ設定された評価基準に基づいた評価データのフィードバックを受けることができる」
藤村氏:通話評価を自動化するサービスをいくつか検討しましたが、導入した品質管理・応対評価システムは、判断基準を数値化したスコアリングを独自の評価基準にカスタマイズできるものでした。この点が当センターでの運用に最適と判断し、2023年11月に導入に向けて動き始め、独自のトークスクリプトを基にした評価項目のカスタマイズと評価基準のチューニングをシステム事業者と共同開発し、2024年10月に本格運用を開始しました。
評価項目のカスタマイズと評価基準のチューニングですが、当社では電話応対に関する基準を5段階に分けて定めています。基準の基となる要素は、会話のバランス、声の表情・トーンや敬語やクッション言葉、話すスピードやフィラー(つなぎ言葉)など多種多様なものがあります。これら項目すべてを言語、非言語ごとに分解し、それぞれに対して基準を設定して定量化したものが5段階の評価基準です。そして、システムを介してオペレーターへ評価内容をフィードバックできるよう、仕組みづくりに取り組みました。まず、数十件の応対模様をログデータとして活用し、定量化した数値に置き換える作業を行いました。最初に人が採点し、その後、音声データをAI機能に学習させました。重要なのは評価軸の設定で、言語領域と非言語領域の多岐にわたる項目すべてを分類し、それぞれに5段階の基準を設けて、定量化しました。そして、インプットが同じような応対内容であれば同じ数値の評価としてアウトプットされるよう、チューニングを4ヵ月間繰り返しました。共同開発として携わった工程としては一番手間をかけた部分です。
システム導入でどのような効果がありましたか。また、電話応対コンクールへの参加のきっかけについても教えてください。
システムから受けた評価データを基に応対内容を見直すことができる
藤村氏:人の入れ替わりによる影響を受けず、オペレーターの応対スコアを数百人単位でアウトプットできるようになったことが、一番の成果だと考えています。また、フィードバック機能により、評価点数に基づいた改善ポイントをオペレーターへ伝えられるようになりました。オペレーターにより理解度もまちまちですのでフィードバックは慎重に行う必要があるのですが、このシステムでは分かりやすく、親切な言い回しでの伝達が可能です。それにより、オペレーター自身が応対品質に対する評価軸を持てるようになったことも効果の一つです。話を聞いてみると、「自分では敬語をしっかり使えているつもりだったが、フィードバックを受けて不十分な点を知ることができ、気づけて良かった」といった声があるなど、個々の改善が進んだと感じています。
コンタクト本部 第四営業部
MVNO営業課 課長 伊藤 孝将氏
伊藤氏:コールセンターの応対品質向上に取り組み始めた2023年、システム活用とは別に、定性的な判断基準の方法として何かないか探していました。そこで出会ったのが、第三者的な評価を受けることのできる電話応対コンクールでした。2024年の初参加以降、毎年参加し、2025年には福井県の大会で3位と5位、新人賞の受賞という成果を収めることができました。
CX向上に向けた今後の予定について教えてください。
伊藤氏:私の所属する課でも品質管理・応対評価システムを導入中ですが、このシステムでの評価と電話応対コンクールへの参加の有無に相関があることに最近気づきました。コンクール参加者はほぼ全員、システムのスコアが圧倒的に高いのです。また、受注率の高いオペレーターはシステム評価が高いという実績も出ています。このことから、コンクールでの定性的・属人的評価をうまく組み合わせることで、さらなるCX向上が図れるのではと考えています。
藤村氏:これからはAIとの共存が重要となります。導入したシステムはいわばコールセンターの健康診断のようなもので、当センターが抱えている課題である人的リソースの不足や応対能力の不足については根本的な解決に至っていません。AIをどのように活用していくのかを考え、今後も人材育成に取り組んでいく予定です。
- ※ NPS(Net Promoter Score)調査
- 顧客ロイヤルティ(忠誠度)を数値化する調査。顧客が「この商品・サービスを友人や同僚にどのくらい薦めたいと思うか?」を0〜10点で評価し、それを基に分析するもの。
| 会社名 | 株式会社 ALL CONNECT |
|---|---|
| 設立 | 2005年(平成17年)4月 |
| 本社 | 福井県福井市栂野町第15号1番地2 |
| 代表取締役社長 | 岩井 宏太 |
| 事業内容 | 販売代理業、MVNO事業、EC/メディア事業、地域振興事業 |
| 従業員数 | 496名(グループ連結)(2025年2月) |
| URL | https://all-connect.co.jp/ |
| 〔ユーザ協会会員〕 |
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