電話応対でCS向上事例

-福井コンピュータスマート株式会社-
サポートの最後に「ありがとう」と言われる応対を目指す

記事ID:C20029

福井コンピュータグループが販売する建築・測量土木専用CAD※のサポート専門会社として設立された福井コンピュータスマート。製品や業界を熟知したオペレーターが、お客さまの困りごとをすばやく解決し、寄せられた声を製品開発にもつなげています。

事業概要と電話応対の体制についてお聞かせください。

カスタマサポート部
部長 宮岡 昭広氏

宮岡氏 主に、福井コンピュータグループが販売する建築・測量土木専用CAD の保守契約を締結していただいたお客さまに、CAD の操作案内をしています。電話問い合わせが中心ですが、お客さまの画面を共有して操作を案内するリモートサポートも行っています。1日の問い合わせ数は、建築・測量土木合わせて約700件にのぼり、製品や業界を熟知したオペレーターが常時80名ほどで応対しています。コロナ禍以前から自社で「在宅コールシステム」を構築していたため、現在は、在宅勤務率70%を実現しています。

BCP対策の一環として、リモートコールセンターを実現

コロナ禍で、コールセンター業務に変化はありましたか。

宮岡氏 現在は、BCP対策として自社で構築した「在宅コールシステム」によって、リモートコールセンターを実現し、約7割が在宅勤務をしています。コロナ禍でもコールセンター業務を止めることはできないので、感染者が出ないよう最大限に気を配っています。実は、コロナ以前から「在宅コール」には取り組んでいました。きっかけは、4年前に大雪の影響でオペレーターが出社できず、コールセンター業務を1日半止めてしまったことでした。当時は、一つの拠点で受電していたのですが、福井市内にあるもう一つの拠点でも受電できていたら、業務を止めることはありませんでした。そこで、在宅勤務も視野に入れた拠点の拡大に取り組んでいたところに、コロナの流行があったので、「在宅コール」にもいち早く対応することができました。

今後は、どのような働き方を推進していきたいですか。

宮岡氏 在宅勤務を推奨していきますが、課題は山積みですね。一つは、オペレーター間のコミュニケーションの課題です。今は、オンライン会議システムの「Teams」を導入して、お互いに質問できるようにしていますが、やりとりに多少のラグが生じてしまいます。また、「Teams」では業務の話が中心となり、何気ない会話でストレスを発散する場がなくなっているので、心のケアも課題です。もう一つの大きな課題は、社内研修です。研修では、外部機器と接続をしながら動作検証をしたり、お客さまのシステム環境を再現するために、どうしても対面で指導する場面があるので、対策を検討しています。ただ、課題はありつつも、想定よりも業務がスムーズに進んでおり、メリットが大きいと感じています。今後も社員が安心して在宅勤務ができるように、一つ一つ課題をクリアしていきたいですね。

自己、他者、応対品質担当者の3方向から評価し応対スキル向上に取り組む

電話応対スキルを向上させるための取り組みや成果についてお聞かせください。

カスタマサポート部
土木測量サポート課
上席主任 野村 美帆氏

野村氏 誰が電話を取っても同じ応対ができることを目標に、評価基準を定めて四半期に一度振り返りをしています。応対評価は、自己評価、他者評価、応対品質担当者の3方向から行っています。以前は、応対品質担当者だけが評価をしていたので、本人はどのような基準で評価されているのか把握していませんでした。そこで、評価基準を理解し、しっかりと日々の業務で実践できるように自己評価を取り入れたのです。さらには、他者の応対を聞いて良い点を取り入れることも重要だと考え、「応対品質評価シート」(下図参照)を作成し、他者評価も行うようになりました。

「応対品質評価シート」を使い、自己評価や他者評価から課題点を客観的に把握することができる

カスタマサポート部 建築サポート課
主任 嶋田 圭子氏

嶋田氏 評価制度が浸透する以前は、「電話がつながらないから、保守契約を更新しない」といった声もありました。最近はそのようなクレームが減り、保守契約の更新率を高い水準で維持しています。昨年からは、リモートサポートの直後にアンケートを実施しているのですが、とても好意的な意見が寄せられています。中には、「○○さんの応対が良かった」という名指しのコメントもいただきます。それを直接社員に伝えると、とても喜んでモチベーションが上がるようです。

お客さまからの生の声を製品の開発・改善につなげる

サポート専門会社ならではの取り組みについて教えてください。

嶋田氏 ボイスオブカスタマー(VOC)会議では、お客さまからのご要望を開発部門に伝え、それを製品の開発、改善につなげています。例えば、今年9月にバージョンアップされた建築CADの主力製品においては、お客さまからの声を反映させて、平面図の表現パターンを充実させるなど、ユーザビリティの向上を実現しました。お客さまの声が挙がるということは、少なからず製品に使いにくさを感じられているということですので、私たちはお客さまと開発部の橋渡しをして、製品の改善にもっと貢献したいですね。

電話応対コンクールでの学びを課に共有し応対品質の底上げを図る

電話応対コンクールへの取り組みや成果についてお聞かせください。

野村氏 2019年から応対品質の向上を目的にさまざまな取り組みをしています。その一つとして電話応対コンクールに参加しました。私たちは「賞を獲るぞ」といった意気込みよりも、参加して学んだことを持ち帰り、どのように広めてどう実践するかを重視しています。参加してみると、自分たちには、あいづちや語尾のバリエーションが足りていないことが分かりました。そこでまずは、「○○さまでいらっしゃいますね」「さようでございます」といったあいづちのフレーズなどをリスト化して共有し、そのフレーズを積極的に使って応対する期間を設けました。参加者は入れ替わっているので、さらに発展させて「福井コンピュータスマートらしい応対」を皆で話し合い、実践してみて作り上げています。

嶋田氏 昨年のコンクールはリモート開催だったので、選手の出場時間が来ると、直接またはTeamsを使って皆で応援したり、競技終了後には選手へのねぎらいや祝福の声をかけたりしていて、とても和やかな雰囲気でした。コンクールは主に若手が参加しているのですが、若手でも賞を獲ると、貫禄や説得力が出てきます。そのため、日々の応対スキルや四半期評価のコメントは、ベテランスタッフの心にも響いているようです。 

「ありがとう」と言われるコールセンターを目指したい

最後に、今後の目標についてお聞かせください。

宮岡氏 応対スキルや技術的な知識を身につけることで、「ありがとう」と言われるコールセンターになることが目標です。サポート専門会社ですので、私たちのサポートによってお客さまの仕事が前に進むことが大事ですし、「ありがとう」という言葉にはその意味が込められていると思います。これからも一人でも多くのお客さまに製品を気持ち良く使っていただき、「ありがとう」と言ってもらえるように、応対品質の向上に努めたいですね。

※ CAD:Computer Aided Designの英単語の頭文字からとった略語。設計図をコンピューターを使用して作図できるようにしたシステム、もしくはソフトウェアのこと。

会社名 福井コンピュータスマート株式会社
設 立 2013年(平成25年)7月1日
本社所在地 福井県坂井市丸岡町磯部福庄5-6
資本金 1,000万円
代表取締役社長 風間 嘉浩
事業内容 コンピューターソフトウェア操作指導の請負、及びITS 事業(選挙関連)
URL https://hd.fukuicompu.co.jp/
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