電話応対でCS向上事例

-株式会社シー・ティー・ワイ-
「接する人は皆、お客さま」の気持ちで、地域密着のサービスならではの応対力を追求

記事ID:C20058

三重県四日市市に本社を置き、県北地域を対象に地域密着型のケーブルテレビ局を運営している株式会社シー・ティー・ワイ。地域に根づいたサービスならではの応対方針や、参加初年度で全国大会に出場という快挙を成し遂げた電話応対コンクールへの取り組みについてお聞きしました。

事業概要と電話応対の体制をお聞かせください。

営業本部 営業部兼コールセンター次長
清水 政彦氏

清水氏:株式会社シー・ティー・ワイ(以下CTY)は四日市市に本社を置き、三重県の県北地域を対象にケーブルテレビやインターネット・FM放送などのサービスを提供しています。サービス対象エリアの総世帯数は約18万世帯で、その9割にあたる約16万世帯のお客さまにご加入いただいております。四日市のコールセンターには40名ほどが在籍しており、CTYのお客さまだけでなく、同じCCJグループの『ケーブルネット鈴鹿』のお客さまからの問い合わせにも対応しています。お客さまの年齢層は幅広く、新規加入申込みから、ご加入者の各種変更手続きなど、さまざまな問い合わせがあります。また、受電応対だけでなく、メール対応、コールバック予約、アウトバウンド対応も積極的に行いARPU※1アップにつなげています。

「愛語よく廻天かいてんの力あり」の心で、相手の気持ちを好転させるような応対を目指す

電話応対で大切にしている考え方をお聞かせください。

営業本部 コールセンター
石井 真衣氏

石井氏:「カスタマーファーストであること」を大切にしています。お客さまを第一に考え、お客さまの気持ちに寄り添うことで「ありがとう」と言われる応対を心がけています。お客さまを「大好きな人」だと思ってお話をすると、たとえ苦情のお客さまであっても、好きという気持ちが応対の後押しをしてくれます。電話応対コンクールに向けた研修では、講師の方から「愛語よく廻天かいてんの力あり」という言葉を教わりました。愛する気持ちが相手の気持ちをも好転させる、という意味なのですが「今まで自分たちが考えていたのはこのことだった」とハッとしました。お客さまが電話の最後に」いっぱい怒っちゃってごめんね」と言ってくださると、「よし、また頑張ろう!」という気持ちが湧き上がってきます(笑)。

電話応対の教育はどのように行っているのでしょうか。

営業本部 コールセンターリーダー
伊藤 更氏

伊藤氏:私たちは番組も作っていますが、取材相手もCTYのお客さまであることが多くあります。その際、自社のサービスに関する質問があっても「担当外なので分かりません」と回答するわけにはいきませんので、入社した直後は全員をコールセンターに配属しています。お客さまからの日々の問い合わせに応対することで、地域の人々に支えられていることを実感し、自社サービスの知識を深められるからです。また電話応対だけでなく、社会人としての基本マナーも身につくので、ほかの部署に異動してからも即戦力となります。

挑戦する人をバックアップする体制で、参加初年度にして全国大会へ

電話応対コンクールに取り組まれた経緯、成果を教えてください。

伊藤氏:応対品質の向上を目的として2022年に初めて参加し、その年に全国大会に出場することができました。私たちがこれまで取り組んできたことは正しかったのか、電話応対のレベルはほかの会社と比べてどの程度なのかを確認する目的で参加したのですが、出場した石井の姿を見て、周りのメンバーも刺激を受けたことが大きな成果だと思います。「良いところを積極的に吸収しよう、まねをしてみよう」という姿勢が、若いメンバーに浸透してきたと感じています。

石井氏:全国大会は、「相手の状況が分からない」という設定であったため、事前の練習では他部署の方々15人くらいに協力してもらい、抜き打ちで模擬応対を行いました。テーマであった「旅行会社での電話の取り次ぎ」のシーンをアドリブで考えてもらい、それに対して臨機応変に対応するという練習を繰り返しました。厳しい練習が続く中、普段はあまり話したことがない方と話すことができるなど、楽しい体験もありました。また、トークスクリプト※2を番組制作部門に見てもらったのですが、“じゅうろくじ”よりも“ごごよじ”と言ったほうが分かりやすいよ」などとアドバイスをもらったり、社内の方が協力的にサポートしてくださったことがとても印象に残っています。

実際に全国大会に参加してどのようなことを感じられましたか。

電話応対の様子

石井氏:残念ながら全国大会では入賞できず、大変悔しい思いをしました。「名だたる会社の方々の電話応対を聞ける」、「出られてうれしい」という気持ちが先行してしまい、カスタマーファーストではなく、自分ファーストになってしまいました(笑)。カスタマーファーストやお客さまに寄り添って応対するという原点に立ち戻って、また挑戦したいですね。一方で、大会に向けての練習や本番を通して、地域のお客さまに寄り添う電話応対を目指す上で大事な「伝える力」、「要約する力」を磨けたことが成果だと思います。コールセンターでは、ご案内の中身が一番重要ですが、良いご案内をするためには「聴く力」がとても重要です。これからチャレンジする後輩には、敬語をうまく使えるようになるなどの「話す力」だけでなく、「聴く力」を強化した方が良いと伝えたいですね。

電話応対技能検定(もしもし検定)の取組み状況についてもお聞かせください。

伊藤氏:今回の石井の全国大会出場に刺激を受けて、「もしもし検定」を受検したメンバーもいます。会社として指示しているわけではありませんが、受検を希望するメンバーがいれば背中を押すようにしています。現時点では1名が4級を受けた状況ですが、今後は積極的に取り組んで、コールセンター全体としての応対品質の向上を図っていきたいですね。

石井氏:4級を受検したのは私の後輩だったのですが、テキストで学習する中で、上司やお客さまへの接し方を学ぶことができ、今まで自分なりのやり方でやってきた接遇方法を変えていかなければならないと気づいたようです。電話応対の上でも、「こういう言いまわしの方が良かったんだ」と学ぶことが多く、自分の意識を変えるきっかけになったと話していました。

「接する人は皆、お客さま」の気持ちで、地域密着のサービスを伸ばしていきたい

最後に、今後の目標についてお聞かせください。

ケーブルテレビなどのサービスに関する問い合わせに応対するコールセンター

清水氏:石井の話にもあったとおり、当社はチャレンジすることに前向きな社風だと思います。新しいことに挑戦する人に対して周りの人が応援することやバックアップする体制が取れることが強みでもあります。また、どの部署の社員にも「接する人は皆、お客さま」という意識が浸透しており、それが私たちのサービスを選んでいただく要因になっていると思います。デジタル化が進む中、私たちもさまざまなツールを導入して利便性を高めておりますが、それと同時に、これまでのようにお客さまに寄り添う気持ち、型にはまらない応対で、地域密着のサービスならではの応対力を伸ばしていきたいですね。

※1 ARPU
Average Revenue Per Userの略で、ユーザー一人当たりの売上金額を表す指標。携帯電話などの通信事業者の顧客一人当たり(1契約当たり)の売上を表す際に用いられるのが一般的だが、インターネット事業やアプリビジネスなどにおいても使われる。
※2 トークスクリプト
電話で顧客対応を行う際に、サービスの種類や案内の内容をステップごとに作成した台本のこと。
会社名 株式会社シー・ティー・ワイ
設立 1988年(昭和63年)6月
本社所在地 三重県四日市市本町8番2号
代表取締役社長 渡部 一貴
事業内容 ケーブルテレビ、インターネット、FM放送ほか通信サービスの 提供
URL https://www.cty-net.ne.jp/
〔ユーザ協会会員〕

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