電話応対でCS向上事例

-株式会社TTK NTT 事業本部 宮城支店-
協力会社と一体となって東北の「とても、頼れる、会社」になりたい

記事ID:C20040

東日本大震災からの復興に向けて、東北地域の電気通信サービスの早期復旧に取り組んできた株式会社TTK。震災復興が進んできた今、お客さまのニーズの変化に応えるために、協力会社を含めて取り組んでいることをお聞きしました。

事業概要と電話応対の体制についてお聞かせください。

支店長
佐藤 義一氏

佐藤 義一 氏:株式会社TTK は1955年(昭和30年)に宮城県仙台市で創立した会社で、東北6県を支える電気通信設備の設計・施工・保守・コンサルティング業を担っています。電話応対の専門部署はなく、各部門で応対しています。問い合わせは工事の時間や内容に関するものが多く、宮城支店だと1日に100~200件の開通工事がありますが、そのうち1割くらいのお客さまからお問い合わせがあります。

東日本大震災からの復興を経て、お客さまの真のニーズに応える会社へ

CS 向上に取り組まれたのは、どのようなきっかけからでしょうか。

佐藤 義一 氏:2011年の東日本大震災により東北地方は甚大な被害を受けました。震災復興に向けて、私たちは、早期の電気通信サービス復旧を一番に考えておりました。当初はそれでもよかったのですが、復興が進むにつれて地域のお客さまが求めることやサービス品質に対する考え方も変わってきました。継続的にお客さまにご満足していただくためには、電話だけでなく接客応対力を見直す必要があると考え、8年ほど前から取り組んでいます。その一つとして、東北の方言は親しみを感じる方が多い一方で、一歩間違えるとぶっきらぼうだと感じられることがあります。また、普段使っている工事の専門用語を多用してしまうことにも気をつけなければなりません。社内では、「専門用語を並べてもお客さまに伝わりにくく、また、方言が誤解を生む原因となる場合があるかもしれない。どのようにお話すれば理解していただけるかを考えましょう」と指導しています。

協力会社の人がお客さま宅に行くことも多いようですが、どのように教育していますか。

設備サービス部
岩山 彰氏

岩山 氏:協力会社の社員に対しても、外部講師を招いてサービス品質向上のための研修を行っています。ほかにも接客応対の心得が記載されている「CSハンドブック」を使って朝礼時に読み合わせを行い、作業時は常時携帯していつでも確認できるようにしています。研修を続けることで一定の成果を得られたのですが、どうしてもトップダウンのように一方通行になってしまうことが気になっていました。協力会社の技術者が現場で奮闘する姿をもっと知ってもらいたいと、「CS新聞」を発行するようになりました。壁新聞の形式にしたのは、協力会社との接点がない人でも休憩時間などに現場の業務に少しでも触れてほしいと思ったからです。内容は、協力会社の社長の言葉やお客さまからの技術者に対してのお礼の手紙の紹介、マナーのワンポイントなどを掲載しています。「CS 新聞」は2年ほど前から発行し始めたのですが、コロナ禍によって対面の接点を持ちにくくなった時期と重なって、お客さまとのつながりを深めてくれるものとなりました。ただ、ここ1~2か月は、CS新聞の発行を止めているのです。というのも、社員や協力会社の皆さんにアンケートでご意見をお聞きして、リニューアルしようとしているからです。壁新聞だとどうしても目に触れる機会が限られてしまうので、もっと多くの方に読んでもらえるよう通常の新聞形式も追加するなど、更に社員や協力会社の方々が活躍する姿を伝えていきたいと思っています。

応対力向上の取り組み成果として、お客さまからはどのような声がありますか。

グループ会社 株式会社TTK エンジ宮城(本社事務室)

佐藤 義一 氏:現場で技術者にお礼の言葉をかけていただくことが多いのですが、「先日、家に上がって作業してもらうことがあったが、感染症対策についてとても気を使って丁寧に作業していただいた」と感謝のお手紙をいただきました。お客さまがわざわざ筆を執るということは、よほど感動されたのだと思います。担当者は、普段通りに仕事をしただけだと言っていましたが、お客さまのご要望を丁寧に聞き、どう配線すればよいかをご提案し、実直に作業した結果が感謝のお手紙につながったのだと思います。こういうエピソードは、担当者のモチベーションになるだけでなく、応対力向上の取り組み自体を後押ししてくれるので、もっと多くのお客さまに喜んでいただけるようにしたいですね。

もしもし検定に向けた学習で、会社や自宅でのコミュニケーションが活発に

電話応対技能検定(もしもし検定)にはどのような経緯で取り組んだのでしょうか。

設備サービス部 部長
佐藤 点氏

佐藤 点 氏:もしもし検定は、電話応対の技術を段階的に学べることから、事業計画の中で全社員が受検することを決めました。2021年10月から受け始めて、22年3月時点で92名が4級に合格しました。取り組み始めた当初は「これが実際の業務に役に立つのか」というやや否定的な意見もありましたが、過去問題集などを使って学習を進めるにつれて、社内で検定に関する会話が活発になり、お互いに励まし合って合格しようという雰囲気になりました。久しぶりに学生時代のようにテキストで勉強をして、「こういうマナーがあるのか」と新たな発見があったこともやる気につながっているのだと思います。私自身も自宅で学習したのですが、家族と「敬語にすると、こういう言い方になるの?」などと会話も増え、楽しく学ぶことができました。受検後には、周りの人の電話応対を聞きながら「その言いまわしでよいのだろうか」と考えられるようになったのは大きな進歩だと思います。また、知識を新しく身につけたことで、社員同士の会話にも試験の内容が上がるようになり、意識が高まってきたことを感じますね。私たちは、電気通信設備を利用する方の生活が、より便利で豊かになることを目指しています。そのためには、お客さまに不快な思いをさせないだけでなく、喜んでもらえるような作業や接客応対がますます重要になると思います。今後はより多くの方に感動していただけるよう、応対力を高めていきたいですね。

東北地域の人にとって、「とても(T)、頼れる(T)、会社(K)」になりたい

最後に、今後の目標についてお聞かせください。

グループ会社 株式会社HOKUBU(本社事務室)

佐藤 義一 氏:東北地域では、街中の工事看板や社用車でTTKの社名を目にすることが多いと思います。お客さまからはTTK を目にした時に「対応がとても良い、素晴らしい会社だ」と思ってもらえるようになりたいですね。TTKの頭文字をとって、地域の人々にとって『とても(T)、頼れる(T)、会社(K)』を目指しています。また、一緒に働く人たちにとっては『とても(T)、楽しい(T)、会社(K)』だと認めてもらいたいですね。そのためには、お客さまや働く人の満足度を高めることが土台となるので、それを意識した企業づくりをしていきたいと思います。

『電話応対技能検定(もしもし検定)4 級』受検者の感想

星 淑子氏

株式会社TTK 宮城支店 石巻営業所

もしもし検定4級受検は、これまでの仕事では経験することのなかった貴重な学びとなりました。

志賀 猛彦氏

株式会社HOKUBU 営業部長

人と関わる上で必要な知識を学ぶことができ、営業職に限らずあらゆる業務に携わる社員に役立つ検定だと感じました。

鈴木 千恵氏

株式会社TTKエンジ宮城

受検後、電話応対する際には検定内容を思い返しながら応対するようになりました。

会社名 株式会社TTK
創 立 1955年(昭和30年)
本社所在地 宮城県仙台市若林区新寺1丁目2-23
代表取締役社長 五十嵐 克彦
事業内容 通信設備、電気設備の設計・施工・保守・コンサルティングほか
URL https://www.ttk-g.co.jp/
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