電話応対でCS向上事例
-株式会社三井住友銀行-ホスピタリティ溢れる応対で皆に誇れるカスタマーサポーターを目指す
記事ID:C20027
お客さまのライフスタイルの変化に応じて、幅広い金融サービスを提供する株式会社三井住友銀行。コールセンター福岡では「皆に誇れるカスタマーサポーターになろう」というスローガンを掲げ、一人ひとりのお客さまの声にしっかりと耳を傾けた応対を実践しています。
事業概要についてお聞かせください。
副所長 藤田 めぐみ氏
藤田氏 当行では、お客さまのライフスタイルの変化に対応するため、デジタルサービスの開発に力を入れています。特に昨今は、新型コロナウイルス感染症の影響により、来店せずに手続きしたいというご要望が増えたため、サービスをより手軽に使えるアプリの整備を進めています。私たちコールセンター福岡では、約200名のオペレーターが、個人のお客さまのお問い合わせに応対しています。「皆に誇れるカスタマーサポーターになろう」をスローガンとして掲げ、お客さまはもちろん、一緒に働く仲間や自分の家族にも誇れるような、信頼関係を強め、ともに価値を高めていける応対を目指しています。アプリなどの操作案内であっても、「人」が応対するからこそ、真のお困りごとに気づくことが大切だと考えています。
高齢のお客さまへのアプリの操作案内が増えたため、「ゆっくり丁寧な」応対に
電話応対の体制や、心がけていることについてお聞かせください。
藤田氏 当行のコールセンターは、福岡、神戸、目黒にあります。福岡では、以前はテレホンバンキングがメインでしたが、近年はデジタル化が進み、インターネットアプリの操作案内がメインになってきました。電話では、アプリ画面を共有できないため操作案内が難しいのですが、画面の内容などをできるだけお客さまの言葉で説明していただくようにしています。こちらから「○○の画面ですか?」などと聞くと、ミスリードにつながってしまうので、お客さまの声を傾聴することを心がけています。
ご高齢の方への応対で、工夫していることをお聞かせください。
クオリティマネジメント担当
北林 紀和氏
北林氏 デジタル化が急速に進んでいるため、インターネットに不慣れな方からのお問い合わせが増えています。これまでは、素早く正確に回答することを重視していましたが、高齢のお客さまの操作が完了するまで、しっかり寄り添うことを心がけています。また、「電話の声が聞きづらい」というお声をいただくため、話し方にも気をつけています。マイク越しに大きな声で話すと音が割れてしまうため、少し声を低くして、ゆっくりと一文一文を分けて話すように指導しています。
COPC 認証※を取得し、オペレーター全員が同じ基準、同じ目線で応対できるように
電話応対の品質を向上させるための取り組みについてお聞かせください。
藤田氏 2015年にコールセンター業務の国際品質保証規格である『COPC 認証』を取得しました。COPC 認証には、電話のオープニングからクロージングまでさまざまな評価項目があるため、オペレーター全員が同じ基準、同じ目線で応対できるようになりました。また、項目ごとに数値化されたデータを集計・分析することで、管理者側も、誰に何のスキルが足りていないかが一目で分かり、応対の現場でフィードバックをしやすくなりましたね。COPC 認証取得にあたっては、評価項目に沿って自分たちの応対を細かく見直す必要があったので、とても大変でした。ただ、課題を改善するための基準だけでなく、良いものをさらに良くするための基準を設けるという考えがとても新鮮で、新たな視点を得られたと感じています。
良い応対事例を社内で表彰して、オペレーターのモチベーション向上につなげる
応対品質を評価する仕組みについてお聞かせください。
北林氏 良い応対を社内で表彰する、「SMBCサンクスアワード」という取り組みをしています。表彰では、コールセンターだけでなく、支店での応対事例も取り上げられます。これまで表彰されてきたものは、決して特別な応対というわけではありません。お客さまが操作できるまで寄り添い、できたときにはお客さまと一緒に喜ぶ、そんなあたり前のことが表彰につながっています。特に優れた応対をした人は「マイスター」と呼ばれるのですが、マイスターに選ばれたオペレーターは、「次も取るぞ!」という気持ちで応対しています。ただ、オペレーターの皆さんを見ていると、賞に気を取られず、お客さまに喜んでもらいたいという純粋な気持ちで応対しているので、とても嬉しく思いますね。
電話応対コンクールの全国大会出場をきっかけに、積極的にチャレンジする姿勢に
電話応対コンクール、企業電話応対コンテストの取り組みについてお聞かせください。
北林氏 電話応対コンクールは、他社のすばらしい応対を学んだり、審査員からフィードバックをもらえたりするので、2015年から参加しています。2019年には初めて全国大会に出場し、優秀賞をいただきました。全国大会への出場をきっかけに、社員のモチベーションも大きく変わりましたね。以前は、難しくてハードルの高いものと思われていましたが、最近では、積極的に挑戦するスタッフが増えてきました。企業電話応対コンテストには、2014年から参加しており、2018年と2019年には優秀賞をいただきました。参加当初は、「ミステリーコール1本で結果が決まる」という緊張感から「電話に当たりたくない」というネガティブな声もありました。今でも、コンテストの期間はかなり緊張しているようですが、「私が応対した電話が、もしかしたらそうだったのかもしれません。でも、やり切りました!」といったように、ポジティブな声があがっています。取り組みを通じて日常の応対に自信が持てるようになった証だと思うので、そうした様子を見られることがとても嬉しいです。
電話応対コンクール、企業電話応対コンテストの今後の目標をお聞かせください。
北林氏 電話応対コンクールでは、全国大会に出場することが目標です。本番では、3分間という短い時間の中で、お客さまに当行が大切にしているホスピタリティをどれだけ感じて、満足していただけるかを重視しています。練習では、さまざまなお客さまのタイプを想定してシミュレーションし、応対スキルを磨いています。企業電話応対コンテストでは、2年連続で優秀賞をいただいたので、3年連続で受賞してシルバーランク企業に認定されることが次の目標です。電話応対コンクールと違って、オペレーター全員が参加者になり得るので、コールセンター全体の応対品質を底上げしていくことが重要だと考えています。
人にしかできないホスピタリティ溢れる応対で、三井住友銀行のファンを増やしたい
最後に、今後の目標についてお聞かせください。
本社外観
藤田氏 三井住友銀行の電話応対の最大の特長はホスピタリティです。ここでいうホスピタリティとは、一つ目に「つながらないという不満をなくすこと」、二つ目に「多様化するニーズに応えるため、デジタル化を推進すること」、そして三つ目に「人にしかできない心配りを忘れないこと」だと考えています。コールセンター業務も機械化が進んでいますが、技術をうまく活用しつつ、人にしかできない心配り、ホスピタリティ溢れる応対を大切にしていきたいです。そして、私たちと話をしたことによって、三井住友銀行のファンになったという人が増えると嬉しいですね。
※ COPC 認証:米国のCOPC 社(英:Customer Operations PerformanceCenter, Inc)が定めるコールセンターやBPO 業務のパフォーマンス改善モデル。日本を含め世界40ヵ国で活用される業界規格。
会社名 | 株式会社三井住友銀行 |
---|---|
設 立 | 2001年(平成13年) |
本店所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 |
資本金 | 17,709億円 |
頭取CEO(代表取締役) | 髙島 誠 |
事業内容 | 普通銀行業 |
URL | https://www.smbc.co.jp/ |
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