電話応対でCS向上事例
-東洋証券株式会社-社員全員の電話応対技能検定(もしもし検定)資格取得でコミュニケーション力向上を
個人のお客さまを中心に事業を展開する東洋証券株式会社は、2016年12月に創業100周年を迎えるにあたり、記念事業の一つにもしもし検定の受検と資格取得を設定。さらなるお客さま満足度の向上を目指します。
業務内容について教えてください。
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▲執行役員
人事研修部長
重山 都彦氏「弊社は個人のお客さまとのお取引を業務の中心とする証券会社です。業界でさきがけて中国株を取り扱った経緯から、現在では中国株だけでなくタイ株・米国株など外国株に強みを持っており、外国株の預り残高(株数)は国内証券会社で第3位となっています(2014年3月期公表数値)。創業以来、人と人とのつながりを大切に顔の見える証券会社として、何よりもお客さまとの対話を重視しています」(重山氏)
お客さまの「アンテナ」として、電話で情報をお届け
業務における電話の重要性について教えてください。
「お客さまからのお取引の指示はもちろん、投資先のご案内から訪問のアポイントまで、さまざまな場面で電話が活用されます。またお忙しいお客さまに代わって株価や為替の変動、さまざまなニュースにアンテナを張り、資産に影響する情報があった時はいち早くお知らせしますが、この時も電話が一番役に立つと考えています」(重山氏)
証券会社における電話応対スキルについては、どのようにお考えですか。
「株式は、価格の変動リスクを含んだ商品であり、お客さまにはお勧めする理由だけでなく、リスクについても十分に説明し、ご納得いただかなくてはなりません。これらのご説明、そして万一お客さまに損をさせてしまった時のお詫びも含め、電話でのコミュニケーションスキルは非常に高いレベルが求められます。またお客さまにお伝えする情報は正確で分かりやすく、かつ手短でなければなりません。その側面からも、電話応対スキルは重要だと考えています」(重山氏)
「もしもし検定への合格」という目標が効果測定を見える化
そうしたスキルは、普段の営業活動にも求められるものでしょうか。
「初めて電話でお話しするお客さまでも、会話のやりとりの中で経験や知識レベルを素早く察知し、初心者の方には分かりやすく、ベテランの方にはすでにご存じと思われる内容は省きポイントを絞って的確に情報を伝えるといった能力も、営業スタッフには必要な能力です。さらにお客さまの声から疑問や不安といったお気持ちを察し、的確にご説明することができれば、一層の信頼を得ることができるはずです。顔が見えない電話での会話でも、どれだけ深い関係を築いていけるかが大切なのです」(重山氏)
もしもし検定との出会いについて教えてください。
「私がインターネット取引を担当するホームトレード部の監査を行った際、パソコンでの取引の操作やお送りした書類についての問い合わせを受け付ける電話応対へのクレームが多いことに気づきました。その応対が不親切で、上から目線にも映っていたようなのです。監査においてはここを指摘するとともに、その改善策の指示も必要でした。その時たまたま目に留まったのが、もしもし検定の過去問題集の新聞広告だったのです。この『もしもし検定』というタイトルに興味をひかれ、日本電信電話ユーザ協会のウェブサイトを調べたところ、その内容、そして“検定”という効果測定を見える化しやすい仕組みが、目指すべき電話応対マナー向上という目標に最適と考えました。そこでまず、ホームトレード部全員の4級取得を義務づけたのです」(重山氏)
ほぼ全員が合格、社員の意識もよりお客さま重視へ
創業100周年の記念事業としても、もしもし検定を採り入れています。
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▲本店営業部の様子。お客さまへ株の動きをスピーディに連絡するには電話が不可欠
「100周年記念事業では、全社員のもしもし検定の受検と資格取得を目標の一つとしました。これまでに入社1年目、2年目の社員をのぞく全員が4級を受検し、産休や育休中で受検できなかった社員のほか、ほぼ全員が合格しています。ただ資格取得はより良い電話応対を身につけるための手段であり、ゴールはお客さまの満足度を高めることです。まずこの『全員合格』という結果を背景に、電話応対でのクレームをゼロにすることが目標だと考えています」(重山氏)
実際に取得されての電話応対の変化はいかがでしょう。
「定量的なお客さま満足度の調査などはまだ行っていませんが、ホームトレード部の管理職との意見交換では、電話応対が丁寧になり、社員の意識もお客さま重視になってきたと聞いています」(重山氏)
将来は管理職による、より上級資格の取得も視野に
今後、さらに上級の資格を目指すお考えはありますか。
「取引が複雑化し、影響し合うファクターが多様化する現在、投資にあたり詳しい専門家の意見を聞きたいという声が高まっています。そして弊社も、これまで以上にお客さまとの電話でのご相談、アドバイスが重要になってくるととらえています。例えばですが、営業部門の管理職がさらに上級の資格を取得し、部下を指導するなどの取り組みも視野に入ってくるでしょう」(重山氏)
最後にユーザ協会へのご意見、ご要望があれば、お聞かせください。
「社員全員が受検するにあたり、日程や会場のご調整にご協力いただき、たいへん感謝しています。要望としては、もしもし検定の知名度向上です。知名度が上がれば、弊社の『全員取得』が一層お客さまにご理解いただけることになると考えております。ぜひご検討いただければと思います」(重山氏)
会社名 | 東洋証券株式会社 |
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設立 | 1934年(昭和9年)4月 |
所在地 | 東京都中央区八丁堀4-7-1 |
取締役社長 | 大畠 勝彰 |
資本金 | 134億9,468万7,500円 |
事業内容 | 金融商品取引業(関東財務局長(金商)第121号) |
URL | http://www.toyo-sec.co.jp |
電話応対技能検定実施機関
公益財団法人日本電信電話ユーザ協会 全国の支部
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