電話応対でCS向上事例

-損害保険ジャパン日本興亜株式会社-
本部と現場が一体となり、「お客さま評価日本一/No.1」を実現するコールセンターを目指す

損保ジャパンと日本興亜損保は、2014年9月1日に合併し、国内最大規模の損害保険会社「損害保険ジャパン日本興亜株式会社(損保ジャパン日本興亜)」となりました。真のサービス産業への進化に向けて、『お客さま評価日本一/No.1』を目指す同社では、お客さまとの直接の接点となるコールセンター部門を特に重視し、合併に先駆けて同部門を両社一体運営することで、お客さまのニーズに応える体制の構築に取り組んできました。今回は、同社のコールセンターの運営方針や現場におけるお客さま対応状況などについて、コールセンター全体のマネジメントを担うコールセンター統括部と主要コールセンターのひとつである秋田コールセンター室の双方にお話をうかがいました。

●コールセンター統括部

まずは、同社のコールセンター部門を統括するコールセンター統括部にお話を聞きました。御社のコールセンターの状況について、お聞かせいただけますか?

  • ▲コールセンター統括部 企画グループ
    課長代理
    竹内 奈穂氏

    「損保ジャパン日本興亜では、『お客さま評価日本一/No.1』を原動力に世界で伍していく保険会社を目指しています。そのためには、規模だけではなく、提供するサービスの内容と質においても業界のリーディングカンパニーとなるよう取り組んでおり、お客さまと直接接点を持つコールセンター部門は極めて重要なお客さま窓口であると認識しております」(コールセンター統括部 企画グループ 課長代理・竹内 奈穂氏)

  • ▲コールセンター統括部 企画グループ
    飯田 有希氏

     「保険に関する相談や契約変更手続きに対応するコールセンターは全国で5拠点あり、約1,000名で電話対応を行っています。その中でも、秋田コールセンター室は、合併の2年前から、他の拠点に先立って両社のお客さまからのお問合せを受ける体制を構築し、合併後スムーズに体制を移行できるように進めてきました」(コールセンター統括部 企画グループ・飯田 有希氏)

マネジメントの観点から、コールセンターを運営するうえで、緊急時に備えている対策はありますか?

 「BCP(事業継続計画)の観点から、同じサービスに対するお問合せを複数のセンターで受付しています。通常時は電話の混み具合などによって自動的に最適なコールセンターに振り分けて、お客さまからの電話を受けています。いずれかのコールセンターが自然災害の影響によりお客さま対応が困難になったとしても、他のコールセンターで問題なくお客さま対応を継続することを可能にしています。お客さまにご不便をおかけしないよう『どんな状況においても、電話がつながること』を最優先に体制作りを進めてきました」(竹内氏)

お客さまをお待たせしないためにどのような工夫をされていますか?

 「損保ジャパン日本興亜では、つながりやすいコールセンターであることを重要視しており、『応答率』と『20秒以内応答率』という2指標に重点を置いて、コールセンターの管理運営を行っています。また、どちらの指標も一定以上の基準を満たすことができるように、計画的なスタッフ採用・育成を行っています」(竹内氏)

応対品質の向上のためにされていることはありますか?

 「お客さまに寄り添った応対を実現するために必要な基本行動、例えば電話の受け方や保留時のマナーなどをチェックするための各コールセンター共通のシートを導入し、応対品質の維持・向上に努めています」(飯田氏)

 「お客さま評価日本一/No.1」の実現を目指す同社では、現場のコールセンターもその志を共有することで、本部と現場が一体となり、応対品質の向上に取り組んでいます。

●秋田コールセンター室

次にお客さま対応の第一線である秋田コールセンター室に現場での取組状況をうかがってみました。今回は電話応対業務を取りまとめるスーパーバイザーの方に現場の生の声をお聞きしました。まず、秋田コールセンター室の特長を教えてください。

 「“団結力の強さ”でしょうか。『ありがとうの木』という掲示板をセンター内に設置していまして、“ありがとう”と感じたことを各スタッフが紙に書き、その木に貼っています。その効果もあり、常に感謝の気持ちを持つ、というのは、センター全体に浸透していると思います。他にも季節ごとの交流イベントなどもあるのですが、そういった独自の取り組みが、センター内の団結力につながっているのだと感じています」(秋田コールセンター室 主任スーパーバイザー・佐藤 大子氏)

  • ▲ありがとうの木

  • ▲秋田コールセンター室 主任スーパーバイザー

       佐藤 大子氏

その他に秋田コールセンター室独自の取り組みはありますか?

  • ▲秋田コールセンター室 スーパーバイザー
    榎本 愛海氏

     「チーム毎に1時間当たりの応答件数、処理時間、苦情発生率などの目標を設定し、それを掲示することで、達成に向けてチーム全体が同じ意識をもって取り組んでいます」(秋田コールセンター室 スーパーバイザー・榎本 愛海氏)

苦情発生率というお話がありましたが、電話の応対によってクレームは減らせるのでしょうか?

  • ▲秋田コールセンター室 スーパーバイザー
    佐々木 牧子氏

     「はい、減らせます。お客さまの声を真摯に受け止めることで、お客さまの声が段々と落ち着いてきて、最後には『貴方に対応してもらってよかった』という声をいただいたことがあります。例え苦情の電話であったとしても、私達の受け止め方や案内の仕方によっては、お客さまに満足していただいて、電話を終えていただけると考えています」(秋田コールセンター室 スーパーバイザー・佐々木 牧子氏)

秋田コールセンター室が独自に設定しているミッションはありますか?

 「損保ジャパン日本興亜では、最重要の戦略目標として『お客さま評価日本一/No.1』を目指していますが、秋田コールセンター室では、2006年の開設当初から『世界最高水準のコールセンターになること』を目標に掲げ、品質向上に向けた取り組みを続けてきました。そういう意味では、会社が目指す方向を一歩先取りしてきたと思っていますし、全員で同じ方向に向かって進んでいます」(佐藤氏)

「もしもし検定」への取り組みも世界最高水準のコールセンターを目指す一環としてなのでしょうか?

 「そうですね。電話応対のスキル向上に資するために、早くからもしもし検定の資格取得を積極的に推進してきました。検定試験前の講習では、お客さまに心から寄り添う応対を可能にするためのスキルが詰め込まれていますし、敬語の使い方をはじめ、お客さまにとって一番わかり易い提案方法など、実践ですぐに役立つ知識が多くあると思っています。まだ検定を受けていないスタッフにも、そのスキルを共有してお客さま対応に生かすことが出来るよう、資格を持つ私達スーパーバイザーがノウハウを伝える努力をしています」(榎本氏)

最後に今後の抱負をお聞かせください。

 「まずは、秋田コールセンター室が損保ジャパン日本興亜において一番のコールセンターになること。そして『お客さま評価日本一/No.1』の実現を目指すとともに、『世界最高水準のコールセンター』になること。それを目標に、これからもセンター全員が団結して邁進していきたいと思っています」(佐藤氏)

▲秋田コールセンター室

会社名 損害保険ジャパン日本興亜株式会社
創業 1888年(明治21年)10月
本社 東京都新宿区西新宿1-26-1
代表取締役社長 二宮 雅也
資本金 700億円
従業員数 27,352人(2014年3月31日現在の損保ジャパン、日本興亜損保の単純合算)
業務概要 損害保険事業 など
URL http://www.sjnk.co.jp

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