電話応対でCS向上事例

-株式会社しちだ・教育研究所-
相手の気持ちをおもんぱかり、「最高の教育には、最高の応対を」を実現したい

記事ID:C20066

国内だけでなく、海外でも子どもの才能を伸ばす「七田式教育」の教室を展開している株式会社しちだ・教育研究所。人を思いやる心の育成を大切にしている会社ならではの電話応対の心構えや、取り組みについて話をうかがいました。

事業概要と電話応対の体制をお聞かせください。

総務部 人事課課長
牛尾 巧氏

牛尾氏:1978年の創業以来、幼児教育を大きな柱とする七田式教育という独自のメソッドを提供しており、現在は国内233教室、海外16の国と地域で教室を展開しています。七田式教育とは、人間が持っている無限の才能を引き出す「心の教育」です。高い知性や知能を持つことはもちろんのこと、人を思いやる心や協調性を育み、大きな夢や志を持って社会に貢献できるような子どもの育成を目指しています。

カスタマーソリューション部
主任 日高 透予氏

日高氏:2023年5月に本社オフィスが新社屋に移転し、同時に私たちカスタマーソリューション部の業務も拡大し、他部署の問い合わせにも応対するようになりました。電話での問い合わせが中心ですが、公式サイトからの問い合わせやLINEのチャットも開設しています。問い合わせの内容は、教室のオーナーさまからは事務手続きや受注に関することが多く、通室者さまからはレッスン内容や通室者さま専用アプリに関するものが多くなっています。

教育をする立場だからこそ、お客さまを「おもんぱかる」姿勢を大切にしたい

御社は、幼児教育を展開されていますが、自社の応対教育ではどのようなことに力を入れていますか。

七田式の教材

牛尾氏:教育をする立場だからこそ、お客さまに対する姿勢、言葉づかいには高い意識が必要だと考えます。それには、「相手をおもんぱかる心」がとても重要です。「おもんぱかる」というのは、七田式教育で言うと、右脳を使ってイメージする力に通じるものがあります。相手がお客さまだからというだけでなく、上司であれ、部下であれ、相手がどういう思いで言葉を発しているのかをくみ取ることを大切にしています。弊社では、部署を横断したプロジェクトが多数あるため、日常の業務の中でも多くの人と交流し、相手の気持ちを十分に理解することが必要とされています。日常の業務で培った心で、お客さまからの問い合わせにもしっかりと向き合うようにしています。

日高氏:私は、「お客さまは子育ての忙しい時間を割いてお電話してくださっているのだ」ということを意識しています。時には、「どんな思いで子育てをしているか分かりますか?」といった厳しいお言葉をいただくこともあり、お気持ちをおもんぱかる心が足りていなかったのではないかと反省することもあります。怒って電話を切られるお客さまに対しては、お話ししていただけるまで何度もご連絡することもあります。お客さまとしっかりと向き合って関係を構築できた後は、長くおつき合いいただけることが多いですね。日々の子育てのお悩みやお疲れからくる心の声をくみ取ることも、私たちの大事な仕事なのだと思います。

単語でのコミュニケーションに慣れた新入社員にとって、「電話応対コンクール」は貴重な教育の場

「電話応対コンクール」に取り組んだ経緯や、成果を教えてください。

電話応対の様子

日高氏:2000年に当時お世話になっていた外部講師から紹介いただき、初めて参加しました。当時は、電話応対の部署のメンバーが参加していましたが、会社全体で電話応対スキルを向上させることが重要だと考え、部署を問わずに参加するようになりました。今では、新入社員の登竜門になっています。新入社員の中には、敬語の使い方や、先輩に対して失礼のない言葉づかいが分からず悩んでいる人がいます。最近はLINEなどチャットのやり取りが当たり前で、単語を並べるだけで意図が伝わるため、自分の言葉で文章として物事を伝えることに不慣れになりがちなのかもしれません。また、コロナ禍で、目上の人と話したり、接客のアルバイトの機会が奪われてしまったという背景もあるかもしれません。私たちが当たり前だと思っていることが通用しないこともあるので、電話応対コンクールは新入社員が一から学び、成長できるとても良い機会だと思います。彼女らは、理解する力はとても高いので、正しい知識や考え方を学ぶことで、お客さま応対のスキルが短期間で向上することも実感しています。

コンクールに参加した新入社員の方々からは、どのような声があがっていますか。

主に電話での問い合わせに答える、カスタマーソリューション部

日高氏:最初に「電話応対コンクールに参加してもらう」という話をすると、皆、目が点になっていますね。(笑) 中には、電話応対がとても苦手でおなかが痛くなってしまう人もいたのですが、練習に練習を重ねて、県大会で入賞するまでに成長しました。はじめは接客や電話応対に苦手意識が強い人でも、電話応対コンクールに向けた練習を繰り返すことで、自分らしい応対スタイルを見つけられるのだと思います。日々の業務でも自信をもって応対できるようになったという声が多いですね。

もしもし検定(電話応対技能検定)の取り組み状況もお聞かせください。

研修の様子

日高氏:現時点では、会社としてではなく、個人個人が自分自身のスキルアップのために取り組んでいます。「もしもし検定」という名称ではありますが、実際には電話応対に関する内容だけではないことに最初は衝撃を受けました。個人情報保護法に関することやコーチングのスキルなど、時代に合わせてブラッシュアップされた内容が多いので、その点を職場の仲間にも紹介しています。受検を強要することはありませんが、「自分のプラスになると思ったらチャレンジしてみてほしい」とも伝えています。受検料は個人負担なので、その分自然と気合が入ります。(笑) おかげさまで、私は2級に合格したのですが、級が上がるにつれて次を目指したいという思いが強くなってきました。来年は1級にチャレンジしようと思っています。

カスタマー“ソリューション”部として、社内外のさまざまな課題を解決できる部署になりたい

最後に、今後の取り組みや抱負をお聞かせください。

日高氏:「もしもし検定」を受検するための講座で、講師の方からいただいた「最高の教育には、最高の応対を」という言葉がとても心に残っています。七田式教育という最高の教育を提供しているので、お客さまががっかりするような応対であれば、七田式教育そのものに傷がつくのだと身が引き締まる思いになりました。それを日ごろから意識することが大事だと思うので、自分だけでなく、社内の皆さんにも伝えていきたいですね。

牛尾氏:「カスタマーソリューション部」という名が表すように、電話やメールを通してお客さまが抱えておられるお悩みや不安の解決、そして、子育ての楽しさをお伝えできることが最重要だと考えています。その先には、お客さまとのやり取りから見えてくる社内の課題も解決したいですね。以前は「カスタマーサービス部」という名称でしたが、社内・社外のさまざまな課題を解決できる部署になりたいという思いで、部署名を変えました。メンバーもそういった使命を感じて頑張ってくれているので、部としてこれからも前進していけると信じています。

会社名 株式会社しちだ・教育研究所
設 立 1978年(昭和53年)10月
本社所在地 島根県江津市嘉久志町2345-5
代表取締役社長 七田 厚
事業内容 幼児・小・中学校向けの教育教材の研究開発・制作・幼児・小学生向け教材通信販売・乳幼児を持つ両親への個別通信指導・月刊誌編集・発行・幼児・小・中学生を対象にした教室運営・七田式教室の海外展開・大人の能力開発事業
URL https://www.shichida.co.jp/
〔ユーザ協会会員〕

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