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電話応対でCS向上事例

CS向上事例 -東京都立芝商業高等学校-

教育,学習支援業

公開日:2020/08/25

高校生が実地でビジネスを学ぶ第一歩として、電話応対を実践的に習得する

 学校の外に出て企業や地域と連携し、ビジネスを実地で学ぶことを大切にしている東京都立芝商業高等学校。企業や地域とのコラボレーション授業を積極的に取り入れ、実際の企業にビジネスプランを提案する授業では、高校生自らが電話でのアポイントメント取得に取り組んでいます。

御校の沿革、特色について教えてください。

  • 校長
    林 修氏

     「本校は、関東大震災の翌年1924年(大正13年)に創立し、今年で96周年となる伝統ある高等学校です。一番の特色は、『実地でビジネスを学んでいること』です。校舎は、JR山手線の浜松町駅から徒歩5分ほどの交通の便が良い場所にあるのですが、教室で理論を勉強するだけではなく、学校の外に出て、企業や地域の方々と連携しながら、実際のビジネスを学ぶことが大事だと思っています。実際に、企業や地域と連携したコラボレーション授業も毎年多数実施しています(図1参照)。これからの社会では、正解のない課題に対して自分の想像力を働かせ、人と協力して解決策を見出していく能力が求められます。生徒には、学校で学んだことを実際のビジネスの現場でどのように活用できるのかを考え、体験してもらいたいですね。失敗することもあると思いますが、それも学習の一環であるという考えで力をつけてもらいたいと思っています」(林氏)

企業にビジネスプランの提案をするため、生徒たちがアポイントメントの電話をかける

具体的に「ビジネス実務教育」としてどのような取り組みをされているのでしょうか。

  •  「本校の3年生には、『課題研究』と『総合実践』という授業があります。『課題研究』は、4~5人でプロジェクトチームを組んで、自分たちが考えたビジネスプランを企業に売り込み、実現するところまでやり抜くという科目です。『総合実践』は、商品取引を模擬的に体験する授業で、例えば架空のパソコン商品を売買し、価格や台数の交渉、見積書や注文書のやり取り、最後はインターネットバンキングで決済をするところまで一連の業務を実践形式で行っています。この授業に電話応対の実践が組み込まれています」(又川氏)

電話応対の授業では、具体的にどのようなことをされていますか。

  • 主幹教諭
    又川 康則氏

     「『課題研究』では、ビジネスプランを企業に提案するために、代表電話に取材の申込みをします。これは、飛び込みの電話になるので、担当者に取り次いでもらえなかったり、忙しくて時間を取ってもらえなかったりなど、厳しい現実に直面します。生徒たちは1社1社時間をかけて準備しますが、約30社に電話をしてもアポイントメントが取れるのは2~3社です。企業から提示された日程と授業時間がうまくかみ合わなかった場合に、教師が調整に入ることもありますが、基本的には生徒たちですべて交渉しています」(又川氏)

  • 電話応対の授業風景

 「企業にアポイントメント電話をする前に、日本電信電話ユーザ協会から派遣いただいた講師の方に『電話応対マナー研修』をしてもらうのですが、この授業が非常に役に立っています。最近の子どもたちは、LINEなどのテキストのやり取りが中心で、見ず知らずの人と電話で話すという経験がありません。そこで、電話応対とはどういうものか、からスタートし、第一声がどれだけ重要か、正しい敬語は何か、などを2時間の授業の中で座学とロールプレイングで体系的に学びます。そして、学びを実践する場として、模擬株式会社として架空の商品取引を生徒同士が電話で行い、集大成として企業への電話アポイントメントがあるのです(図2参照)」(林氏)

「ビジネスプラン提案」では、実際にどのような提案をされたのでしょうか。

 「あるゼミでは、下北沢の商店街や茨城県下妻市の観光協会に対して、自分たちの考えたビジネスプランを実際に提案しました。下北沢の商店街には買い物のたびに貯められるスタンプカードを提案したのですが、先方と何度も打ち合わせを重ねてプランを修正し、実現したのは3年生の卒業試験が終わった後でした。本来であれば卒業試験が終了して一安心できる時期にもかかわらず、生徒たちが商店街でイベントを運営していたのを見て、『よく頑張っているな』と感心しました」(林氏)

自分たちが学んだことを中学生に教えることで、社会貢献にもつながっている

電話応対に関してさまざまな取り組みをされていますが、これまでの成果を教えてください。

  •  「企業に電話をすると、相手の方から『ほかにもビジネスプランの提案があり、すべてに対応できないので申し訳ありません』と、お断りの電話をいただくことが多いのですが、ある時『芝商の生徒さんは電話応対について、とてもよく勉強されていますね』と電話応対能力を高く評価されたことがありました。私も生徒が電話をかける姿を横で見ていたのですが、アポイントメントを取るために一人ひとりが一生懸命に努力をしていて、とても感心しました。お断りの電話の方が多かった中で、お褒めの声があったことは、生徒の自信につながったと思います」(又川氏)

  • 授業で活用するテキスト

     「加えて、自分たちが学んだことを基に、電話応対・マナー研修のテキストを中学生向けに作り直し、東京都下の中学生に教えに行くということもしています。具体的に言うと、中学2年生が職場体験に行くにあたり、挨拶ができるようになったり、会社でしっかりとしたマナーで取り組めるようにと、高校生が中学生を指導するというものです。中学校の教員からは『この取り組みはとても新鮮で役に立っています。そして、マナーがしっかりした良い生徒さんですね』とお褒めの言葉をいただきました。高校生ながら、自分たちが学んだことを活かして、社会貢献につなげられたことを実感できたのではないでしょうか。このように『ビジネスを実地で学ぶ』ためには、生徒自身が学校外で体験することがとても大事なので、コロナ禍で難しいところもありますが、今後も継続したいと思っています」(林氏)

電話応対だけでなく、オンライン上でコミュニケーションを取る機会を増やしたい

最後に、今後の目標をお聞かせください。

  •  「今後は、外部の方とオンラインでつながることが求められるので、ウェブ会議システムを活用した授業を積極的に取り入れたいと考えています。企業では対面の会議に代わって、ウェブ上でのやり取りが増えていると聞きますが、本校ではウェブ授業はまだ一般化していません。しかし、ビジネスを実地で学ぶためには、企業や地域に協力していただくことが不可欠で、そのためにはウェブ会議を取り入れる必要があると感じています。今年、本校にもWi-Fi環境が整うことが決まったので、それが一つのきっかけになるかもしれません。今後は、『総合実践』の授業においても、電話だけでなく、オンライン上でコミュニケーションを取る機会を増やしたいと考えています」(林氏)

組織名 東京都立芝商業高等学校
創立 1924年(大正13年)
所在地 東京都港区海岸1-8-25
校長 林 修
URL http://shibashogyo-h.metro.tokyo.jp/

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