電話応対でCS向上事例
-株式会社ムジコ・クリエイト-電話応対品質においても自動車教習所業界で一番を目指す
記事ID:C20030
青森県内4ヵ所で自動車教習所を運営する株式会社ムジコ・クリエイト。自動車教習所を自動車学校ではなくサービス業と位置づけて、早くから電話応対の品質向上に取り組んできました。教育の一環として「電話応対コンクール」を取り入れ、全国大会にも選手を輩出するまでに至った経緯と今後の目標をお聞きしました。
事業概要についてお聞かせください。
経営管理部 お客様係兼執行役員部長
参事 竹内 寿生氏
竹内氏:青森県内に指定自動車教習所が4校(弘前・青森・八戸・浪岡モータースクール)、そのほかには青森建機スクール、青森ドローンスクール、ドライビングアカデミー弘前、地域交通支援センターがあります。また企業などへ交通安全講習を行うムジコサポート事業を行っており、東京営業所を拠点として全国を飛び回っております。
電話応対品質においても自動車教習所業界で一番になりたい
電話応対の体制や問い合わせ内容についてお聞かせください。
竹内氏:電話応対は、主に各教習所の受付窓口であるお客様サポート課の社員が担当しています。電話受付専門の部署というわけではないので、全社員がそれぞれ自分の担当業務をしながら応対しています。また問い合わせ内容について、現在は70歳以上の方からの高齢者講習の予約に関する問い合わせが多いですね。弘前校では1日100件程度の電話に応対しています。
社員全員が電話応対をされるとのことですが、電話応対教育はどのようにされていますか。
経営管理部 お客様係兼アドバイザー
主査 小田桐 邦子氏
小田桐氏:会社として「日本一の交通安全教育研究会社になる」というビジョンを掲げていますので、電話応対も業界で一番になりたいという思いがあります。正直に言えば、以前の自動車教習所は、「教官と生徒」という関係で「お客さまに対するサービス業」という意識があまりありませんでした。それではいけないと気づき、呼び名も教習指導員ではなく「アドバイザー」、生徒や教習生ではなく「お客さま」に変えています。その流れを受けて、電話応対の考え方も変わってきました。自動車教習中は、お客さまは前だけを見て運転しているので、隣に座っているアドバイザーの顔を見ることはありません。これは電話と通じるところがあります。直接目を合わせないコミュニケーションなので、暗い声で「今の良かったよ」と言うのか、笑顔で明るく「今の良かったよ」と声をかけるのかで、全然印象が違います。電話応対で笑顔、笑声を大切にするように伝えているので、教習中もその効果が出ている感じがします。また、以前は、体系的な電話応対教育は実施しておらず、応対品質も人によってバラバラでした。私が新入社員教育を担当し始めた8年ほど前から、体系的に学べて資格取得にもつながるという点から「もしもし検定(電話応対技能検定)」を採用し、会社として検定の昇級を奨励しています。私自身も平成27年に指導者級資格を取得しました。また、同時期から「電話応対コンクール」にも参加しています。
もしもし検定の指導者級を取得したのはなぜですか。
電話応対の様子
小田桐氏:もしもし検定は、偶然チラシを見つけて知ったのですが、講義のプリントに、もしもし検定の目指すものとして「心、ことば、そして愛」というコンセプトが書かれていたのです。人間性の根幹を形づくる「心」と「ことば」を大切にして、「愛のある応対をしましょう」という説明があったので、「これだ」と思いましたね。私自身、3級、2級とステップアップする時に、いろいろな講師の方に教えていただきました。みなさん、親身に教えてくださり、「時間が来たから終わりましょう」ではなく、「できるまで一緒にやりましょう」というような愛のある教え方をされていました。検定を受け始めた当初は、指導者級まで取得するつもりはなかったのですが、級があがるにつれて、講師の先生から受けたご恩をみなさんにお返ししたいと思うようになりました。また、指導者級を受検した時に、「マナーは愛」と教わったことも印象に残っています。マナーや礼儀は、自分がよく見られたいからやるのではなく、相手のためにやるのですよというお話で、その印象がとても強かったので、指導者になって社外の方にも伝えていきたいと思うようになったのです。
電話応対コンクールでの好成績が、社内の雰囲気を明るくしてくれた
電話応対コンクールに参加した成果についてお聞かせください。
第59回電話応対コン クール全国大会に青森県代表として出場した浪岡モータースクールの棟方未来さん(右)
小田桐氏:まず、昨年は全国大会出場、今年は八戸大会で優勝を果たしたことが形に残る成果です。しかし、賞を獲ることよりも、普段の電話応対の質を高めることを目的に参加しているので、電話応対コンクールに向けてだけでなく、日常の応対でも「笑顔」と「笑声」を意識するよう指導しています。電話応対コンクール出場に向けて頑張って練習する社員が普段の応対品質を上げることで、ほかの社員の応対品質も上がっています。電話応対コンクールには主に若手社員が出場していますが、業務時間内に練習をすると現場が手薄になってしまうため、最初は反対されないかと心配でした。ところが、皆、嫌な顔もせずに現場のサポートはもちろん、練習相手としても協力してくれましたし、電話応対コンクールの後には「頑張ったね、良かったね」と選手に声をかけている姿を見ると、本当に出場して良かったなと思います。
第60回電話応対コン クール八戸・三沢地区大会で優勝した八 戸モータースクールの船橋京香さん
今年度は、八戸・三沢地区で弊社の社員が優勝しました。私の主観になりますが、彼女が話す言葉は、単に声のトーンが明るいだけでなく、応対全体を通して自信に満ちた“キラキラ”したものが感じられ、会社の代表として誇らしく思いました。昨年、彼女は全国大会に出場できずに悔しい思いをしたので、そこから大変な自助努力があったと思います。また昨年、青森県代表として全国大会出場を果たした社員も並々ならぬ努力をしておりました。通勤の車の中でもずっと練習していましたし、会社で電話に出る時も間違えて電話応対コンクール本番の際に名乗る役の名前で出てしまうくらいでした。その努力が実ったという嬉しいニュースは、コロナ禍の暗い雰囲気を吹き飛ばしてくれました。
人事理念「人の成長こそ、わが社の成長です」を実践することが一番の目標
最後に、今後の目標についてお聞かせください。
本社外観
竹内氏:弊社では人事理念を「人の成長こそ、わが社の成長です」と定めています。この理念を実践できるよう全社員に「キャリアプラン」を作成してもらい、それを後押しする取り組みをしています。その中の一つとして社内のキャリアコンサルタントが、キャリア形成を促進・支援するセルフキャリアドックを実施しています。こういった活動の中で、電話応対のスキルアップ、あるいは人としての成長のために、もしもし検定に挑戦することをすすめていきたいと思います。このように仕事を通じて人が成長していくことについて、引き続きサポートしていきたいと思っています。
会社名 | 株式会社ムジコ・クリエイト |
---|---|
設 立 | 1961年(昭和36年)7月 |
本社所在地 | 青森県弘前市和泉1-3-1 |
資本金 | 1,500万円 |
代表取締役社長 | 新戸部 洋輔 |
事業内容 | 青森県公安委員会指定自動車教習所、青森労働局長登録教習機関、行政委託研究事業、交通安全講習会、その他交通安全教育全般 |
URL | https://www.mujicocreate.co.jp/ |
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