電話応対でCS向上事例
-学校法人 国際総合学園 国際ビジネス公務員大学校-実社会に貢献するスペシャリスト育成のため電話応対の極意を学ぶ
記事ID:C20087
国際ビジネス公務員大学校は福島県郡山市の私立専門学校です。新潟市に本部を置くNSGグループ傘下である同校では、電話応対のスキルを身につける機会を学生に提供しています。そうした取り組みについてお聞きしました。
貴校の概要についてお聞かせください。
教務部 部長
國分 千恵氏
國分氏:当校では、「誠実」「明朗」「進取」をモットーに、実社会に役立つ資格や能力、知識を備えたスペシャリストを育成することを目的とした教育を行っています。公務員科と公務員短期受験科、こども保育科、総合医療事務科と医療事務科、総合ビジネス科と情報ビジネス科、ライフデザイン科の8学科あり、それぞれの分野で活躍できる人材の育成に取り組んでいます。専門分野ごとに進路先も異なっており、公務員科では国家・地方公務員や警察、消防など、医療事務分野では総合病院やクリニック、調剤薬局やドラッグストアなどが主な就職先となります。ビジネス分野は4コースに分かれており、経理事務は税理士事務所や会計事務所、ホテルビジネスコースであれば、ホテルやウエディング関係への就職が多くなります。こども保育分野では、幼稚園や保育園、認定こども園、障がい児や障がい者の施設などが主な活躍の場となります。
校舎の中に保育施設があるのも当校の特色の一つです。企業主導型保育の施設であるFSG 保育園は、地域のお子さんはもちろんFSGカレッジリーグの職員の子どもたちのための保育施設であり、こども保育科の学生の実践的な場としても活用されています。
就職活動に有利に働く電話応対への取り組み
電話応対コンクール (以下、コンクール)に取り組んだきっかけと成果について教えてください。
医療事務分野 教員兼就職推進室室長 湯田 彩美氏(写真右)、医療事務分野 学科長 髙田 明日香氏(中央)、医療事務分野 教員 関根 郁子氏(左)
関根氏:コンクールには20年ほど前から参加し、その後も継続して取り組んでいます。コンクール関連の活動ですが、例年6月になると全学科の学生へ向けてコンクールの説明会を開き、4~5名程度の出場者が決まります。7月下旬に日本電信電話ユーザ協会が主催する事前研修へ参加し、電話応対の仕方などのスキルやスクリプトの作り方を学び、8月の地区大会に臨みます。2023年は県の大会へ出場する学生がいたので、9月頃まで活動が続きました。こうした活動は、学生にとって良い刺激になっていると感じています。例えば、事前研修では学校外の企業の方が電話に応対する様子を目にする機会があります。敬語や言葉づかい、お客さまに寄り添う柔らかい言い回しなどを直接聞くことで、自分も社会に出たらこの応対ができるレベルにならなければいけないということを、実感を持って理解できるようになります。
コンクールに参加した理由を前回(2023年)の参加者に聞いたところ、「就職活動を行う上でアピールポイントを増やしたかった」「実社会で必要なスキルなので身につけたい」「アルバイト先で電話応対がうまくできなかった経験があり、克服したかった」といった声が挙がりました。また、ある学生は「2年生になり企業面接に臨んだ際、自身のアピールポイントとしてコンクール出場を話題にすることができた」といったように、参加によって生じた変化について語ってくれました。電話応対に限らずコミュニケーション全般で自信がついたという点が、コンクール参加による成果といえる点ではないかと考えています。
コンクール参加で感じた電話応対の重要性、応対教育を授業でも実施
電話応対の授業があるとうかがいました。詳しくお話しいただけますか。
電話応対授業の様子
関根氏:コンクール参加によって学生はもちろんのこと、私たち指導する側も影響を受けています。医療事務分野では2024年から、固定電話に慣れていない学生のために電話応対のカリキュラムを授業として週に2時間の枠で取り入れるようになりました。授業では電話機を使った実技も行います。始めに2人1組となりお互いにセリフを考えて、応対の流れがつかめたところで実際に会話してみます。普段の声のままの会話が、時にぶっきらぼうに聞こえたり暗い印象を与えたりすることを体験し、どのように発声すれば相手に柔らかい印象を与えられるのか、学生に気づいてもらうことが実技の狙いになっています。こうした授業における電話応対教育の実施は、今まで続けてきたコンクール参加の成果の一つとも言えます。インターンシップや就職活動の時期になると、学生は企業の担当者と電話でやり取りする機会が増えますが、そうした場面でスムーズなコミュニケーションができると相手に良い印象を与えることができます。電話応対スキルの習得は、就職活動において有利に働くと実感しています。
髙田氏:先ほど就職先についてお話ししましたが、特に医療事務は業務の中でも電話応対を行う機会が多い傾向があります。具合の悪い患者さんや気分のすぐれない状況で電話してくる方などがいる場合、中には感情が高ぶり冷静な会話が難しいようなケースも考えられます。授業の中では、平常心でお話を聞くことができるよう、さまざまな状況を想定しておくことの重要性などを伝えることもあります。
苦手意識を払拭し電話応対スキルを上げることが就職支援につながる
最後に、今後の目標について教えてください。
電話応対コンクール事前研修の様子
湯田氏:今年度から始めた電話応対に関する授業を通じて、学生が電話応対にいっそう興味を持ち、コンクールの参加者が一人でも増えてくれることを期待しています。
髙田氏:医療事務分野の就職先は電話応対が主な業務となる職種も多いので、苦手意識を持たず電話に積極的に出られるようになってほしいですね。患者さんとのコミュニケーションを率先して行い、医療機関のイメージアップに貢献できる人材となってもらえるよう、今後も育成に努めます。
関根氏:授業を担当している立場として、目の前の課題解決に向けて日々の授業を行っています。まずは学生の持つ苦手意識を払拭し、少しでも電話応対スキルを向上させてあげたい。そうした地道な取り組みが就職支援につながると考え、今後も取り組んで参ります。
國分氏:今の学生にとって携帯電話やスマートフォンは欠かせないもので、発信側、受信側ともに相手が誰か分かった上で会話するのが普通になっています。しかし、そうした環境に慣れてしまうと、適切な言葉づかいや電話応対の基本的なスキルが身につかないのも当然です。コンクールや授業で電話応対の練習を行い、緊張しながらも電話のかけ方や受け方全般を体験する中で、少しずつですが社会人としての電話応対ができるようになってきています。今後も、電話応対のスキルアップを進めるとともに、学校運営・学生指導におけるICT化、DX 化を図り、さらに質の高い教育が提供できるよう、学校全体で取り組んでいきます。
学校名 | 学校法人 国際総合学園 国際ビジネス公務員大学校 |
---|---|
開校 | 1984年(昭和59年)4月 |
所在地 | 福島県郡山市駅前1-12-2 |
代表者 | 増子 卓矢 |
事業内容 | 専修学校 (公務員科、公務員短期受験科、こども保育科、総合医療事務科、医療事務科、総合ビジネス科、情報ビジネス科、ライフデザイン科1年制、ライフデザイン科2年制) |
URL | https://jo-bi.jp/ |
〔ユーザ協会会員〕 |
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