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電話応対でCS向上事例

CS向上事例 -入出運送株式会社-

運輸業,郵便業

公開日:2014/07/22

社内、社外の満足向上を実現する『もしもし検定』

入出運送株式会社は、東海道のほぼ中央、静岡県湖西市に本社を構え、自動車部品の輸送を主に手がける中堅運送会社です。今回は、社長の鈴木 啓之氏に、CS向上についての取り組みをうかがいました。

まず、御社の沿革、そして現在の業務内容について教えていただけますか?

  • ▲代表取締役社長
    鈴木 啓之氏

     「創業は昭和30年、今期で第60期を迎えます。創業当初は浜名湖で養殖されたウナギや、ウナギの養殖に使う飼料などの運搬が主な業務でした。その後、自動車関連の業界からお仕事をいただくようになり、この地域が自動車製造の一大拠点へと成長していくにあわせ、当社の業績も拡大。現在は業務のほぼすべてが自動車にかかわるもので、単純な輸送のほか、倉庫業などロジスティクス分野もお任せいただいています」(代表取締役社長・鈴木 啓之氏)

鈴木さまが社長に就任したのは2010年。そこからかなり苦労をされたと聞きますが。

 「21世紀に入ってからも順調な伸びを続けてきた弊社ですが、2008年にリーマンショックが発生。売り上げが4割も下落しました。私が社長を拝命したのは、その2年後の2010年。さまざまな改革、負債のリスケジュールなどを通じて会社の建て直しを図りました。ところが翌年、東日本大震災が、日本の自動車産業にも大きな打撃を与えます。弊社の売り上げは、さらに3割減。正直“自分はこれまで、いい時代だけしか知らなかった”ということを、実感しましたね」(鈴木氏)

そうした激動のなか、会社の雰囲気はいかがだったのでしょうか?

 「業績が伸びているときには、粗が見えませんでした。しかしリーマンショック、東日本大震災という危機を通し、社内の雰囲気がぎくしゃくしてきたんです。つまり、景気がいいとき、儲かっているときは、懐も温かく、文句は出ない。でも不景気になり、仕事が減ると、『カネだけのために働いている社員』ということが浮き彫りになったんですね。そういう状況、つまり社員が自分の待遇に不平不満を抱いてる状況では、お客さまに満足を与えることなんてできるわけがありません。まずはそこから改革しなくちゃ、と思いました」(鈴木氏)

改革は、どのように進めたのでしょう?

 「まずは私が社員の支持を集めることが必要だと考え、その指標に忘年会の出席率を置いたのです。忘年会は、年の暮れの忙しい時期に行う、会社の行事です。その行事に、自分の時間を割いて出てきてくれること、それが社長である私の支持率なのです。そこで2012年の年頭あいさつで『今年の忘年会に、100名以上を集める』と宣言しました。その前年の忘年会では、本社に勤める社員約150名のうち、40名程度しか出席しなかった。つまり私の支持率がその程度だったということです」(鈴木氏)

支持率を上げると言っても、なかなかたいへんだと思いますが。

 「まずは、同じ“場”を持つことが大切なんです。同じ場で、さまざまな意見を交換し、互いによく知ることです。もうひとつ、『挨拶』『掃除』を、年頭の方針として掲げました。社員同士、またオフィスに出入りするとき、必ず挨拶する。自社で挨拶できない人間が、お客さまのところで挨拶できるわけがありません。掃除も、社の敷地だけでなく、お客さまのところでも、ゴミを拾う。一度の訪問で二つ、三つのゴミを拾うだけでも、続けていけば、どんどん綺麗になっていくんです。売り上げとか、利益とかは、あえて掲げませんでした。売り上げとか利益とかを社員に目標として与えたら、お客さまがお金に見えてくる。そんなことでCSは向上するわけがありません」(鈴木氏)

  • ▲自社のオフィスに出入りする際の挨拶

  • ▲会社方針2014 品質向上

「場を持つ」ために、どのような施策を行ったのでしょう?

 「いろいろな研修、そして互いをよく知るための、長時間のミーティングです。ただ研修については、唯一『もしもし検定』を除けば、内容は何でも良かったんです。みんなが同じ場を共有し、同じ目標を目指す。その『場作り』のための研修です。1日がかりで行う研修には、お客さまにも参加していただきました。社員もお客さまも分け隔てなく、みな同じユニフォームを着て、ゲーム、発表会、グループディスカッションなどを進め、交流を深めました。またほかにも『和力づくりミーティング』という、半日規模の5~10名でのミーティングも開催しました。『和力』というのは私の造語で、チームワークのこと。ふだんなら5分、10分で終わる自己紹介を、ディスカッションを含めながら、20分、30分と続ける。こうした研修、ミーティングで、社員それぞれの考えを浮き彫りにし、互いにより深く知り合う場作りができたと思います」(鈴木氏)

「支持率」とおっしゃった、忘年会への参加率はいかがだったのでしょう?

  • ▲忘年会ポスター

     「前年の忘年会参加者は約40名。それが夏から秋にかけて意向を聞くと、8月には60名、9月には70名、そして11月には80名となった。私も必死ですよ。だって、年頭の目標なんですから。忘年会のイメージアップを図るべく、ポスターも洒落た物を作りました。また社員と話す時間をできるだけ作って、少しずつ自分の支持者を増やしていきました。そんなこんなで、なんとか目標を達成できましたね」(鈴木氏)

そうして、社員同士の交流を深めたこと、掃除や挨拶を励行することは、CS向上に効果をもたらしていますでしょうか?

 「挨拶やゴミ拾いを続けていけば、『お、入出はよくやってるな』とお客さまに気付いていただけるはずなんです。運送業とは、率直に言って、どこに頼んでも大きな差がある仕事ではありません。
 しかしこうした細かい挨拶や掃除の積み重ねで、お客さまにいい印象をお伝えできれば、きっと『頼むなら入出に』と思っていただけるのです。実際に、お電話をいただいたお客さま、弊社を下見にいらっしゃったお客さまへの応対や挨拶、きれいな作業場やオフィスが『他社とは違うな』という好印象となり、新規の受注につながっています。また、お客さまに新しいお客さまをご紹介いただくこともあり、この活動を続けることで、自ずと業績に結びついて来ています。私は67歳での引退に向けて、これから17年間で会社をよくして、次の代に引き継いでいくことが使命だと思います。そこに向けて、『徐々に』です」(鈴木氏)

さて、御社は社を挙げて『もしもし検定』に参加されています。

 「あくまで個人的な考えですが、『もしもし検定』には、すぐれている部分が二つあると思っています。まずこの検定が、電話だけでなく、オフィスでの応対、ビジネスマナーなど、広い範囲を含むこと。先ほど申し上げた、挨拶をきちんとすることにくわえ、検定で身に付けた作法があれば、お客さまの好感度はさらに高まります。そしてもうひとつ、検定が具体的な目標となり、その達成に向けてのチームワークを強化することが、先ほど申した『和力』につながるのです。仕事をしていれば、お互いに気に入らないことだって当然出てきます。しかし、互いを知り、目指すゴールを共有すれば、そうした不和、不仲を乗り越えることができるのです。『もしもし検定』では、今回25名が受験し、23名が合格。さらに『電話応対コンクール』でも、静岡県予選に1名が進んでいます。今年、金沢で行われる全国大会に出ることを大きな目標として、社長の私、そして他の社員全員が『和力』を高めて一丸となって応援し、突き進みたいと思っています。厳しい時代を共に乗り切り、こんな不出来な社長によくついて来てくれた社員に、本当に感謝をしています。私の自慢は、社員です」(鈴木氏)

  • ▲もしもし検定認定証・社是

  • ▲会社外観

ありがとうございます。5年先、10年先に、大きく業績を伸ばしていく御社の姿がイメージできます。これからも頑張ってください。

会社名 入出運送株式会社
設立 1955年(昭和30年)8月
本社 静岡県湖西市新居町中之郷2850-1
代表取締役社長 鈴木 啓之
資本金 1,500万円
従業員数 178名(平成26年1月現在)
事業種目 1.貨物自動車運送事業(名陸事第2163号)
2.自動車運送取扱事業(名陸事貨第118号)
URL http://www.idex-jpn.com

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