電話応対でCS向上事例

-大和陸運株式会社-
ドライバーを含む全社員対象の研修と「電話応対技能検定(もしもし検定)」活用が、成長に貢献

「荷物を運ぶだけでいると、価格競争に巻き込まれてしまう」。大和陸運株式会社は、社員のコミュニケーション能力強化を武器に、運送業から総合物流企業に向け、歩んでいます。

御社の業務内容や沿革について教えてください。

「創業は戦時中の昭和17年で、戦後の昭和30年、運送事業の認可を受けました。当初の貸切運送業主体から多角化を進め、現在は入出庫管理、配送管理などの受託、さらに倉庫業を含めた総合物流企業を目指しています」(坂本氏)

コミュニケーション能力の重要性を痛感した現場での経験

御社の成長と電話応対教育、ビジネスマナー教育との関わりについて教えてください。

▲代表取締役 喜多 祥之氏

「私自身もかつてドライバーとして働き、ドライバーのコミュニケーション能力の重要性を痛感していました。荷主さまからの契約外の要望に対し、お断りする理由をきちんと説明できずに渋々引き受けたり、逆に『やってくれ』『やりたくない』といったトラブルになったりすることが多かったのです。また、スペースいっぱいに積むと過積載になる場合でも、その理由を説明できずに引き受けてしまうことが間々ありました。こうした現象はコンプライアンス上、大きな問題で、総合物流業として歩んでいく上で大きな障害となります。そこで私が経営の一翼を担うようになった時、従業員のコミュニケーション教育に力を注ぎ、ドライバーが単に荷物を運ぶだけでなく、会社の将来を担う人材に変われることを証明すると決意したのです」(喜多氏)

「ドライバーは、お客さまからご希望、ご要望を直接聞く立場にあります。もしこれを営業に活用できれば、会社の業績に大きく寄与するはずです。『依頼された荷物を運ぶ』だけでは、価格競争に巻き込まれてしまいます。これからさらに成長するには、『運賃は高くても、大和陸運に任せて良かった』と言われるよう、お客さまのニーズに合わせ提案できる能力が必要なのです」(辻井氏)

講師による研修と「もしもし検定」を組み合わせ、達成度を確認

どのようなところからそうした取り組みを進めたのでしょうか。

▲統括部長 坂本 宗弘氏

「コミュニケーション教育は、やはりプロに任せた方が、内容も深く、効率的だと考えました。そこで専門の講師を招いての全体研修から始めました。『学校でもないのに、なんで?』という声もありましたが、『会社がきちんとした“企業”としてお取引先さまとお付き合いする上で必要』と説き伏せました。当時は全員が集まれる場所もなく、まずは近隣の会議室を借りてのスタートでした。またこのあとの一連の研修で、内勤スタッフの電話応対のレベルアップも図りました。それまではマニュアルやノウハウの継承がなく、人の入れ替わりで応対品質が大きく変わっていたからです」(喜多氏)

御社が「もしもし検定」を採り入れたのは、どのようなお考えからですか。

「研修を重ね、お取引先さまからも『電話応対が良くなったね』という評価をいただけるようになりました。しかしそれでも欠けているものを具体的に調べる方法として『もしもし検定』が最適と考えたのです。実際の受検は、会社のことが一通り分かってきて、かつ仕事に慣れ、自己流の甘えが出てくる“入社後3年”の内勤スタッフ、及び取引先さまとの商談や部下の指導が必要な各部門の責任者としました」(坂本氏)

新入社員の研修にも「もしもし検定」が効果を発揮

「もしもし検定」導入後、目に見えるような成果はありましたか。

▲取締役 辻井 勇氏

「合格者の電話応対品質やビジネスマナーが向上しました。さらに本人は行動に自信がつき、そして部下への適切な指導にも役立っています。特に有資格者が新入社員の研修を行うようになってからは、成長度が目に見えて速くなりました。外部の講師による専門的な研修に、社内の有資格者の指導が加わることで、現場で必要な知識や技能が身につくからです」(坂本氏)

「クレーム電話へのファーストコンタクトが良くなったことで、深刻なトラブルに発展するケースが少なくなり、また営業スタッフがお客さまのところに足を運ばずに解決する例も出てきました。営業スタッフの間に『内勤スタッフがよくやってくれる』という感謝の気持ちが広がり、会社の雰囲気が良くなるとともに、コスト削減にも役立っています」(辻井氏)

さらなるコミュニケーション力の研鑽で、業績アップに期待

最後にこれからの目標や、日本電信電話ユーザ協会への要望について、教えてください。

「より大きなお取引先さまとお付き合いするようになれば、それだけ高いコミュニケーション能力が要求されます。またそうしたお客さまの成長にもついていかなければなりません。弊社はまだ小さな会社ですが、これからもコミュニケーション能力向上に努め、大手の運送会社、物流会社と肩を並べる仕事をしていきたいと思います」(辻井氏)

「今後も研修と『もしもし検定』を組み合わせ、続けていく予定です。一つお願いがあるとすれば、メールでのマナー研修ですね。メールのビジネス活用は広がっていますが、マナーをどうすべきかという部分は弊社もまだ手探り状態です。日本電信電話ユーザ協会に、標準となるようなメール活用やマナーの指針を出していただきたいですね」(坂本氏)

  • ▲社員の健康づくりやダンスレッスンを行い協調性を育むために、社内にトレーニングルームを設置

  • ▲入社後3年以上の内勤スタッフや各部門の責任者は、「もしもし検定」を受検

会社名 大和陸運株式会社
設立 1955年(昭和30年)
所在地 奈良県大和郡山市今国府町88-2
資本金 1,000万円
代表取締役 喜多 祥之
事業内容 一般貨物貸切、県内小口集配、引越、貨物一時保管
URL http://www.daiwarikuun.co.jp/

電話応対技能検定実施機関

株式会社アクトプランニング

http://www.planning-act.com/

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