電話応対でCS向上事例

-パナソニック株式会社-
グループ全社を挙げたコンクール開催で一体感の醸成と「お客様第一」の実践を

パナソニックグループは、1967年(昭和42年)より、交換業務担当社員を対象に社内電話応対コンクールを開始。その後、コンクール参加者をグループ全社の社員に拡大しました。電話応対品質の向上により、創業者の理念である「お客様第一」を実践する努力を続けています。

社内コンクールを始めたきっかけについて教えてください。

  • ▲総務部 部長 井上 一彦氏

     コンクールの導入は、1967年に遡ります。当時はもちろん固定電話しかなく、お客さまからのお電話は交換手が承り、担当部署につないでいました。この交換手の応対は企業イメージを左右する重要なものであること、また弊社創業から受け継いだ理念である「お客様第一」の実践のためには、より良い電話応対が必要であることから、交換手を対象とした社内コンクールを始めたのです。(井上氏)

選手は交換手から一般社員へ 交換手は教育部門へ転換

今年で50年を迎えたとのことですが、この間、変わったところはありますか。

  • ▲総務部 企画助成課 課長 大森 康二氏

     現在に至る過程で、電話をめぐる環境に大きな変化がありました。それは交換手が応対する代表電話から、各職場に直接ダイヤルインになるという変化です。この変化に応じ、交換手対象のコンクールから広く一般社員を対象としたコンクールへと改めました。また、当初は独自の問題を用意しておりましたが、日本電信電話ユーザ協会の電話応対コンクールが「一般の部」「交換の部」の二部制になった時から、ユーザ協会と同じ問題を使うようになりました。(大森氏)

     こうした変化の中で、交換手の立場にも大きな変化がありました。それは電話を受けるという業務から、電話のプロとして社内各部門の電話応対教育を担う業務への転換です。交換手は専門業務として入社しており、それまで後任に引き継ぐことはあっても、教育を担当することはありませんでした。この転換は交換手の大きなモチベーションにつながったと思っています。(井上氏)

主に夜間に電話応対する「保安」のスタッフも出場

コンクールを続けていることで、どんな効果が生まれていますか。

 人には“競争心”があります。こうしたコンクールを開催することで、個々の社員が切磋琢磨する土壌が生まれます。また、コンクールはグループ会社を含めた全拠点を挙げてのものであり、それが各拠点の電話応対に対しての意識づけにつながり、全社的な電話応対品質のボトムアップにつながっていると思います。(井上氏)

 私たち総務部の立場としては、コンクールという形式で全社一丸になれる活動は一体感につながるため、組織作りという意味でも大きな効果を感じております。(大森氏)

現在、御社のコンクールでは、「一般の部」「保安の部」の二つに分けて競技が行われています。この違いを教えてください。

 「一般の部」は文字通り社内のあらゆる部署から選手が出場する競技です。「保安の部」は保安部門、つまり事業所や工場などの守衛、警備などを行う部署のスタッフのみによる競技です。(井上氏)

 事業所や工場への電話は、原則として9時から17時以外は保安の部署につながり、スタッフが直接お客さまとお話しすることになります。ここでの応対品質の向上も「お客様第一」に必要と考え、一般とは分けた部門を設け、競技を行っているのです。日頃電話応対に慣れていない者も参加しますが、その一所懸命な姿勢は同じ保安の部、そして一般の部の見学者の心を動かすものがあると思っています。(大森氏)

継続によりさらなる「お客様第一」を追求 海外展開も

コンクール以外の電話応対品質向上に向けた取り組みについて教えてください。

  • ▲マナー向上活動事務局の皆さん

     15年前から「お客様第一」のさらなる定着を目指し、電話応対、応接マナーなどを含んだ「マナー向上活動」※に取り組んでいます。この活動の継続で、お客さまからのお叱りをいただくことが激減しました。また、グループ内で修理受付などの窓口となるグループ会社では、もしもし検定を本格導入し、お客様満足度が向上しました。グループとしては、指導者級資格保持者の指導のもと、多くのスタッフが1級、2級、3級資格保持者になったことで、パナソニックグループ全体のお客様満足度も高まっていると感じています。(大森氏)

今後の目標について教えてください。

 弊社の活動のグローバル化に合わせ、電話応対教育についても海外への展開を考えています。ただ、これについては、単に日本のやり方を海外に持っていくのではなく、それぞれの国や地域に合わせたマナーのあり方を考え、「お客様第一」を実践していくことになると思います。また電話応対コンクールに関しては、経営理念以外はすべてを見直すような、かつての社内改革のもとでも“真に必要なもの”として生き残ってきました。今後も継続し、全社的な電話応対品質の底上げにつなげたいと思っています。(井上氏)

社内電話応対コンクールは今年で50周年!

  •  パナソニックグループの第50回電話応対コンクールは、2018年7月21日(土)、大阪府枚方市の「パナソニック人材開発カンパニー」で開催されました。各地区の予選を勝ち抜いた一般の部107名、保安の部15名の選手と、約400名の応援者が集まりました。問題は本年の日本電信電話ユーザ協会主催の電話応対コンクールと同じく、選手が株式会社ユーザレンタカーの受付担当社員となり、お客さまからのお問い合わせに答えるというものです。各選手は3分間の持ち時間でできる限りのご案内をすべく、身振り手振りも交え、力を尽くしました。また競技終了後の閉会式では、メートル・ドテルの宮崎 辰氏による記念講演「世界一のおもてなし~サービスの本質~」も行われ、選手、応援者とも熱心に耳を傾けていました。

会社名 パナソニック株式会社
創業 1918年(大正7年)3月7日
設立 1935年(昭和10年)12月15日
本社所在地 大阪府門真市大字門真1006番地
代表取締役社長 津賀 一宏
資本金 2,587億円
事業内容 家電事業、住宅事業、カーエレクトロニクス事業、B2Bソリューション事業
URL https://www.panasonic.com/jp/home.html

電話応対技能検定実施機関

パナソニック株式会社

https://www.panasonic.com/jp/home.html

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