電話応対でCS向上事例
-あおもりコンピュータ・カレッジ-「もしもし検定」の導入によりマナー指導のレベルが飛躍的に向上
状況に応じた言葉遣いや正しいマナーは、仕事の知識と等しく、社会人にとって不可欠な素養です。そうした知識の指導に「もしもし検定(電話応対技能検定)」を活用することを決めたあおもりコンピュータ・カレッジに、その動機や目的をうかがいました。
まず貴校の設立経緯やこれまでの沿革について、教えていだだけますか?
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▲常務理事 校長
藤井 健二氏「本校は平成元年に開校しました。その前年の昭和63年、来るべきICT社会を見据えて労働省(現 厚生労働省)が『プログラマが将来的に100万人不足する』という見込みを発表し、ICTにたずさわる人材の育成は急務となっていました。こうした人材不足の解消を目指した人材育成プログラム『コンピュータ・カレッジ構想』に青森市が呼応、青森市、青森市商工会議所のご尽力のもと、設立されたのが、本校です」(藤井氏)
貴校にはどのような特色があるのでしょう?教育方針や卒業生の進路などについても教えてください。
「本校では2年間をかけて、広範なICTの知識を学んでもらいます。まず1年次は基礎学科で、座学を中心とした基礎的な知識を習得します。そして2年次には専門学科としてコンピュータシステム科、コンピュータビジネス科に分かれ、1年次に学んだ基礎知識を生かし、実習を多用した応用と活用を学んでいきます。そして国家資格である情報処理技術者試験への在学中の合格を目指すというのが大きな流れです。ただ2年間といっても、現在では1年次の終わりに企業からの求人が寄せられるため、カリキュラムは『この時期にはここまでやっていなければならない』といった形で決められています。卒業後の進路は40%近くが情報処理関係企業ですが、ICT化の広がりを反映し、近年ではあらゆる業種にわたっています」(藤井氏)
▲2年かけて広範なICTの知識を習得する生徒たち。卒業後の進路は多岐にわたります。
就職後を見据え、マナー教育にも注力
貴校はそうした知識や技術だけではなく、マナー教育にも力を入れているとうかがっています。
「本校は平成26年度のスローガンとして『社会に通用する元気の良い学生』を掲げました。この『社会に通用する元気の良さ』には、マナーや挨拶、言葉遣いなど、社会人としてあるべき行動規範も含まれています。長時間PCを操作するプログラマなどでは、他者とのコミュニケーションが薄まりやすい傾向があるとされていますが、どんな仕事であれ、コミュニケーション能力は絶対に必要です。そのため本校ではまず、声を出し挨拶する習慣を付けます。また1年次には外部からの講師を招いたマナーや言葉遣いなどの授業も採り入れています」(藤井氏)
マナー教育に「もしもし検定」を活用
昨年秋から、貴校は教員についても新たな取り組みを始められたそうですね。
「学生を指導する教員には、やはりその指導の根拠となる知識が求められます。本校の場合、教員はほぼ全員、前述の情報処理技術者試験に合格した有資格者であり、プロフェッショナルとして、さまざまなICTの知識を教えています。しかし日々の学生とのふれ合いの中で指導するマナーや言葉遣いについては、どうしても自らの経験に基づく部分が多く、そのあたりをもう少し強化したいと思っていました。そんな折、『もしもし検定』にペーパーテストだけで受検できる4級が新たに追加されたことを知り、これはぜひとも採り入れたいと思い、すぐに検定のテキストを取り寄せました」(藤井氏)
検定に向けての勉強を始めて、気づきや驚きはありましたか?
「最初は『もしもし』という言葉から、主に言葉遣い、とりわけ電話応対についての内容を想像していたのです。しかし実際には会話から文書まで、ビジネスのあらゆる場面でのマナーが網羅されていることに驚きました。そしてこの内容を教員が理解すれば、学生のマナー指導において、より理論に基づき、かつ分かりやすい指導ができると確信しました」(藤井氏)
受検に向けては、何か全体での取り組みも行われたのでしょうか?
「教員個々の勉強のほか、週に1回、勉強会を開催しました。テキストをベースに週ごとに範囲を決め、教員が持ち回りで講師となり、全員で実習を繰り返しました」(藤井氏)
受検に向けての勉強、そして受検を通じ、目に見える効果はありましたか?
「まず勉強を通じ、これまであやふやな知識でうろ覚えだったマナーの理由や裏付けが明らかになったケースは少なくありません。そしていまの学生はそれぞれの指導に対して『なぜですか?』とその理由を求めることが比較的多い傾向にあります。そうした場合でも、『もしもし検定』受検を通じて得た知識ではっきり理由を指し示せることが、教員の自信にもつながっていると思います」(藤井氏)
「もしもし検定4級」の受検を学生に勧めたい
学生の指導のために始めた「もしもし検定」の受検ですが、今後学生に向けても受検を促すような計画はあるのでしょうか?
「4級とはいえ、『もしもし検定』のレベルは身に付けるべきビジネスマナーとしては必要十分に近く、学生にはちょっとハードルが高いでしょう。ただ今後は教員がさらに上の3級を取得し、学生に『少なくとも4級は取ろう』という流れにできればいいと思っています」(藤井氏)
組織名 | あおもりコンピュータ・カレッジ |
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開校 | 1989年(平成元年)4月 |
所在地 | 青森県青森市荒川字柴田129番地 |
校長 | 藤井 健二 |
事業内容 | 情報処理技能者の養成 |
URL | http://www.acc.ac.jp/index2.html |
電話応対技能検定実施機関
公益財団法人日本電信電話ユーザ協会 青森支部
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