電話応対でCS向上事例

-株式会社 ディック学園-
全体情報を共有することで応対スキルを向上

家庭教師というと、「学生のアルバイト」というイメージが強い業種です。しかし大分市に本拠を置く教育グループ、株式会社ディック学園は、プロフェッショナルの家庭教師を各家庭に派遣し、中学受検から大学受検まで、めざましい成果を挙げています。また同学園は、本協会(日本電信電話ユーザ協会)の「企業電話応対コンテスト」においても、最優秀賞を含む、上位入賞実績を誇っています。今回は、同学園に、電話応対のポイントをおうかがいしました。

まず、御社の事業内容についてお聞かせいただけますか?

「当学園は、大分市にある学習塾から事業をスタートし、現在は九州エリアほぼ全域をカバーする家庭教師派遣のほか、資格試験のための学校、そして通信制高校のサポート校などを手がけています」(取締役専務・赤嶺和弘氏)

一般的に家庭教師は「学生のアルバイト」という認識が強いと思いますが、貴学園がプロフェッショナルにこだわり、派遣している理由を教えてください。

 「やはり、生徒さんを教えるということは、その将来に大きくかかわってきます。もちろんアルバイトでも勉強を教えることができるでしょう。しかしプロ講師は、プロとしての指導力があります。そして結果、すなわちその生徒さんの将来に対し責任を持った、真剣な指導ができるのです。また勉強を教えるだけでなく、ときにはその生徒さんの悩みを聞き、励まし、ともに目標に向かって進んで行くパートナーとしても、お役に立ちたいと思っています」(赤嶺氏)

九州地区において、家庭教師の需要はどういった状況なのでしょう?

 「かつて九州では、中学受検はごく一部の地域に限られていたため、家庭教師の需要は地域上位高校受検を目指す中学生が中心でした。しかし現在、少子化にともない、お子さんにより高い水準の教育を受けさせたいという親御さんが増えてきております。それにともない中学受検への取り組みも、ほぼ全域に広がっています」(総務部長・山岡寿賀子氏)

家庭教師派遣についてのお問い合せには、どのような体制でご対応なさっているのでしょうか?

 「当学園では、専門のコールセンターや電話応対専門スタッフなどを配置していません。ここ大分市の本部でも、他県の拠点でも、オフィスにいる事務や営業スタッフが、いただいたお問い合せにお答えしています」(山岡氏)

お客さまからはどのようなお問い合せが多いのでしょうか? またお客さまに対して、どのような応対を心がけていらっしゃいますか?

 「お電話をいただくお客さまは、お子さまの教育について、何かしらのお悩みを持っています。またその一方で、当学園のような家庭教師派遣について、不安を持っていらっしゃるかたも少なくありません。そうしたお客さまに当学園の考え方を正しくお伝えし、無料の教育相談にご参加いただくことが、最初の目標になります」(山岡氏)

お客さまは、どのようなことに不安を感じるのでしょう?

 「やはり、教育関連という部分で、『ちゃんと成績が上がるのだろうか』『高い教材が必要なのではないか』といった、ある意味ネガティブなお考えを抱きつつお電話をくださるお客さまが少なくありません。当学園では、電話応対の際に、まずお客さまとの会話のキャッチボールを試み、会話のなかでそうした不安を取り除き、『相談に行っても大丈夫だ』という信頼関係を築くことが大切だと考えています」(赤嶺氏)

 「私たちのスタッフがまず最初にお聞きするのは『お子さまは何年生ですか?』という質問です。お母さん同士の会話のように、お客さまと同じ目線で話しかけ、安心感を抱いてもらうようにしています」(山岡氏)

やはり最初の会話が大事なんですね。

 「いただいた最初のお電話で教育相談のアポイントをいただくことは、お子さま方にとっても、非常に重要なことです。電話の応対で安心感を持っていただき、当学園の家庭教師をご利用いただくことが、最終的にお子さまの将来を左右する、大事なきっかけになる可能性があるのです。スタッフには、最初の1分、2分の会話が、そのお子さまの未来を拓くということをきちんと理解してもらい、仕事に打ち込んでもらっています」(山岡氏)

スタッフの方のトレーニングは、どのように進められていますか?

 「入社して1週間は、まず応対マニュアルの暗記です。自分が電話をとって何をすべきか、何を伝えるべきか、しっかりとおぼえ、安心して電話の受け答えができるレベルに教育します。また各地の拠点のスタッフと合同で、年に2回、全体研修を行っています。これはロールプレイを中心に、お問い合せをいかにアポイントにつなげるかのスキルアップです。また各拠点で同じレベルでの応対ができるかも、こうした研修を通じて確認しています」(赤嶺氏)

そうした全体情報の共有で、よりご安心いただける応対スキルを身に付けているというわけですね。

 「はい。当学園では、先ほどお話しした無料教育相談に続き、体験授業、さらにプランナーによる家庭教師選定、カリキュラム作成という流れで、各ご家庭に対応させていただいております。しかし、どれだけ質の高い家庭教師を揃えても、まずお電話でお客さまにご理解いただけなければ、お役に立つことができません。これからも各ご家庭の子どもたちの未来のため、こうしたスキルアップをいっそう進めていきたいと思っています」(山岡氏)

本日はありがとうございました。

会社名 株式会社 ディック学園
設立 昭和52年1月
本社オフィス 大分市末広町2丁目10番24号 ディック学園ビル7F
代表取締役社長 赤嶺 昭
事業内容 家庭教師派遣、個別指導塾、進学教室、ワープロ、パソコン教室通信制高校(サポート校)、有料職業紹介、ホームページ制作

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