電話応対でCS向上事例
-株式会社コーポレーション宮澤-電話応対コンクールへの参加は、社員一人ひとりの成長と会社のイメージアップにつながる
記事ID:C20103

株式会社コーポレーション宮澤は、群馬県沼田市で不動産の売買、賃貸を行う企業です。少数精鋭で、お客さまに寄り添った応対を目指す同社の取り組みについてお聞きしました。
事業概要についてお聞かせください。

代表取締役社長
宮澤 孝幸氏
宮澤社長:当社は、土地・建物の売買・仲介から不動産の鑑定評価とコンサルティング、賃貸住宅・貸店舗・事務所駐車場の仲介と管理、住まいの新築・リフォームなどを行っています。電話応対はお客さまとの最初の接点となり、また、入居中のお客さまからのお問い合わせは良い関係を維持する面でも重要なので、スタッフは全員緊張感を持って応対しています。2月から4月ぐらいまでは人が活発に動く時期のため、問い合わせが多くなる傾向があり、最近ではメールでのお問い合わせも増えてきています。
敬語の使い方やビジネスマナーが課題に
電話応対に関する考え方や課題について教えていただけますか。

電話応対はお客さまとの最初の接点となるため、一つひとつの言葉を大切にしている
宮澤社長:“お客さまの満足と社員の成長” という点に重きを置き、電話応対に取り組んでいます。お話を傾聴し、常にお客さまに寄り添うことを大切にした応対が我が社の目指すところです。例えば、賃貸物件を探しに来た方に対しては、ご希望をよく聞き、自分が借りる立場になって考え、物件を紹介しています。
電話応対については、敬語を含めて正しい言葉づかいができるようになること、そして正しいビジネスマナーを身につけることが、以前からの課題でした。話し方の癖はどうしても出てしまうものですが、話し方は人の印象の9割を占めるということを意識し、一つひとつの言葉を大事に捉えて少しでも向上できるように取り組みました。社員それぞれの持ち味を活かし、互いに刺激し合いながら、応対スキルの向上に取り組んでいます。
コンクール参加で応対を振り返り、次に活かす習慣が身につく
電話応対コンクール(以下、コンクール)に取り組んだきっかけと経緯を教えてください。

専務取締役 宮澤 美恵子氏
宮澤専務:コンクールを意識しだしたのは15、6年程前のことです。電話の応対でお客さまに良い印象を与えるにはどうしたらよいかという課題があったので、群馬支部さんを介してプロの講師をお招きし、話し方の癖、トーン、敬語の正しい使い方などについてアドバイスをいただきました。電話応対診断も積極的に活用し、電話応対スキルの向上に関する意識が社内で高まったところで、地区大会へ参加しました。異なる業種の方の応対に触れることでさまざまな刺激を受け、多くの学びを得られたと感じています。ちなみに、2024年度のコンクール地区大会では唐澤が優勝、高橋が準優勝、石﨑が3位入賞という大変うれしい結果につながりました。

高橋 敦子氏
高橋氏:私がコンクールに初めて参加したのは12年前ですが、当初指摘されたのは、語尾伸びと繰り返し使ってしまいがちな言葉の癖についてでした。こうした癖は自身では気づけないため、指摘されてようやく意識するようになったことを覚えています。話す声の大きさや速度、伝えたいことをどう表現するかなどもそうですが、コンクールに挑戦することで、自分の伝え方を振り返って次に活かす習慣が身についたことが大きな収穫でした。最近はZoomなどでの勉強会をほかの参加者の方と一緒に受ける機会が増えています。社内だけの参加の場合は応対が同じような方向になりがちですが、社外の応対を知ることで、「こんな受け止め方があるんだ」「こう返答すると確かにお客さまは安心するだろうな」といった気づきを得ることができます。

唐澤 ひろみ氏
唐澤氏:コンクールに参加して、私も電話応対に対する意識が変わりました。コンクールではさまざまな職種のスタッフを演じることになるわけですが、困っているお客さまに安心していただくため、“ 相手に寄り添う”姿勢を意識するようになりました。また、一つのことを伝えるために何通りもの言い回しがあり、どの表現を選んだかで相手の感じ方や捉え方が変わりますので、その場に応じた言葉づかいで丁寧に伝えるという考え方が身についたように思います。

石﨑 由実氏
石﨑氏:私が常に意識しているのは、また電話したい、来社してみたいと思っていただける応対を目指すということです。その意識を高めるため、毎月1回、社員それぞれが「お客さまに満足していただけたか」「目標を達成することができたか」「成長ができたか」について自己評価を行い、それを基にミーティングで話し合い、共通理解を深めています。また、この点では自分が一番になれるという「社内ナンバーワン」をミーティングで発表する時間があります。これは、「電話を最初に取る」「明るい挨拶をする」「笑顔でお客さまの電話に応対する」「プロとして信頼していただけるよう間違いのない書類作成を行う」など仕事に関することならどんなことでもよいのですが、自身が一番になりたいことを発表するもので、思いを口にすることでモチベーションを持って取り組めるようになってきています。さらに、テレコム・フォーラム誌に掲載されている電話応対技能検定の問題を基にしたクイズに皆で答えることなどで知識を深めています。

電話応対コンクール2024全国大会での競技の様子
宮澤専務:また、企業電話応対コンテストには3年続けて参加しています。普段の応対を直接評価していただけるので、すぐに改善が図れる点が良いと感じています。参加するスタッフは通常業務もある中で大変だと思いますが、そういう時こそ成長できるということも常日頃の様子から実感しています。今後も成果の有無にかかわらず、努力のプロセスから学んだことを大切にし、日々の業務に活かしていければと考えています。
一本一本の問い合わせに細心の注意を払う
最後に、今後の目標について教えてください。

2024年度のコンクール地区大会では、唐澤さん(中央)が優勝、 高橋さん(右)が準優勝、石﨑さん(左)が3位入賞という優秀な成績を収めた
唐澤氏:お客さまの中には、ありがたいことにコンクールに参加するなど電話応対に力を入れている会社だということをご存知の方もいらっしゃいます。ですから、一本一本の問い合わせに細心の注意を払ってお客さまに寄り添う気持ちを維持し、「さすがだね」「感じが良いね」と言っていただける応対を心がけています。

電話応対のミーティングでは自己評価を基に話し合い、共通理解を深める
宮澤社長:話し方にはその人の人柄と教養が滲み出るものです。コンクールに参加し経験を積むことで、何より社員一人ひとりの成長と、会社のイメージアップにつながります。コンクールのために、社員は月1~2回の頻度で進捗状況・共通理解を確認し合う時間を設け、電話問題のロールプレイングを行い、研修会に行って情報共有しています。通常業務と並行してこうした準備や練習を行うことは時間的・精神的・体力的にも負担となるものですが、そのような頑張りも評価しています。これからもこの取り組みを大切にしていきたいと思います。

会社名 | 株式会社コーポレーション宮澤 |
---|---|
創業 | 1987年(昭和62年)2月 |
本社所在地 | 群馬県沼田市東原新町1542-16 |
代表取締役社長 | 宮澤 孝幸 |
事業内容 | 土地・建物の売買・仲介、不動産の鑑定評価とコンサルティングほか |
従業員数 | 5名 |
URL | https://www.c-miyazawa.com/ |
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