電話応対でCS向上事例
-株式会社トヨタレンタリース山形-お客さまの笑顔のために、まず自分が笑顔になる 不安を安心に変える応対を目指して
記事ID:C20082
山形県内16店舗でレンタカー事業を展開している株式会社トヨタレンタリース山形。観光やビジネスで車を利用するお客さまへの応対について、基本的な考え方や取り組みなどをうかがいました。
貴社の概要と電話応対の体制についてお聞かせください。
管理部総務人事グループ
グループ長 漆山 倫久氏
漆山氏:当社はカーリースとレンタカーを主な事業とする企業です。山形市内に本社を置き、山形空港や庄内空港、山形新幹線の主要駅などにある16の店舗でお客さまのニーズにお応えできる体制を整えています。人気の車種としては、ビジネスならC1クラスのコンパクトカー、レジャーでしたらアルファードやヴェルファイアといったワゴンタイプのご利用が増えています。また、法人のお客さまが中心となるカーリース事業では、リース導入が車両管理の事務工数低減や維持費の削減など経営の効率化につながり、そしてビジネスが成功するようにとご提案を進めております。
管理部総務人事グループ
係長 大滝 佳子氏
大滝氏:レンタカーの予約はウェブでも受け付けていますが、今のところ電話のほうが多くなっています。お問い合わせの内容は、季節によってもさまざまですが、冬場は特に不慣れな土地での運転に不安を感じるお客さまが多いので、丁寧な応対が望まれる状況です。店舗のスタッフは、来店対応やバックヤード業務などを行いながら電話応対することになりますので、常に気持ちを切り替えて電話を取るよう心がけています。
渡邉氏:最近は海外から観光で訪れるお客さまも多く、蔵王の樹氷はとくに人気の高いスポットです。雪の降らない地域の方にとって、雪道での運転に不安を感じることもあるかと思いますので、出発の際に道路状況などについてお伝えすることも私たちの大切な役割と考えています。
お客さまから、来店するのが楽しみと思っていただくために
電話応対に関する考え方や取り組みについて教えていただけますか。
代表取締役社長
渡邉 清則氏
渡邉氏:電話応対教育については、研修などさまざまな機会を設けて取り組んでいます。私たちが目指すのは、親切な応対であることです。正しい言葉づかいやスムーズな会話ももちろん重要ですが、ともすれば事務的な応対になりがちです。笑顔が伝わる応対を行うことで一人でも多くのお客さまに、来店するのが楽しみと思っていただけるようになる。それこそが最高の応対ではないかと考えています。
漆山氏:新入社員を対象として、一般的な電話応対とレンタカー業務に関わる応対研修を行っています。さらに、電話応対の技能向上を目的として、レンタカー担当スタッフを対象に、社内での電話応対コンクールを実施しています。集合研修以外ではOJT研修にも力を入れています。新入社員はまず店舗に配属され、現場での業務を体験しながら学びます。例えば、業務と業務の間の空いた時間を使って、店頭応対や電話応対を先輩社員とロールプレイ形式で行うといったことです。誤った言葉づかいや話し方の癖については1~2 回研修を受けた程度ではなかなか改善できないものですが、「今の言葉づかいはちょっと違うね」「語尾が伸びてたよ」といった感じで短くフィードバックしてもらうことで本人の気づきにつながります。こうした地道な積み重ねが効果を上げています。
ユーザ協会の事業をフル活用し、社員一人ひとりの成長を促す
電話応対コンクール、企業電話応対コンテスト、電話応対技能検定を活用した経緯と効果を教えてください。
電話応対のほか来店対応やバックヤード業務までこなす店舗スタッフ
漆山氏:2008年に初めて企業電話応対コンテスト(以下、コンテスト)へ参加しました。その際、課題の一つとして電話の第一声についての指摘がありました。それまでは、「はい、お電話ありがとうございます。トヨタレンタリース山形〇〇店△△でございます」というように長い名乗りをするのが決まりでしたが、評価コメントは「お客さまのニーズに合っておらず、言葉を表面的に発しているだけで感謝の気持ちが伝わらない」というものでした。そこで、名乗りをコンパクトにしつつ、感謝の気持ちは伝えようと考え、取り組みました。すると、「名乗りが良くなった」「元気よく気持ちのいい応対だった」といったように、お客さまからの評判も良くなりました。その後のコンテストのサービス部門での2回の最優秀賞受賞なども、こうした取り組みの結果と考えています。また、電話応対コンクールは2010年から取り組み、県内4つの地区から1~2名ぐらいずつ参加するようになり、4年目で初めて全国大会へ出場者を出すことができました。その後も2016年、2019年、2020年に全国大会へ出場しています。
常務取締役 管理部長
レンタカー事業部長 庄司 俊晴氏
庄司氏:日常業務を行いながらの電話応対コンクールの練習は参加者にとって負担の多いものですが、徐々に周りのスタッフへアドバイスできるようになるなど、自分の電話応対技能の向上が自覚できるといった感想を多くの参加者から聞いています。また、周囲からの親身なアドバイスを受けて参加者のモチベーションが上がるといったように、社内全体で支え合う良い環境ができていると感じています。
渡邉氏:当社では、対面の店頭応対の向上にも力を入れています。コロナ禍以降は休止となっていますが、トヨタ自動車の主催で毎年「トヨタレンタカー店頭対応コンクール」が実施されており、東北代表として全国大会に出場する社員も数名おります。電話応対コンクールもそうですが、こうしたイベントへの参加も重要な学びの機会であり、ほかの方の応対から学んだ社員一人ひとりの成長が、結果的には会社の役に立つものと捉えています。
漆山氏:電話応対技能検定(もしもし検定)については、2015年から取り組みを始めました。2017年11月に企業内導入実施機関の認定を受け、現在、延べで4級109名、3級59名、2級10名、1級3名、指導者級3名といった取得状況となっています。
電話をとることが楽しいと感じる社員を増やしたい
最後に、今後の取り組みや抱負についてお聞かせください。
集合研修やOJT研修でお客さまへの応対を学ぶ
渡邉氏:電話応対は、店頭応対とは違った意味で難しい面があります。心配な気持ちを抱えて電話をかけてくる方に対し、どう応えるか。対面も電話も同じですが、お客さまへの応対で心がけるべきは、不安を安心に変えることです。私がよく言っているのは、「お客さまの笑顔のために、まず自分が笑顔になろう」ということです。我々の仕事は車の販売ではなく移動の道具の提供ですので、お客さまの移動時間が安全で楽しく、快適なものとなるよう、入念に準備し気持ちよく送り出すことが大切です。時々「出発の際に声をかけられ、仕事に向かう励みになった」といったありがたい葉書をお客さまからいただくことがあります。そうしたサービスの在り方が私たちの目指すところであり、そのためにこれからも応対スキルの向上に励んでまいります。
庄司氏:電話応対コンクールの様子を目にする度に電話応対の重要性を感じます。電話応対への取り組みを通じて、企業文化・風土として築き上げてきたものがありますので、それをもっとお客さまに喜んでいただけるものにしていきたいと考えています。
漆山氏:電話応対技能検定(もしもし検定)の社内事務局担当の立場で言いますと、この検定は奥が深く、マナーや電話応対教育のツールとして大変役立つものです。現在、指導者級が3名おりますが、将来的にはそれぞれの地区で常に指導できるよう指導者を増やしていければと思います。
大滝氏:若いスタッフは特にですが、電話応対への苦手意識を持っている人が多いようです。指導する立場になっている私自身、社内研修や電話応対コンクールの参加をきっかけに苦手意識と向き合い、電話応対を前向きに捉えられるようになりました。ですから、電話をとることが楽しいと感じるスタッフが一人でも増えるよう、これからも電話応対教育に取り組んでいきます。
会社名 | 株式会社トヨタレンタリース山形 |
---|---|
設立 | 1967年(昭和42年)7月 |
所在地 | 山形県山形市鉄砲町3-1-33 |
代表取締役社長 | 渡邉 清則 |
事業内容 | レンタカー事業、カーリース事業 事業所数:山形県内4ブロック 16店舗 |
URL | https://rent-toyota.co.jp/ |
〔ユーザ協会会員〕 |
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