電話応対でCS向上事例
-大和ライフネクスト株式会社-「6つの人材ポリシー」を明確に定め、日々の事業活動でそれを実践
記事ID:C20007
“LEAD NEXTYLE(ネクスタイル)~あしたのあたり前を、あなたに。~”を企業ビジョンに掲げ、次世代の新しいライフスタイルの創造に取り組んでいる大和ライフネクスト株式会社。企業ビジョンを実現するために人材育成方針をどのように定め、ビジョン実現に向けどのような工夫をしているのか、執行役員の久保 尊裕氏に話をうかがいました。
“LEAD NEXTYLE”を企業ビジョンに掲げ、次の新しいライフスタイルを創る
事業概要について教えてください。
-
執行役員
ファシリティコンサルティング
事業本部
久保 尊裕氏弊社は創業以来、分譲マンション、賃貸マンション、商業施設、ホテルなどの建物管理サービス、オフィス移転サポートやコールセンター業務などの法人向けサービス、そして高齢者のケア事業など、より豊かな暮らしを支援するサービスを提供しています。2015年に株式会社ダイワサービスと大和ライフネクスト株式会社が合併し、新会社『大和ライフネクスト株式会社(以下、DLN)』として発足しました。
御社の人材育成の方針についてお聞かせください。
現在、社員数は8,000人を超えていますが、その多くが中途採用社員です。日々、入社してくる社員に対して、DLNが現在から未来にわたって実現したい世界観を“LEAD NEXTYLE(ネクスタイル)~あしたのあたり前を、あなたに。~”という企業ビジョンを、基本精神として伝えています(図①参照)。“NEXTYLE”は、“NEXT(ネクスト)”と“STYLE(スタイル)”をかけあわせた言葉で、次の新しいライフスタイルを創っていきたい、リードしていきたいという思いが込められています。そして、このビジョンの実現に向けて進んでいく中で、行動の指針となる『ValueCompass(バリューコンパス)』(図②参照)、そしてその指針を体現できる従業員を育成・創出していくために、必要な制度や環境を整える宣言として制定されたのが、『6つの人材ポリシー』(図③参照)です。ビジョン・指針、そして人材ポリシーは、それぞれ冊子にまとめて配布しています。
図①
図②
図③
『6つの人材ポリシー』は、DLNビジョン実現のために最も重要な資産である「人材」とその力を最大化するための「組織」の考え方をまとめたものです。6つとは、「誠実さの尊重」「多様な人材の活躍を支援」「個人の強みを活かしたチームワークの推進」「プロフェッショナルの育成」「自己実現とチャレンジの機会を支援」「変革リーダーの育成」です。それぞれのポリシーには、DLN人材に求められること、大切にしてほしいことと、そのために会社がどのような支援や環境づくりをしていくのか、その方針が規定されています。企業としては、この人材ポリシーに基づいて、組織・人材戦略を策定し、それを具現化するために必要な施策を取っていきます。具体的には、採用、異動、人材育成、評価、働き方などについて、『6つの人材ポリシー』に基づいて仕組みや制度を定めて、人が成長したり、活躍するための土俵をつくります。従業員一人ひとりは、持てる力を最大限に発揮できる環境で、『Value Compass』を体現することによって、DLNのビジョンである“LEAD NEXTYLE(ネクスタイル)~あしたのあたり前を、あなたに~”の実現を目指しています。
DLNには10代から80代までの多様な人材がいます。職種や働き方はそれぞれですが、ビジョン実現につなげるためのさまざまな取り組みがあります。その一つとして、年に一度『Value Canvas(バリューキャンバス)』という、ビジョン浸透のためのワークショップを実施しています。これは、各事業所に勤務するスタッフが6~7人のチームになって、ビジョンや、『Value Compass』が事業や自分の仕事とどのようにつながっているのかの気づきを得ること、そしてどう体現していくのか具体的にイメージするための研修です。オープンでフラットな社風であるため、日ごろからチームで話し合って業務改善に取り組んでいますが、各自の仕事と会社のビジョンとを結びつける取り組みをすることによって、より一層責任を持って日々の業務に取り組めるようになると思っています。
余談ですが、この本社ビルの建物はとても素敵ですね。
このビルの特徴は、従業員が、本社ビルに帰ってきた時に少しでもほっとできるように、自然の素材をふんだんに使用していることです。また、建物が古くなることはあたり前のことですが、年月を経ても味わいがでること、できるだけメンテナンスコストがかからないことを意識して建てられています。現在、築23年になるのですが、一部の内装に手を加えた程度で、外観や中庭には手を加えておりません。弊社には、様々な事業があり、職種は多岐にわたっていますが、人は一人では働くことができません。様々な現場で活躍している従業員が、本社に来たときに、ふとすれ違うことで自然とコミュニケーションが生まれるような造りになっていると思います。
「企業電話応対コンテスト」では、2017年から3年連続で「理事長賞」「優秀賞」を受賞
御社のコールセンター事業についてお聞かせください。
コールセンターの様子
弊社は、これまでに大和ハウスグループで培ってきた多様な受付業務の経験を活かし、自社のお客さまへの応対だけでなく、さまざまな企業のコールセンター業務を代行しています。最大の強みはコミュニケーション力ですね。『6つの人材ポリシー』にも「プロフェッショナルの育成」とありますが、お客さまからのお問い合わせやご要望の電話には潜在的なニーズや課題が込められていますので、電話応対の専門家として、それらをうまく引き出せるように「聞く力」と「伝える力」を磨くことを大切にしています。具体的には、コールセンターに配属された入社1年目の社員(スーパーバイザー・オペレーター)に『電話応対技能検定(もしもし検定)』の取得を推奨して、基礎的なスキルを身につけられるようにしたり、「クレーム対応研修」や「アンガーマネジメント研修」などの独自の研修メニューを整備してコミュニケーションスキルを高めています。コールセンター業界は、一般的に派遣スタッフをオペレーターとして配置することが多いのですが、弊社はビジョン実現の観点からも直接雇用にこだわっており、約8割を社員が占めています。また、働きやすい環境を整えることにより、業界平均よりも低い離職率を誇っています。その成果は応対品質にもつながっており、『企業電話応対コンテスト』では、2017年から3年連続で、「優秀賞」2回、「理事長賞」1回を受賞し、日本電信電話ユーザ協会からシルバーランク企業※に認定されました。
社会インフラの一環として、コロナ禍など有事の時こそ通常の管理業務を提供したい
最後に、今後の目標をお聞かせください。
コロナ禍において、弊社では、感染予防策を徹底した上ですべての業務を通常どおり継続しました。これは、弊社トップの「社会インフラの一つの機能を担う企業としての責任を果たすのだ」という想いに、マンション管理員などの現場の従業員も含めて全員が全力で取り組んでくれたために、実現できました。コロナ禍でも、日々ゴミ出しは必要ですし、設備の故障なども起こり得ます。管理会社としては、こういう時だからこそさまざまなサポートを通常通り行うことが大切だと思っています。これからも、有事の時にも動じずに従来通りの管理業務を提供し、DLNビジョンに掲げる『あしたのあたり前を、あなたに。』を実現していきたいと思います。
※ シルバーランク企業:企業電話応対コンテストにおいて3年以上連続して優秀賞以上を受賞した企業。
会社名 | 大和ライフネクスト株式会社 |
---|---|
創業 | 1983年(昭和58年) |
本社所在地 | 東京都港区赤坂5-1-33 |
代表取締役社長 | 石﨑 順子 |
資本金 | 1億3,010万円(2020年3月期) |
事業内容 | マンション管理事業、ビル・商業施設等管理事業、建設業、警備事業、貨物利用運送事業、コールセンター事業、損害保険・生命保険代理店事業、ケアサービス事業、天然水宅配事業 |
URL | https://www.daiwalifenext.co.jp/ |
電話応対技能検定実施機関
大和ライフネクスト株式会社
https://www.daiwalifenext.co.jp/関連記事
-
2024.07.25 公開
-株式会社穴吹ハウジングサービス-
24時間365日体制でお困りごとを受け付け自社に加えてグループ企業の総合受付としてコールセンターを運営株式会社穴吹ハウジングサービスは、香川県高松市に拠点を設け、マンションの管理事業...
-
2024.05.28 公開
-株式会社トヨタレンタリース山形-
お客さまの笑顔のために、まず自分が笑顔になる 不安を安心に変える応対を目指して山形県内16店舗でレンタカー事業を展開している株式会社トヨタレンタリース山形。観...
-
2020.02.28 公開
-株式会社CISレジデンス-
スタッフの応対品質を均質化し、CIS(顧客感動満足)を体現する会社にJR八王子の駅前で、11年前から不動産の賃貸仲介・管理の事業を担う株式会社CIS...
-
-
2016.08.26 公開
-萬松寺土地株式会社-
電話応対技能検定(もしもし検定)受検を通じ、その名跡にふさわしい電話応対を実現戦国武将・織田信長の父、信秀が開いた「萬松寺」の不動産管理を担う萬松寺土地株式会...