電話応対でCS向上事例
-医療法人 徳真会グループ-コミュニケーション能力を武器に世界一の歯科医療グループへ
全国に32の大型歯科診療所を展開、海外にも歯科技工の拠点を持つ医療法人徳真会グループは、電話応対技能検定(もしもし検定)と電話応対コンクールで磨いた応対、接遇で世界一の歯科医療グループのさらに先を目指しています。
貴グループの概要について教えてください。
-
▲理事長 松村 博史氏
私どもは今から38年前、新潟県の旧新津市(現新潟市秋葉区)で診療用ユニットわずか3台の歯科として創業しました。当初より患者さん目線の診療を心がけ、できる限り診療時間が長く、休みの少ない歯科を目指しましたが、やはり小さな診療所では限界がありました。そこで、その目標の実現のため、大型の診療所を複数持つグループへ歩みを進めたのです。現在は全国32の直営診療所が、すべて年中無休で患者さんに対応しております。(松村氏)
理事長自ら各診療所に電話をかけ応対品質をチェック
貴グループと電話応対との関わりについて教えてください。
電話は患者さんと診療所をつなぐ、重要なコミュニケーションツールだと思っています。そして、電話との関わりにおいて忘れられないエピソードがあります。開業当時、受付担当のスタッフが非常に優秀で、5~6年来院していない患者さんでも電話で名前を聞くだけで顔や家族構成が頭に浮かぶような人でした。もちろんそれは天性の才能だったと思いますが、誰もがそうした応対ができるべきと考え、教育や指導を続けています。(松村氏)
具体的にどのような指導をされているのでしょうか。
時間の余裕がある時は、私が各診療所に電話をかけ、その応対をチェックします。そして「患者さんはまず電話口の声で診療所の雰囲気を判断する。だから第一声はとても重要だ」と繰り返し説いています。そして、定期的に外部から講師を招き、研修を行っています。応対やマナー以外も含め、研修は年1,000時間にも上ります。(松村氏)
そうした指導、研修を受けられての感想はいかがでしょうか。
-
▲受付 小林 広実氏
この診療所に入るまでは電話応対について全く知識がなく、受け答えも苦手でした。しかし、研修を受けたことで応対の技術が向上し、かつ、どういう気持ちで応対すべきかという心構えまで深く考えることができるようになりました。また入社3年目からは社内の電話応対を指導する立場になったことが、改めて自分の応対を省みて学び直す機会になっております。(小林氏)
-
▲クリニックマネージャー 西山 晶子氏
当初は歯科助手として働き、その後、受付を担当するようになりました。対面での接遇が中心だった助手時代は患者さんの顔色や仕草で心情を判断できましたが、受付を担当することで相手の顔が見えない電話応対の難しさを知りました。研修で「第一声の大切さ」を学び、日々実践しております。(西山氏)
-
▲まつむら歯科新津診療所の受付
もしもし検定で得た知識がさらにモチベーションを刺激
もしもし検定受検のきっかけ、また受検で得たものについて教えてください。
講師からのお誘いで、新潟での電話応対コンクール全国大会を観戦し、その迫力に圧倒されました。ただ、このレベルにいきなり参加するのはハードルが高いと考え、講師に相談したところ、もしもし検定をお勧めいただいたのです。(松村氏)
私は現在3級資格保持者ですが、受検を通じ、相手の気持ちを考えてお話しできるようになりました。また、いくつかお伝えしたいことがある場合、「お伝えしたいことは全部で三点あります。まず一つめは……」というように、分かりやすい話法で話を組み立てられるようになったと思います。(小林氏)
知っているようで知らなかったマナーを基礎から学び直せたことが、大きな糧となりました。また「声に抑揚がなく気持ちが伝わりにくい」など自分自身の弱点も把握できるため、新たな学びのモチベーションになっています。(西山氏)
今年から電話応対コンクールに参加されています。手応えはいかがですか。
内部での研修にはやはり限界があります。自分たちの本当の力を知るには、他企業・組織の応対レベルを学ぶための“他流試合”が必要です。今回、コンクールに参加し、地区大会奨励賞をいただいたことで、まずその目的は達成できたと思っています。またその受賞により、今後も挑戦したいという意欲がグループ全体で盛り上がっています。(松村氏)
歯科への“常識”を打ち破り世界に羽ばたく人材を
今後の目標について教えてください。
私たちは「世界一の歯科医療グループ」を目指しています。しかし、それは通過点で、その先に「世界でもっとも優れたヒューマンカンパニー」という目標を置いています。歯科という、患者さんに電話や対面で接する業務を通じ、高いコミュニケーション能力を持つスタッフが育ち、そのスタッフが社内アントレプレナー(起業家)として新事業を立ち上げ、拡大していくことが私の夢です。世間にある「歯科診療所というもの」への固定観念を取り払い、世界に羽ばたく人材を育成したいのです。もしもし検定や電話応対コンクールは、そうした人材を育む素晴らしい場になると思っています。今後とも協会にはご指導をよろしくお願いします。(松村氏)
組織名 | 医療法人 徳真会グループ |
---|---|
創業 | 1981年(昭和56年)4月16日 |
本社所在地 | 新潟県新潟市秋葉区美幸町3-2-25 |
理事長 | 松村 博史 |
診療科目 | 歯科 |
URL | http://www.tokushinkai.or.jp/ |
電話応対技能検定実施機関
株式会社マナフィス
http://manafis.com/関連記事
-
-
2020.07.28 公開
-エレクタ株式会社-
がんを治療する放射線治療機器メーカーとして、医療関係者の困りごとを一刻も早く解決したい1993年に日本法人を立ち上げ、がんの放射線治療に関わる機器・サービスを提供して...
-
2020.06.25 公開
-社会医療法人 孝仁会 釧路孝仁会記念病院-
「誰もが安心できる医療」実現のため、電話応対技能検定(もしもし検定)を導入病院にかかる患者さんにとって、窓口や電話での応対は病院の印象を左右します。また安...
-
2019.08.15 公開
-株式会社サノ・ファーマシー-
おもてなしの心が込もった応対で信頼を獲得し、お客さまの健康生活を支援秋田県秋田市に本社を置く株式会社サノ・ファーマシーは、県内外に佐野薬局など多数の...
-
2018.12.25 公開
-株式会社ファルマ-
優れた応対、接遇により、患者さまの抱く不安や悩みを察知してサポート調剤薬局を運営する株式会社ファルマは、患者さまが心を開き、打ち明けにくい身体の悩...
- 電話応対でCS向上コラム(303)
- 電話応対でCS向上事例(251)
- 金融業,保険業(46)
- 学術研究,専門・技術サービス業(1)
- 生活関連サービス業,娯楽業(12)
- 医療,福祉(13)
- 製造業(33)
- 情報通信業(16)
- 卸売業,小売業(25)
- 不動産業,物品賃貸業(6)
- 宿泊業,飲食サービス業(10)
- 教育,学習支援業(17)
- サービス業・その他(50)
- 座談会(1)
- 電話応対品質向上委員会(4)
- 建設業(5)
- 電気・ガス・熱供給・水道業(5)
- 運輸業,郵便業(7)
- ICTコラム(120)
- 企業ICT導入事例(175)
- ICTソリューション紹介(83)
電話応対でCS向上事例 新着記事
-
-学校法人 国際総合学園 国際ビジネス公務員大学校-
実社会に貢献するスペシャリスト育成のため電話応対の極意を学ぶ -
-指導者級資格保持者のための品質向上研究会レポート-
人生の豊かさにつながる「言葉のチカラ」、相手に「幸せを届けるツボ」とは -
-株式会社穴吹ハウジングサービス-
24時間365日体制でお困りごとを受け付け自社に加えてグループ企業の総合受付としてコールセンターを運営 -
-オタフクソース株式会社-
CTI・CRMシステム、AIとFAQサイトの充実で食を通じて「笑顔があふれる社会」に貢献する -
-トヨタモビリティ東京株式会社-
コールセンターは自動車販売の「守り」をサポート トヨタ系販売会社を牽引するフロントランナーとして働き方を改革