電話応対でCS向上事例
-株式会社アワーズ-テーマパークに欠かせないゲストのワクワク感を醸成するための電話応対や接客を追求
記事ID:C20079
株式会社アワーズは、和歌山県白浜町にあるテーマパーク「アドベンチャーワールド」を運営する企業です。同社の電話応対や接客に対する考え方や取り組みについて、話をうかがいました。
事業概要と電話応対の体制をお聞かせください。
統轄部総務課
アシスタントセクションマネージャー
出口 貴之氏
出口氏:当社は1978年に和歌山県白浜町に開園した動物園、水族館、遊園地を併せ持つテーマパーク「アドベンチャーワールド」を運営しています。電話については、ナビダイヤルと本社の代表電話があり、それぞれ総務課で応対しています。ゲストからのお問い合わせは、営業時間や休園日・入園料をはじめ、アトラクションやパーク、ゲストが参加されるツアーなど多種多様です。さらに、お取引先企業からの連絡やパーク内の飲食店や土産物店のスタッフへの連絡など、多岐にわたります。電話以外のサポートツールとしては、ウェブサイトにAI チャットボットを設置し、目的別のFAQ をご用意しています。ナビダイヤルは、 24時間音声ガイダンスで対応しており、ご希望のゲストにはスマートフォンのショートメッセージで情報をお届けしています。それらのツールをご用意したことで、以前は連休前の繁忙期に殺到していた電話のお問い合わせが、幾分減少された印象があります。
電話応対時からゲストにワクワクしていただきたい
電話応対に対する考え方や取り組みについてお聞かせください。
パークを楽しんでいただくため、事前のお問い合わせで気がかりな点を解消してもらえるよう対応
出口氏:当社は、企業理念として「こころでときを創るSmile カンパニー」を掲げています。これは、思いやり・素直・前向きという3つのこころを持ち、Smile(しあわせ)を実感できる“とき”の創出を目指すというもので、その創出する付加価値= Smile は社員のSmile、ゲストのSmile、社会のSmile という3つのSmileに集約されています。ですから、アドベンチャーワールドに来園されるゲストに対しては、電話でお問い合わせいただく時から、ワクワク感を提供したいという思いがあります。気がかりな点が解消され、安心した状態でご来園いただき、パークで大いに楽しんでいただくというイメージです。電話の件数は、繁忙期となるゴールデンウイークや夏休みなどの長期休暇の前に増加する傾向があります。社内研修としては、新入社員研修に加え、繁忙期の長期休暇の前に、全社員を対象に接客研修を行っています。この研修は、言葉づかいや挨拶についてあらためて確認するとともに、季節ごとのイベント情報などを共有する目的で行っています。
接客に関わる部署の若手を中心に2016年度から電話応対コンクールに参加
電話応対コンクールに対する取り組みと成果を教えてください。
営業課での電話応対。総務課と営業課から毎年3、4名が電話応対コンクールに参加している
出口氏:電話応対コンクール(以下、コンクール)には、2016年度から毎年3、4名が参加しています。ここ数年は電話応対を行う総務課と窓口業務を行う営業課から、若手を中心に立候補者を募っています。コンクールに参加した理由は、他社と応対の良し悪しを競い合い優勝を目指すという方向ではなく、現状の電話や接客の技量がどういった評価を受けるものなのかを把握することが目的でした。
統轄部総務課 伊豆 雅世氏
伊豆氏:私自身、コンクールには2回参加しています。初回は参加することに対して多少戸惑いがあったのですが、周りに励まされて出場したのを覚えています。あまり練習時間も取れない中でしたが、地区の大会に進むことができて、とても良い経験になりました。2回目は、初参加の後輩にコンクールの経験を教えてほしいと誘われて参加しました。コンクールの経験者に模擬応対の練習に参加してもらったり、総務課と営業課が合同で練習したりといったように、目的に向かって皆で力を合わせて挑むところが個人的には好きです。また、他社の優れた応対を目にすると、圧倒されつつ非常に刺激を受けます。どうしたらこのような物腰が柔らかくて聞き取りやすい応対ができるのか、自分を見つめなおすきっかけになりますね。
社内の「接客コンテスト」で接客品質を向上し続ける
最後に、今後の取り組みについてお聞かせください。
パークについての問い合わせを受け付ける総務課
出口氏:当社では、毎年社内で「接客コンテスト」というイベントを開催しています。この取り組みは、入園されるゲストに、より“楽しいとき”を提供するべく、スタッフの個性を活かした接客品質を上げることを目的に当社のサービス向上委員会の主催で行っているものです。各部署から数名の代表者が出場し、社員がゲストの役になって接客や電話応対を行い、審査員はその場でフィードバックを行います。この取り組みは今後も続けていき、接客の品質向上を図っていきたいと考えています。また、電話応対コンクールについても、いつか弊社から全国大会に出場する社員が出てくることを願ってます。
特に繁忙期の前に行うことの多い接客研修
伊豆氏:社内の「接客コンテスト」の電話応対では、ゲストから「雨の日はどうしたら楽しめますか」という質問に答えるという設定がありました。「この施設やあのアトラクションをこう回って行くと楽しめるのではないでしょうか」というようなご提案をするわけです。課題はくじ引きで決まるため、準備はできません。その場でいかに答えるかという、日頃の接客の成果が問われます。パーク内での接客に関しては、基本的に丁寧な言葉遣いを心がけていますが、ついお話が盛り上がってしまうと、方言が出たりすることもあります。とはいえ、丁寧過ぎて堅苦しくなるよりは、身振り手振りを交えながらゲストに親しみを感じてもらえるような接客を目指しています。施設の場所を聞かれて説明しにくいケースなどでは、ゲストさえ良ければ一緒に途中まで案内することもあります。また、私はパーク内でゲストに声をかけられた時は、第一声を明るくはきはきと「はい!こんにちは」と答えることも意識しています。ぼそぼそ話すと、ゲストの気分も沈みがちになりそうですので、ワクワク感を持っていただくためにも、これからも常に心がけていこうと思います。
会社名 | 株式会社アワーズ |
---|---|
設 立 | 1977年(昭和52年)9月 |
開 園 | 1978年(昭和53年)4月 |
本社所在地 | 大阪府松原市丹南3丁目2番15号 |
代表取締役会長 | 山本 良継 |
代表取締役社長 | 山本 雅史 |
事業内容 | 動物園、水族館、遊園地及び博物館の経営、飲食店及び売店の経営 |
URL | https://www.ms-aws.com/ |
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