電話応対でCS向上事例
-中部国際空港旅客サービス株式会社-年間1,200万人の旅行客のお問い合わせに「笑顔」と「笑声」で寄り添い、世界一の空港スタッフを目指す
「愛・地球博」の開催と同じくして、2005年2月17日に開港した中部国際空港(通称セントレア)。年間1,200 万人超が訪れるこの空港で、旅客案内や免税店などの店舗運営、損害保険代理業などを行う中部国際空港旅客サービス株式会社は、電話応対技能検定(もしもし検定)や電話応対コンクールを通じて、対面での接客だけでなく、電話応対でも「World’s Best Airport Staff(世界一の空港スタッフ)」を目指しています。
始めに、御社の事業概要について教えてください。
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▲顧客サービス部 案内グループ リーダー 今井 由夏氏
弊社内には、案内所やテレフォンセンター、空港ラウンジの運営を管轄する「顧客サービス部門」のほかに、免税品の販売や、出発ロビー売店などを管轄する「販売部門」、店舗で販売する商品の管理や物流を管轄する「商品管理部門」と総務・教育・人材開発などの「事務部門」があります。私たち「顧客サービス部門」は、100名前後のスタッフが中部国際空港を訪れるすべてのお客さま対応の担い手としてシフト勤務で働いております。お客さまサービスの最前線として案内所やテレフォンセンターで、空港全体のお問い合わせにお応えしています。(今井氏)
御社における接客応対業務について詳しくお聞かせください。
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▲鹿児島センター部 第二コンタクトセンター室 スーパーバイザー 寺井 里美氏
まず、案内所は、空港第1、第2ターミナルと名古屋鉄道「中部国際空港駅」の改札口前、中部国際空港に併設されているテーマパーク『フライト・オブ・ドリームズ』内を合わせて9ヶ所あり、テレフォンセンターを合わせると10ヶ所です。各窓口とも2~3名で担当しており、各窓口によって対応の特徴は異なりますが、どの窓口でも臨機応変に適切なお客さまサービスに努めています。(今井氏)
館内各フロアにある案内所では、ご利用便のお問い合わせ、週末のイベントや空港に直結している国際展示場、お食事店舗のご案内など、空港に関するあらゆるお問い合わせにお応えしています。また、お客さまから近隣の観光地を聞かれたり、荷物の破損があった場合に各航空会社へ取り次ぐなど、多種多様な対応を行っています。空港に関わる“お客さまの困りごと”に寄り添って、お客さまが安心して空港を利用できるような接客に努めています。(寺井氏)
海外からのお客さまにもできる限り母国語対応で安心感・親近感を心がけ、笑顔とアイコンタクトで接客
海外のお客さまにはどのように対応されていますか。
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▲顧客サービス部 案内グループ 若杉 佳奈氏
原則は英語で対応、スタッフによっては中国語・韓国語なども交え、中部地方の玄関口として国際的なサービスに努めています。語学の得意不得意は多少ありますが、訪日のお客さまが増えるにつれてタイ語やベトナム語などでの対応も増えてきており、必要に応じて翻訳ソフトも活用しながら「和のおもてなし」を実現しています。お客さまに寄り添った接客をするためにどの国の方にも、最初にアイコンタクトを取って、笑顔でお話しするようにしています。(若杉氏)
ほかに、接客スキル向上のために取り組んでいることを教えてください。
毎朝、部門内で行う打ち合わせの後に、対面でマナーについてのロールプレイングを行っています。朝はなかなか笑顔が作りにくいので、お互いに表情が硬くないかなどを確認して、笑顔で案内所に立てるように意識しています。持ち回りで担当する教育リーダーがその月のテーマを決めるのですが、今月は「笑顔を作る」がテーマです。基本的な部分からコツコツと積み上げていくことが大事だと思っています。(若杉氏)
電話応対のレベルチェックを目的に電話応対技能検定(もしもし検定)を導入
御社で、もしもし検定に取り組んだ経緯を教えてください。
弊社には電話応対専門のコミュニケーターがおりませんので、電話でのお客さま応対が他社と比べてどのレベルなのか、世の中の常識に沿っているのかということが気になっていました。また、内製で行っている電話研修が実践の場で役立つのかを評価することも目的の一つでした。現在はもしもし検定、電話応対コンクール、企業電話応対コンテストの三つを活用していますが、特に、もしもし検定によって“スタッフの電話応対スキルを見える化”したかったことが大きな動機です。もしもし検定には2年ほど前から取り組み、4級からスタートし、次のステップとして3級取得、スペシャリストの育成も視野に入れています。今年は、3級資格保持者も増えてきました。(今井氏)
電話でも「笑声(えごえ)」で話せるよう、電話機の前に鏡を置いて笑顔を意識
日々の電話応対において意識されていること、取り組んでいることを教えてください。
電話応対でもやはり第一印象は大事ですので、できるだけ「笑声」(声から笑顔が想像できるような声)で話すことを心がけています。声には表情が反映されますので、実際に、テレフォンセンターの電話機の前に鏡を置き、自分の表情を確認できるようにしています。(寺井氏)
社内研修では、実際に行われた電話応対の録音テープを先輩が聞き、チェックリストのすべての項目が〇になるまで挑戦する、ということをしています。チェック項目は、自分の弱点を強みに変えるために、声のトーンの高低や、オープニング・クロージングトーク内容、クッション言葉の選び方、など各自が独自の目標を設定しており、それぞれが苦手な分野を克服するのに役立っています。(今井氏)
もしもし検定、電話応対コンクールを活用し、World’s Best Airport Staff を目指す
2019 年に電話応対コンクールへ初めて参加されたとのことですが、成果はありましたか。
対面の接客と電話応対では勝手が異なるので、電話応対コンクールに出場したことで、電話で話す場合における声の抑揚のつけ方や敬語の使い方、クッション言葉の選び方が変わってきたと思います。例えば、「恐れ入ります」などのクッション言葉を使うだけで、お客さまが受ける印象が大きく変わることが分かりました。もともと電話に苦手意識があったので、電話応対コンクールの前から緊張していたのですが、事前の研修会で、講師から「明るい印象が良い」とほめてもらったことで、日々の電話応対でも自信を持って話せるようになってきました。(寺井氏)
今後の目標をお聞かせください。
もしもし検定及び電話応対コンクールは、今後も一人でも多くのスタッフを受検させたいと思っています。さまざまな国籍のスタッフが同じレベルの接客応対ができることが重要と考えていますので、中国、韓国、台湾、フランスなどの国籍のスタッフも受検するよう準備を進めています。当空港は、開港当時から一貫して『CS(カスタマーサティスファクション)世界No.1空港』という全社スローガンを掲げており、顧客サービス部では『World’s Best Airport Staff(世界一の空港スタッフ)』を目標にしています。スタッフには、お客さまから「あなたでなければ」と言われる接客を目指すように伝えていますので、各自の得意分野を伸ばし、苦手分野のスキルをアップすることに取り組んでいきたいですね。(今井氏)
会社名 | 中部国際空港旅客サービス株式会社 |
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設立 | 2003年(平成15年)5月1日 |
本社所在地 | 愛知県常滑市セントレア一丁目1番地 第2セントレアビル3階 |
代表取締役社長 | 犬塚 力 |
資本金 | 5,000万円 |
事業内容 | 旅客案内および直営商業店舗運営事業、損害保険代理業など |
URL | https://www.centrair.jp/ |
電話応対技能検定実施機関
公益財団法人日本電信電話ユーザ協会 愛知支部
https://www.pi.jtua.or.jp/aichi/関連記事
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