電話応対でCS向上事例

-株式会社ティア-
お客さまの心に寄り添う電話応対で、心に残る“お別れ”の実現を

全国に葬儀会館を展開する株式会社ティアは、コンタクトセンタースタッフ全員に「電話応対技能検定(もしもし検定)2級以上の取得」を義務づけ、家族の危篤やお別れに心を痛めるお客さまに、心のこもった応対で接しています。

事業概要について教えてください。

  • ▲葬祭事業本部 会員課 藤原 真也氏

     私どもは愛知県を中心に、全国の直営、フランチャイズを合わせて約100店舗の葬儀会館を展開する葬祭事業者です。お客さまからのご依頼により、葬儀・法要などを執り行うことが事業の中心となります。(藤原氏)

  • ▲葬祭事業本部 会員課 髙橋 真子氏

     現在は、葬儀についての考え方が多様化しています。私どもでは、幅広いお客さまの要望に応えるべく、終活&家族葬セミナーのほか、ランチセミナーや相談会などのイベントでお客さまとの距離を縮め、さまざまな声をいただくようにしております。(髙橋氏)

電話の声色や雰囲気から状況を察し、寄り添う応対を

事業と電話との関係について教えてください。

 ほぼすべてのお客さまとのファーストコンタクトは電話によるもので、これはほかの業種との大きな違いだと考えております。その電話も、チラシなどを見てお問い合わせいただく場合もあれば、お客さまの家族が危篤状態になり、葬儀の相談をしたいという切羽詰まったものもあります。(髙橋氏)

 葬儀の際には、私どもの各会館に多くの方が参列されます。私どもティアのフリーダイヤルは愛知県を中心に全国からのお問い合わせを受け付けております。葬儀会館の場所、交通機関などについてのご質問にもお答えしています。(藤原氏)

電話を受けるにあたり、どのようなことに気を配っていますか。

 「明るく元気良い第一声」は、他業種のコールセンターにおける応対と相違ありません。しかし、お客さまが発する言葉と声の雰囲気などから瞬時に状況を察し、気持ちに寄り添う応対が求められます。例えばイベントのお問い合わせであれば、第一声のトーンでそのまま話を続けます。しかし、お身内の方の容態や葬儀相談に関することであれば、トーンを落として「ご心配でございますね」と続け、共感の部分を強くしていきます。(髙橋氏)

導入からわずか1年で9名がもしもし検定2級に合格

これまでに電話応対でどのような課題がありましたか。

 私は葬祭ディレクターとして葬儀の現場で働いたのち、2年ほど前にコンタクトセンターに配属となりました。当時は応対マニュアルや研修も整備中で、スタッフそれぞれが自分のやり方で電話に応対しており、品質の統一ができていませんでした。(髙橋氏)

その課題をどのように克服したのでしょうか。

 まず、マニュアルを作成しました。作成にあたっては、自分が現場で働いた経験を活かしつつ、「お客さまにどのようなことをうかがい、現場と共有すれば良い葬儀ができるのか」を重視しました。マニュアルの内容は、葬祭業の経験を持たず、入社してくる新人に合わせ、すぐ仕事が覚えられるよう配慮しました。そして、マニュアルを整備する一方でコンタクトセンタースタッフや夜勤スタッフにも電話応対を指導しました。自分の親世代に相当する年齢のスタッフもいることから、当初はやや戸惑いもありましたが、「お客さまにとって大切な家族の葬儀を承るのだから、ミスは許されない」という厳しい気持ちで接しました。(髙橋氏)

 応対品質の向上を目指して、もしもし検定を導入し、電話応対コンクールへも出場しました。コンタクトセンターのスタッフには2級の合格を義務づけましたが、導入から1年で17名のうち9名が2級合格、新人も含め残り8名が3級合格という、しっかりとした手応えを感じています。(藤原氏)

ほかに組織的なレベルアップへの取り組みはありますか。

 スタッフ一人ひとりに得手不得手はありますし、新人も成長のスピードは人それぞれです。そこで基本的にはマンツーマンでの指導を重視しています。具体的には応対をモニターし、苦手と思えるところを指摘し、強化しています。(髙橋氏)

来期には受電エリアを全国エリアに拡大しコンタクトセンターの体制を一新

今後の目標について教えてください。

▲オフィスの様子

 電話応対コンクールへの参加で、他社のレベルの高さを知るとともに、自分たちはまだまだ伸びる余地があると実感できました。まずは愛知県大会の上位入賞、さらには全国大会への出場を目標にしたいと思います。また、来期にはコンタクトセンターの体制を一新し、受電エリアを現在の愛知県エリアだけでなく、全国エリアに拡げ、全国からのお問い合わせに対応することを考えております。もしもし検定受検と電話応対コンクール参加の経験を活かし、これまで以上に応対品質を高め、会社の知名度も全国エリアに拡げていきたいです。(髙橋氏)

 電話でのファーストコンタクトが、葬儀全体の印象を大きく左右します。コンタクトセンターの品質をさらに向上し、お客さまの心に残る葬儀になるよう、頑張っていきたいと思います。(藤原氏)

日本電信電話ユーザ協会へご意見、要望があれば教えてください。

 もしもし検定の受検は、スタッフ各自が電話応対のあり方を真摯に考えるきっかけにもなりました。学んだことをしっかりとお客さま応対に反映させ、一人でも多くの方に「ありがとう」と言っていただけるよう、これからも取り組んでいきます。(髙橋氏)

会社名 株式会社ティア
創業 1997年(平成9年)
本社所在地 愛知県名古屋市北区黒川本通三丁目35番地1
代表取締役社長 冨安 徳久
事業内容 葬儀施行全般や各種法要の請負。葬儀施行後の遺族の相談内容に応じたアフターフォロー。フランチャイズによる葬儀会館の運営及び葬儀ビジネス参入提案、ノウハウ提供など
URL http://www.tear.co.jp/

電話応対技能検定実施機関

株式会社ハーモネット

http://www.harmonet-corp.jp/

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