電話応対でCS向上事例
-株式会社北海道日本ハムファイターズ-外部委託していたコールセンター機能を内製化し、さらなるCS向上へ
株式会社北海道日本ハムファイターズは、コールセンター内製化により目指すべきCS のゴールを明確化、合わせて電話応対技能検定(もしもし検定)による応対品質向上も達成しました。
事業概要について教えてください。
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▲事業統轄本部
お客様センター長
高田 恵子氏私たちは2004年、北海道に誕生したプロ野球球団、北海道日本ハムファイターズの興行を事業の軸とする会社です。また企業理念に掲げる『SportsCommunity=スポーツと生活が近くにある社会』の実現を図るため、ベースボールアカデミーやダンスアカデミーなどを含む地域社会への貢献を目指す活動も行っています。当球団はレギュラーシーズンだけでも70試合近く、2016年のようにクライマックスシリーズ・日本シリーズまで進めば80試合近くの主催試合を開催することとなります。ファンの皆さまの熱いご声援、ならびにメディアの方々のご協力のおかげで、地域密着型の盛り上がりを実現していると感謝しています。(高田氏)
「ファンの皆さまの声をカタチ」にするためコールセンター内製化を決断
誕生以降の御社の成長と電話応対との関わりについて教えてください。
当初はファンの皆さまからのお電話を、職員がそれぞれの業務をこなしながら応対していました。ところが応対品質にばらつきがあったほか、担当分野による知識の違いでご満足いただける回答までにお時間をいただいてしまったり、情報の共有と集約ができないことなどが課題として浮かび上がってきました。またお電話にはきちんと応対したいが、限られたスタッフと業務時間とのバランスを考える必要もありました。そこで2007年より、応対品質の一定化を目的として代表電話を一本化し、外部委託することにしたのです。(高田氏)
現在はその方針を改め、電話応対を再び内製化されているとのことです。どういった経緯があったのでしょう。
外部委託先とは試行錯誤を重ね、最終的に一定の水準をクリアするレベルになっていました。しかしその一方で「委託元と委託先」という関係から、互いのマイルストーンやゴールの共有に難しさが出てきていました。そして2014年、お客さまの声をさらに身近に受け止め、事業ともより深く連携するため、コールセンターの内製化へ踏み出したのです。(高田氏)
内製化で“甘え”を排除、風通し良い職場での情報共有を達成
この内製化に向けての具体的な流れについて教えてください。
委託先と当社の行動指針である『Fan Service1st』を具現化するために、お客様センターのあるべき姿を題材として、再び内製化に至るまで話し合いを重ねました。一定の質を保つため、引き続き働きたいと言ってくれた委託先スタッフは移籍する方向で調整しました。さらにお客様センター全体のベースアップを目的に電話応対経験の豊富な派遣社員も配置することで、これまでのノウハウの蓄積を生かしつつ、組織的な応対品質の向上も図りました。(高田氏)
内製化により、どのような変化が生まれましたか。
これまでは互いの顔が見えないことによる温度差や、別会社であるということでの一種の“甘え”もあったと思います。しかし内製化することで全員が同じフロアで顔をつき合わせるようになり、良い意味での緊張感と一体感が生まれ、情報共有や回答の迅速化につながりました。必然的にお客さまへの応対品質はよりスムーズに、より高品質になったと思っており、2016年にはHDI※-Japanお問合せ窓口格付け調査において最高評価の三つ星を獲得することができました。(高田氏)
日本ハムが実施機関になり、もしもし検定受検が現実化
もしもし検定の導入について、その動機などを教えてください。
これはニッポンハムグループ全体での電話応対品質向上への取り組みと大きく関連します。シーズン中は札幌ドームの試合開催日は土日も稼働しておりシフト勤務となっている弊社お客様センターでは、研修・受検にまとまった時間を要するもしもし検定に、全員が足並みを揃え臨むことは困難でした。しかし、2014年に日本ハム株式会社お客様サービス部がもしもし検定実施機関の認定を受けたことで、シーズンオフの土日に大阪から社内講師を招き、受検することが可能になりました。グループ全体に案内があり、早速導入に踏み切りました。(高田氏)
もしもし検定の効果についてはいかがでしょうか。
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▲コールセンターでは月に6,000~9,000件の電話に応対
もしもし検定は2015年・2016年の年初、オフの間に受検し、4級・3級に全員が合格しました。全員が電話応対のベテランではありますが、正しい言葉の使い方、気持ちが伝わるイントネーション、さらにはビジネスマナーなどをあらためて学べたことは大きいと思います。また受検という共通目的を持ったことで、ミーティングでは同じ目線で積極的なディスカッションができるようになるなど、電話応対以外の部分でも効果が表れています。(高田氏)
理想は上位資格保持者による社内で完結する育成システム
今後の目標について教えてください。
さらに上の級を取得したいという声が現場から上がれば、応えていきたいと思います。組織的な観点からも、上位級の有資格者をリーダーとして育てることは全体の応対力の底上げにもなります。ただ上位級の受検は多人数の同時受検とはいかず、受検者がいる都度、大阪から講師を派遣することは難しいことも認識しており、検討課題の一つです。弊社内に指導者級資格保持者が育てば、人数や環境にとらわれず、研修も日常業務に並行して実施するなど社内完結できるメリットもありますが、それにはまだ時間がかかりそうです。(高田氏)
日本電信電話ユーザ協会に期待することはございますか。
弊社の場合、短いシーズンオフの間にしか受検することができず、ユーザ協会の指定日での受検が叶わないことが残念です。例えば月に複数回の受検日があれば、受検に向けてのモチベーションも上がりますし、これから上位級を目指す上でも、より柔軟に取り組めるはずです。ぜひご検討をお願いします。(高田氏)
※HDI(Help Desk Institute):サポートサービス業界の国際機関であるヘルプデスク協会。HDIの定めたサポートセンターの品質を認証する国際標準に基づいて、企業の問合せ窓口を「三つ星」から「星なし」の4段階で格付けする。
会社名 | 株式会社北海道日本ハムファイターズ |
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設立 | 2003年(平成15年)8月 |
本社所在地 | 北海道札幌市豊平区羊ヶ丘1 |
代表取締役社長 | 竹田 憲宗 |
資本金 | 2億円 |
事業内容 | プロ野球球団の運営 |
URL | https://www.fighters.co.jp/ |
電話応対技能検定実施機関
日本ハム株式会社
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