電話応対でCS向上事例
-ワタミ株式会社-電話での「あたたかみ」を目指して、コールセンターのスキルアップと均質化を達成
管理栄養士が考えるバランスのとれた日替わり弁当などをお届けする「ワタミの宅食」。中でもお客さまの電話に応対するコールセンターは、重要な部署といえます。その応対品質の向上を図るため、ワタミ株式会社ではさまざまな取り組みを進めています。
御社の沿革について教えてください。
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▲営業本部
宅食営業推進部
長崎受付センター
陸前高田受付センター
センター長
天野 泰至氏「弊社の宅食事業は、長崎県で創業した日替わり弁当の宅配会社『株式会社タクショク』が前身です。このタクショクが、ワタミの創業者である渡邉 美樹氏とつながるご縁があり、2008年にワタミグループ入りし、『ワタミタクショク株式会社』となって、全国展開を始めました。その後、2015年12月に現在の『ワタミ』となった次第です」(天野氏)
御社のサービスは、どのようなものですか。
「弊社は、塩分・カロリーなどが異なる日替わり夕食弁当・お惣菜を4種類用意し、週5日、地域によっては週7日、ご自宅にお届けします。お客さまはご高齢の単身者やご夫婦が中心です。コールセンターではこうしたご注文の受け付けと、テレビCMなどで興味を覚えた方からのお問い合わせに対応します」(天野氏)
営業エリアの拡大にともない、コールセンターを設置
コールセンターのこれまでの歩みを教えてください。
「タクショク時代は、各地の営業所の内勤スタッフが注文を受け付ける体制をとっており、それはワタミタクショクにも引き継がれました。しかし営業エリアが拡大するにつれ、その体制では一定のサービスを提供できない状況になっていきました。そこで長崎県にコールセンターを設立しましたが、当時の弊社にはコールセンターでの勤務経験がある社員はおらず、オペレーターとして入社したパート社員に受注の手順など最低限必要な指導を行うだけでした。とにかく間違えないことに精一杯で、電話応対品質については至らない点がありました」(天野氏)
CSや応対品質向上に向けての意識づけは、どこから始まったのでしょう。
「きっかけは、2012年2月、ここ陸前高田市に二つ目のコールセンターを設置したことです。ワタミタクショク株式会社(当時)は、東日本大震災で大きな被害を受けた陸前高田市の雇用創出を目的の一つとして、二つ目のコールセンターをここに設けました。2拠点でお客さまのご注文をお受けする体制が整ったことで、『コールセンターはどうあるべきか』について、より深く考えるようになったのです」(天野氏)
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▲「まごころおかず」イメージ
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▲「まごころ御膳」イメージ
応対スキルの向上と均質化のために「電話応対技能検定(もしもし検定)」を活用
そこからの取り組みの内容について、教えてください。
「まず目指したのは電話での『あたたかい応対』です。弊社の特徴は、お弁当を宅配する『まごころスタッフ』が毎日同じお客さまにお弁当をお届けするという、人と人との“つながり”を大切にしたサービスです。この“あたたかみ”を、コールセンターでもご提供すべきと考えたのです。ただ、弊社内には電話応対について専門知識を持つ者がいなかったため、日本電信電話ユーザ協会に相談しました。ここで『もしもし検定』のことを知り、まずは社員の受検と資格取得を目指しました。現在もコールセンターに関わる社員全員の3級合格と、可能な限りの2級合格を目指しています」(天野氏)
「もしもし検定」を導入したことで、どのような効果が見られましたか。
「特に大きかったのは、モニタリングへの効果です。かつては初期の研修終了時にモニタリングを行っていましたが、その後のフォローが不足していました。電話応対見直しの一環としてあらためてモニタリングを導入したのですが、当初は指導する側のスキルが不足していました。しかし『もしもし検定』の合格者がモニタリングにあたり、一つひとつの指導にきちんとした理由を説明できるようになりました。これで応対スキルの底上げと均質化が達成できたと思っています」(天野氏)
▲壁に掲示されている「あたたかい応対」を目指したスローガン
コールセンターの弱点克服には「電話応対診断」が大きな効果
「電話応対コンクール」「企業電話応対コンテスト」「電話応対診断」も、採り入れています。
「いいものは全部採り入れたいという考えからです。特に『企業電話応対コンテスト』では、コールセンターがお客さまの注文をうかがうことにこだわり過ぎ、サービス内容や利用のメリットなどへの問いにうまく答えられないという弱点が浮き彫りになりました。この点については、『電話応対診断』でコンテストと同じ基準で何度も繰り返し評価いただくことで、弱点の克服に大きな効果を発揮しています」(天野氏)
現在、コールセンターでの応対は、どのようなところに気を配っていますか。
「より“聞き上手”になり、お客さまのご要望をしっかり理解することです。また弊社のサービスはやや複雑で、単なる“出前”と思ってお電話くださる方もいらっしゃいます。そうした場合にもサービスの内容を説明し、もし興味をお持ちいただければ『まごころスタッフ』が説明にうかがうという流れにしたいと考えています」(天野氏)
最後に、日本電信電話ユーザ協会に対して、何かご要望はありますか。
「協会のご指導により、コールセンターのあるべき姿が明確になりました。コンクールの全国大会見学は、さらなる努力へのモチベーションとなりました。また研修などを通じ、異業種のコールセンターの方々とも交流が生まれ、そこからすぐれた応対技術を学ぶ機会も増えています。今後は、社内でオペレーターの指導にあたる社員向けに、より良い指導法の研修などをご用意いただければと思っています」(天野氏)
▲働きやすい環境と評判、地元の主婦が活躍する陸前高田市のコールセンター
会社名 | ワタミ株式会社(2015年12月1日をもってワタミフードシステムズ株式会社から社名変更) |
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設立 | 1986年(昭和61年)5月 |
所在地 | 東京都大田区羽田1-1-3 |
代表取締役社長 | 清水 邦晃 |
資本金 | 44億1,000万円 |
事業内容 | 国内外食事業、宅食事業 |
URL | http://www.watami-takushoku.co.jp/(宅食事業) |
宅食(R)はワタミ株式会社の登録商標です。
電話応対技能検定実施機関
公益財団法人 日本電信電話ユーザ協会 岩手支部
http://www.pi.jtua.or.jp/iwate/公益財団法人 日本電信電話ユーザ協会 長崎支部
https://www.pi.jtua.or.jp/nagasaki/関連記事
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