電話応対でCS向上事例
-関東日本フード株式会社-電話応対と伝える情報、双方の“品質”を高め、より高いお客さまご満足を
ニッポンハムグループの一員として、量販店、外食店、精肉小売店向け卸売販売を担当する関東日本フード株式会社は、電話応対技能検定(もしもし検定)の導入で全社的に電話応対能力の向上を図るとともに、その電話で伝える“情報の品質”を高めるべく、努力を続けています。
事業概要について教えてください。
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▲取締役 管理本部 本部長 黒田 昌寛氏
弊社はニッポンハムグループの一員で、東日本フード、中日本フード、西日本フードとともに、食肉の卸売ネットワークを形成しています。営業エリアは関東圏、北陸や東海の一部で、33カ所の営業部を配置しております。取引先は量販店、外食産業から街の精肉小売店までさまざまで、営業担当がトラックで回り、ご要望に即座に対応できる体制を長所としています。(黒田氏)
御社と電話応対との関わりについて教えてください。
大手の取引先さまとは多くがデータによる受発注に移行しておりますが、小売店さまからのご注文は電話が主流です。そのため電話応対においては、お客さまのご要望をきちんと理解し、間違いなく商品を手配するスキルが求められます。(黒田氏)
求められるべきは「電話でも核心を突けるコミュニケーション能力」
御社が考える、電話応対の課題について教えてください。
▲代表取締役 社長 山中 隆氏
営業担当は外出中も携帯電話でお客さまからのご注文を受けますし、営業担当の不在時には内勤の営業事務も電話での注文にお答えし、必要に応じてお客さまのところにデリバリーすることもあります。そういう意味で、弊社においては業務の区分なく、すべての従業員に十分な電話応対スキルが必要と考えています。(前田氏)
弊社の営業の原点は、トラックに乗った営業担当が一軒一軒お店を回り、お店の方と直接お話しし、得意先を開拓してきたところにあります。しかし一人ひとりが直接回れるお店の数には限りがあり、現在は配送担当のパートタイマー、協力いただく運送事業者さんと一緒になり、お客さまをサポートしています。そんな環境下で今、営業担当に必要なのは、電話でも、対面での営業と同様の核心を突くコミュニケーション能力です。「いくつほしい」「では手配します」という単純なやりとりだけではなく、「このお肉はこのような特徴があり、こんな料理で美味しく召し上がれます」と、お客さまにきちんと伝え、「だったら注文しよう」と、こちらからの提案によりお客さまの心を動かすことのできるスキルが求められているのです。(山中氏)
伝える能力と、伝える中身の双方を重視し、さまざまな取り組みを
そうした課題の克服のため、どのような施策に取り組んでいますか。
まず4年ほど前から、もしもし検定に取り組んでいます。営業所での電話応対品質向上のため、営業事務のスタッフから受検を進め、現在3級及び4級資格保持者が約130名となっております。今後は山中が申し上げたように、「電話で核心を突けるコミュニケーション」の実現のため、受検者を営業担当に広げる予定です。(黒田氏)
こうしたコミュニケーション能力の育成とともに、そのコミュニケーションで伝える“中身”の充実にも取り組んでいます。例えば営業資料にある内容を暗記してそのままお客さまに伝えても、お客さまには響きません。自分が体験し、味わって、自分の言葉にできてこそ、商品の良さをお客さまにご理解いただくことができるのです。そのため現在、各営業所に、自分たちで実際に料理し、食べることができるテストキッチンの整備を進めています。ここで営業担当が肉の種類や質に合う料理法や、同じ肉でも調理法により味が変化することなどを学び、それを知識として蓄えてほしいのです。なお、この料理は社内のフードアドバイザーというお客さまへの料理提案、メニュー提案を行う担当が主導しますが、フードアドバイザーも必要に応じて国内外の視察を含め、新たな情報をどんどん取り込むようにしています。こうしてコミュニケーション能力そのものと、そのコミュニケーションによりお伝えする知識の質の双方が高まれば、お電話でも、対面でも、お客さまに訴える力はより高くなり、将来的に営業担当の実績につながると信じています。(山中氏)
コミュニケーション能力向上で、グループとお客さまをWin-Win に
今後の電話応対教育への取り組みや、展望について教えてください。
▲常務取締役 事業本部 事業本部長 前田 和幸氏
営業担当がスムーズに、もしもし検定を受検できる体制作りに励みたいと思っています。現在は東京で行われる社内検定の日程に合わせ、各営業所から営業担当が出張していますが、今後は検定の実施スケジュールをできれば年間単位で周知し、受検しやすい環境を作っていきたいと思っています。(黒田氏)
お客さまからいただく電話には、必ず用件があります。その用件をきちんと聞き取ることはもちろん、その用件を社内の別の担当に“つなぐ”ことも、不可欠な要素であり、社内のきちんとしたコミュニケーションの先にお客さま満足があると考えています。来期は対社外だけではなく、そうした社内のコミュニケーションについても力を入れていきたいと思います。(前田氏)
精肉小売店でも外食店でも、一つひとつのお店はそれぞれ異なる商圏、異なる客層を持っています。そうした取引先さまの特徴をきちんと理解し、売れると思う商品をお勧めし、仕入れていただき、繁盛してもらう。それがお客さまのご満足につながり、さらに弊社の業績にも貢献します。また、そうした取引先さまの情報を、ニッポンハムグループ各社につなぎ、商品開発に活かしてもらうことも、営業の前線にいる弊社に求められる機能です。こうしたすべてのことの根底となるコミュニケーション能力を高め、取引先さま、ニッポンハムグループの双方がWin-Winの関係を築けるよう、進んでいきたいと思います。(山中氏)
会社名 | 関東日本フード株式会社 |
---|---|
設立 | 1979年(昭和54年)2月 |
本社所在地 | 東京都品川区大崎二丁目1番1号 ThinkPark Tower |
代表取締役社長 | 山中 隆 |
資本金 | 4億5千万円 |
事業内容 | ニッポンハムグループが国内外で生産・輸入・加工する食肉製品を量販店・食肉店・外食産業などに販売する全国ネットの総合食肉販売 |
URL | http://www.nfgroup.co.jp/kantofood/ |
電話応対技能検定実施機関
日本ハム株式会社
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