電話応対でCS向上事例

-松永種苗株式会社-
電話応対コンクール参加で美しい日本語を身につけ、より良いお客さま対応を

松永種苗株式会社は、お客さまからの電話に受け答えする事務職社員の電話応対コンクール出場を通じ、お客さまに向けた気持ちの良い言葉づかいと社内のコミュニケーション向上を目指しています。

事業概要について教えてください。

  • ▲代表取締役社長 松永 金次郎氏

     弊社は農家向けの野菜の種や苗を取り扱う種苗会社で、主に農家向けに種苗を販売する小売店への卸売りを事業の軸とし、品種改良などの商品開発、生産も手がけております。また近年はシェアを拡大してきたホームセンターへの販路拡大も目指し、事業を展開しております。(松永 金次郎氏)

全国のお客さまからのお電話に事務職の社員が応対

御社の事業と電話応対との関わりについて教えてください。

  • ▲取締役 松永 伊都子氏

     種苗の流通では、小売店に年配の経営者が多いこともあり、電話での注文がまだまだ健在です。(松永 金次郎氏)

     弊社には営業職、事務職がおりますが、外部からの電話には、まず事務職が応対することになっています。取引先は全国各地に広がっており、方言もさまざまですので、電話応対ではしっかりと聞き取る力が重要となります。また、地域により異なる名称を持つ作物もあります。そうした知識と、分からないものについては特徴をうかがって特定するというコミュニケーション力も求められます。(松永 伊都子氏)

  • ▲営業部 小川 久美子氏

     事務職である私は、ミスなく注文をうけたまわること、お問い合わせに丁寧に応対することを心がけています。お客さまの中には本題と関係ない世間話をされる方もいますので、そうした場合はほかのお客さまをお待たせすることがないよう、失礼のない範囲でできるだけ手短に電話を終えるようにしています。(小川氏)

お客さまとの“近すぎる距離感”が失礼につながるという危惧

そうした電話応対について、これまでどのような課題があったのでしょうか。

 営業職は出張が多く、時には数週間にわたり地方に張りつき、小売店や農家との関係を深めることになります。こうしたことが、お客さまとの間である意味“なれ合い”のような関係を生み、お電話でのやり取りでビジネスに不似合いな言葉を使うようなことがしばしば見受けられました。(松永 伊都子氏)

 そうした電話応対はそばで聞いていてあまり気持ちの良いものではありません。また、そうした話し方がくせになり、ほかのお客さまに失礼となる応対をしてしまう可能性もあります。そこで、言葉づかいを正しく、美しくしようと考えたのです。(松永 金次郎氏)

具体的には、どのような取り組みをなされたのでしょう。

  • ▲オフィスの様子

     事務職の言葉づかいにはそうした悪い例はなかったので、これに磨きをかけ、徐々に周囲に広げようと考えました。そして、弊社の社員研修を担当する会社に相談したところ、電話応対コンクールへの出場を勧められたのです。(松永 伊都子氏)

     初参加の昨年、右も左も分からない状況ではありましたが、自分としてはこれまで当たり前の業務としてきた電話応対に自信を持っていました。ところがエリア大会でほかの出場者の演技を拝見し、そのレベルの高さに圧倒されました。これが自分の電話応対を見直す良いきっかけになりました。(小川氏)

昨年の電話応対コンクール参加経験を糧に技量を磨き初めての県大会出場へ

出場したことで、電話応対がどのように変わったのか教えてください。

 電話応対コンクールでは、文字に書き起こせば同じ言葉でも、話す人の心でその輝きは変わるということを強く感じました。そして、あらためて自分のそれまでの応対を振り返ると、“心の込もった応対”ができていなかったことは明らかでした。以来、応対に心を込めて日々の業務にあたると、自分の心を込めた応対がお客さまの気持ちを動かすことができるということに気づきました。心から誠意を尽くして受け答えすれば、クレームの電話でも、お客さまの怒りは解け、きちんとお話ができるのです。(小川氏)

 彼女の発案で、お電話を受ける時の第一声も変えました。従来は単に会社名を名乗るだけでしたが、より好印象をいただけるよう、現在は「お電話ありがとうございます」という言葉と、受けた当人の名乗りも加えています。(松永 伊都子氏)

 今年の電話応対コンクールでは、小川はエリア大会を勝ち抜き、去年は叶わなかった県大会への出場を決めました。本人の技量がそれだけ高くなったことの証明であり、また彼女の応対を聞く周囲の社員にも良い影響を与えているはずです。(松永 金次郎氏)

電話応対技能検定(もしもし検定)も導入し応対品質向上と社内のコミュニケーション強化へ

今後の電話応対の目標、及び会社の展望についてお聞かせください。

 今後はもしもし検定の導入も視野に入れています。まず4級取得を目指し、その中から希望者に3級をという流れが理想です。有資格者の応対に刺激され、営業職の社員にも受検希望者が出てくるようになればと思っています。(松永 伊都子氏)

 いま新規事業としてインターネット通販も手掛けておりますが、そちらでもお電話によるお問い合わせへの対応は不可欠だと考えております。これまで培った優れた電話応対品質は、お客さまの信頼を勝ち取る上で、大きな武器になるはずです。また社内に目を向ければ、やはり社員間のコミュニケーションは風通しの良さ、情報の共有につながり、成長の大きな足がかりとなります。電話応対コンクールやもしもし検定受検で培った技術をそうしたコミュニケーションに活かし、さらなる発展を続けていきたいと思います。(松永 金次郎氏)

会社名 松永種苗株式会社
創業 1883年(明治16年)
本社所在地 愛知県江南市古知野町瑞穂3番地
代表取締役社長 松永 金次郎
事業内容 卸販売、店頭販売、輸出入、育種及び生産
URL http://www.msk-net.co.jp/

電話応対技能検定実施機関

株式会社グランツハート

http://www.grantsheart.com/

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