電話応対でCS向上事例
-中沢トータリア-「継続は力なり」の研修体制で迅速・正確・丁寧な電話応対を実現
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様々な企業の工場や流通センターが立ち並ぶ熊谷市問屋町の一角にある中沢トータリア株式会社。トータリアとはトータル+インテリアによる造語。
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中沢トータリアの社訓「おかげさまで」。
インテリア商品の卸販売を手掛ける中沢トータリア株式会社では、膨大かつ多種多様な商品の受発注業務に関して、顧客の要望に迅速かつ正確に応えるとともに、丁寧な応対で顧客サービスの向上を図るべく、日本電信電話ユーザ協会が提供している電話応対教育事業の「講師派遣」を定期的に利用して、電話応対の向上に役立てています。
「おかげさまで」の精神で顧客満足の向上を目指す
中沢トータリア株式会社は、埼玉県熊谷市に本社を置き、熊谷店・川越店・さいたま店・群馬店・太田店の5店舗を構え、北関東エリアの内装工事店1,200社を対象にビジネスを展開するインテリア材の専門商社です。トータル・インテリアを意味する社名が示す通り、同社が取り扱う商品は壁紙からふすま、窓装飾、床材に至るまで多岐にわたります。インテリア材に加えて、壁・床の接着剤、施工用の機械・工具も手掛けるなど、インテリア関連の製品をトータルに取り扱う専門商社ならではのビジネスを展開しています。
「当社は1869 年の創業以来、薬の製造・販売で業を興し、現在のインテリア材の卸に至るまで、時代の要請に応じて業態を変化させてきました。そうした歴史の背景には、当社の信用力や創造力を基に、商品、サービスをお買い求めいただく『お客様』や、商品・サービスを提供してくれる『仕入れ先』など、様々な方々に支えられて私たちの企業は存在しています。そうした全ての関係先に『満足』を提供してこそ、当社の存在価値があると考えます。そうした『満足』を提供するとともに感謝を忘れない気持ち、それが、当社の理念である『おかげさまで』の精神です」(代表取締役 中沢実氏)
「おかげさまで」の精神の下、「快適空間応援カンパニー」を目標に掲げ、全ての関係者の満足度向上に向けて同社が注目したのが、お客様に接する機会が多い営業職だけでなく、主に電話応対を通じてお客様や仕入れ先とやり取りをする、内勤の社員を対象とした電話応対の向上でした。
電話応対はビジネスの基本迅速かつ正確、そして丁寧に
内勤の社員は、顧客である内装工事店などからの電話やファクスによる注文に応じてインテリア材などの商品を手配・発注するのが主な業務です。しかし、例えば壁紙ひとつ取っても、同一のメーカーでもカタログ数冊の膨大な数の製品が提供されており、似たような品番や色違いの製品も多数あり、受発注業務には細心の注意が求められます。
「壁紙や床材などのインテリア材は、少しでも傷が付いたら使い物になりません。そこで内装工事店では、施工に取り掛かるタイミングで商品を発注して、入手したばかりのインテリア材で工事をしています。そうしたこともあり、当社では、朝10時までに注文を頂ければ、当日の夕方にお届け、夕方4時までの注文なら翌日の午前中の配送が可能な体制をとっています。こうしたスピードはまさに当社の強みと言えます」(中沢氏)
同社で取り扱う商品はトータルで何十万点にも及びますが、お客様からの注文に対し迅速かつ正確、そして丁寧に接する電話応対はビジネスの基本です。お客様の満足度を高めるためにも、電話応対の向上は急務でした。
顧客満足に貢献するのは営業担当者だけではない
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お客様との信頼関係を築く「トータリアの五心」。
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ホウレンソウ(報告、連絡、相談)を促すポスター。
同社では、支店を含む全ての社員が参加して、商品、施工技術の向上に向けた勉強会や自動車の安全運転講習、ビジネスマナーを学ぶ全体会議を年に6回、社員合宿を年1回実施しています。また、自動車でお客様を訪ねる機会が多い営業担当者を対象とした安全運転講習は定期的に行い、繰り返し実施したところ運転技術が格段に向上するなど、大きな効果が得られたと言います。特に新入社員が交通事故を起こしたり、事故に巻き込まれたりする件数が大幅に減少したそうです。「継続は力なり」と中沢氏も語ります。そこで、同社は電話応対教育にも継続的な研修を取り入れることとしました。
「私自身、自動車に乗るのが好きで、ディーラーをよく訪ねますが、営業担当者と実際にやり取りするのは、車の買い換え時期など、数年に1回程度です。一方で、修理や点検を行うスタッフとは、頻繁に接する機会があります。そうした彼らのきびきびした動きや的確な点検・修理、丁寧な接客態度によって、ディーラーに対する信頼感も増し、また同じメーカーの自動車に乗ろうと思うようになります。つまり、販売することが主な仕事ではない社員であっても、顧客満足の向上に貢献することはできるのです。当社の場合でも、ビジネスの基本とも言える電話応対の習得は不可欠だと考えています。そして、基本さえできていれば、様々な局面で応用が利くのです」(中沢氏)
研修で実施する電話応対教育は、内勤の社員が参加して電話応対向上に向けたプロジェクトチームを結成し、日本電信電話ユーザ協会から講師を派遣してもらい、研修を行うというもの。義務的ではなく、ワイワイ楽しみながら受講しているそうです。研修を受けた社員は、「電話には3コール以内に出るようにし、相手の顔は見えませんが、笑顔での応対を心掛けています。注文内容は必ず復唱し、数字とローマ字については、独自のフォネティックコード※を用いるなど、特に工夫しています」と言うように、電話応対に関する研修を定期的に行うことで、電話応対が確実に向上しているとのことです。
同社では、今後も日本電信電話ユーザ協会の講師派遣を活用して電話応対の向上を図り、迅速かつ正確、そして丁寧な電話応対で、顧客満足度の向上を図りたい考えです。
お話をお聞きして
商品の注文の電話が頻繁にかかるオフィスは活気にあふれており、電話応対をする社員の商品知識の豊富さにも驚かされました。顧客満足を提供する「おかげさまで」の精神が全ての社員に共有されていることを実感できました。継続的に研修に取り組む力 ★ ★ ★
研修目的の浸透度 ★ ★ ★
社内の明るい雰囲気 ★ ★ ★
お話をうかがったのは…

代表取締役
中沢(なかざわ) 実(みのる)氏
卸売商社なので価格勝負になることが多いのですが、それ以外で差別化するにはやはり人材が重要です。電話応対もその一つです。
会社名 | 中沢トータリア株式会社 |
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代表取締役 | 中沢 実 |
所在地 | 埼玉県熊谷市問屋町3-2-17 |
創業 | 1869年(明治2年) |
設立 | 1952年(昭和27年)4月 |
事業内容 | インテリア商品の卸販売(取引先は北関東エリアの内装工事店など1,200社) |
従業員数 | 55名 |
企業URL | http://www.e-house.co.jp/n-totarior/ |
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