電話応対でCS向上事例
-アメリカンホーム医療・損害保険株式会社-この時代だからこそ、人ならではの「気持ちに寄り添う」応対を追求したい
記事ID:C20031

AIGジャパン・ホールディングスの保険子会社であるアメリカンホーム医療・損害保険株式会社。リスクを予防する「ACTIVE CARE(アクティブケア)」を事業戦略コンセプトに掲げる同社で、医療保険の支払業務を担う長崎サイトの大森 順子氏に、お客さま応対で大切にしていることをお聞きしました。
事業概要と電話応対の体制についてお聞かせください。

沖縄・長崎保険金サービス部
長崎サイト医療
保険金第4サービスセンター
所長 大森 順子氏
前身となるアメリカン・ホーム・アシュアランス・カンパニー日本支店は、1960年(昭和35年)から日本で損害保険事業を展開しており、2014年(平成26年)に現在の社名となりました。私たち長崎サイトでは、お客さまからの医療保険の請求に基づき、保険金を支払う業務を担っています。ほかに東京、大阪でも同じ業務を行っていますが、全体の7割ほどの件数をここ長崎で扱っています。沖縄・長崎保険金サービス部 長崎サイトには10月1日現在、52名のスタッフがおり、2サービスセンター体制(所長2名、全8チーム)でお客さまからのお問い合わせに対応しています。電話だけでなく、数年前にSMS(ショートメールサービス)を導入し、主に書類の発送、到着、保険金の支払いに関する経過をタイムリーに連絡しています。SMS でのコミュニケーションは好評で、顧客満足度アンケートでも「SMS で細やかに連絡があって、安心しました」というお声をいただいています。
共感すること、将来に希望が持てる一言を 添えることを大切にしている
電話応対で気をつけていること、 電話応対教育についてお聞かせください。

「TQアセスメント」を活用し応対品質向上に役立てる
私たちは、保険商品をお客さまに対面販売ではない方法でお届けする「ダイレクト型」の損害保険会社です。そのため、リレーションシップセンターや保険金の支払い業務を通じたお客さまとのコミュニケーションを特に重視しています。また、保険は無形のサービスなので、お客さまは日常的には加入のメリットを感じにくいものです。いざという時の応対の誠実さで、「この保険会社で良かったな」と感じていただけるように、共感すること、将来に希望が持てるような一言を添えることを大事にしています。そのため、チームリーダーが日常的にメンバーの電話応対に耳を傾け、「もっと感情を込めた話し方にすると誠意が伝わる」とか「この説明のほうが分かりやすい」といった電話応対の指導をしています。ほかに「TQアセスメント」という独自の指標で通話ログを評価しています。TQとは、「トーククオリティ」の略で、部門内のアセスメント担当者が毎月1回、通話ログをランダムに抽出し、オープニング、状況確認、クロージング、総合評価の4カテゴリのトークを細かく評価してフィードバックをしています。TQアセスメントでも、お客さまの状況を受け止め、専門用語ではなく分かりやすく伝えているか、共感しているか、いたわりの言葉をかけているかを特に重視しています。ここが十分でないとどうしても事務的、機械的な応対になってしまうので、弱いと感じた場合は丁寧に指導しています。
組織の一体化やスキルの底上げに、 電話応対コンクールを活用したい
電話応対コンクールへの取り組みや成果について お聞かせください。

今年度、審査員特別賞を受賞したスタッフ(在宅勤務中の木村 沙織さん)
長崎サイトは7年前の開設以来、毎年欠かさずに、日本電信電話ユーザ協会が主催する電話応対コンクールに出場しています。きっかけは、部署の一体感を高めるために、他エリアで参加していた電話応対コンクールにチャレンジしようと盛り上がったことでした。イベントに参加するような感覚でしたね。ただ、1年目は何をすればよいのか右も左も分からない状態で、練習時間を確保することすら大変でした。参加メンバーは朝早くから集まって、顔のストレッチや発声練習をするところから始めました。私が感動したのは、参加しない人も「一緒になってがんばろう」という意識が高く、参加者が練習のために席を外しても、しっかりとお客さま対応をフォローしてくれたことです。反対に、参加者は「こういう練習、こういうトークが実際の業務に役に立つよ」と現場に持ち帰ることで、部署全体のトークスキルが向上するという相乗効果がありました。その効果もあり、今年度を含めて過去3度、電話応対コンクールで審査員特別賞を受賞することができました。組織全体でみると、電話応対スキルはまだまだ伸びしろがあると思っています。今後も継続してチャレンジすることで、新たな気づきをもらい、組織としての応対スキルの底上げにつなげていきたいですね。
「ACTIVE CARE(アクティブケア)」を モットーに、気持ちに共感する応対を追求したい
最後に、今後の目標についてお聞かせください。
まさかが起こる前にリスクを予防する「ACTIVECARE(アクティブケア)」が日本におけるAIGグループの事業戦略コンセプトです。それを実現するために保険金の支払い部門で大切にしている四つの価値観、「共感」、「プラスα」、「先を見越した対応」、「予防、防止」を今後も大切にしていきたいです。個人的には、四つの価値観を総合すると「思いやり」につながると思っています。このご時世、デジタル技術を活用して、リアルタイムで回答し、業務の効率化を追求することはとても大事なことです。その一方で、お客さまの気持ちに共感してご要望の先を見越して提案するなど、思いやりを感じる応対は私たち人間にしかできません。在宅勤務などで人と人との関係が希薄になっている今だからこそ、「ACTIVE CARE(アクティブケア)」を意識してお客さまに相対し、気持ちに寄り添う応対を追求したいと思っています。

会社名 | アメリカンホーム医療・損害保険株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 東京都港区虎ノ門四丁目3番20号 |
資本金 | 78億6,200万円 |
代表取締役社長 | 渡辺 治子 |
事業内容 | 医療保険、傷害保険などを扱う損害保険業 |
URL | https://www.americanhome.co.jp/ |
〔ユーザ協会会員〕 |
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