電話応対でCS向上事例

-三井住友海上あいおい生命保険株式会社 札幌お客さまサービスセンター-
センター長が自らコンクールに参加、士気向上と一体感を醸成

北海道札幌市にある、三井住友海上あいおい生命保険株式会社の札幌お客さまサービスセンター。同社に2018年4月に着任したセンター長は、オペレーターと同じ目線で仕事を理解するため、自ら電話応対技能検定(もしもし検定)を受検、電話応対コンクールにも参加しました。

業務概要について教えてください。

▲お客さまコンタクトセンター部
札幌お客さまサービスセンター長
課長 田中 隆氏

 生命保険会社である弊社は、東京と札幌にコンタクトセンターを設置し、契約者さまならびに弊社にご関心をお持ちのお客さまからのお問い合わせを受け付けております。この2拠点は相互に補完する役割を持っています。札幌のセンターは2012年の開設で、コール全体の約4割を担当しております。(田中氏)

時にはオペレーターから改善点の指摘を受けながら練習

田中さまは自らもしもし検定を受検、コンクールにも参加されたとうかがっています。

 私は長らく営業関連でキャリアを積んできたため、コンタクトセンターという部署は初めてです。オペレーターがどのような仕事をどういう思いで行っているのか、またその仕事に求められる技能や資質とはどのようなものかを体感できると考え、もしもし検定の受検、コンクールへの参加を決めました。もしもし検定はまず4級を取得し、現在は3級受検の準備を進めています。(田中氏)

  • ▲お客さまコンタクトセンター部
    コンタクト企画グループ
    佐藤 史枝氏

     2018年に田中がこちらのセンター長に着任した際、お客さまサービスグループ内の電話応対品質指導担当者から「もしもし検定を受検し、コンクールへ出場してはどうか」と働きかけられたことが、そのきっかけとなりました。(佐藤氏)

コンクールに向けては、どのように取り組んだのでしょうか。

 参加が決まっていたオペレーター4名と一緒にスクリプトを作り、自分の本来業務の空き時間を見つけながらロールプレイングや発声練習をともに行いました。時にはオペレーターから改善点の指摘を受けることもありましたが、その時はセンター長としての立場ではなく、コンクールの設定である“ユーザレンタカーの吉田 薫社員”としてアドバイスを受けました。(田中氏)

センター長の積極性がオペレーターの共感を生み、モチベーションも向上

コンクール参加で得たものはありますか。

 営業関連の部署での電話は、基本的に“売り込み”が主体でした。しかしコンクールに向けての学習で、コールセンターではその応対そのものが商品であり、電話の向こうにいらっしゃるお客さまの気持ちをきちんと察し、適切な回答を通じて好感を得ていくことが大切だと改めて感じました。(田中氏)

 センター長がオペレーターと同じ立場でコンクールに参加したことは、オペレーターにとって「自分たちの業務を理解してくれるセンター長である」という意識づけとなり、それがモチベーションの向上とセンターの一体感につながったと思っています。(佐藤氏)

コンタクトセンター運営について、将来像があればお聞かせください。

 オペレーターという仕事は目の前の電話に応対し、処理をすれば終わり、件数をこなせばいいという考え方もあるでしょうが、私はそうは思いません。なぜなら仕事を気持ち良く続けていくには、やりがいや達成感が必要だと考えているからです。そうしたやりがいを生み出すためにはオペレーターが、例えば経験を積んで指導的な立場に回るとか、特定の分野の電話応対のスキルをさらに伸ばしていくなどのキャリアパスを描き出すことのできる環境作りが重要です。そうした適材適所の人材育成で、より優れたコンタクトセンターを目指していきたいと思っています。(田中氏)

電話応対コンクール 北海道大会に参加した感想 コンクール参加により、入社歴に関係なく強固なチームワークの輪が生まれた

▲湯山 あかね氏(写真:後列右)

 電話応対コンクールは、当初、東京のお客さまサービスセンターが参加していましたが、2013年より札幌サービスセンターも参加を決め、2014年から当コンクールの担当になりました。当センターは東京より後に設立されたため、テレフォンコミュニケーター(以下TC)の応対品質に課題があると感じていました。そこで、TCの皆さんに応対品質の向上に興味を持ってもらいたいという思いから、コンクール参加を決めたのです。

 私はお客さまサービスグループの「応対品質向上ワーキングチーム」のメンバーとして、東京のチームメンバーと情報交換をしながら、毎年少しずつ応対スキルをブラッシュアップしていきました。参加当初はテープ審査に合格することも難しく、毎年試行錯誤しながら取り組んでいましたが、初めてテープ審査に合格して札幌大会に進んだ時は、メンバー全員が自分のことのように喜びました。そして2018年度には、念願だった北海道大会で、入賞を果たすことができたのです。

 コンクール参加を通じて得られた大きな成果は、入社歴に関わりなく強固なチームワークの輪が生まれたことです。しかも、当センターのメンバーから「分からないことがあれば皆が助けてくれる、とても居心地が良い環境」などの声が数多く寄せられるようになりました。このような組織風土が生まれたのもコンクール出場者のチームワークから生まれたものだと思います。コンクールに出場するためには、現場で受電をしているTCや、ほかのスーパーバイザーの協力が欠かせません。皆さんにとても感謝しています。

 また、コンクールには出場しないけれど、電話応対品質を向上させたいと思っているTCがいることにも目を向け、昨年度からは「もしもし検定」も取り組みの一つに取り入れました。今年度から導入したTCグレード別査定制度(TCの業務遂行の実績を評価し、時給に反映する制度)の評価項目には「電話応対コンクールの参加」「もしもし検定の合格」も含まれています。当サービスセンターは、これからも「電話応対コンクール」「もしもし検定」を活用して応対品質の向上を目指していきます。

会社名 三井住友海上あいおい生命保険株式会社
設立 1996年(平成8年)8月8日
所在地 東京都中央区新川2-27-2
代表取締役 丹保 人重
業務内容 個人保険・企業向け保険・個人年金保険など各種生命保険商品の販売、保険金のお支払いなど

電話応対技能検定実施機関

日本電信電話ユーザ協会北海道支部

http://www.pi.jtua.or.jp/hokkaido/

関連記事

入会のご案内

電話応対教育とICT活用推進による、
社内の人材育成や生産性の向上に貢献致します。

ご入会のお申込みはこちら