電話応対でCS向上事例

-株式会社広島銀行-
“受電集中”の導入で標準的応対を確立 その成果を新入行員研修に活用

店舗外ATMやネットバンキングの普及で、銀行店舗への来店客数は減少傾向にあります。こうした中、株式会社広島銀行は電話応対の重要性がさらに拡大すると判断。電話応対コンクールへの参加などを通じ、品質向上への努力を続けています。

貴行の概要について教えてください。

  • ▲営業統括部
    ダイレクトマーケティングセンター
    センター長 兼 ひろぎんネット支店長
    開内 唯晴氏

     当行は広島市に本店を置き、本年11月に創業140周年を迎える地方銀行です。こちら広島県のほか、岡山県、山口県及び愛媛県を“地元4県”と位置づけ、経営ビジョンでもある“地域社会との強い信頼関係で結ばれた、頼りがいのある「ひろぎんグループ」を構築”すべく、グループ会社とともに、総合金融サービスグループとして地域社会の発展に貢献できるよう取り組んでいます。(開内氏)

支店でのお客さま待ち時間削減を目指し、「受電集中」を導入

貴行と電話応対との関わりについて教えてください。

 ひろぎんグループは、地域のあらゆるお客さまにとっての「ファースト・コール・バンクグループ」、すなわちお客さまから信頼され、真っ先にご相談いただける銀行をスローガンに業務に取り組んでいます。電話は、銀行とお客さまを結ぶコミュニケーション手段として欠かすことのできないものです。例えばお客さまからは住所変更などの手続きのお問い合わせ、ローンについてのご質問などさまざまなお電話をいただきますし、こちらからは営業のお電話を差し上げることもあります。そして近年、ネットバンキングなどの普及により店舗に足を運んでくださるお客さまが減りつつあることもあり、お客さまとの接点の一つとしての電話の重要性は益々高まるものと考えています。(開内氏)

そうしたお電話との関わりにおいて、これまでどのような課題がありましたか。

 実は従来、各支店がお客さまからのお電話に受け応えしていました。これは地域密着という意味では正しいのですが、支店の限りあるスタッフ数を考えると、電話応対にかかる時間の分だけ、ご来店いただいたお客さまをお待たせすることになってしまいます。そこで2011年(平成23年)から各支店宛のお電話も本店のコールセンターが一括して承る「受電集中」を導入することといたしました。(開内氏)

支店に代わり電話を受ける重要性を認識、品質向上に注力

導入によりどんな効果がありましたか。またデメリットはありませんでしたか。

 支店にとって、「かかってくる電話に出ること」は、これまで当たり前の業務と思われていました。しかし、電話に応対する時間がなくなり、店頭のお客さまの待ち時間が減っただけでなく、コンサルティングに使う時間を増やすことが可能になり、お得意さまとの関係を深めることができたと思います。その一方で「なぜ支店ではなくセンターにつながるのか」というご指摘もいくつかはいただきました。しかしこれも、ご用件をきちんとうかがい、必要に応じて支店の担当者に電話をつなぐなどの応対で、ご理解いただけるようになったと思います。(開内氏)

そのほか、「受電集中」について特に気を配ったことがあれば教えてください。

 支店になり代わってお電話を受けるため、質の高い応対、そしてお客さまのお問い合わせに均一で明解なご回答ができるよう、センター一丸となって努力してきました。また最近ではお客さまのお問い合わせに応じて積極的な情報提供も行い、単なる電話照会センターで終わらないよう努力しています。(開内氏)

電話応対コンクールで上位を目指す取り組みで、品質向上を実現

コールセンターの品質向上の取り組みについて、詳しく教えていただけますか。

  • ▲研修担当
    中森 利江氏

     商品知識の習得、ロールプレイング、スーパーバイザーによるコールモニタリングなど、内部の指導や研修で品質向上に取り組んでいますが、質の高い応対を目指すには外部の目も必要です。外部講師を招き、コミュニケーターやスーパーバイザーの集合研修を行ったり、定期的に応対診断を受け、その結果を改善、スキル向上に活かしています。(中森氏)

電話応対コンクール参加により、どのような効果がありましたか。

 当センターから継続的に参加し、参加者がそれぞれに目標を持ち、スクリプト作成やロールプレイングに取り組むことで、モチベーションが高くなり、日頃の電話応対向上にもつながりました。昨年度は当センターのスタッフが広島県大会で優勝した中で、全国大会の舞台で広島銀行の制服で演技したことは、職場の同僚の大きな励みにもなったのではないでしょうか。また、昨年度から新入行員全員を順次コールセンターで受け入れ、電話応対研修を行っています。受電集中がスタートしてから現場で電話応対する機会が減り、指導できる人も少なくなってきたことがそもそもの動機ですが、この研修で“ 教える立場”になったセンターのスタッフにとっては、「ひろぎんのスタンダードな応対をきちんと教えていく」「自分が手本にならなければ」という自己研鑽のきっかけになるという相乗効果も現れました。(中森氏)

電話で得られた好感度で、お客さまとの長いおつきあいを

今後の目標について教えてください。

 これからも一人ひとりのお客さまにしっかりと向き合い、寄り添った応対を心がける中で「あなたに電話して良かった」と思っていただけるセンターを目指しています。それがお客さまからの長いご愛顧につながると思っています。(開内氏)

日本電信電話ユーザ協会に期待することはありますか。

 冒頭で申し上げたように、非対面チャネルの一つとして電話の重要性はますます高まっていくと思います。その重要性について、発信を続けてほしいと思います。また今後も電話応対者の励みになり、品質向上につながるような取り組みを期待しております。(開内氏)

会社名 株式会社広島銀行
創業 1878年(明治11年)11月
本店所在地 広島県広島市南区西蟹屋1丁目1-7〔仮店舗〕
取締役頭取 池田 晃治
事業内容 普通銀行業
URL http://www.hirogin.co.jp/

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