電話応対でCS向上事例

-SOMPOコミュニケーションズ株式会社-
電話応対技能検定(もしもし検定)の社内実施で電話応対と教育スキルの向上に向け前進

損害保険会社や生命保険会社で構成されるSOMPOホールディングスグループに属するSOMPOコミュニケーションズ株式会社は、2017年度より電話応対技能検定(もしもし検定)の社内実施を行い、コミュニケーターの応対品質向上と良い応対を目指す教育スキルの確立を目指しています。

事業概要について教えてください。

  • ▲品質部 課長代理
    小野口 理佳氏

     弊社はSOMPOホールディングスグループにおいて唯一、コールセンター運営を専門とする会社です。コールセンターではお客さまから事故のご連絡や損害保険についてのご相談に対応するほか、保険料試算やシステム操作の相談など代理店の支援も行っております。またグループ内各社の電話応対品質向上をサポートする業務も担当しています。(小野口氏)

各コールセンターの教育プログラム統一で品質のばらつきを解消

御社の電話応対についての考え方について教えてください。

 コールセンター運営会社にとっては、応対そのものが「商品」です。SOMPOホールディングスはお客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスをご提供することで、社会貢献していくことを目指していますが、その実現に向かって電話応対分野でどのように貢献していくかということが、弊社に求められるミッションだと考えております。(小野口氏)

そうした御社において、これまでどのような課題がありましたか。

  • ▲人事総務部
    人財開発グループ 課長
    余越 真樹氏

     弊社のコールセンターは東京、大阪、札幌など全国6カ所に立地し、業務内容も複数に分かれています。そのため電話応対の品質に拠点ごと、業務内容ごとのばらつきが出ていました。(小野口氏)

その課題解決にどう取り組んだのか、教えてください。

 ばらつきの原因には、センターごとの教育プログラムの違いが大きく関わっていました。この問題を解決するため、5年前に初期研修を本社が担当することとし、すべてのセンターで内容を統一しました。また並行して各センターでの教育担当者の育成を進め、現在はセンター内での研修が実現しています。さらに教育担当者によるばらつきが出ないよう、カリキュラムやスキルは現在も継続してチェックしています。(余越氏)

昨年度社内での検定を初めて実施 受検者数と合格率は期待以上に

もしもし検定を採り入れた経緯について教えてください。

 弊社には業務遂行にあたり取得を推奨している資格があり、もしもし検定の2級、3級も含んでおりますが、これまで受検者は一部の人に限られていました。しかし2名が指導者級資格を取得し、社内での検定実施が可能※1となったことで、昨年度、初めて社内での4級検定を行いました。2017年11月、2018年2月に行われた検定では、当初「各回50名、合計100名程度」の受検者が集まれば良いと思っていました。しかし蓋を開けてみると受検者数は合計183名と、予想以上の結果となりました。これは自らのスキルを“見える化”してくれる資格を、多くの人が求めていたのだと分析しています。特に2月の試験では合格率が98%となり、意欲がこちらにも伝わりました。次回は2018年7月に3級、4級の同時実施を考えています。(余越氏)

今後の展開はどのように考えていらっしゃいますか。

 弊社にアドバイザー※2として入社する人は、社会人経験がゼロの新人から、別の会社での業務経験を積んだ方までさまざまです。こうした方々のビジネスマナーを統一する基準の一つとして4級をベースとした研修の組み込みを考えています。これから取り組む3級以上については、「良い応対とはどんな応対か」を教育する立場で考えるための手がかりにしていきたいと思っています。(余越氏)

コンクールに向けてはグループ各社の経営陣を招いてリハーサルを実施

電話応対コンクールについてはいかがでしょうか。

 コンクールへの出場は、他企業さまの応対を知るだけでなく、互いに「良い応対とは」というテーマについて意見交換の機会を持てるなど、大きなメリットがあると思っています。そうした場では自社の応対を外から見てどう感じられるか、他企業さまから率直にご指摘いただくこともできます。また昨年度の電話応対コンクール全国大会に、地方の事業所から出場したことは、アドバイザーにとって刺激的な出来事であり、モチベーションの向上につながったと考えています。出場にあたっては、グループ各社の経営陣を招き、地方大会に匹敵する規模のリハーサルを行うなど、社を挙げて取り組んでいます。将来的には複数の事業所から全国大会に勝ち上がるアドバイザーを出すことが目標です。現在行っている教育への注力が、そうした目標を達成でき、ひいてはコールセンターの品質向上につながると信じています。(小野口氏)

  • ▲電話応対技能検定 実施機関認定証

  • ▲電話応対コンクールで受賞したトロフィーと楯

テキストチャットなど新たなチャネル導入に向け技術の習得を

日本電信電話ユーザ協会へのご意見や要望があれば教えてください。

 代理店をサポートする部門については、電話だけでなく、チャットなど新たなチャネルの運用も始まっており、適切なテキストコミュニケーション技術が不可欠です。「良いテキストコミュニケーションとは」についてご指導いただける機会、そしてそうした技術をどのように現場のアドバイザーに教えていくかの教育プログラムについてご提案をいただければと思っています。ご検討、よろしくお願いします。(小野口氏)

※1 電話応対技能検定の指導者級資格を取得した人(指導者)は、受検者に対する研修や検定試験の試験管業務を行う。また、指導者が在籍している企業が検定実施機関としての認定を受けると、社員に対して自ら同検定の資格講座を開設し、検定試験を実施することができる。
※2 アドバイザー:SOMPOコミュニケーションズ株式会社内におけるコミュニケーターの呼称。

企業名 SOMPOコミュニケーションズ株式会社
設立 1991年(平成3年)4月
本社所在地 東京都豊島区東池袋1-12-3 常陽池袋ビル
代表取締役社長 苅和 光
事業内容 コールセンター事業、教育研修事業など
URL https://www.sompo-com.co.jp/

電話応対技能検定実施機関

SOMPOコミュニケーションズ株式会社

https://www.sompo-com.co.jp/

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