電話応対でCS向上事例

-三重トヨペット株式会社-
女性社員が「ショールームスタッフ」として輝くために自社の認定資格制度に電話応対技能検定(もしもし検定)を活用

三重県下に18店舗を持ち、トヨタ自動車の新車販売、車検・点検・メンテナンス業務を担う三重トヨペット株式会社。中期経営計画の一環として発足した「働き方の改革・女性の活躍の場拡大プロジェクト」で、ショールームスタッフを対象とした独自の「クローバー認定制度」を策定し、接客応対の品質向上に取り組んでいます。

事業概要について教えてください。

  • ▲常務取締役 営業本部長 兼 車両事業部長 兼 人材育成室長 柴田 雅弥氏

     弊社の設立は1956年(昭和31年)で、今年で63年目となります。トヨタ自動車の販売代理店として、新車の販売、車検・点検・メンテナンス業務に加え、保険やカードといった金融商品も取り扱っています。また、携帯電話「au」の契約・販売業務もおこなっています。店舗数は、県下にトヨペットが17店舗、レクサスが1店舗と合計で18店舗を展開しています。(柴田氏)

接客応対に従事されている方は何名くらいでしょうか。

 弊社には、営業部門が約100名、サービス部門が約150名、ショールームスタッフが約50名在籍しています。サービス部門は主に車のメンテナンスの業務をしていますが、中にはお客さまと対面する仕事がメインとなるスタッフもいます。また、女性社員は全部で80名程度ですが、そのうちショールームスタッフが50名弱を占めています。社員全体のうち6割程度がお客さまと接する業務に就いています。(柴田氏)

女性が活躍できる場を広げるため「クローバー認定制度」を制定

電話応対技能検定(もしもし検定)に取り組んだ経緯を教えてください。

▲営業企画部 次長 兼 営業企画課 課長 兼 バリュー推販課 課長 兼 マーケティング室 室長 山口 慎二氏

 まず、会社全体として接客レベルを向上させ、お客さまの満足度を高めていくという方針があります。それと並行して「グリーンアクション」という3 ヶ年の中期経営計画の中に「女性の活躍の場拡大」が定められました。少し前までは女性社員は結婚や出産で退職する人が多かったのですが、最近は産休や育休を利用して職場に復帰する人が多くなってきています。将来的な女性管理職の育成も視野に入れ、女性の活躍の場を広げるために、従来の事務職だけでなく、ショールームでお客さまに応対する仕事にも就いていただきたいという思いから「働き方の変革・女性の活躍の場拡大プロジェクト」を発足させました。(柴田氏)

 その中で、女性に目を向けた資格制度として2018年に「クローバー認定制度」を策定しました。これは、女性社員が最も多いショールームスタッフを対象とした制度で、業務知識の維持・拡大を図り、社員のやりがい・働きがいを実現することを目的としています。この制度では、ショールームスタッフが「Futaba(双葉)」から「Yotsuba(四つ葉)」まで、段階的にスキルアップできるようになっていますが、認定試験に合格するだけでは昇級できません。事前に定められた、もしもし検定の各級を取得する※ことなどを受験の要件とし、知識だけでなく実践的な接客応対スキルを高めることを目指しています。もしもし検定は4級から段階的に取得できることに加え、座学だけでなく、実践の試験があるところが弊社の目的と合致しています。昨年9月に導入して、まだ学科を受験したところですが、「クローバー認定制度」の基礎を担う資格として、もしもし検定に期待しています。(山口氏)

もしもし検定と他制度のガイドラインを統合し、オリジナルの指針に

資格制度の浸透を図るために、具体的に取り組んだことを教えてください。

 接客レベル向上のために、もしもし検定4級のガイドラインと、他制度の「応対セミナー」のテキストを統合して研修会を実施しました。これまで、ガイドラインごとに内容の食い違いなどもあったのですが、全体で整合がとれるように調整しました。(柴田氏)

 合わせて、事務職やショールームスタッフの実務マニュアルも整備しました。これまでは、店舗ごと、人ごとにやり方が違っていたのですが、店舗間の差がなくなるようにしています。また、店の規模は店舗ごとに違うので仕事量も異なるのですが、働いている女性社員の数を店舗ごとに調整し、全体では社員数も増やしました。(山口氏)

現時点で、資格制度はどのような成果を生み出しましたか。

  • ▲総務部 人事課 課長 兼 人材育成室 中西 康人氏

     これまでになかった取り組みなので、はじめは資格試験に対して女性社員からの抵抗もありました。そこから次第に「ショールームスタッフ」という呼称が定着し、女性スタッフの意見を取り入れて制服も刷新し、認定試験合格者が制服の襟につけるおしゃれなバッジも制作したので、認定試験を受験してキャリアアップしていこうという雰囲気が高まりました」(中西氏)

     今年の新入社員研修では、接客マナーの向上に全員が前向きに取り組んでいました。また、来年度の採用活動においてもショールームスタッフは非常に人気があり、多数の応募がありました。明確な認定資格制度があることが、人気につながっていると感じています。(柴田氏)

「クローバー認定制度」の定着の先には、女性管理職の育成も視野に

今後の目標についてはいかがでしょうか。

 資格制度を作り上げたばかりなので、これから少しずつ制度のクオリティを上げていきたいと考えています。また、「クローバー認定制度」の先には「チーフ制度」があり、その先にある「女性管理職の育成」も見据えておかなければなりません。人事評価制度は、誰の目からみても公平で明確であることが重要なので、ステップを踏んでキャリアアップしていけるものにしたいですね。(山口氏)

 新車販売の営業職はノルマが厳しいというイメージを持たれているからか、若手人材の採用が難しくなっています。クローバー認定制度を通じて、体系的に接客スキルを高められるようになると、将来的にはショールームスタッフから、営業職を希望する人材が出てくるのではないかと期待しています。また、この取り組みが女性社員だけでなく、営業担当、エンジニアから店長まで、全社員が接客応対レベルを向上するための施策になれば良いと考えています。(柴田氏)

  • ▲女性社員の皆さん

  • ▲Futabaのバッジ

※ クローバー認定制度において、Futabaでは「もしもし検定4級資格取得」、Mitsubaでは「もしもし検定3級資格取得」が受験資格の要件に含まれている。

会社名 三重トヨペット株式会社
設立 1956年(昭和31年)4月
本社所在地 三重県津市上弁財町4番1号
代表取締役社長 井上 喜晴
資本金 6,000万円
事業内容 トヨタの新車販売、レクサス車の販売、各種U-Car(中古車)の販売及び買取、自動車の車検・点検・メンテナンス及び鈑金・塗装、自動車のカスタマイズなど各種カー用品の販売、各種保険・クレジット関連の販売、情報通信機器の販売
URL https://www.mietoyopet.co.jp/

電話応対技能検定実施機関

公益財団法人 日本電信電話ユーザ協会 三重支部

http://www.pi.jtua.or.jp/mie/

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