電話応対でCS向上事例
-NTTコム エンジニアリング株式会社 東京オペレーションセンター(TOC)-社内交流が活性化、緊急時もお客さまに寄り添える組織に
NTTコム エンジニアリング株式会社 東京オペレーションセンター(TOC)は、電話応対技能検定(もしもし検定)や電話応対コンクールへ積極的に取り組むことで部署間の交流が深まるとともに、2018年に起こった集中豪雨や地震など災害時の「お客さまに寄り添う応対」も高く評価されました。
事業概要について教えてください。
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▲東京オペレーションセンター(TOC) サービスフロントユニット ユニット長 小林 年晴氏
弊社の東京オペレーションセンター(TOC)は親会社のNTTコミュニケーションズ株式会社が提供している法人向け通信サービスの保守、運用、監視、お客さまからの問い合わせを一元的に受け付けるコールセンター業務を中心に、24時間365日運営しています。ここでは、1日およそ500~600件、年間19万件の問い合わせに交代で応対しています。TOCには総勢800名弱の従業員がおり、お客さまからの電話を受ける従業員が約300名、設備などを監視、復旧する従業員が約250名、そのほかに、個社別のお客さま応対をする従業員や業務プロセスの設計改善などを行う従業員が約250名います。お客さまからいただく問い合わせは「サービスが使えなくなった」「使い方が分からない」といったものが多く、電話を受け付けてからシステムや装置の状況を調べ、故障箇所があれば修理し、お客さまに故障・中断の理由や経緯を説明するといった業務を一元的に担っています。(小林 年晴氏)
もしもし検定の企業内導入実施機関として資格取得の気運が高まる
もしもし検定に取り組んだ経緯を教えてください。
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▲東京オペレーションセンター(TOC) サービスフロント担当 秋草 憲之氏
もしもし検定には2012年から取り組んでおり、接客応対のスキルや研修方法を標準化できるのがメリットだと思っています。入門級の4級から1級まで段階的にステップアップできるので、資格取得にチャレンジする者も増えてきました。2017年に指導者級資格保持者が5名になったので、電話応対技能検定実施機関の認定を受けました。今では3級から1級まで講座、検定はすべて社内で行っています。(秋草氏)
社内で講座、検定を開催できるようになって、どのような変化がありましたか。
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▲東京オペレーションセンター(TOC) サービスフロント担当 小林 英樹氏
外部実施機関を利用していた時は、決められた日に講座や検定を受講する必要がありましたが、弊社は24時間営業・3交代制勤務のため、指定された日程に従業員を送り出すことが難しかったのです。社内で講座や検定を実施するようになってからは、シフトごとに開始時刻の調整ができるため、検定を受けやすくなりました。(秋草氏)
社内で講座を開催すると、今まで興味を示さなかった者も「自分も受けてみようかな」と、気軽に受講できるようになり、資格取得の気運が高まりました。(小林 英樹氏)
5名の方が指導者級資格を取得されるまでに苦労されたこと、工夫したことを教えてください。
指導者級養成講座を受講するための知識を体系的に学ぶ場が見当たらなかったので、すでに指導者級資格を保持されている外部の方にお願いして、カスタマイズした研修を実施してもらうところから始めました。(秋草氏)
私は社内で最初に指導者級資格を取得しました。1級までは自分自身の学習ですが、指導者級資格は指導する立場として「どうしたら受講者に理解してもらえるか」を考えなければならないところが大変でした。また、講座のテキストは各実施機関が独自に作るので、指導者級資格取得後に、初めてもしもし検定の指導をした時は、自分が作成した講座のテキストで受講者に内容が伝わるか不安もありました。そのような状況でしたので、講座を受講した者が検定に合格した時は、自分が合格した時よりも嬉しく思いました。(小林 英樹氏)
目指すは電話応対コンクール全国大会優勝。社内コンクールで技能を磨く
電話応対コンクールでも優秀な成績を収めていますが、社内で取り組まれていることや目標を教えてください。
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▲東京オペレーションセンター(TOC) サービスフロント担当 平野 裕久氏
当初は希望者のみ電話応対コンクールに取り組んでいましたが、若手オペレーターから「自分たちの力がどこまで通用するのか試してみたい」という声が上がり、2015年から社内コンクールを開催して参りました。社内コンクール開催前の時期は早めに出社して、30分間ボイストレーニングをしてから実際の業務に当たっています。社内コンクールで設けている基準点で70点以上を取った者が電話応対コンクールの録音審査に挑戦し、さらに上位の点を取った者は電話応対コンクールの地区大会にエントリーする仕組みになっています。モチベーションの高い者が増えたからかもしれませんが、今では東京都大会でも入賞するようになりました。(平野氏)
目標はやはりコンクール全国大会優勝ですが、まずは全国大会に出場することを目指したいですね。(秋草氏)
もしもし検定受検やコンクール参加により社内コミュニケーションを活性化
今後の目標について教えてください。
まずは、弊社の仙台センターなどTOC以外の社内組織に取り組みを広げていきたいと思っています。最終的にはもしもし検定実施機関として一般向けの講習や検定実施も視野に入れています。実際には講師の稼働やコストパフォーマンスも考えなければなりませんので、指導者級資格保持者が10名くらいになったら現実的になるかと思います。(秋草氏)
私自身はコンクールやもしもし検定をオペレーターのモチベーション向上やコミュニケーション活性化につなげたいと思っています。もちろん指導者級資格の取得、コンクール全国大会優勝も大事ですが、従業員が自発的にCS向上を目指すことや、もしもし検定やコンクールの講習を契機に普段の業務で接することが少ない他チームの従業員と“横のつながり”を構築し、困りごとを相談し合えるほど結束を高めてもらうことが真の目的です。実際に2018年は西日本の豪雨や北海道の地震など災害による緊急対応が続き、従業員は家に帰れないほど大変な状況でしたが、厳しい状況下でも今まで培ってきた「お客さまに寄り添う応対」で修羅場を乗り越え、お客さまからも褒めていただきました。そういった時、もしもし検定やコンクールの成果を感じます。(小林 年晴氏)
会社名 | NTTコム エンジニアリング株式会社 |
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設立 | 1987年(昭和62年)4月1日 |
本社所在地 | 東京都港区芝浦1-2-1 シーバンスN館 |
代表取締役社長 | 荒本 和彦 |
資本金 | 1億円 |
事業内容 | 電気通信設備の開発・建設・保守及び運用、電気通信システムの開発・企画・検証・設計・製作・管理・保守、電気通信工事業、電気通信事業、電気工事業など |
URL | https://www.nttceng.com/ |
電話応対技能検定実施機関
NTTコム エンジニアリング株式会社
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