電話応対でCS向上事例

-キヤノンカスタマーサポート株式会社-
応対品質向上により 多くのキヤノンファンを創出

キヤノングループのお客さま対応を担うキヤノンカスタマーサポート株式会社は、電話応対コンクールや企業電話応対コンテストでの実力向上と確認を行いつつ、高齢のお客さま対応など個別の課題にも積極的に取り組んでいます。

事業概要について教えてください。

  • ▲常務取締役 吉田 雅彦氏

     弊社はキヤノングループの中で、お客さま対応を主な業務としております。お客さまからのお電話での相談窓口であるコールセンター業務、実際に来社いただいて購入相談や修理受付をご案内するサービスセンター業務、さらにお客さまがカメラの使い方や撮影技術を学べるEOS学園の運営などです。コールセンターは全国に8拠点の体制で、概ね600名のコミュニケーターが応対しております。(吉田氏)

「電話応対のユニバーサルデザイン」確立を目指す取り組みを継続

御社の電話応対における課題について教えてください。

 キヤノングループの製品は複合機などビジネス用途のものから、カメラやレンズ、プリンターなどご家庭でお使いになるものまで多岐にわたり、近年はそのどちらも多機能化、高機能化が進んでおります。これらの製品のうち、特にご家庭向け製品において、ご高齢のお客さまから設定や使い方についてのお問い合わせが増えており、より簡潔で分かりやすい説明が求められています。(酒井氏)

そうした課題に向け、具体的にどのように取り組んでいらっしゃいますか。

 “SKT運動”と名づけた活動を続けております。このSKTとは、“シニア世代(S)に分かりやすい言葉(K)で伝えよう(T)”の頭文字をつなげたもので、定期的な勉強会などを通じ、ご高齢のお客さまにより分かりやすく伝える技術を身につけようというものです。具体的には、「加齢により聞こえる周波数帯に限りが出てくる高齢者の“聞こえ”を体感するためのシミュレーターを使った研修を行う」「“電話応対のユニバーサルデザイン”を目指すため、専門用語を分かりやすく言い換えた“言い換え集”を作り共有する」「用語だけでは伝わりにくいものについては製品のボタンなどについているマークでご説明する」といった取り組みです。(吉田氏)

チーム制によるコンクール参加で選手のスキル向上を

電話応対コンクール、企業電話応対コンテストへの参加動機について教えてください。

  • ▲事業推進部 事業推進第二課 酒井 敦子氏

     どちらも電話応対の品質向上を目指し、参加しております。まずコンクールへの参加は、応対力を伸ばすことが目的です。公募、選考を経て選ばれた選手に、コンクール出場経験のあるメンバーをトレーナーとしてチームを作ります。そのチームが全国各地でコンクールに挑んでいます。(吉田氏)

     各チームのチームワーク、そしてチームを跨いだトレーナー同士の情報交換や連携により、選手の応対品質は向上します。その結果がコンクールでのより優れた成績となりますし、こうした取り組みの継続がセンター全体の応対品質の向上につながると考えています。(酒井氏)

コンテストについてはいかがでしょうか。

 コンテストは培った実力がどれだけセンター全体の品質につながっているかを確認する場だと思っています。それは誰が電話を受けても良い応対ができるという、コールセンターの地力が試されるからです。また参加によってコミュニケーターも「より良い応対をしよう」という気持ちが高まり、モチベーションの向上に役立っていると感じています。(吉田氏)

将来的なコミュニケーターの“ハイブリッド化”を見据え組織を改革

ほかに力を入れていることはありますか。

 コミュニケーターのキャリアは会社の財産です。特に弊社は取り扱い商品数も多いことから、ベテランの持つ知識と経験は大変貴重です。そのため弊社では有期雇用をとらず、できるだけ長く働いてもらえる環境づくりに取り組んでいます。またそうした人的スキルに頼るだけではなく、ナレッジシステムの構築、また継続していただくお問い合わせに対して、パソコンの画面に問い合わせ内容履歴がポップアップで表示され、どのコミュニケーターが受けても応対できる仕組みを設けるなど、ICTも積極的に導入し、より効率的かつCSに資する体制づくりにも尽力しています。(吉田氏)

近年、大幅な組織改革を行ったとうかがっています。

 実は従来は、ビジネス向け、家庭向けで別々の部署としてお客さま対応を行っておりました。しかし現在はその統合を目指しています。もちろんコミュニケーターはそれぞれの分野でプロフェッショナル化しており、すぐに完全統合することは困難です。そのため現段階はマネジメントレベルを一体化し、品質向上に向け共有できるものは共有していこうという段階です。将来的にはコミュニケーターも双方のお問い合わせに対応できる“ハイブリッド化”を目指しています。これが実現すればスタッフ配置の効率化も進みますし、季節的な流動にも柔軟に対応できます。問い合わせが多い部門に適切な数のコミュニケーターを配置するなど、お客さまをお待たせしない対応の構築も可能でしょう。(吉田氏)

質の高い電話応対で“キヤノンのファン”を増やし、業績に貢献を

今後の目標について教えてください。

 質の高い電話応対は、お客さまのブランドロイヤリティに直結するものだと考えています。より多くのお客さまにご満足いただくことで、キヤノングループのファンを増やし、業績に貢献していきたいと思っています。(吉田氏)

日本電信電話ユーザ協会に期待すること、要望などはありますか。

 ユーザ協会を通じ各企業さまの取り組みなどを知ることができ、感謝しています。これからも各企業さまの応対品質向上の取り組みや、業務改善について、情報を発信していただけますよう期待しております。(酒井氏)

会社名 キヤノンカスタマーサポート株式会社
設立 1996年(平成8年)4月
本店所在地 千葉県千葉市美浜区中瀬1-7-2 キヤノンマーケティングジャパン幕張事業所
代表取締役社長 木戸 正弘
事業内容 キヤノン製品及び関連機器のコンタクトセンター業務、ほか
URL http://www.canon-cs.co.jp/

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