電話応対でCS向上事例

-武州ガス株式会社-
地域社会を支える公益事業者としてお客さまに安心・安全を感じていただける電話応対を追求

記事ID:C20075

武州ガス株式会社は、埼玉県西部地区に天然ガスを供給している都市ガス会社です。同社の電話応対に対する考え方や取り組みについて話をうかがいました。

事業概要と電話応対の体制、顧客接点についてお聞かせください。

取締役 支援ユニット長
髙橋 一夫氏

髙橋氏:当社は埼玉県川越市に本社を置き、南は所沢市から北は深谷市まで埼玉県西部地区の10市7町、約23万件のお客さまに天然ガスを供給しています。都市ガス・ガス機器の販売を中心に、近年は小売電力事業、農業事業、コインランドリー事業、うなぎの陸上養殖事業などの新事業にも取り組んでいます。設立は1926年と古く、約100年にわたって地域社会への貢献を理念に掲げて事業を展開してきました。電話応対については、グループ会社にコールセンターを設け、引っ越しに伴うガスや電気の使用開始や中止のご連絡、ガス器具の修理などのお問い合わせを受け付けています。さらに当社の代表電話にも、各種のお問い合わせが一日100件ほどあり、総務部で応対しています。中でも「ガス臭い」といった急を要するお問い合わせは、24時間365日受け付ける体制を取っています。

支援ユニット 総務部総務チーム
マネージャー 斉藤 和則氏

斉藤氏: ガス・電気の使用開始・中止については、ウェブサイトにお申し込みフォームを設けています。さらにお客さまとのコミュニケーションツールとして、SNSで料理教室などのご案内や、地域情報などを紹介するメールマガジンを発行しています。新事業関連では、うなぎの養殖や農業事業の稲作の模様などを紹介する動画も公式YouTubeで公開しています。当社にとって新たな取り組みである新事業ですが、これまで都市ガスの営業や技術などの業務に携わっていた社員たちが一つひとつ勉強しながら取り組んでおり、YouTubeの動画撮影・編集も当社の社員で行っております。

お客さまの信頼につながる電話応対を目指して施策を推進

電話応対に対する考え方や取り組みについてお聞かせください。

支援ユニット 社長室人事チーム
マネージャー 飛澤 正信氏

飛澤氏:当社は公益事業を行うインフラ企業であり、安全・安定供給という重大な責務を担っています。安心・安全なサービスを提供するには、お客さまからの信頼が欠かせません。電話応対は当社のイメージを左右する重要な入り口だと考えており、お客さまの信頼につながるような応対品質の向上に取り組んでいます。新入社員研修では、電話応対について座学と実技研修を行った上、実際にグループ会社のコールセンターや代表電話の応対をするというOJT を行っています。夜間、休日の緊急対応として宿直・日直の業務があり、社員が輪番制で行っていますが、新入社員は、最初の数回はプラス1名の見習いという形で、先輩社員の指導を受けながらガス漏れの問い合わせなどの緊急対応を経験してもらいます。また、代表電話にはさまざまな問い合わせがあるため、担当部署の取次一覧をイントラネットに共有し、スムーズに対応できるように工夫しています。加えて、料金関連や保安関連など代表的なお問い合わせについてはQ&Aを社内で共有し、お客さまからのお問い合わせに対して、しっかりお伝えできるような対策を行っています。なかでも2015年から開始した小売電気事業につきましては、ガスとは異なるお問い合わせが予想されたため、事前にQ&Aやフローチャートを準備しました。また、研修用に分電盤を用意し、実際にブレーカーを操作しながら復旧までの案内方法を学ぶなど、お問い合わせをいただいたお客さまに安心していただけるような応対を心がけております。

一日平均100件ほどの問い合わせに対応

斉藤氏:「ガス臭い」といった緊急性が高い電話では、お客さまが慌てていることがありますので、慌てずに状況確認を復唱しながら受付するよう指導しています。復唱するのは、自分自身が確認することに加えて、オフィスの自分の周りの社員にも「いまガス漏れに関する電話を受けている」ことを知らせるという意味合いもあります。ちなみに保安に関する教育は、社員全員に対して毎年実施しています。

20年前から「電話応対コンクール」に参加、職場をあげて出場者をサポート

「電話応対コンクール」に対する取り組みと成果を教えてください。

支援ユニット 社長室秘書チーム
遠嶋 栞奈氏

遠嶋氏:「電話応対コンクール(以下、コンクール)」は、20年ほど前から毎年10名程度の新入社員全員が参加しています。新入社員3名ほどに対して社員1名がトレーナーとして指導にあたり、言葉づかいや話すスピードなどをアドバイスし、ブラッシュアップを重ねて大会に臨んでいます。練習の模様は動画に撮ってイントラネットに公開し、上長や先輩からも助言をもらうなど、職場全体で取り組む体制を作っています。私自身、今年度の新入社員の指導に携わったのですが、昨今では固定電話はもちろん、携帯電話でも電話をかけないという若手社員が多いようです。コミュニケーションツールは、メールやチャット型アプリによるテキストでのやりとりが主流で、電話そのものに慣れていません。ましてや不特定の方からかかってくる電話に出るのはハードルが高いという声も聞かれましたので、一度に多くの内容を指導するのではなく、少しずつ慣れてもらうことを意識しました。コンクールですので問題が設定されているのですが、普段の業務に活かせるよう、お客さまが安心感を得られる応対を軸にアドバイスしています。私が新入社員として参加した際には、自分では気づかない話し方の癖について指導を受けたことが非常に役立ち、その後の業務に活かせました。

“安心につながる”コミュニケーションとして電話応対品質向上を図る

最後に、今後の取り組みについてお聞かせください。

新入社員研修では、ビジネスマナーや電話応対についても学ぶ

遠嶋氏:当社は公益事業者ですので、お客さまから頼られ、安心感を持っていただけるような存在になることが重要です。お客さまと直接話す電話応対においては、自信を持って応対することが求められますので、今後も前向きにコンクールに取り組んでいきたいと思っています。

飛澤氏:新入社員研修をはじめとするこれまでの教育形態は、今後も継続していきます。しかしながら、電話に慣れていない世代など、新しい指導も必要になっていますので、ビジネスマナーや電話応対の品質がさらに向上するように、研修や職場でのOJT を整えていきたいと考えています。それによって、よりお客さまに安心していただけるような応対ができる社員を育成していきたいというのが、今後の目標です。

ガスの供給のほか、農業やうなぎの陸上養殖にも取り組んでいる

斉藤氏:近年新しい事業にも挑戦していますが、当社の事業は都市ガスがメインであることは間違いありません。お客さまの安心・安全のために、24時間365日、電話を受け付ける体制も変わりませんので、今後も応対品質の向上に努めていきたいと思います。

髙橋氏:当社は地域の発展とともに成長してきた企業ですので、地域に貢献し、地域のお客さまからの信頼を得るという根本的な部分はこれからも変わりません。そのような中、近年お客さまとのコミュニケーションツールは多様化しています。当社でもウェブサイトからガス・電気のご利用に関する受付などを行っていますし、SNS を活用した情報発信にも注力しています。とはいえ、双方向のコミュニケーションとしての電話は欠かせません。特に緊急時には直接話して安心したいという思いを持つ方も多いと思われますので、今後もお客さまの利便性を考慮した最適なツールを準備しつつ、電話応対を含めた直接的なコミュニケーションを大切にしていきたいと考えています。

会社名 武州ガス株式会社
設立 1926年(大正15年)10月本社
本社所在地 埼玉県川越市田町32-12
代表取締役社長 原 敏成
事業内容 都市ガス・ガス機器の販売とこれに付帯する事業、電力の販売
URL https://www.bushugas.co.jp/
〔ユーザ協会会員〕

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