電話応対でCS向上事例

-東京ガスNext one 株式会社-
お客さまに選ばれ続けるため「また頼りたい」と思われる電話応対を目指す

記事ID:C20044

2016年4月に東京都台東区・荒川区・墨田区の東京ガスライフバル3社が集まって誕生した東京ガスNext one 株式会社。2017年4月「ガス小売全面自由化」のスタートと合わせて、コンタクトセンターを立ち上げた同社に、設立の経緯と顧客接点の考え方についてお聞きしました。

事業概要とコンタクトセンター設立の経緯をお聞かせください。

営業本部 営業推進部
部長兼コンタクトセンター
マネージャー 片岡 健一氏

片岡氏:東京ガスNext oneは、2016年4月に台東区・荒川区・墨田区の東京ガスライフバル3社が集まって誕生した地域総合拠点です。主な業務として、ガス機器や住宅設備機器の販売・施工や修理、東京ガスの委託事業(ガスの検針、設備点検、移転時のガスの開栓・閉栓、ガス工事など)などへの対応があります。コンタクトセンターへのお問い合わせは「お湯がお湯が出なくなった」「コンロの火がつかなくなった」といったガス機器の不具合に関するものが多く、ほかにも「引っ越して来たので、開栓してほしい」「点検の日時を変更してほしい」などのご要望もあります。受電件数は平均すると1日200~400件ほどで、設立当初は総務担当が電話応対を兼務していたのですが、台東区・荒川区・墨田区のおよそ40万世帯のお客さまとの最初の接点が電話での応対となるため、その重要性を考慮して2017年4月にコンタクトセンターを設立しました。

ガス小売全面自由化後もお客さまに選ばれるために問題解決型応対を強化

コンタクトセンターとして、どのような考え方を大切にしていますか。

営業本部 営業推進部
コンタクトセンター
チームリーダー 西坂 美樹氏

西坂氏:経営理念を基に、コンタクトセンター独自の行動目的を策定しております。それは『接客を通じてお客さまの気持ちを感じ、〈安心・安全・信頼〉を基本に、問題解決型応対の実現によってお客さまに満足・感動していただける応対を行う』というものです。特に、『お客さまの気持ちに寄り添って、真心こめて応対する』ことを大事にしています。ガス機器の故障など、今、困っているお客さまからのお問い合わせが多いので、そのお困りごとをしっかりと聴き取ることが第一だと思っています。中には、焦って電話をかけてくるお客さまもいらっしゃるので、落ち着いて会話をしていただくために順を追って確認するようにしています。例えば、第一声が「ガスコンロの火がつかない」という時には、いつコンロの電池を交換したか、調理中に吹きこぼれがなかったかなど、一つひとつ確認することで、正確に問題解決に結びつけるようにしています。

お客さまに寄り添う応対を行うため、どのようなことに気をつけていますか。

営業本部 営業推進部
コンタクトセンター
チームリーダー 鈴木 希氏

鈴木氏:以前は、入電するとすべての電話機が鳴り、全員で電話を取るという方式でしたが、今年6月に順番に電話が鳴るシステムを導入しました。新システムによって電話の取り方が効率化されるだけでなく、通話記録も取りやすくなりました。また、管理者がリアルタイムでオペレーターの通話を聞けるようになったので、今後、応対力の向上にもつながると思っています。その一方で、IVR(音声自動応答システム)は導入していません。理由は、「今、ガスが使えない」というお困りの状況下で、IVRの機械的な対応では、お客さまの気持ちに寄り添い、真心こめて応対することができないと感じてしまうからです。効率化すべきところと、お客さまの心情に寄り添うところはしっかりと分けて対応していきたいですね。

西坂氏:電話の終わりには必ず「気遣いトーク」をするようにしています。「寒い日が続いていますのでお身体にお気をつけてお過ごしください」「熱中症にはお気をつけください」といったように、季節に合わせてオリジナルのメッセージをお伝えしています。メッセージはメンバーそれぞれが考えるのですが、その際には、過去に自分が言われて嬉しかった言葉や、他の接客業のサービスを見ていていいなと思った表現などをヒントにしています。時には、応対終了時にお客さまから「いつもありがとうね、お身体気をつけてね」と伝えてくださることもあるのですが、お気遣いいただく言葉は大変励みになりますし、私たちからもお返ししたいと感じるので、真心こめた言葉でお伝えするようにしています。

貴社の電話応対について、お客さまの反応はいかがでしょうか。

コンタクトセンター

片岡氏:お客さまからの評価は、コンタクトセンター発足前と比べてかなり良くなっていると感じています。現場を見ていても、コンタクトセンターの発足以降は「聞いていて心地の良い声のトーン」や「聞き取りやすい速度」、「丁寧な言葉を選ぶこと」などがあたり前にできるようになり、応対力が劇的に改善されたと実感しています。また、メンバーには電話のプロとしての自覚が出てきたので、最近は顧客アンケートなどでも、コンタクトセンターの電話応対を名指しでお褒めいただくことも増えております。お客さまからの評価はメンバーにとって励みになりますので、どんどんフィードバックしていきたいと思っています。

電話応対技能検定(もしもし検定)を通じてメンバー間で応対を指摘し合えるようになった

もしもし検定を活用されたのは、どのようなきっかけからでしょうか。

給湯器修理の様子

鈴木氏:私たちは今でこそコンタクトセンターに勤務していますが、元は別の業務を担当していたため専門職ではありませんでした。そこで、他社へ見学に行ったところ、受付の会話や応対レベルが自分たちよりも格段に上で、応対話法を一から学ぶ必要があると感じました。もしもし検定は、その時相談に乗ってもらった外部講師から紹介されて、3~4年前から取り組んでいます。現在4級を8名、3級を3名、2級を1名、1級を1名が取得しておりますが、級を取ることが目的ではなく、検定を通じて学んだことを実際の業務に活かすことが大切だと思っています。会話だけでなく、ビジネスマナーも体系的に学べる点がよいと感じています。

もしもし検定を活用して、社内ではどのような効果を感じていますか。

西坂氏:メンバー同士で会話の内容を意識するようになりました。以前は、全員に共通する知識がなかったので、言葉づかいが気になっても声をかけにくいところがありました。もしもし検定の学習を進めるうちに、敬語や言い回しなどが共通認識化されたので「こういう言い方のほうが良いのではないか」などとお互いに指摘し合えるようになりました。また、毎日の朝礼で、「今日はこの応対話法ができるようになろう」などと目標を立てて、自発的に改善する雰囲気ができてきました。

お客さまとの第一接点として営業本部 「また頼りたい」と思われる電話応対を目指す

最後に、今後の目標についてお聞かせください。

東京ガスライフバル台東
浅草通り店

片岡氏:電力に続き、ガスの小売全面自由化後も、弊社にお問い合わせいただくお客さまにとって、私たちが最初の接点であることをしっかりと意識し、「また頼りたい」と思っていただける応対を目指しています。例えば、「給湯器が使えず困っている」という時に、種類によっては「しゃがんでみると、ここに元栓があります」というような、お客さまの視点に立ってご案内をすることもその一つです。また、ご自宅に訪問することになった時は「せっかくお伺いするので、ほかの機器でも何かお困りごとはありませんか」と聞いて、一度の訪問で複数の問題点を解決できるようにしています。今後も、お客さまの気持ちに寄り添う応対力をさらに高めていきたいと思っています。そして、マネージャーとしての目標は、みんなが長く働き続けたいと思う職場づくりを進めていくことです。メンバーが電話応対の仕事に誇りをもって取り組んでくれれば嬉しいですし、そう思える環境を作っていきたいです。

会社名 東京ガスNext one株式会社
創 業 2016年(平成28年)
本社所在地 東京都荒川区南千住3-13-1 東京ガス千住ビル6F
資本金 8,000万円
代表取締役社長 川岸 誠
事業内容 ガス・電気機器、空調機器、住宅設備機器等住まいに関わる機器の販売・施工、ガス機器の修理ほか
URL https://krs.bz/nextone/s/tokyogasgroup
〔ユーザ協会会員〕

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