電話応対でCS向上事例

-株式会社タカヨシ-
新入社員の傾聴力、提案力向上に「電話応対コンクール」が役立つ

記事ID:C20015

新潟発の総合印刷会社として100年の歴史を持つ株式会社タカヨシ。目の前の人が困っていることに役立つことこそがタカヨシらしさだと考え、お客さまの課題を解決する製品、サービスの提供で大きく成長してきました。今回は、松田氏、佐藤氏に新入社員の傾聴力・提案力を高めるコツをうかがいました。

事業概要についてお聞かせください。

社長室 兼 人事・広報戦略室
係長
佐藤 翠氏

 タカヨシは1920年(大正9年)創業の総合印刷会社で、昨年100周年を迎えました。新潟に本社があり、東京、仙台、名古屋と全国に4拠点あります。パンフレットやラベル、カタログなど、世の中にはさまざまな印刷物がありますが、お客さまが必要としているのは印刷物という「モノ」ではなく、印刷物によってもたらされる「コト」にあると考えます。当社はお客さまと一緒に事業を成功させるパートナーとして、ウェブやイベント、消費者キャンペーン事務局など印刷だけにとどまらない幅広い解決策を提案しています。新潟のゆるキャラ「レルヒさん」も当社が手がけたのですが、率先して新潟の魅力を全国に発信する企業でもありたいと思っています。(佐藤氏)

新入社員が「顧客満足とは何か」を体感できるよう、電話応対コンクールを活用

新入社員教育に「電話応対コンクール」を活用されているそうですが、どんな効果がありますか。

東京営業部
営業1課
課長
松田 憲氏

 若手社員の教育の一環として電話応対コンクールに取り組んでいます。電話応対コンクールは、要するに「顧客満足度を上げる競技」ですよね。お客さまの置かれている状況や困りごとを正確に聞き出し、それを理解し、解決方法を提示してお客さまの満足度を高めることが競技の主旨だと思っています。それも、3分間という短い時間で、いかにコミュニケーションが取れたかを客観的に評価していただくというのは貴重な経験になります。タカヨシでは、新入社員と有志の社員を対象として5月に研修を開始し、9月にブロック大会に出るまで一つ一つのケースに丁寧に向き合い、言葉の選び方一つに対してもメンバーで深く議論しています。接客応対は、理論というより感覚としてつかむものなのでマニュアル化はできません。電話応対コンクールで求められるスキルは、営業活動においても求められているものです。(松田氏)

 電話応対はとても奥深いものだと思います。お客さまに向き合うことは、自分自身に向き合うことになるので、最後は人間性が試されます。これは、コンクールに何回も挑戦したことで気づくことです。入賞しようという気持ちが先に来ると、ほかの人よりもいいことを言おうとします。この言い方だと目立たない、審査で高得点を取れないなどと考えて、普段使わないような言葉を入れるのは、自己満足であって顧客満足ではありません。自我をそぎ落として、お客さまの悩みに寄り添い、解決策を手際よく提示すればお客さまの満足度が上がります。これを日常的にできるようになるには、かなりの熟練が必要です。電話応対コンクールは、お客さまの困りごとに対してどのように役立てるのかを考える習慣がつけられるだけでも、とても意味があると思います。(佐藤氏)

見積りのスペックを聞きだすだけでなく、制作の目的や用途を聞き取る訓練が大切

御社の電話応対教育の特徴についてお聞かせください。

 タカヨシには電話応対の専門部署はなく、事務所にいる全員が電話応対をします。中でも、営業担当は、さまざまなお問い合わせに対応するため、お客さまの潜在的なニーズを聞き取る傾聴力、課題解決に向けたコーディネート力、期日までに制作するディレクション力が求められます。若手の場合は見積りに必要なスペック情報は聞き取れるのですが、何のために作るのか、作ることで何を達成したいのかまで引き出すことは難しいと感じています。限られた時間の中で、お客さまの状況や目的、用途をどれだけ聞き取ることができるかが営業の鍵となるので、繰り返しトレーニングすることで傾聴力や提案力を高めたいと思っています。(松田氏)

  • 電話応対の練習風景

  • 印刷を手がけた製品と営業スタッフ

SDGs※の活動や社員一人ひとりの成長により、地域の役に立つ会社でありたい

最後に、今後の目標についてお聞かせください。

 一昨年から全社的にSDGsに取り組んでおり、来期からはそれぞれの事業活動がSDGsのどのゴールに貢献するのかを明確にした上で、部門ごとに目標設定をすることになっています。このSDGsの活動を通して、地域への貢献度を高めていきたいですね。(松田氏)

 目の前のお客さまの役に立つ、それが企業の成長に貢献し、ひいては地域の役に立つ。それが広がるとSDGsにもつながると思っており、その姿勢は創業当初から変わっていません。今後、さらに伸ばしていくには、社員自身が成長することが大事だと思いますので、人が成長することによって成長する会社でありたいですね。(佐藤氏)

  • 本社外観

  • 自社工場

※ SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。2015年9月の国連サミットで採択された、国連加盟193ヵ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた国際目標。

会社名 株式会社タカヨシ
創 業 1920年(大正9 年)
本社所在地 新潟県新潟市江南区亀田工業団地1丁目3-21
資本金 6,000万円
代表取締役 高橋 佑
事業内容 印刷業務(商業印刷、パッケージ、ラベル印刷、フォーム印刷、 化成品など)、コミュニケーション業務(広告、SP、クロスメディ
URL https://www.takayoshi.co.jp/
〔ユーザ協会会員〕  

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