電話応対でCS向上事例

-指導者級資格保持者のための特別品質向上研究会レポート-
ネットの特性や子どもたちのネットコミュニケーションのあり方とは

2020年7月3日(金)14:30より、電話応対技能検定(もしもし検定)の指導者級資格保持者を対象とした「品質向上研究会」が行われました。今回は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、初の試みとなるオンライン会議システム「Zoom」を使って開催されました。

ウィズコロナの時代だからこそ、
オンライン講演会を体験すべき

講師
LINE株式会社
公共政策室
教育政策主幹
浅子 秀樹氏

 当初、本研究会は2020年7月3日(金)、4日(土)と2日間にわたり大阪で開催される予定でした。新型コロナウイルスの影響により、一時は開催中止の声も上がりましたが、ウィズコロナと言われる時代では、ホールなどに一堂に会する研究会を続けることは困難です。また、指導者級資格保持者にとって、オンライン講演会を受講者として体験することは、今後のコミュニケーション教育の大きな糧になるという期待もあり、LINE株式会社の浅子 秀樹講師を招いて特別講演を「Zoom」にて行いました。事務局は、前日から受講者一人ひとりと連絡をとって通信状況の確認を行うなど、入念に準備を重ねたこともあり、当日は総勢80名もの方が受講し、大いに盛り上がりました。

子どもたちのネット利用環境を
踏まえたリテラシー教育が重要

  • 専門委員会委員長
    稲葉一人氏

     研究会の開催にあたり、専門委員会の稲葉 一人委員長より受講者に「自分たちの理念を対面だけではなく、オンラインのツールを使ってどう伝えていくかを一人ひとりが考える場にしたい」と本日の主旨の説明がありました。講師として登壇した浅子氏は、2014年よりLINE社のCSR活動の一環として、子どもたちのデジタルリテラシー向上に取り組んでいます。講演はインターネットビジネスの変遷からスタートし、2008年の「iPhone」の登場により、インターネットの使い方が大きく変化し、子どものインターネットや端末機器の利用も低年齢化の傾向が顕著になったことから、小学校の低学年から情報モラル教育を実施する必要性についてお話がありました。

 「青少年のネット利用実態」(画像1)を見ると、小学生は「通話」が4割と多かったのが、中学生になると「LINE」が8割を超え、高校生は「LINE」に加えて「Twitter」が約7割と、学齢が上がるにつれ、コミュニケーションツールが変わっていることが分かります。つまり、小学生は親との「通話」が中心で、中学生になるとクラスの友だちとの「LINE」、高校生は、共通の趣味を持つインターネット上の知人と「Twitter」でやり取りするなど、ツールだけでなくコミュニケーションの相手が広がっているので、それを踏まえた情報リテラシー教育が重要であるとの説明がありました。

  • 【画像1:青少年のネット利用実態】

「カード教材」を使った情報モラル教育を
オンラインで体験

 続いて、本日のメインテーマである「情報モラル教育の教材体験」に移ります。LINE社では、情報モラル教育のポイントを「日常モラル」×「ネットの特性理解」×「想像力、判断力」と定義しています(画像2)。

  • 【画像2:LINEが考える情報モラル教育指導のポイント】

 一つ目の「日常モラル」とは、ネットに限らず日常的な善悪の感覚を持つこと、自分と相手の違いを理解することをテーマとしています。オンライン講演会では「ブレイクアウトセッション※1」として5~6人のグループに分かれて、小学校高学年~高校生を対象に実施している「カード教材」を使ったワーク※2を体験しました。カードワークでは、はじめに講師から「あなたがクラスの友だちから言われて『イヤだな』と感じる言葉を一つ選んでみましょう」というお題が与えられ、「まじめだね」「おとなしいね」「一生懸命だね」「個性的だね」「マイペースだね」の5つのカードから一つを選んで、なぜそれが「イヤだ」と感じるのか、チームに分かれてお互いの意見を出し合いました(画像3)。

  • 【画像3:カード教材を使ったワークの例】

 ブレイクアウトセッションの後、各自の意見はその場でアンケートを取ってすぐに画面上で共有されます。今回の受講者は「マイペースだね」を挙げた人が45%で最も多く、次いで「まじめだね」(32%)「おとなしいね」(17%)が続き、人によって感じ方が異なることが分かりました。このワークで子どもたちに気づいてもらいたいのは、「イヤな言葉」は人によって違うということ。相手にとって「イヤな言葉」が、自分の「イヤな言葉」と同じとは限らないということを、お互いに選んだカードを見せ合いながら話し合うことで、相手の気持ちを尊重できるようになってほしいという意図が込められています。二つ目の「ネットの特性理解」については、ネットとリアルの違いを理解することがテーマです。ここでは写真のカードを使ったワークを行い、「どの写真ならばネットで公開してもよいか」というテーマで話し合われました。ブレイクアウトセッションでは、「いつものお店で食事をしているシーン」ならば、顔が出ていないので掲載してもよいという意見が多かったのですが、実際には、写真に写っている「お店のロゴ」や「個性的なスマートフォンケース」など、複数の情報を組み合わせることで個人が特定できてしまうことの怖さについて、しっかりと認識すべきであることを学びました(画像4)。

  • 【画像4:写真を使ったカードワーク】

 三つ目の「想像力、判断力」は、前の二つのテーマの応用という位置づけで、LINEでのチャットのやりとりに対して、自分がどのような返答をするか、それがどのように伝わるかについて考えるワークを実施しました。ここでは、テキストによるコミュニケーションは、リアルと比べて誤解が起こりやすいので、相手の気持ちを想像すること、それを踏まえて自分がどのようなコミュニケーションを取るべきかを判断することが大切であるということを学びました。

 本研究会では、「情報モラル教育のカード教材」を体験することがメインテーマでしたが、カードワークをオンラインで実施することに対して、当初は不安の声もありました。実際にやってみると、講師の話からグループディスカッションに違和感なく移動できたり、アンケート機能や挙手の機能を使って参加者の意見をその場で取りまとめたり、チャットで各自の意見を出し合うなど、従来の研究会と同等以上にインタラクティブにやり取りをすることができました。今回、指導者級資格保持者がオンラインの講演会を体験することにより、ウィズコロナ、ポストコロナ時代における、今後のもしもし検定の教育のあり方を考える良い機会になりました。

※1 ブ レイクアウトセッション:「Zoom」の機能の一つ、参加者を少人数に分けて、それぞれで話し合ってもらう機能
※2 ワーク:グループ学習のこと

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