電話応対でCS向上事例
-一般社団法人 日本ヒーブ協議会-異業種交流の輪の中で電話応対技能検定(もしもし検定)を採用、企業と生活者双方のメリットを探求
会員企業の働く女性が集まり、生活者と企業のパイプ役として活動している一般社団法人 日本ヒーブ協議会は、昨年より、電話応対技能検定(もしもし検定)を導入。ビジネスのさまざまな場面や電話応対に必要なコミュニケーションスキルを学ぶ場として提供しています。
貴協議会の概要について教えてください。
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▲代表理事 梶原 織梨江氏
一般社団法人 日本ヒーブ協議会は、働く女性が生活者と企業とのパイプ役としてより良い仕事をするため、さまざまな企業の消費者関連部門に属す人が集まり、活動する団体です。この活動のルーツはアメリカで家政学を学んだ人が企業で活動するHEIB(企業内家政学士)ですが、日本では独自の方針により発足したことから、カタカナの名称としています。(梶原氏)
2018年4月現在、東京、関西、九州の3拠点で71名の正会員が所属し、この正会員の属する企業、そして29の賛助会員企業が協議会の活動を支えています。(鈴木氏)
その具体的な活動はどういうものか、教えてください。
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▲副代表理事 鈴木 聖子氏
月に一度開かれる月例研究会が活動の中心です。月例研究会では、生活者と企業のより良い関係やヒーブの役割を問い直し、一層の能力向上を図るため、有識者や企業経営者などを講師として招き、講演会や事例研究を行っています。またその内容をより広く知ってほしい場合は、会員以外でも参加できるオープン形式をとっています。(梶原氏)
また、共通のテーマを会員同士で研究し、専門性を磨く分科会も行っています。(鈴木氏)
業種をまたいだ研究活動により、新たな“気づき”に到達
そうした研究会、分科会を行うことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
私たちは主に企業で働いていますが、職場を離れれば一生活者となります。その生活者視点を活かした活動を通じて自らのスキルアップを図り、その成果を企業に持ち帰り共有することが、企業のお客様対応の質の向上にもつながり、お客様満足度のさらなる向上に寄与すると考えています。生活者視点を活かした取り組みは各企業ですでに行われていますが、ヒーブ協議会は「異業種交流」にポイントがあります。さまざまな課題に他社、他業種はどのように対応しているかを共有することが、企業内では得られない“気づき”につながるのです。そして研究の成果は事例集などにまとめ、会員が持ち帰り、所属企業で活用します。(梶原氏)
また現在、消費者や企業を取り巻く環境変化は速く、一企業ですべてをフォローしていくのは困難になりつつあります。私たちが合同で研究し、その成果を共有することは、そうした企業の負担を減らすとともに、生活者に必要な情報やサービスを提供できる環境作りにつながると考えています。(鈴木氏)
ビジネスパーソンが習得すべきスキルをもしもし検定で
今回、もしもし検定を貴協議会として導入することになった動機を教えてください。
分科会の一つに「お客様対応を考える分科会」があり、ある正会員企業がもしもし検定を取り入れ、応対品質向上に効果が出ているという情報共有がありました。そこでまず、2017年に関西支部の月例研究会で4級を受検し、その反応が良かったことから、今年は九州支部、そして東京本部での受検となりました。(鈴木氏)
4級は自主学習だけでも受検できますが、当協議会が開催するにあたっては、試験対策講座を2時間設定し、受検者がより理解を深められる環境を用意しました。(梶原氏)
具体的にどのような部分を評価されたのでしょうか。
もしもし検定4級の内容が電話応対に限ったものではなく、ビジネスパーソンとして身につけておくべきマナーや常識を広く網羅し、実用的な内容だったからです。こうした知識は各企業で研修を行い習得するものですが、こちらも最新のマナー、こうあるべきという作法を各企業がアップデートすることは難しくなっています。「お客様対応を考える分科会」で長年研究を行ってきた当協議会がもしもし検定を取り入れることは、会員企業にとっても自然な流れであると考えます。(梶原氏)
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▲日本ヒーブ協議会東京本部
「もしもし検定」会場 -
▲『お客様対応を考える分科会』
作成電話応対実務マニュアルなど
もしもし検定を通じて一層の「生活者と企業のコミュニケーション活性化」を
今後の目標について教えてください。
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▲試験対策講座の様子
もしもし検定の取り組みは始まったばかりです。これからも4級の受検機会を設けて資格者の裾野を広げていくか、もしくは4級合格者向けに3級、2級とより上を目指す機会を提供するのかは、会員のニーズを汲みながら検討しています。ヒーブのミッションである「生活者と企業の双方を理解し、新しい価値を創造・提供することで、生活者の利益および企業の健全な発展に寄与すること」を目指し、検討を重ねていきたいと思っています。(梶原氏)
私自身は4級に合格し、さらに上を目指したいという気持ちです。ヒーブの中に1級、さらには指導者級資格まで目指せる資質を持つ人がいるかもしれません。そうした人材の発掘にもつなげられるよう、もしもし検定をうまく活用していけたらと思います。(鈴木氏)
組織名 | 一般社団法人 日本ヒーブ協議会 |
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創設 | 1978年(昭和53年) |
所在地 | 東京都渋谷区代々木2-30-4 C-002 |
活動内容 | 月例研究会、公開講座、分科会・自主研究会、ヒーブ講座など |
URL | http://www.heib.gr.jp/ |
電話応対技能検定実施機関
一般社団法人 日本ヒーブ協議会
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