電話応対でCS向上事例
-ヤマトコンタクトサービス株式会社-目標は“お客さまの「想いをつなげる」応対”の実現
ヤマトホールディングス傘下でコンタクトセンター事業を行うヤマトコンタクトサービス株式会社は、お客さまの言葉の背後にある“本当のお気持ち”の拝察を目指して同社のあるべき姿を制定、ご満足いただける応対に向け歩みを続けています。
事業概要について教えてください。
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▲グループコンタクト戦略部
名張コンタクトセンター
センター長(当時)
駒板 宏一氏「弊社はヤマトグループの社内ベンチャー※第1号として2003年に設立されました。現在は宅急便関連のお問い合わせ受付のほか、ヤマトグループ外からの通信販売受注、リコール製品の回収受付などをしています。拠点数は11カ所で、ここ名張コンタクトセンター(三重県)は、廃校跡地の利用で雇用創出を目指す名張市の施策と新拠点開設を検討する弊社の目的が一致し、2009年に開設されました」(駒板氏)
あるべき姿「ハッピークローバー」のもと、応対育成専任者を各拠点に配置
電話応対の品質向上に向けてのこれまでの取り組みについて教えてください。
「創業から5年ほど経ち、業務に余裕が生まれた頃から『私たちはコンタクトセンターという非対面接客の会社なのだから、その質を大切にしなければ』という意識の共有が生まれました。そして電話応対を指導できる人材の採用、マニュアルの整備、正しい言葉遣いや発声の研修などに着手しました。現在はさらに進み、各拠点にホスピタリティ・コミュニケーション・パートナー(HCP)という応対育成専任者を置いています」(駒板氏)
アンサーセンターからコミュニケーションセンターへ
HCPは一般的なSVや上長などと、どのように違うのでしょう。
「SVの業務は、お客さまと間違いのない受け答えができるよう業務知識を指導することです。しかしHCPは応対によりお客さまの心がどう動いたかに着目し、心からご満足いただける応対に向けコミュニケーターを指導する役割を担っています。この改革は私どものセンターが聞かれたことだけに答える『アンサーセンター』になってはいないかという危機感から始まりました。マニュアルに沿った受け答えだけでは解消できないお客さまの心の中にあるご不満を根本的に解決できれば、お客さまに本当にご満足いただけるのではないかと考えたのです」(駒板氏)
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▲三つの教室をコンタクトセンターとして使用
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▲チームの活動掲示板。元小学校らしく1組、2組、3組と名前がついています
そうした目標に向け、具体的にどのようなトレーニングをされていますか。
「現在、HCPはモニタリングを通じ、お客さまの心の動きを察知するトレーニングに集中しています。コミュニケーターには、実際のログでのお客さまの声の緩急、店内アナウンスやクルマの走行音など電話口に伝わる音から、お客さまご自身や置かれている状況をディスカッションする研修を行っています。従来からの『聞かれたことを正しく、スピーディに答える』という文化を生かしつつ、“お客さまの心が感じとれるコンタクトセンター”を目指していきたいと思います。またコミュニケーターがもしもし検定を受検し、各自でスキルアップを図ることもしています」(駒板氏)
同社のあるべき姿の導入により、電話応対コンクール参加の意義がより身近に
電話応対コンクールにも参加されています。そのいきさつ、動機について教えてください。
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▲同社のあるべき姿「ハッピークローバー」ポスター
「当初は業務に関連した品質向上よりも、『賞をもらえること』でのモチベーション向上が目的でした。しかしHCPの配置、さらに2015年10月に制定したヤマトグループのDNAを引き継ぐ弊社のあるべき姿(ハッピークローバー)の浸透により、応対の方針が『お客さまの想いをつなぐ』に転換したことで、コンクール参加の意義が実際の業務に大きく引き寄せられました。現在は参加により得た経験を社内に広めてくれそうな人物を送り出し、そのフィードバックから学ぶことが、応対品質に大きく寄与すると考えています」(駒板氏)
冨永さまは、去年初めて出場し、今年も出場予定とのことです。
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▲HCP
ホスピタリティ・コミュニケーション・パートナー
冨永 千智氏「昨年は本番で緊張して声が詰まり、自分の力不足を痛感しました。しかし参加により応対へのさまざまな考え方や切り口に驚き、また優勝された方の的確な質問の組み立てで最短で情報を聞き出すテクニックに強く刺激されました。今年は発声練習を積み、自然な受け答えになるよう、声に出した応対からスクリプトを書き起こすなどの工夫で、より上位を目指したいと思います」(冨永氏)
目指すは「クライアントさまの業績を伸ばす」コミュニケーションセンター
コンクールの参加により、業務での受け答えに変化は出てきましたか。
「よりお客さまの目線を感じとれるようになったと思います。例えば宅急便の箱をご用意する時、お客さまに必要なサイズを直接聞くのではなく、『何を入れますか』『どのくらいの大きさですか』という問いかけができるようになりました」(冨永氏)
「会社としては、選手が練習や本番での経験を自分なりに解釈し、参加しなかったスタッフにも共有し、業務への活用とスキル底上げに活かしてほしいと思っています。また今年のコンクールで出題された問題は、弊社が今後提案型のコンタクトセンターを目指す上で良い機会だと思います」(駒板氏)
今後の目標、また日本電信電話ユーザ協会に期待することはありますか。
「お客さまとクライアントさまとの想いをつなげ続けるダントツのコミュニケーションにより、クライアントさまから『あのセンターに任せたら業績が伸びた』と言われるような、お客さまに感動体験を提供する応対ができるよう頑張っていきたいと思います」(駒板氏)
「協会の研修でお目にかかる他社さまの技量は、自分たちの成長の大きな糧です。近隣で、他社さまと合同での通期の研修を組んでいただけるとありがたいですね」(冨永氏)
※社内ベンチャー:斬新な発想を持つ社員の夢を実現させるため、提案者と会社が共同出資し、新しいビジネスを立ち上げるベンチャー制度。
▲繁忙期の土日祝の一部期間はキッズスペースもオープンしています。体育館で子どもたちが遊ぶこともできます
会社名 | ヤマトコンタクトサービス株式会社 |
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設立 | 2003年(平成15年)9月1日 |
本社所在地 | 東京都豊島区南大塚3-33-1 |
代表取締役社長 | 石王丸 竜一 |
資本金 | 2,000万円 |
事業内容 | テレマーケティング業 |
URL | http://www.y-cs.co.jp/ |
電話応対技能検定実施機関
公益財団法人 日本電信電話ユーザ協会 三重支部
http://www.pi.jtua.or.jp/mie/関連記事
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