電話応対でCS向上事例
-NTT北海道テレマート株式会社-電話応対コンクールへの参加と上位進出の経験を人財育成の資産に
電話応対技能検定(もしもし検定)を活用した研修事業の展開を本格化するNTT北海道テレマート株式会社。同社は「電話応対コンクール」への参加と上位進出を目指す努力により、コミュニケーター個々人、そして組織の力の双方を高めています。
事業内容、沿革について教えてください。
-
▲代表取締役社長 石田 良夫氏
「弊社は1986年にテレマーケティング会社として発足し、現在は事業の軸をコンタクトセンタ、人材派遣、研修の三つに置いています。特にコンタクトセンタ事業においては順調に業績の拡大を続け、売上のほぼ半分をNTTグループ以外の企業さまから受注するまでに成長しました」(石田氏)
社内の「インストラクター部会」で研修の内製化を推進
コンタクトセンタ事業の特徴について教えてください。
「まず最大の特徴は、優れた応対品質と高度な専門知識をともにそなえたコミュニケーターによる、コンタクトセンタの運営です。例えば大手ICT企業さまからの受託案件では、一般の消費者さまだけでなく、法人のICT担当から専門的質問を受け付ける窓口も運営しています。そしてインストラクター研修の内製化です。内製化の進展で、知識、提案力、問題解決力が大きく向上しました」(石田氏)
-
▲社内にはコンクールでの賞状やカップを多数掲示。またもしもし検定を含む、有資格者の名前が掲示されています
研修内製化の動機と、その具体的内容について教えてください。
「本格的な取り組みは社内の『インストラクター部会』発足にさかのぼります。当初は経費削減も見込んでのスタートでしたが、実際にはそれ以上にスキルアップ効果が高いことが分かりました。現在は弊社基準の基礎的研修のほか、もしもし検定やコンクール向け指導も行います」(藤田氏)
これまでの間で、どのような苦労があったのでしょうか。
「自分たちが考える基礎的研修と、現場ニーズとのすり合わせに苦労し、当初は改訂を繰り返しました。またクレーム対応研修も、実例を基にした研修に汎用性がなく、適切とは言えなかったことで、より一般的なストーリーに変更しました」(藤田氏)
内製化で高めた実力をバネに、研修事業分野に本格進出
内製化による成果を教えてください。
-
▲経営企画部 企画部門 採用・育成 チーフ 藤田 珠恵氏
「現場の声を採り入れたことで、スキル底上げにつながりました。また外部の研修では『教えるスキル』の蓄積が困難ですが、内部研修ではそれがノウハウとして蓄積され、カリキュラム設定、後進のモチベーション維持にも役立ちます。もしもし検定の指導者級資格保持者が12名まで増えたことも、内製化の効果でしょう。今後はもしもし検定の講習と試験の実施機関として、外部向け研修に積極的に取り組んでいきます」(藤田氏)
実施機関となることで、どのようなメリットが得られるとお考えですか。
-
▲経営企画部 企画部門 採用・育成 チーフマネージャー 水上 智世氏
「私は研修事業を通じ弊社の実力を外部に周知することが、コンタクトセンタ事業の拡大につながると考えています。そして外部への指導は、自らの指導力を客観的に見直すきっかけとなり、さらなるスキルアップに結びつくはずです。もちろん、弊社が単独での研修事業も可能ですが、お客さまにもその効果が分かりやすいとは言えません。そこでもしもし検定の活用に至ったのです」(石田氏)
「たとえ優れた指導力があっても、外部からはその実力は判断できません。しかし実施機関として活動すれば、研修を希望する企業さまにとって、非常に分かりやすい指標となるはずです」(水上氏)
目的はコンクール上位入賞そのものではなく、それにより得られるもの
コンクールにも参加し、全国大会にも選手を送り出しています。
「参加の動機は、自社の応対レベルの把握でした。初参加で北海道大会まで進み、その目的は達成されましたが、その過程でコンクールが応対品質の向上につながることが分かり、継続参加を決めました。現在は全社での予選で選手を選抜しています」(宮部氏)
品質向上に資するのはどういったところなのか、具体的に教えてください。
-
▲経営企画部 企画部門 採用・育成 サブチーフ 宮部 綾子氏
「コンクールでは日常業務と異なる設問に対し、自分自身でスクリプトを考えなければなりません。この取り組みが、コミュニケーターの成長を促すと思うのです。また参加の過程で他社さまの応対を自身と比較すること、テープ審査の際に希望すればいただけるユーザ協会北海道支部からのフィードバックレポートも、“気づき”につながります」(宮部氏)
「スクリプト検討は、日常業務で扱わない内容に『どうすればうまく伝わるか』『誰もが理解できる表現はどうあるべきか』という多面的な考察と話し方が求められます。上位進出すれば、自身の応対のブラッシュアップに加え、より優れた応対に触れる機会も増えます。つまり上位進出を狙う取り組みで、得たものをフィードバックし、後進に伝えるサイクルにつながり、応対品質をより高めてくれるのです」(水上氏)
研修事業により北海道地区の実力を高め、全国区の存在感に
今後の事業の展望はいかがでしょう。
「弊社の地盤、札幌市は、200万の人口、標準語に近い言葉など、コンタクトセンタ運営に大きなメリットがあります。弊社は約3,000名のスタッフを雇用していますが、ここからの拡大にも対応できる余力があります。弊社は研修事業を通じ、北海道地区のコンタクトセンタ事業の実力を高め、魅力を全国にPRしたいのです。今後もコンクール参加で研鑽に励むとともに、もしもし検定を軸に外部研修を拡大していく予定です。ユーザ協会には引き続き協力を仰ぎたいと思っておりますので、よろしくお願いします」
(石田氏)
会社名 | NTT北海道テレマート株式会社 |
---|---|
創立 | 1986年(昭和61年)11月18日 |
所在地 | 北海道札幌市中央区大通西7-3-1 エムズ大通ビル9F |
代表取締役社長 | 石田 良夫 |
資本金 | 3,000万円 |
事業内容 | コンタクトセンタ事業・研修事業・人材派遣事業・NTTグループ事業 |
URL | http://www.telemart.jp/ |
電話応対技能検定実施機関
NTT北海道テレマート株式会社
http://www.telemart.jp/関連記事
-
2024.06.25 公開
-株式会社JR西日本カスタマーリレーションズ-
お客様センターにおける言語生成AI導入で 要約業務の品質向上と業務負荷削減北陸から近畿・中国・九州北部エリアの通勤・通学輸送を行うJR西日本。そのグループ...
-
2023.09.25 公開
-甲賀農業協同組合-
「電話応対コンクール」を通じて職員の電話応対品質向上を追求 “お客さまとJAこうかの絆”の構築を目指す甲賀農業協同組合(JAこうか)は、滋賀県南東部の甲賀市・湖南市を活動区域とする農...
-
2023.07.25 公開
-株式会社プレステージ・コアソリューション-
お困りごとを解決するコンタクトセンターとして、お客さま一人ひとりに向き合って応対したいBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)※を事業とするプレステージ・インタ...
-
2023.06.26 公開
-株式会社エントリー-
スピード感と丁寧さを兼ね備え、他社と差異化できる応対品質を目指す2002年に設立し、短時間、短期間の求人に強い派遣会社として成長をしてきた株式会...
-
2023.03.24 公開
-指導者級資格保持者のための品質向上研究会レポート-
大切にしていることを考えることから始める「幸せに働ける組織・職場の作り方」とは電話応対技能検定(もしもし検定)の指導者級資格保持者を対象とした「品質向上研究会...
- 電話応対でCS向上コラム(303)
- 電話応対でCS向上事例(251)
- 金融業,保険業(46)
- 学術研究,専門・技術サービス業(1)
- 生活関連サービス業,娯楽業(12)
- 医療,福祉(13)
- 製造業(33)
- 情報通信業(16)
- 卸売業,小売業(25)
- 不動産業,物品賃貸業(6)
- 宿泊業,飲食サービス業(10)
- 教育,学習支援業(17)
- サービス業・その他(50)
- 座談会(1)
- 電話応対品質向上委員会(4)
- 建設業(5)
- 電気・ガス・熱供給・水道業(5)
- 運輸業,郵便業(7)
- ICTコラム(120)
- 企業ICT導入事例(175)
- ICTソリューション紹介(83)
電話応対でCS向上事例 新着記事
-
-学校法人 国際総合学園 国際ビジネス公務員大学校-
実社会に貢献するスペシャリスト育成のため電話応対の極意を学ぶ -
-指導者級資格保持者のための品質向上研究会レポート-
人生の豊かさにつながる「言葉のチカラ」、相手に「幸せを届けるツボ」とは -
-株式会社穴吹ハウジングサービス-
24時間365日体制でお困りごとを受け付け自社に加えてグループ企業の総合受付としてコールセンターを運営 -
-オタフクソース株式会社-
CTI・CRMシステム、AIとFAQサイトの充実で食を通じて「笑顔があふれる社会」に貢献する -
-トヨタモビリティ東京株式会社-
コールセンターは自動車販売の「守り」をサポート トヨタ系販売会社を牽引するフロントランナーとして働き方を改革